今シーズンで3回目となる雲龍渓谷(うんりゅうけいこく)にやってきました。
人間の力では絶対に作り上げることはできないこの巨大な氷瀑を前にすると、ありふれた表現ですが自然の偉大さと人間の無力さを感じずにはいられません。
この自然は日光だけじゃなく日本の宝だと思う。
それと、せっかく日光まで来たら是非、東武日光駅前の揚げゆば饅頭もご賞味あれ〜。下山後の疲れた体に少し塩気のきいた揚げ饅頭は格別に美味いです。
たくさん遊んできました(笑)。
この日、日光はあいにくの雨予報。女峰山の麓にある雲龍渓谷では雪になります。
前日の土曜日が天気良かっただけに登山客は土曜に集中し、予想通りこの日は空いてたので初めて滝尾神社よりも上に車を停めることができました。作戦勝ちです。
ルートはハイキングコースと林道コースで悩みましたが、結局安全を優先して林道コースを選択しました。
同じルートを歩いたからこそ、年々雪が少なくなってきていることを強く実感できた旅。
歩きながら本気で温暖化について考えさせられました。自分にできることは何かないんだろうか。
いざっ
■アクセス方法
・日光滝尾神社の住所:栃木県日光市山内2310-1
■ルート
■全行程スケジュール
2017年2月5日
9:55 登山開始 ⇒ 10:15 ゲート前 ⇒ 11:30 洞門岩 ⇒ 12:10 友不知 ⇒ 12:40 雲竜氷瀑(見学と昼食) ⇒ 13:20 下山開始 ⇒ 15:40 駐車場
どうですかこの姿!
東武日光駅前から眺める女峰山。まるでアルプスみたいです。
今日はあそこの麓、標高1,400m付近に広がる氷の世界へご案内します。
ちなみに駅前の揚げゆば饅頭のお店はまだ開店してなかったため、下山後に立ち寄ることにします。
もし滝尾神社の駐車場が満車だったら東照宮の駐車場に停める作戦だったけど、ガラガラで1台も停まってなかった!
こんなこと初めてだよ、もっと上に行ってみよー!
というわけでしばらく走らせると10台ほど停められる広いところがあったので離合の邪魔にならない様に停めました。
そんなわけで歩き始めてゲート前までわずか20分ほどで到着しました。
一昨年は神橋バス停から歩いたので、それに比べればすごい時間短縮です。
このゲートを越えると林道コースの始まりです。
ここからは単調な林道歩きだから端折ります。詳しくは前回の記事を参考にして下さい⇒こちら
今年はぜんぜん雪がない!!
内心すごいショックを受けながら歩いてました。
これが一昨年。
ゲートを過ぎた後から雪の林道を歩き、標高を上げてくるとご覧の通りずっとツボ足状態。
それでも女峰山の姿がかっこ良すぎて気持ち良く歩けたな。この光景は脳裏に焼き付いてます。
だからこそ地球温暖化を切羽詰まったものに感じ、本当に危機的状況だと思いました。
このままだと子供たちの世代にとんでもない課題を背負わせてしまいます。
我々の世代ができることを考える。うーん。
いつになく真剣に考えながら、覗いてみる。きれいだ。
しかも無料で見られるなんて、日光やるな!
あ、地球温暖化ね。すぐ忘れて脱線してしまう性格は一長一短ですわな。
さあここまで来ればもうすぐ洞門岩です。
洞門岩につきました。
除雪したんだろうけど、それでもここで地面がでてるなんて信じられません。
果たしてこの先アイゼンが必要なのか?とりあえずチェーンアイゼンを装着し、右下の沢沿いコースで雲竜渓谷を目指します。
こんな砂防ダムあったっけ?
この後もトレイルが削られてたり、新たに工事車両用の道ができてたり、1年で様変わりした山の風景に信じられない思いでした。
沢沿いコースでいくつか急峻な登りを過ぎると左手に小さな氷瀑が見えてきました。
氷は育ってるみたいだから一安心といったところです。
ここから沢の渡渉が始まります。
ドボンしたら一巻の終わり。防水ブーツと替えの靴下は必須です。
ストックを使って慎重に慎重に。
見晴台について友不知(ともしらず)を見下ろす。
ずっと奥の方。よしゃっ見えた。きちん氷瀑できてます!
3~4回の渡渉を経て、友不知に到着。
今年も見事な氷のカーテン。
今回は林道歩きの区間をだいぶ端折ったから氷瀑の写真をたくさんアップします。
でかい!
上のつららに気をつけながら氷柱の裏に回ります。
ひゃっはー。
氷の世界です。とめどなく滴り落ちてくる水滴でびちゃびちゃになるので、きちんと防寒と防水を意識した冬山装備で来てください。
左奥にタイツにハーフパンツの人がいますが、きっと幻影でしょう。
雲龍瀑へは最後に急登が待ってます。
前爪のあるアイゼンに履き替えることをお薦めします。
ちなみに自分のアイゼンはペツルですが訳あってグリベルのバンドに替えてます。
急坂を登る。雪が少ないからチェーンでも全然大丈夫だったなぁ、と少し後悔しながら下を見下ろす。割と高度感あります。
さあ雲竜瀑の下までやってきました。
相変わらずでかい!
アイスクライミングをやってる人もいます。
頼むから落ちんでね。
氷瀑を眺めながらお昼ご飯。
今自分がハマってるのがこの和ラーメン水炊き味。バリうまです。
しかしだいぶ雪が強くなってきました。
そして人もだいぶいなくなりました。
2月になりました。
耳をすませば、恐ろしいあいつの足音が聞こえてきました。
鬼は〜そとっ
なぐごー
福は〜うちっ!
いねがー
なぐごいねえがー!
青鬼か、赤鬼か、ナマハゲか?
あれ、このネタ毎年やってねぇか?と思いつつ、ピッケルを振り回しながらガルルルルーと唸って近づいていく。
節分になるとうずくぜー。
さて、人も少なくなったし再び氷柱をゆっくり見学。
昼の時間になって気温が高くなってきたからでしょうか、水滴の量がハンパありません。、
自分史上最大の鼻水も一瞬で凍る氷点下の世界。
鼻水で釘が打てそうです。
自分の鼻に突っ込んだ氷柱を同行者にも「やる?」と手渡そうとしたら拒否られたぜ。
氷を接写するとこんな感じ。
家庭の氷より圧倒的に純度は高めですごく硬い。
んまい!
混じりっ気なしって味がする。
自分が口にくわえた氷を同行者にも「やる?」と聞こうとしたら、聞く前から表情で拒否られたぜ。
だよねー。
最後に氷柱の裏にもう一度回ってから帰りますぜ。
水色に輝く氷柱に感動しつつ、やっぱ賑やかな山より静かな方がいいなぁと、少し時間をずらして正解だったと感じました。
今シーズンのこの氷のカーテンも見納め。
ここまでの行程のほとんどが単調な林道歩きだったからこそ、氷瀑を目の前にした時の感動も一際大きいんだと思います。
そう、これから果てしない林道の帰路が待っているんでありんす。
見晴台に戻ってきました。
アイゼン外したり準備に手間取ってる間に同行者達には先に行ってもらったので、1人で友不知を遠目に眺めながらキンキンに冷えたコーラで乾杯。
とりあえず無事に戻ってきてほっと安堵。
雪が降り、林道は薄っすら雪化粧してました。
車を停めたところまで戻ってきました。
途中、ぶっとい丸太がエンジンルームを下から貫いて完全に動けなくなった車が1台ありました。
なんとか動かせないか周りにいた10人ぐらいで考えましたが結局JAFを呼ぶことになり、運転手の無念な表情が見てていたたまれなかったな。
気をつけてても自分だっていつ事故に遭うか分からないと気が引き締まる思いでした。
さっ、揚げゆば饅頭です!!
今日のもう一つの主役だぜぃ!
ぜひご賞味あれ!
イートインスペースもあります。お茶も振舞ってもらいました。
1つ200円とちょっとお高いですが、下山後のご褒美ですからこれぐらいいいでしょ。めちゃ好評でした。
日光と言えば定番のやしおの湯へ。
湯船に浸かってのんびりしてると隣に来た人がセルジオ越後さんでした。
ハハ、そう言えば日光市民だったなぁと思い出した次第です。もちろん声をかけるなんて野暮なことはしません。
ほんのりトロッとした湯は健在。でも相変わらず混んでて慌ただしかったなぁ。
あともう1つ紹介したかったのが、帰路途中に立ち寄ったみどり市の国道122号沿いにあるそばとうどんの自販機。
外観からは全然うまそうに見えないけどね、昭和レトロな雰囲気が漂ってていい感じ。
恐る恐る中に入ってみると本当にあった。
中当たりは舞茸の天ぷら入りとな。
隣の自販機は激辛青唐辛子入りかぁ。
おっ、ラーメンもあんじゃん。
唐揚げラーメン、これにしよっと。
同行者が出来上がりを小窓から見ててドバドバ汁がこぼれてると言ってウケてたな。
唐揚げ、うずらの卵が入ったラーメン。
ラーメンはなんとも素朴な味でしたが唐揚げはめちゃ美味かったです。これで300円ですよ、安さと物珍しさで大満足です。
振り返って
今年もやってきました日光の神秘、雲竜渓谷。
毎度ここに来るときは氷瀑の成長具合をヤマレコとかでチェックしてから日程を決めるのですが、今年も雪不足の不安がある中、期待通りの氷瀑が見られてホント一安心。
未だに山と高原地図には雲竜渓谷へのルートが記載されてませんが、ヤマップだったらダウンロードした地図にばっちり記載されてるのでオススメです。
今やGPS地図は必須です。
準備万端にして多くの人に来てもらいたいです。
いつになくまともなことを書きますが・・。
砂防ダム。工事によって削られた斜面。拡張される工事車両用の林道。
途中、何度も見かけた砂防工事の看板。
おいおい、本当にこの工事必要なの?
歩きながらここの自然が永く守られることを願うばかりでした。
それと年々ひどくなる雪不足。
温暖化と公共工事に、雲竜警告!
・・・・・。おつ。
結局今回も冴えないダジャレで終わんのかよ!
というわけで、ではでは