武尊山 雪山登山(川場) ハロとアークと突風の峰 2年越しの万感の想い(2017.2.19)

武尊山 雪山登山(川場) ハロとアークと突風の峰 2年越しの万感の想い(2017.2.19)

今年も厳冬期にやって来ましたー!上州武尊山(じょうしゅうほたかやま)!!

 

1年前はガッスガスで悔しい思いをした山。

あの時の無念、忘れてませんぜ。

 

だってリフト代もったいないでしょ!往復で2,300円もするんですよ!

下山してチケット戻せば500円戻ってくるあたり良心的だけど、それでも高い。

 

俺の一週間のお昼代より高い!(前夜に半額弁当を買っておくべし)。

 

いや、もしかすると晩ご飯を足してもリフト代の方が高いかも(半額のお惣菜とご飯で我慢すべし!)。

 

それなのにガスガスだなんて。。うぅっ(涙)

 

悔しい!!あちき、悔しい!!

 

でも、恨んじゃいませんよ。

ヤマレコで綺麗な剣ヶ峰の写真を載せて「サイコー!!」なんてレポ読むたびに舌打ちしまくってただけですわ。

ちっとも羨ましくなんてないぜーー!!

 

 

節約をモットーに質素に生きる自分にとって厳冬期はギアの買い足しなんかもあったりして出費がかさむしんどい時期。

赤岳で吹っ飛んでった俺のオーバーグローブが札束に見えたわ。。

 

普段の生活費を削ってでも山に行く軍資金だけは捻出したい。

 

だって今回表紙を飾った様などえらい景色に出会えるんですよ。

 

1年前に見ることのできなかった剣ヶ峰山と武尊山の姿。

もう言葉になりません。全てが報われちゃいます!

 

神様、最後まで見捨てずにいてくれてありがとう。

ラーメン(アーメン)。

 

 

終始、信じられない強風でございましたが。。

てんきとくらすの予報では風速20m。

春の嵐なんかで東京で吹き荒れるビル風なんて、はぁ?これで風吹いてるの?って感じるぐらい別次元の突風。

 

前日の谷川岳の風もすごかったけど、武尊山の方が稜線に出るからもっとすごかった。

 

次々と撤退をしていく登山客を尻目に頑張って登ってきました。

 

この日、山頂を踏めたのは自分たちとソロで来てた男性1人だけだったんじゃないかな。

 

指先が凍傷になるかもと思いながら血が巡るように常に指を動かしながら登る。そんな過酷な状況だったけど諦めないでよかった。

途中から予報通り晴れてくれた会心の登山。

 

お楽しみに!!やった!

 

 

アクセス方法

・川場スキー場へのアクセスは、こちら

■ルート

 

■全行程スケジュール 

2017年2月19日

10:00 リフト乗車 ⇒ 10:50 ゲレンデトップ ⇒ 11:00 登山開始 ⇒ 11:35 剣ヶ峰山 ⇒ 12:55 武尊山山頂、即下山 ⇒ 14:00 剣ヶ峰山 ⇒ 14:05~14:15 昼食 ⇒ 14:40 ゲレンデトップ

 

 

 

う・・・うめぇーーー!!この濃さっ!!

KAWABA飲むヨーグルト、幸せになれる美味さです。

川場スキー場にやってきました。

 

午前は曇り、昼頃から晴れてくる予報だったから、開始時間を遅くするためしばらく時間つぶしてました。

焦ったら負けです。

 

待つことが苦手な我々としてはよく耐えた方でしょう(子供か!)。

川場スキー場の若いスノーボーダー達に紛れて並ぶ我らハートだけは若輩者の登山隊。違和感は隠せませんが気にしないぜっ!

ここ川場スキー場は登山届けを書かないとリフト券を購入することができないとても登山者想いのスキー場です。

 

10時にリフト乗車。ゲレンデトップで登山の準備をして11時に登山開始できたらちょうど晴れる頃に山頂に立てそうです。

ふふっ、完璧な作戦。

 

うーん、晴れるまでって言っても、悪天候っぷりが予想を上回る悪さだよ、こりゃ。

 

ゲレンデトップに着きました。登山者がリフトを降りるときはスピードを落としてくれるとても親切な対応。

スキーをやってた頃から川場スキー場が大好きでしたが、益々好きになってまうわ。

 

日曜だから踏み跡はバッチリ。

だけど、、だけど本当に晴れるの?こんな真っ白だけど?

前日の谷川で晴れ予報に裏切られてるだけに半信半疑で登り始める。

 

踏み跡あるとはいえ稜線に出るまでの踏み抜きはひどいから最初からアイゼン+ワカンの最強セットで登り始める。

このセットでほとんどの雪山に対応できるんじゃないかって思えるぐらいパフォーマンス高いです。

 

登り始めて割とすぐ登場するのが剣ヶ峰の山頂です。

もう既に稜線に出てるから強烈な風を受けて吹き飛ばされそうになる。

ここまでで既に撤退を決めた何名かとすれ違ってます。

 

ガスに包まれた中での雪山の写真ほど伝わらないものはないけど、分かるかな?

剣ヶ峰山の下りはかなり急だから慎重に進みます。

 

振り返るとこんな感じ。アイゼンを効かせながら下れば大丈夫。

行程は短いし高低差も少ない。時間はたっぷりあるから焦らずにね。

よしよし、ここまではまだ序の口。

 

こないだの西穂の方が状況は厳しかったし、昨日の谷川も相当な悪コンディション。

自分の中にまだ余裕があることを確認し、同行者の様子を伺いながら進みます。

 

左半身だけでずっと強烈な風を受け続けてるから、常に体の変調を確認しながら登る。

ここでも撤退を決めた3人組とすれ違ったけど、ここから先の踏み跡が極端に分かりにくくなる。もしや今日ここから先を歩いた人はまだいないのかも。。

 

同行者が付いて来てるか、ふと振り返ると、意表をつかれました。

もうちょっとでガスがとれそう。

とれそう

 

とぉ〜れたぁぁぁああああああーーー!!!!

うぅぉぉっしゃーーーーー!!!

見えるっ!!

やっと見えた、2年越しの剣ヶ峰山だよ!!!

たまに晴れそうな気配を見せればすぐ真っ白な世界に逆戻りする気紛れな空の下、この剣ヶ峰山が見えた瞬間は総毛立つ思いでした。

 

おぉーー、更に日射しが増していく!!

次々とヤマレコに投稿される剣ヶ峰山の写真を見て、ずっと羨ましくて、悔しくて、何度も地団駄踏んでたけどもういい!!許しちゃう!(冒頭で羨ましくないと書きましたが嘘です!!)

やっと願いが叶ったよ(ワッショイワッショイ( ̄▽ ̄))。

こんな悪条件で必死に登ってきたからこそ、まさに万感の想いってやつですな〜。

 

一瞬だけど青空も見えた。

青空はすぐに真っ白な世界に戻り、その瞬間猛烈な風に襲われる。その繰り返し。

とても真っ直ぐには歩けないし、風の音が恐ろしくて慄然となります。

 

振り返って同行者の様子を伺う。指でOK作って「いける?」と聞くと親指を立てて大丈夫と返ってくる。

10mほどの距離でも声は風で搔き消されて届かない。おぞろじい。

でも、不安だけど頑張れば今日はツキが回ってくる。怖さはあるけどこれ以上悪くなることはないから自分に一歩、もう一歩踏み出せと心中つぶやいてました。

 

去年、山頂へは右に巻きながら登った記憶があったから、ここで左へ流れる踏み跡を追いながらこのピークは偽なのかと思い心底ガッカリしました。

武尊山の山頂がまだ先ならそろそろやばいよ、今日はこれ以上は無理かもしれないと急に不安に襲われる。

登頂できた人とそうでない人の境目はまさにここにあったと思う。ここで踏ん張れたのは西穂の苦い経験があったからこそ。ぎりぎりだったけどまだなんとか行けると思えた。

 

「あれ?あれれ?ここ登るの?」

左からてっきり巻くもんだと思ってたからピークに向けて踏み跡が続いてるのを見て、

「え、やっぱ?この存在感、これが武尊山だよね?そうだよね?」

と半信半疑で登りつつ絶対山頂だという思いもあって最後の一踏ん張りと奮起。

これでもし偽ピークだったらもうホント無理でした。晴れ間は見えるけど益々強まる風を前にさすがに戦意喪失気味だったので。

 

だからこの山頂標識が見えた時は本当に嬉しかった!やったぞ!!

眺望ゼロだけどとにかくやった。

オラ、やったどーー!!

 

うわっとっと。

風がぁーーー!

 

なにくそっ

こちとら高いリフト代払ってここまで来とんじゃい!しゃらくせぇ!!

 

うああああーーー

やっぱ無理。死んじゃう

 

数秒で山頂を後にしましたが、風で自分たちの踏み跡も吹き飛んでるところがあって下山は油断できませんでした。

ご覧の通り真っ白だし。

 

でもね、武尊山は見捨てなかったんです。

ほんと諦めないで良かった。

 

最高のタイミングでパァーッと晴れた!パァーーッとね!

なによこれ!!カッコ良すぎ!

この角度からのこれが見たかった!

もう武尊に思い残すことはない!

 

振り返ってみる。

武尊山がこんなにも真っ白なピークだったとは。

 

大絶景。

来て良かった。ゴーグルの中はもうニマ〜ですよ。

ぎりぎりまで平標と武尊のどっちに登ろうか悩んでる時に「武尊にしよう!」と言った同行者にも感謝。

この景色を眺めながら歩けるなんてね、幸せもんだよ。

 

似たような写真ばかりですみませんね。

そう、2年分の喜びを画像の量でアピールできる時がやっと来たわけよ!

 

どうよどうよ。

 

ゴーグル越しでもはっきり分かる。太陽の周りのハロと環水平アーク。

さあここから一気に晴れに転じますよ!

 

薄っすらと見えるハロを見上げながら目の前の小ピークを越えて行く。

もうすっかり余裕を取り戻し、目まぐるしく変わる天候にも厳冬期ならではの面白さを感じる。一歩一歩に大満足。

 

つくづく天気って不思議だなぁと思う。

いくら予報通りと言ったって、さっきまで底辺だった天気がなぜゆえにここまで急にスカッと晴れるのか?

予報士ってすごい!とあらためて思う。

 

尾瀬方面はまだ分厚い雲が覆ってるけど、あの雲が散り散りになって消え去るのも時間の問題だろうな。

 

前方には自分たちと同じく山頂を踏んだソロの男性。よく一人で心が折れなかったなと感心する。

 

相変わらず風は強く、地吹雪がゴーグルとバラクラバの隙間の肌に当たり刺すように痛いけど、太陽が出ただけで暖かく感じられるんだから不思議です。

 

 

川場ルートだと下山と言えども小ピークの登り返しがいくつか待ってるし、最後にこの剣ヶ峰山の登りが割としんどい。

前日の谷川岳の疲れも残ってるし、今日は最初からダブルストックで甘えちゃってます。

 

これぞ山頂、って感じの剣ヶ峰山の頂上へ。

ここを越えたら風を避けながらお昼にしよっかね。

 

カッチコチ~。俺の最強胃袋でもこりゃ無理だわ。

というか雪山でおにぎりがダメだってことぐらい分かってまんがな~、ちゃんとパン持ってきてますよー。

セブンで買ったアンパンと~、北関東限定の「まいたけのチーズ焼きパン」!!

こっち方面に来たらセブンで欠かさず買ってるのがこの「まいたけのチーズ焼きパン」。マジうまいから!!おすすめ!

買って!!

このブログ読んでる人みんな買って!!!

人気がでたら都内でも販売開始されるかも(期待しちゃう!)

 

あ~、極楽じゃ~。コーヒーもいただいちゃってます。

この時間から登ってくる酔狂な人なんておらんもんね、最終のリフトの時間までだいぶ余裕あるしのんびりまったりさせてもらうよー。

空は川場ブルーだね、武尊ブルーっていうのかな?これだから雪山はやめらんないよ。

 

トレイルのど真ん中でくつろいでたら、まさか登ってくる2人組みが来て慌てて道を開ける。酔狂モンや。。

パタゴニアのソフトシェルを着てたので思わず、

「この峰を越えたら信じられない風が吹いてますよ。踏み跡消えてるかもしれないですよ」と伝えました。

ソフトシェルじゃダメだよ、絶対山頂まで行けないよ。。

だけど・・・くぅ~パタゴニア、羨ましいぜ!

 

さっ、我々は下山するとします。

やっぱ霧氷と青空のコラボはたまらんですな。

 

左の雪庇方面に落ちたらゲームオーバー。

じゃ、行くね。尻セードどえす。

 

リフトトップまであっという間でした。

すごい賑わい。ここまで下りてくると無風です。日差しも強烈。最高のスノーパラダイスです。

(帰って鏡見たらパンダ焼けしてました(T_T))

 

大成功!!

年々基礎代謝が落ちてる中年でもハートは若輩者さ!と、川場で一番賑わう第1リフト前でいつもの勝ちポーズを決める。

 

今日の武尊山はこれまでの経験が生きた素晴らしい山行になりました。

 

前回は露天風呂が工事中で内湯しか楽しめなかった望郷の湯へ。

やっぱ今年は雪が多いんだな。去年は全く雪はなかったと思ったけど。。

 

大丈夫!!99点も0点も100点じゃないのは同じ!!

0点側の意見だな、篠原うける。篠原サイコー!ダー!!

「99点だったら誉めてほしいな~」、とは同行者の感想。分かる分かる。

 

振り返って

 

この日は最終的には好天に恵まれたので、東京方面への帰りの国道17号は激混み。

時間に余裕はあったので、のんびり国道17号で帰ります。

沼田から赤城を抜ける区間は車がひしめき合い、信号もないのになかなか進みませんでしたが、川沿いの三国街道から眺める赤城の景色はのんびりで素朴。

そんな峠道を行ったところに行列ができるもつ煮屋さん「永井食堂」がありました。

 

寄ってく?寄ってこう!!!

日曜は食事はできませんが、お持ち帰りを購入することができます。

持ち帰りの3人前のモツ煮がなんと1060円?1070円?・・えーい、忘れた!けど安い!そして美味い!

↓↓↓買うべし!大根を刻んで一緒に煮て食うべし!!

 

 

武尊山からの下山では猛烈な風が吹いてるにも関わらず、息を飲む美しい景色を前に時間が止まったかの様な静けさの中にいる感覚に陥りました。

前日までの踏み後は風にかき消され、振り返るとこれまで歩いてきた自分たちの足跡が点々と続いている。

下山し、同行者と別れ電車に乗り込みLINEを送る、

「また絶景を見に行こう!」。

 

やっと見ることができた。そんな思いが繰り返し込み上げてくる。

しばらくは山に登らなくてもこれだけで満足できそうです。

 

ではでは

 


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