春は曙 やうやう白くなりゆく山ぎわ。
夏はかき氷、やうやう白くなりゆく白くま。
秋はカレー、もりもり食べてがっつく山ぎわ。
冬はモツ鍋、雪の降りたるころ締めはちゃんぽん言うべきにもあらず。
山登りをしていれば、春のアカヤシオ、夏のニッコウキスゲ、秋の紅葉、冬は鍋っていうのは外せない。
最後のはちょっと違うけど、まあなんにしてもせっかく遠出するのだから四季折々、旬の楽しみを見つけながら歩かないと損だわね。
そんなわけで今回はお姫さま(一番上の写真の花ね)。
新潟県と福島県の県境にあるここ浅草岳に登ってきたよ。
この「ヒメサユリ」が群生する山は意外と少なくて、自分は過去に飯豊山でも見たことがあるんだけど、新潟県、福島県、山形県、それぞれが県境を接するような山域でしか見られないという、とても稀少な山野草。
その中でも浅草岳はヒメサユリの自生地としては大本命の山どえす。
浅草岳は過去に六十里登山口から鬼が面山経由の長〜いルートで登ったことがあるけど、その時は安定のガス景で悲しい思い出しかないわけです、はい。
だがしかーし!
今回は王道のネズモチ登山口から周回コースで歩いて体力的にもちょうど良かったし、しかもスッキリと晴れてくれたし、姫様も満開だったし、とても満足度の高い山旅になったよ。
浅草岳は日本三百名山、標高1.585m。新潟と福島県只見町の県境にある秘境の山。
標準コースタイム
■2024年7月7日 ※カッコ内は標準コースタイム
ネズモチ平駐車場⇒(15分)⇒ネズモチ平登山口⇒(80分)⇒前岳⇒(15分)⇒浅草岳⇒(15分)⇒前岳⇒(20分)⇒カヘヨノボッチ⇒(60分)⇒桜ゾネ広場⇒(25分)⇒ネズモチ平登山口⇒(10分)⇒ネズモチ平駐車場
コースタイム:4時間00分
浅草岳のヒメサユリ
ネズモチ平登山口から登山スタート
はて?
なんでカメラが起動しないのかな?とバッテリーを覗いて見てみれば自分の脳みそと同じまさかの空っぽ。
しかもこの日に限って予備バッテリーも忘れるという大失態。
スマホは最新のGoogle Pixel8だけど、そりゃカメラとは雲泥の差なわけで、
本気で膝から崩れ落ちたよね、せっかくのヒメサユリだというのに…。
ここは頭を切り替えてスマホカメラの実力を探る機会にしようかな。
ネズモチ登山口までのアクセスは一部未舗装の道があったり割りとワイルドな道だったけど、着いてみればこんなきれいなトイレが設置されててなかなかのサプライズ。
ヒメサユリの最盛期だからさぞかし混んでると思ったけど、朝の7時時点でこんなに空いてる。
まさか…
終わってたりして?
一部舗装されていない道路をえっちらおっちら車で走ってきたけど、ここからはアスファルトというのがまたもサプライズ。
駐車場から10分ほど歩いて登山口に到着。
今日は時計回りの周回ルートで歩いて再びここに戻ってくる予定。
今年は10年に一度の猛暑だと多くの天気予報が言ってるけど、10年前はここまで猛暑じゃなかったよなぁと思う。
赤道直下みたいな濃い緑で日差しをブロックだ。
うん、陰影の強弱もしっかり撮れてる。Pixel8なかなか良いぞ!
足元はびちょびちょ。
こういう日陰の写真は苦手なんだな。何を撮りたかったのかさっぱり分からない絵になってしまう。
沢を渡る。
カラマツソウ。
ネズモチ平のコースだと累積上りはたったの780m。
「こりゃ楽勝だな」、そう思ってしまったら最後。
登山で疲れるかどうかなんて半分以上はマインド次第だということをよく分かっているはずなのに。。
楽勝だと思った時点で、もう己との戦いに負けてるのだよ。
まだ歩き始めたばかりだというのに、急登がなかなか終わらないなぁと戸惑っている。
完全に己との心理戦に敗北している。
日帰り登山では下山後すぐ温泉に行けるのだからとにかくたくさん汗を流して毛穴に詰まった油かすを洗い流しておきたい。
毎日、パワハラ受けてる間は脇の下からだけは大汗かいてるんだけどね。
遠くに見えるのは守門岳。標高を上げながら周囲の風景が変わっていくのを楽しむ。
スマホカメラも明るいシチュエーションなら一昔前のカメラと遜色ない画質になったなと思う。物理的にレンズの小ささによる光量の少なさはカバーしようがないけど、だいぶソフト面の画像処理技術が向上してる感じ。
帰りに歩くルートも見えた。
分かりやすい周回ルート。
樹林帯の真ん中で円形脱毛症になってるのが駐車場。
樹林サウナに耐えながら頑張ってここまで上がってきたよ。
ギボウシ。
新潟と福島の県境というとんでもない豪雪地帯でも負けずにここまで大きく育ったブナは国内でも最強のブナかもしれない。
ブナじゃなかったりして🤣
暑い暑い言ってても何も楽しくないから、頭を切り替えて樹林サウナの中を歩けることの喜びを感じながら行こうじゃないか。
パソコンと向き合ってばかりの日常からすれば天国だ。
少し樹林の背が低くなってきた。
標高が低い山だけど豪雪帯だから森林限界も低い。
トンボも増えてきた。この山では7月アタマでぶゆやアブなんかの嫌な奴はまったく見なかったよ。
それにしてもスマホカメラの接写の能力に驚くわ。
夏らしくハナニガナがいっぱい。
春は桜や雪割草といった淡い色の花が多いけど、夏になると強い色の花が多い。
ヒメサユリはもう終わり
ここで山頂と桜曽根登山口の分岐。
下山は桜曽根方面へ行ってネズモチ駐車場へ戻る。
右手前のピークが前岳で、奥が浅草岳。
もうとらえたも同然。
ちなみにこういう平べったい絵になっちゃうのはレンズの小さいからね、スマホの中で画像処理を一所懸命してるんだろうけどこういう遠景は苦手なところなんだろうね。
さすがスマホ、やはり接写は大得意。
ここで第一ヒメサユリ発見。
YAMAPでは「ヒメサユリ開幕!」というコメントがある一方で「もう終盤です」というコメントもあったりして心配したけど、開幕したばかりが正解みたいだよ。
なんていやらしいところに雪が残っているんだ。
滑ったら体重を生かして加速で大ケガ確定だ。
トレランシューズだと蹴り込んでも弱いから上から巻いてここはクリア。
木道はすれ違いが少し面倒くさいけど歩きやすいことこの上ない。
もう終焉を迎えようとしているヒメサユリ…
やはり終盤だったか。
ほんと、浅草岳って良い山だよなぁ。
前回はガスガスでここら辺はさっぱり姿が見えなかったからね、余計にそう思えるのかもしれない。
ワタスゲがほんの少し残っている。
ああぁぁ…
完全に終盤が正解!!
1箇所だけニッコウキスゲが咲いてるところがあって、4人ぐらいで群がってた人たちが捌けるのを待ったよ。
山頂へと続く最後の登りではヒメサユリはぜんぜん咲いていない。
山頂に咲いてることを願いつつ、一等三角点をフミフミしに行こうか。
前回歩いた六十里登山口からのルートが見えた。
距離が長くてね、自分は下山の途中で後悔したけど🤣
一度は歩いてみても良いルートだと思うよ。
あと10m。
山頂の元気玉
ヒメサユリが咲いていない山頂に到着。
まあヒメサユリは置いといて、ここからは景色がとても良いので軽くご紹介。
まずは卍(マンジ)の田子倉湖。
アンパイアが白井(しらい)だった試合は見たことがあるから、次はマンジを見てみたい。なんのことか分からない人は容赦なく置いてく。
遠くの大きな山は左が中ノ岳、真ん中が越後駒ヶ岳、右が八海山。
手前の稜線の三角ピークが鬼ヶ面山。
よく晴れた完璧な眺め。
奥只見〜会津エリアはほんとに山深く、どこを見ても国内でも指折り山岳美が広がる。
特に冬景色は圧巻の一言。
守門岳の山頂からこの山々が折り重なる景色は忘れることはできないし、改めて雪山の持つ魅力は魔性的で恐ろしいなと思う。
でも雪山も深入りすると死んじゃうからね、今ぐらいにとどめておこうと思っている。
そして、おっさんは岩の上に立ち、大自然から発せられるフォースを授かろうとしている。
まずは小声で
「パワー」(きんにくん風に)。
そして叫ぶ。
「みんなー!オラに元気を分けてくれぇぇーー!!!!」
元気をー!元気を分けてくれーー!!!
もっとー!
もっとオラに元気を分けてけれー!!
元気になりたくてメンチカツコロッケを食べたけど、悪い油で揚げてるぽくて、この直後からめちゃくちゃ気持ち悪くなった。
うぷっ(吐きそう)
神様、無事に下山できますよーに。うぷっ。
ここから己との戦いが始まる。
吐くわけにはいかない。
山頂の少し先まで足を伸ばしてみると暑さで萎れる寸前のヒメサユリがいた。
花のベストシーズンを狙うのは難しい。
浅草岳の名の由来
わざわざ新潟と福島の県境までやって来たというのに…
期待したほど咲いてなかったなぁと残念がりながら、下山する。
浅草岳にも池塘が点在している。
ここで吐くわけにはいかない。
山頂を少し下りると草原が広がっている。
そうこれが浅草岳の名の由来になった光景。
ヒメサユリ岳の方がいいね。
イワイチョウ。
スマホがPixelだとGoogleレンズでなんでも答えてくれる。
総合的に考えたらカメラより良いかもしれない(笑)
いや、やはりベストなのはコンデジのX100シリーズとスマホの二刀流だと思う。
X100ならデジタルテレコンもついてるからちょっとした望遠だってカバーできるし、なによりハイブリッドビューファインダーとフイルムシミュレーションで撮る楽しみを堪能できる。
これまて5回も抽選販売にエントリーしてるけど、さっぽり当選しないんですけど…。くそっ。
分岐に戻ってきた。
ここから桜曽根を下ってネズモチ登山口へ帰るよ。
ヒメサユリは残念だったけど晴れた日にこの標高1,500mオーバーに広がる草原の風景が見れて良かった。
うぷっ。
吐き気との戦いは地味に続いている。
ずーっと続くトレイルの先に控える登り返し。
気持ち悪い時に律儀にあんなピーク登らせるルート取りがあまりに酷だぜぇ🤣
ラストヒメサユリ
おお、こんなところに萎れる寸前のヒメサユリが咲いてるじゃあーりませんか。
花びらが黄色く変色してきててちょっと痛々しい。
これが見納めってやつね。
くそっ、吐き気さえなきゃめちゃくちゃ気持ち良いルートなのに!
六十里ルートよりはるかにこっちのルートのほうがお薦め。
えっ!!
ほんと、突然だった。
まさかのあたり一帯ヒメサユリだらけの区間に突入するというラストサプライズ。
しかも終盤どころか、ここのヒメサユリはぜんぶ元気に咲いてる。
普通に考えれば、標高が高いところで枯れてたらそこより低いところでは終わってるというのに。
右も左も、木道を挟むように咲くヒメサユリ。
なんだよー嬉しいじゃねぇかよーまったくーこのこのーうほうほっー
姫〜!一段とお綺麗でござるぞ!
いやはや、待たせすぎだよ。
このルートのピストンで良いぐらいだけど、最後のサプライズという展開だと喜びも倍増する。
前歩いた六十里コースではそれほど多くのヒメサユリが咲いてたわけではなかったから、浅草岳ではこのコースが間違いなくベストだよ。
こんなだもん。山頂でガッカリしてた時間がアホらし。
ほれほれ、これが浅草岳を一躍有名にした光景だよ。
ああ、もうほんとね、カメラのバッテリーを忘れたのが悔やまれる。今やただのオモリと化してザックの中で眠ってるという悲しい事実。
なぜあそこを巻かずに律儀に登らせるんだか…。
YAMAPを見ると「カヘヨノボッチ」とかいうだいぶいかれた名のピークみたいだ。
ゴゼンタチバナとヒメサユリのコラボ。
これが見納めのヒメサユリどえす。
吐き気がまだ少しあってしんどいけど、意を決して登り返しに突入。
カヘヨノボッチめぇ!メンチカツめぇ!
眼下には駐車場も見える。
アルプスとかだともうすぐそこがゴールだって思えるんだけど、今日みたいに全体の行程が短いとすごく遠くに感じる。
カヘヨノボッチからは登りで歩いた尾根も見える。
カヘヨノボッチから少し先の五合目に到着すると鐘が設置されている。
とりあえず大人気なくガンゴーンゴーンと3回鳴らす。
皇太子様と雅子様の成婚記念に設置した浅草の鐘だそうです。
古代史好きの自分としては神武東征は事実だったと信じたい一人です。
浅草の鐘を過ぎるとフットサルコートぐらいの広場に出る。テン場?
最後の下り
広場からはブル道みたいに整備されたトレイルで、途中には遭難者を助けるために山に入って雪崩で亡くなった小出警察と消防士の慰霊碑もある。
ほんと、悲しい事故だけど、雪山に深入りしないようにしなきゃ。
もう駐車場までほ軽トラでも走れそうな舗装路が続く。さっき見えた駐車場までこんな道ならあっという間に着いちゃうな。
へい、開始地点のネズモチ登山口に合流。
吐き気はおさまったけど、今度は暑くて口数が少ない(笑)
暑いと言っておきながら、だらだら歩くのは逆に辛いと、最後は駐車場までなぞのトレラン。
おっさんは元気だ。
駐車場に到着。
こういう風景を撮るならほぼカメラとスマホの差って感じられない。
温泉は帰り道の途中にあった浅草山荘の立ち寄り湯。
山奥なのにこんな立派な施設だったからびっくりしたよ。
おわり
福岡のローカルタレント、ノボせもんなべ。
ゴットタレントでゴールデンブザー獲得!おめでとー!!!
出場できるだけですごいのにゴールデンブザーってね、すごい快挙。
だがしかーし!そんな快挙なのに「とにかく明るい安村」が先に話題をかっさらってしまったからか、まったくニュースに取り上げられない。
ちなみに「福岡くん」の番組調査で、地元福岡でさえノボせもんなべの認知度が7%止まりだったという驚愕の事実😂
やはり先駆者は偉大ということです。
中田英寿がセリエAで成功して、それ以降多くの日本人が海外でプレーしてるけどそれほど大きなニュースにはならないもんね。
野茂英雄のメジャー挑戦以降もしかり。伊良部がヤンキースでプレーしてたなんてもう誰も覚えてないよ。吉井理人だって、あの桑田だって何気にメジャーで投げてるんだから。
うそだろ。そんなまさか、安村は中田ヒデと野茂英雄と肩を並べる存在だったのか!
そりゃノボせもんなべもかなわんよ。
ちなみに個人的に川崎ムネリンのメジャー挑戦は追いかけてたけど。
ムネリンの盗塁モーションはマジで笑えるからYouTubeでぜひ見てほしいところです、はい。
まあなんにせよ、ノボせもんなべ、これからも頑張れ!
最後に浅草岳のことにはまったく触れなかったけど、帰りはいつも通り御当地スーパーでしっかり節約しながらお土産とお弁当を買って帰ったよ。
今年の夏は異常に暑くて熱中症が心配だからちょっと控えるかもです(かなり弱気)
ではでは