2017年11月4日~5日、南アルプスの鳳凰三山を縦走してきました。

登山を始めた頃、鳳凰ってすっげぇ名前だなと強烈なインパクトを残したこの山に、この度やっと登ることができました。

ルートは、夜叉神峠登山口から入って、薬師岳~観音岳~地蔵岳を縦に貫き白鳳峠経由で広河原へ下ります。鳳凰三山を満喫できる1泊2日の定番ルートを、ほぼコースタイム通りに歩いてるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

毎度、同じことを書いてる気もしますが、、日の出前と日没後の薄明りの時間をマジックアワーと言います。

今回の登山で最大の目的にしていたのが、そんな日の出前のわずかな時間にしか見られない、夜空と太陽光が折り重なる幻想的なグラデーションを写真におさめることでした。

ゆっくり明るくなっていく空と、オレンジ色に染まる雲海は標高が高い山からでしか見ることができませんが、狙い通り撮ることができて大満足の旅となりました!

それが、こちら ↓↓↓

 

 

こんな景色が見られたのも、ひとえに薬師岳小屋が稜線まで歩いてわずか10分という好立地にあったお陰。今年8月24日に建て替えが終わったばかりの薬師岳小屋は、まだ新築の香りが残るできたてほやほやの小屋。夜も暖かくて居心地サイコーでした。

夜、思い立ってヘッデンとカメラを持って薬師岳山頂まで月を見に行くと、月明かりに浮かび上がる富士山と眼下に見える甲府の街明かりがとても綺麗で、消灯の20時を過ぎても何人か残って撮影会が続きました。

 

客を客として扱う北アルプスの山小屋と、客以下で扱う南アルプスの山小屋。そんな風評をたまにヤマレコとかで見かけますが、少なくとも今回お世話になった薬師岳小屋と、途中で立ち寄った夜叉神峠小屋のスタッフはすごく親切で、今回の旅を更に良い物にしてくれたのは間違いありません。

ありがとう、薬師岳小屋!また来るよ!

ちなみに荒川三山でお世話になった小屋のスタッフもすごく親切でしたよ。

 

さて鳳凰三山ですが、総称して鳳凰山とも呼ばれているこの山は以下三山のことを指します。

・薬師岳(やくしだけ) 2,780m
・観音岳(かんのんだけ) 2,841m
・地蔵岳(じぞうだけ) 2,764m

日本百名山、新花の百名山に選出されてます。

 

甲府の街明かりと月明かりに浮かぶ富士山。

絶景が待ってまっせー

いざっ

 

 

 

■アクセス方法

・スマホのGoogleマップやYahooナビで「夜叉神の森」を目指してください。
・夜叉神峠駐車場は水洗トイレ完備。

 

 ■ルートとスケジュール

■2017年11月4日(1日目)

7:20 夜叉神峠登山口 ⇒ 8:25 夜叉神峠 ⇒ 9:45 杖立峠 ⇒  11:15 苺平 ⇒ 12:00 南御室小屋 ⇒ 13:35 薬師岳小屋

活動時間:6時間15分

 

■2017年11月5日(2日目)

5:35 薬師岳小屋出発 ⇒ 5:45 薬師岳山頂 ⇒ 6:10 観音岳山頂 ~日の出~ ⇒ 7:40 地蔵岳 ⇒ 9:00 高嶺 ⇒ 9:40 白鳳峠 ⇒ 11:30 広河原

活動時間:5時間55分

 

2日間合計:12時間10分

 

 

11/4 1日目 夜叉神峠登山口~薬師岳小屋

<1日目>

活動距離:9.63km
累積標高上り/下り:1,714m/393m
消費カロリー:3,262kcal(目安 身長180cm/73kg 男性)

 

11/5 2日目 薬師岳小屋~薬師岳~観音岳~地蔵岳~高嶺~広河原

<2日目>

活動距離:7.9km
累積標高上り/下り:534m / 1,758m
消費カロリー:2,879kcal(目安 身長180cm/73kg 男性)

 

■2日間の合計

・消費カロリー:6,141kcal 
・活動距離:17.5km
・累積上り/下り:2,248m/2,151m 

 

 

 

登山開始

 

今回も周囲からの好奇な目を気にすることなく撮り続けた航空撮影を使って、南アルプスをご紹介します!

 

南アルプス北部の山々です。左下に延びる稜線は塩見岳に通じてます。

こうやって見ると、仙丈ヶ岳は3千メートルを越えてるのに山頂まで青々としてます。

それに対して花崗岩でできた鳳凰三山や甲斐駒ヶ岳の山頂は真っ白なのが見て良く分かります。

ちなみに撮影したのは10月下旬で、北アルプスと白山は冠雪して真っ白でした。

 

本日は夜叉神峠登山口からスタートです。薬師岳小屋までコースタイム6時間40分の道のりです。

初日は小屋までしか歩かないので、のんびり出発です。

この翌日が広河原〜夜叉神峠間のバス運行の最終営業日ということもあって、駆け込み登山客でそこそこ賑わい駐車場は8割ほど埋まってました。

 

7:20

ここから登山開始。ツキノワグマに注意という看板を至るところで見かけました。よっぽど多いんでしょうね。

強烈な獣の臭いがしたら近くに熊がいると思った方が良いです。鼻炎の方は諦めてください。

 

さあ、鼻の通りが良いことを確認したら熊の森を行くよ!

 

一歩森の中に入れば、冬へ向けて装いを替えつつある原生林が迎え入れてくれます。

 

芦安中学校からのメッセージ。学校行事で無理矢理登らされて山を恨んでる子も多いことでしょう。自分はもっと若い頃から山を知っときたかったと良く思うので羨ましい限りです。

 

昔は夜叉神峠まで急坂が続いてたらしいのですが、今はつづら折りの斜面を緩やかに登っていきます。

 

8:25

ほどなく1時間ほどで夜叉神峠小屋に到着。夜叉神峠までの簡単なトレッキングを楽しみに来る方も多いんだそうです。

 

小屋のスタッフと話してると、今日作ったばかりの味噌田楽を薦められたので購入しました。1つ150円です。

 

多めに味噌を垂らし、残った味噌をおにぎりに付けて食べるとミシュラン越えるよ。この景色を眺めながら食べられるんですから。

 

さあ、出発。

ザックを背負って準備をしてると、小屋の女性スタッフが駆け寄ってきて『これがあったから遭難しても助かったってならないようにね』と言って飴ちゃんくれました。

嬉しくて、すぐ食べちゃいましたよ。

 

夜叉神峠小屋から薬師岳小屋までは6時間。途中、杖立峠、苺平、南御室小屋を経由していきます。

 

9:45

まず最初のポイントの杖立峠に着きました。初日はスケジュールにだいぶ余裕があるので、ポイントポイントでザックを下ろして休みます。

薬師岳小屋には14時頃に到着できればいいから、ちょいちょい休みます。

 

杖立峠から苺平まで、2時間30分?

その上に1時間30分ってテプラが貼られてるけど、どっちなんでしょうかね?

そんなわけで、計測してみたいと思います。ちなみにヤマップの地図に記載されてるコースタイムは2時間です。どれも違いますね。

 

薬師岳小屋まではひたすら樹林帯ですが、丹沢の様な杉林ではなく原生林の中を悠々と歩けるので、静かな山歩きを楽しめる。

 

ところどころこんな感じで景色が開けるところもあるし、気分的にはラクです。

 

それに標高を上げるに従って、葉を落とした木々が広い青空を見せてくれから開放感がある。こんな樹林帯ならウエルカムです。

ちなみにここらへんでポツリポツリと雨が落ちてきました。こんなに晴れてるのに。

 

11:15

杖立峠から1時間30分で苺平に着きました。テプラの時間が正しかったんですね。

ここらでお天気雨はお天気アラレに変わりました。気温はかなり下がってきたんだけど、歩いてるとちょうど良いぐらいです。休んでるとちと寒い。

 

大福食べて栄養補給します。今度苺平に来ることがあれば苺大福にしますよっ。

ちなみに苺平の名は、ヘビイチゴがたくさん生えてることに由来してるそうです。

更にちなみにヘビイチゴは毒はありませんが、不味くてとても食べられないそうです。

 

苺平の次は南御室小屋が次なるポイントです。かなり下ります。もったいない。

 

なんで下るんだー!!

鬱憤がたまってまたやっちまいました。

 

12:00

更に下っていくとなかなか味のある南御室小屋(みなみおむろごや)に到着。薬師岳小屋には水場がないのでここで大量に汲んでいく必要があります。持参したコーラも合わせると水分だけで3.5リットル背負うことになります。。

 

この時期のテン場は空いてます。右奥に自分達の後ろを頑張って登ってきた小学2年生ぐらいの男の子とお父さんがテントを組み立ててました。

なんとも微笑ましいけど、夜はかなり寒くなるだろうし、大丈夫だろうか?

 

すごく天気は良いんだけど、先程からのお天気雨が突然の・・

 

猛吹雪です。信じられへん。

 

もう少しゆっくりしたかったけど、雪を回避するため樹林帯の中に避難し、薬師岳小屋へ向け登山再開。さっきのテントの子供が寒くないか少し心配ですが、いざとなれば小屋も近いし大丈夫でしょう。

やっぱ水を汲んだ分だけ重さが足にきます。

 

空が開けました。森林限界までもう少し。思いのほか稜線がすぐ近くだったので助かりました。

 

そして、これが噂に名高い砂浜の様な白い山肌です!

岩もゴロゴロしてて鳳凰三山らしさ満載の稜線です。

 

更にらしくなってきました!奥に山が見えなければビーチみたいだ(ちと言い過ぎ)。

ビーチと言うには寒過ぎますが、折角だからやっとくか!

 

あっはっはー、ビーチビーチ。

 

巨大つららも発達中。

 

13:35

遊びながら歩いて、ようやく薬師岳小屋に到着。

小屋の最終営業日ということもあって混んでました。電話で寝るスペースぐらいはあると聞いてたので、その点は心配してなかったけど、団体がうるさかったら嫌だなぁ~と恐る恐る受付を済ます。

ちなみに寝具なし素泊まり5,000円にしました。寝具あり素泊まりだと6,500円、2食付き9,000円です(2017年11月時点)

 

なんと割り振られたのは個室の5人部屋!ラッキー🎵

しかも!大柄な男が多いということで、4人で使って良いとのこと!嬉しくて小屋のスタッフとがっちり握手して感謝を伝えましたよ!

これまで体が大きくて損することばかりでしたが、こんなラッキーなこともあるんだなぁ~と。きちんと客を見てるからこういう対応をしてくれるのでしょう。ありがとう、薬師岳小屋!

 

大部屋はこんな感じ。昼寝してる人もいたので写らないように、小さなカットですみません。

 

食堂はこちら。ご飯の時間以外はここを使って良いとのことでした。ストーブの使用は火災報知器がたくさん設置されている関係で土間か外でお願いしますとのことです。

食後はこの部屋のテレビで日本シリーズを見ながら岳を読んでました。岳ってバタバタ死んでいくからちょっと怖いっす。。

 

暇を潰そうと、夕日を見に薬師岳の山頂まで散歩に来ました。小屋から10分で山頂です。

うっすら雪が積もってますが表面だけだから滑らないけど、とにかく風が強くて寒いです。稜線に出るときは防寒対策は抜かりなくしましょう!

 

標柱は壊れてたので、抱えて立たせての一枚です。腕がプルプルします。

それにしてもガッスガスです。夕日は期待できそうにありません。

 

しばらく粘ってるとガスは晴れてくれたんだけど、これが限界の様です。残念ですが明日は快晴予報だし、楽しみは取っときましょう。

 

土間の雑談スペースでスパゲティ食べて、しばし談笑。

ピザでも食べて、とお隣さんからお裾分けをいただいちゃいました。どうぞどうぞと勧められ、結局一枚完食しちゃいました(笑)

 

テレビで日本シリーズ見てたら眠くなってきて、このまま寝るのはもったいということで再び山頂に散歩。

色んな撮影条件を試してみました。

ISO3200、F値1.4だとご覧の通り夜とは思えない明るさ。街明かりが夜だって気付かせてくれるけど、本当は真っ暗だなんて信じられませんね。

ほんと、明るいレンズです。

 

これもISO1600でF値を2.5、1/2秒開放で撮ってみました。肉眼で見るのと同じぐらいの明るさでちょうど良い感じです。

氷点下ですが、上下ダウンを着てたお陰で寒さは全く感じませんでした。

 

5:35

おはようございます。

楽しみにしていたマジックアワー撮影会のため、早めに山頂に向けて移動開始します。

すでに空が少し明るくなってきてたから焦ったけど、日の出まではまだ40分近く余裕があります。

 

出だしからこの景色!期待できる、ドキドキします!

狙い通りのド快晴で迎える朝。鳳凰三山にして大正解だったとニンマリが隠せませんよ!

 

どーんと富士山。太陽の明かりは雲海から上にしか届いてません。眼下の甲府の街にはまだ街明かりが見えます。

いいおっさんがうっとりしちまいました。エモいっす(死語)。

 

そして朝日の反対に目を向けると、右が国内2位の北岳。左が3位の間ノ岳。

1位から3位までの大パノラマが広がってます。

 

で、こちらも3千メートル峰、国内15位の西農鳥岳です。

去年の白峰三山縦走は天気にも恵まれたし、3,000mオーバーの稜線歩きは忘れられない旅となりました。きっと今回もそうなることでしょう。

 

鳳凰三山の中では最も標高が高い、観音岳に向けて延びる真っ白な稜線。折角なら観音岳から日の出を見たいから、撮影会はそこそこにして移動開始します。

 

仙丈ヶ岳と月。稜線からは南アルプス北部を代表する山々が一望です。

経験を少し積んで、有名な山ぐらいなら見て分かるようになってきました。

 

日の出前の薄暗さがゆっくりと明るさを増してきました。観音岳の山頂に着くのが先か、日の出が先か、競争です。観音岳へはなだらかな登りなのできつくはありません。

 

きた!

いよいよ日の出を迎えました。山頂まであと20mといったところ。うっかり競争に負けてしまいましたが、急ぎます。

 

6:25

観音岳に到着!

山頂は5~6名の先客。大きな望遠レンズを装着した一眼レフカメラをお洒落に構えて熱心に撮影しされてます。

自分は小ぶりなミラーレスカメラに、男の35mmレンズ一本勝負です。広角レンズも欲しいんですけどね、高くて買えないです。。

 

皆さんの隙間を縫うようにして場所を確保し、自分も撮影開始。

これから歩く予定の地蔵岳へと通じる稜線と、モルゲンロートに染まる甲斐駒ヶ岳。

 

そしてこれまで歩いてきた稜線と富士山。

先客に交じって強風をものともせず撮り続けました。

 

こっちは八ヶ岳。赤岳の山頂部分だけ少し冠雪してるみたいです。

 

すっかり太陽も昇ったし、楽しかった撮影会もおしまい。白い稜線を地蔵岳に向け移動開始です。昨夜降った雪は岩影に少し残ってますが、ほとんどが強風で吹き飛んでしまったみたいです。

くどいようですが、この稜線歩きは本当に気持ちよかったです。百名山に選ばれる理由がよく分かります。

 

ハイドレーションで水を飲もうとしたらガチガチに凍りついてました。

 

地蔵岳に向けてアップダウンを越えていきます。

ここを越えたら地蔵岳が見えるから頑張りましょう。

 

 

見えました!鳳凰三山最大の見せ場、オベリスク。このオベリスクの形がくちばしに似てることから、鳳凰という名がついたらしいです。

 

稜線から少し下ったところにザックをデポって地蔵岳へ。

 

オベリスクはまともに立つことができない程の強風だったので、途中までで断念。。この時間に上まで行けた人はいなかったんじゃないかなぁ。

ちょうど自分が立ってる位置に祠もあったし、ここまで上がれたら充分です。

 

お地蔵さん勢揃いです。

 

デポったザックを回収し再び稜線へ。高嶺を越えて白鳳峠へと下っていきます。

 

相変わらず北岳の圧倒的な存在感がハンパ無かった。北岳は仙丈ヶ岳方面から眺めると山頂付近が斜めっててあんまりカッコ良くないんだけど、この角度からだと威風堂々としてて最高にかっこ良かったです。

 

高嶺の山頂が見えました。このルート最後の登りです。

通過点なのでちゃちゃっと踏破してしまいましょう。

 

高嶺から白鳳峠に向けて激下りが始まります。コースタイムは40分ですが、普通に歩いたら40分をオーバーしてしまうと思います。少し厳しめなコースタイムの設定です。

 

標高を下げながら、この雄大な南アルプスの景色も見納めだなぁと、なんとも名残惜しい。

山の中腹の2,000mより下は、紅葉の最盛期を迎えてる様です。

 

激太り。いや失礼、激下りです。最近は仕事が忙しくて久しぶりの登山になってしまいました。

激下りと言っても、実は標高差は1,400mほどで大したことありません。ただ、わずか2キロほどの距離でそれを下りきるからとにかく急なんです。

 

下に広河原が見えました。近そうに見えるけど、あそこまでまだまだ1,000m以上の標高差があります。

 

灌木帯の急坂を慎重に下ってきました。

 

こんな歩きやすいところも少し出てきますが、全般的にガツンと下るところばかりです。

 

9:40

やっと白鳳峠に着きました。割と急いだつもりでもコースタイム通り40分かかってたので驚きました。

 

白鳳峠からしばらくはこんなガレ場を下ります。相変わらず急坂だし浮き石だらけで歩きにくいったらないです。

 

久しぶりに履いた登山ブーツのせいで、足の裏にマメを2つ作ってしまいしんどい!

木でできた梯子が歯抜けになってて足が届かないところがあったり、最後まで油断できません。

 

やっと川の音が聞こえてきた辺りで紅葉の見頃を迎えました。

 

黄色の世界に覆い尽くされる。

 

この時期の南アルプスに来ることができて本当に良かったです。

 

11:15

最後まで下るのが大変な登山道でした。

登りで使うと大変なルートです。

そんなルートをこの時間から登ろうとする20代前半ぐらいの男性がいたので話し掛けてみると、たった今北岳から下山してきて、そのまま地蔵岳に登って青木鉱泉の方に下るんだそうです。クレイジーです。

 

今回はスケジュールに余裕があったし、距離や標高差も丁度良かったから最後まで楽しめた旅でした。

 

13:00

最後は乗り合いタクシーで。

12時のバスを逃すと次が14時まで待たなきゃいけませんが、13時に乗り合いタクシーがあることをほぼ同じペースで下ってきた方が教えてくれました。一人1,200円で、バスに乗るより200円だけ割高なだけです。

 

 

振り返って

 

南アルプスにやって来ると、林道が開通する以前は長い距離を歩いて、何泊もしながら山頂を目指したんだろうなと考えずにはいられません。車で芦安駐車場の横を通り過ぎ、バスとすれ違えそうにない狭い林道を夜叉神峠駐車場に向けて上がっていきます。

アルプスの山々を踏破していったウォルターウエストンが鳳凰三山に登ったのは1904年。今から約110年以上も前の事ですが、その頃に比べれば今はどんなに便利になったことでしょう。

スーパー林道の開発は、南アルプスの原生林と景観を破壊するという理由で反対運動が起こり、工事は途中で中断されましたが、それでも夜叉神峠や広河原まで簡単にアクセスできる様になったお陰で、北岳が日帰り可能な山となり、一握りの人しか見る事のできなかった3,000mの大絶景を、多くの人が見られる様になりました。それは本当に感謝しないといけないことです、はい。

鳳凰三山は信仰の山として歴史が古く、奈良時代までさかのぼるそうです。ウォルターウエストンはあくまでオベリスクに初めて登った人となっているそうです(絶対に他に登った人いるよな・・)。

そんな訳で、感謝しつつ林道やロープウェイといった文明の利器を使わせていただいてますが、何が言いたいかというと、別にラクしたいと考えてる訳じゃありません。あくまであるものは使わせていただくぐらいのスタンスなので、これ以上の林道の拡張を望んでるわけではありません。

 

 

鳳凰三山は、南アルプスの中でもかなり登りやすい部類に入る山だと思います。登山口へのアクセスはもちろんですが、標高差、距離から言っても抜群に登りやすいと思います。それでいて見所はいっぱい。最高です。数々の魅力はこれまでたくさん書いた通りです。

夜、薄暗い中でカメラを明るめの設定にしてファインダーを覗くと、月明かりにうっすら浮かぶ富士山が見えて本当に感動しました。

カメラを趣味にすると、山でしか撮れない風景を求めようとするから、より登山を楽しいものにしてくれます。

 

最近は仕事が忙しい上に、研修や試験が重なってぜんぜん山に登れてません。そんな訳で久しぶりの登山は樹林帯を歩いてるだけで楽しかったです。広河原から夜叉神峠までの乗り合いタクシーから眺める紅葉もちょうど見ごろを迎えてて圧巻でした。

いつもバス待ちで長蛇の列ができる広河原は、観光客がちらほらいる程度で閑散としてます。紅葉を見に来た女性二人から一枚撮ってほしいと頼まれたり、なんとも平和な雰囲気が包んでます。

林道の開発に感謝ですね。

でも山旅をする人にとって必要なのは楽することじゃないんだよなぁと、便利なタクシーに揺られながら、矛盾した気持ちを抱えてうとうとしました。

 

ではでは