笠ヶ岳と双六岳 登山(新穂高温泉) 天国の様な稜線歩きと地獄の笠新道はギャップ萌えの峰 テント泊

笠ヶ岳と双六岳 登山(新穂高温泉) 天国の様な稜線歩きと地獄の笠新道はギャップ萌えの峰 テント泊

 

 

群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスも叩き上げのスキルもないただの道楽登山者の皆様こんにちわ、やっほっほ亭です。どもっ!

今回は1泊2日のテント泊で北アルプスの笠ヶ岳(かさがたけ)双六岳(すごろくだけ)を縦走してきました。

ヌヌ六岳(ぬぬろく)じゃねぇぞ。

 

起点は新穂高温泉

初日は双六小屋でテントを張って双六岳山頂を目指す。よく三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)まで歩いちゃう人がいるけど、ほんとすごいと思う!疲れ切って自分にはとても無理だったわ。。強者は日帰りで鷲羽岳(わしばだけ)まで歩くと聞きますが、もはや変態の領域ですね。こういう人のレコを参考にしたら痛い目に会います。真似しないようにしましょう。

2日目は双六小屋から笠ヶ岳に登り、笠新道で新穂高温泉に下ります。

鍋平の登山者用無料駐車場までの移動距離まで入れると、2日間で歩いた距離はなんと40キロ!!いや、まぢでこれだって十分変態の領域やろ。。

両日とも1日の活動時間が10時間を超え、口数が減り、足取りは重く、テン泊装備が肩に重くのしかかる。。うぅ、修行!

 

体力的にも時間的にも余裕がある中でしか景色って楽しめないから、少しやり過ぎたなぁと反省してます。まあ毎度のことだけどね!

 

そして今はっきり言えることは、双六岳だけのピストンでも充実した山行になること間違いなし!!

これを見た方はぜひその事を念頭に山行計画を練って下さい。

 

DSCF0836

こちらが双六岳。真ん中のポコッと出たとこが山頂で、ご覧の通りサイコロの様な山容が特徴的な山。途中でバテたけどとても登りやすい山でした。

 

双六岳~笠ヶ岳縦走のポイント

鏡池は穂高連峰〜槍ヶ岳の最高のビューポイント。鼻血でること間違いないでしょう。

②双六岳からは鷲羽岳、黒部五郎岳、野口五郎岳、槍~穂高の大パノラマ。

③双六岳から笠ヶ岳までの稜線は景色の変化が楽しめる爽快なルートでドッキリ。

④笠新道は噂通りの急坂でぐったり。

 

ほいじゃ補足します。

”槍ヶ岳〜穂高連峰や雲ノ平方面の大パノラマが広がる北アルプスの魅力を凝縮したルート”です。

双六岳は百名山でも二百名山でも三百名山でもありませんが、そんなもん関係ないです。特徴的な山頂台地を持つ山でその広い稜線からの槍ヶ岳は圧巻の眺めとして知られてます。また、雲ノ平への縦走路と槍ヶ岳の西鎌尾根との交差点に位置するため多くの登山客で賑わってます。

そして、個人的に興味あったのが双六小屋。以前「山と渓谷」の読者アンケートで好きな山小屋2位に選ばれてのを見てからどんな小屋か興味津々でした(ちなみに1位は燕山荘!やっぱり!)

今回はテント泊だけど、ちゃっかり小屋の中に潜入して見学してきましたっ!ちなみにここはテン場の環境も素晴らしく、広いし平だしテントが多くてもスペースは超余裕、ほんとお薦めです。

 

で、双六岳の次が笠ヶ岳。北アルプスの山々からとにかく目立つ存在で異彩を放って見えるのがこの笠ヶ岳。

どこから見てもその笠過ぎる山容が特徴的で、百名山ということもあって人気のある山の一つです。

 

双六岳から笠ヶ岳への縦走は、笠新道を使わずに登れる分だいぶ楽できたはずだけど、、それにしても長かった。。完全になめてたわ。

 

まあ長いと言っても、そんな無茶ができるのも夏山企画ならでは。夏の思い出の1ページを飾るのに相応しい山行になったことは間違いありません。こんな長く歩けるのも元気でいられるうちだしね。ちょっと欲張っちまったったい。

 

DSCF0524

 

 

笠ヶ岳は標高2,898m、日本百名山、新花の百名山。双六岳は標高2,860m、花の百名山です。

 

今回も深山荘前の登山者無料駐車場は満車で、鍋平の登山者無料駐車場に回されました。鍋平駐車場に停められただけラッキーだけど、下山後は登山指導センターから駐車場まで標高差200mを登るという悲劇が待ってるわけよ!心折れまくりです。ロープウェイの最終が16時だから、それまでに戻ってこれたら鍋平駐車場までわずか400円、たった1分で上がることができたのですが・・。

次回はなんとしても16時までに下山しよう。。と心に誓いました。

アルプスの広大さに感動し、長い長い旅路に心が折れる、ギャップ萌えの旅、幕開けです。

 

いざっ

 

 

■周辺地図

・鍋平園地の駐車場MAPは、こちら

MAPのP5が深山荘前の無料駐車場でまずここから埋まります。P8、P9が鍋平の無料駐車場。

 

 ■ルートとコースタイム

■2018年8月18日 ※()カッコ内は標準コースタイム

新穂高温泉⇒(130分)⇒秩父沢⇒(140分)⇒鍋平山荘⇒ (60分) ⇒弓折岳分岐⇒(80分)⇒双六小屋⇒(55分)⇒双六岳⇒(50分)⇒双六小屋

1日目の標準コースタイム:8時間35分

 

■2018年8月19日

双六小屋⇒(80分)⇒弓折岳分岐⇒(125分)⇒秩父平⇒ (60分) ⇒抜戸岳⇒(60分)⇒笠ヶ岳山荘⇒(10分)⇒笠ヶ岳⇒(60分)⇒抜戸岳⇒(260分)⇒左俣林道出合⇒ (60分) ⇒新穂高温泉

2日目の標準コースタイム:11時間55分

 

毎度の鍋平の無料駐車場

DSCF0425

“期待できない”

金曜の深夜にやって来て登山口に最も近い深山荘前の無料駐車場に停められるなんて考えない方がいい。

最近何かで見たダイエット器具の広告の宣伝文句”マツコ絶賛「これ痩せるわ」”と同じぐらい期待できません。

 

案の定、鍋平にある登山者無料駐車場に回され、深夜1時に着いて3時間ほど眠りました。

 

DSCF0428

5:15

前回の槍ヶ岳の時は新穂高登山センターまでショートカットの道があることを知らずに、車で来た道を延々と約10キロ歩きましたが、今回はきちんと調査済みです。

というかこんな案内看板ばかりでなぜ前回見落としたんだろう。不思議だ。。

 

DSCF0434

眠くてフラフラします。

少し歩くと駐車場の争奪戦に破れた登山客達のための有料駐車場がでてきます。1日300円ならまあ良心的ですね。

 

DSCF0435

案内は結構多めに出てます。暗くて見落とすなら分かるけどこれだけ明るければまず間違いなく迷うことはないでしょう。

 

DSCF0438

ここから登山指導センターまではトレイルです。意外とぬかるんでて歩くのが大変だったけどおかげでやっと目が覚めた。

登山指導センターまで標高差200mを下ります。今から帰りの登り返しが心配。

 

DSCF0440

ここに出ます。

やっとこさ着きました。長かったけど車道を延々歩く苦労とは比べようもない。

登山開始から長い林道歩き

DSCF0441

5:50

新穂高温泉の登山指導センターです。

ここで登山届けを提出します。下山後は下山届を出すこともお忘れなく。

 

DSCF0442

ここからは槍・穂高方面と、笠・双六方面に別れます。圧倒的に槍・穂高方面に向かう人の方が多いと思いきや、双六岳方面に流れる登山客もそこそこいて少し意外でした。

 

DSCF0445

登山指導センターを出発するとすぐにでてくるのがこの有料駐車場。ここが登山口に最寄りの駐車場となるわけですが、料金設定はもはや東京23区とあまり変わらない。つか北千住より高いんじゃないか?

 

DSCF0450

ゲートを越えると長い長い林道の幕が切って開ける。どぼぼーん。

わさび平までバスを走らせたら儲かるでしょう。

 

DSCF0457

7:05

着いた?と思いきやここはしんどい事で有名な笠新道。地図で見ると短い距離に凝縮された等高線の密度が半端なくて驚愕。

でもここから登る人が結構いて、しかもお年寄りもいたりしこたま驚きました。

 

DSCF0459

7:15

“そうめん”ののぼりが目を惹くわさび平小屋に着きました。ここで一休みします。

 

DSCF0461

野菜を美味しそうに見せるのが上手です。

ご覧の通り水は豊富なので、ここで新穂高温泉のトイレで汲んだまずい水をさっさと捨て、ここの水と入れ替えました。

 

DSCF0465

その後も続く林道に辟易しながらとぼとぼ進む。長い。。

 

30分ほど前に走り抜けていった方がここで渓流釣りしてました。

渓流釣りはその日に人が入ったポイントではもう釣れないと聞いたことがあるから場所の争奪戦が熾烈なんでしょう。

シシウドの大群生

DSCF0469

7:45

小池新道入口までやって来ました。いやぁ、長かった!それだけ。感想はそれだけ!

林道しか歩いてないのにこんなに文字数書いてる自分がアホに思えてきました。

 

DSCF0471

でもやっと緑のトンネルの始まりですよ!

天気が良いからすごく気持ち良い。登り始めの体力があるうちは樹林帯だって楽しめるわけですよ。

 

DSCF0479

休憩ポイントの秩父沢に着きました。

わずかばかりにできた日影の奪い合いは渓流釣り以上に熾烈です。

 

DSCF0488

暑ぢぃ。

急坂を登ってる時にはガスって涼しく、山頂に近づくと晴れてくれるってのが理想だけど、登山道を強烈な日差しが襲い首の皮は既におこげ状態。

 

DSCF0494

目指すべき方向はあっちだ!!と航海士のようにキメたかったけど、どっちに進むかイマイチ分からずダブルストックで曖昧に指して、しかも足場が悪くてへっぴり腰になったダサすぎる仕上がり。

 

DSCF0496

シシウドの大群生!

 

DSCF0505

鏡平山荘まであと5分。ここまでサクサクッと書きましたが、コースタイム的には4時間ほどあります。ほとんどが林道歩きだけどね。。

双六小屋まで一気に歩かずに初日は鏡平山荘で一泊するという余裕のあるスケジュールを組む人も多いみたいです。自分に一番足りない考えですな。

 

DSCF0525

ドーーン!!

突然景色が開けたと思ったら槍ヶ岳〜穂高連峰の大パノラマ。いやぁ、鼻血でたわ。鏡池もほんと鏡みたい!

鏡平山荘の最初のオーナーは「池に映る槍と穂高に惹かれて小屋を建てた」らしいです。

 

DSCF0530

10:30

鏡平山荘に到着。標高2,300m。

新穂高温泉が標高1,117mだから既に約1,200mも登ってきたのか。。知らず知らずにスタミナを使ってて急にバテが襲って動けなくなるパターンに気をつけねばっ!

 

名物のかき氷ののぼりが目立つからちょっと覗いてみましょう。

 

 

DSCF0534

断然宇治金時だな。だんぜん!!!

宇治金時だよ、ぜったい!!!

練乳がけはプラス100円。アイスのせはプラス200円と流行りの課金方式できたか。

とりあえず悪魔の誘いには乗らなかったけど危なかったわ。。

ちなみに水はあったけど宿泊者以外は有料でした。

1リットル200円です。

 

DSCF0538

隣で食事中のカップルが持ってたポテチが爆発寸前だったので撮らせてもらいました。

福岡の味、ごぼ天うどん味をチョイスするとはなかなかやる。

 

DSCF0536

で、オイラのスイーツがこちら。セブンのミルクレープロール!!!

安いし美味すぎて破壊。ヤマザキが作ってるからデイリーでも売ってるかも。

 

DSCF0543

そしてこの景色だもんなぁ。

ここは楽園だわ〜。

暑さにバテて憩いの双六小屋へ

DSCF0533

あんまりのんびりし過ぎると双六小屋のテン場がうまってしまうかもなので、そろそろ行きまっせ。

ちなみにこの時は目の前のサイコロっぽい山が双六岳だと勘違いしてた。

本当の双六岳はまだここからじゃ見えません。

 

DSCF0555

ぐいぐいっと稜線に向けて一気に登っていきます。

疲れも溜まってきたし、今思い出してもここの登りしんどかったなぁ。暑かったし。

 

DSCF0554

チングルマの綿毛がイソギンチャクにしか見えない。

 

DSCF0556

気持ち良いトレイル〜、って思えるのは、

今クーラーの効いた部屋でブログ書いてるからです。

暑くてなかなか終点の見えない登りにヒーヒー言い続けてます。

 

DSCF0560

ヤマハハコ

 

DSCF0578

トレッキングポールを弓を折る感じで撮ってみたけど、、失敗だ!

伝わらん!これじゃ何も伝わらん!!

(何を伝えたいんだかさっぱり分かりませんがこの時は必死に何度も撮りなおした)

弓折乗越に着きました。

 

DSCF0574

空に引かれた線を引っ張ってみました。

ええ、前回の奥穂でもやったやつです。最近のネタのマンネリ感ったらない。

 

DSCF0581

弓折乗越で稜線に出たらそれまで見えなかった飛騨側の景色が広がります。

 

DSCF0583

それがこれ!!

双六岳が目の前に大きく広がる。この時はこれが双六岳だって知らなかったんだけどね、あまりに大きな山だったから登頂意欲が掻き立てられてこっちの山には登れないのかなと、歩きながら考えてました。

ちなみに右奥に顔を覗かせる白い山が鷲羽岳。雲ノ平を囲む百名山の一角です。

 

DSCF0592

のんびりペースで稜線のなだらかなアップダウンを幾度と越え、やっと双六小屋が見えてきました。

ここから小屋までは下り基調ってのが分かって、もうワーイって感じよ。

 

DSCF0594

ハクサンフウロ

さすがにアルプスの花も終盤です。もう山は秋の気配を感じます。

 

DSCF0597

13:25

設営完了!

テン場は広くて混まないし、割とフラットなところが多く快適。

前回の穂高山荘前の密集率が都内の住宅事情みたいだったのに比べたらほんと天国。

 

DSCF0602

ちょっと遅いお昼にしましょう。カレーにナンを付けて食べるインド人スタイルです。

相席した若い男二人組がバテきって死んだ様に寝てる隣でもくもくと食べました。

双六岳山頂からは雲ノ平の大展望

DSCF0603

14:10

食後は双六岳に登る!

三俣蓮華岳?登りませんよ、もうクタクタですよ。

ただどこかのブログで双六岳〜三俣蓮華岳の稜線歩きは日本が世界に誇る絶景と書いてたのを見てすっごく興味はあったんだけどね。

もうバテバテなんでギブアップ。疲れてたら景色なんて楽しめないよ。

 

DSCF0605

山頂までは1時間ちょいなんだけどもう足が上がんない。

やっぱバテが襲ってきた。悪いけど1人でのんびり行かせてもらうぜ。

 

DSCF0608

振り返ると双六小屋とその後ろに伸びる稜線は槍ヶ岳へと続く西鎌尾根。ダイヤモンドルートってやつですね。

 

ほとんどの人が笠ヶ岳ではなく西鎌尾根で槍ヶ岳を目指します。

 

DSCF0611

三俣蓮華岳への巻道と双六岳山頂へ直登ルートの分岐に着きました。

この何でもない坂ですらもたつく。もう自分には山頂を目指す以外の余力は1ミリも残されていない。

 

DSCF0620

右を向けば鷲羽岳。その奥には野口吾郎岳も見えてきた!

何度も立ち止まっては顔を上げてこの景色を見て再び歩く。山頂からの眺めは期待できる!

 

DSCF0638

どぼぼーん。

シンジラレヘン。途端にガスり菌に感染シタヨ。。

 

DSCF0653

15:15

血圧300、心拍数400でサイナス。

ドクターX見てない人は置いてくよ。

 

それにしたってここにいる全員、そんなバナナって表情浮かべてますわ。。

登ってる時はカンカン照りだったのに、山頂がこれじゃあ俺やさぐれるわ!!

あちき、やさぐれるわ!!

 

再び晴れることを祈ってしばらく待つことにしました。。

 

DSCF0662

おっ!!

雲ノ平方面が晴れた!

 

DSCF0667

おおー!!

三俣蓮華岳への稜線もガスったり晴れたりしながらなんとか姿を現してくれた!

鷲羽岳、その左は水晶岳かな?右奥には野口五郎岳。

つか、野口五郎って名前だけで面白すぎでしょ。早く登ってみたい。

 

DSCF0663

雲ノ平には9月に有給取って2泊3日で行く予定だけど、台風シーズンだからどうなることか。。晴れてくれることを祈る、ニンニン。

山頂の景色も楽しめたのでそろそろ下山するよ。

 

DSCF0698

このまん丸い稜線の先に見える槍ヶ岳の景色も双六岳名物で、今回ぜひ見ておきたかったんだけど、こりゃ無理ばい。。

と言うわけで、ここでも諦めが悪いので10分ほど座ってガスが晴れるのを待ってみる。

 

DSCF0703

おお〜!現れた!

一瞬だったけど神様が哀れんでくれたとしか思えない。

この一瞬で20キロ歩いた苦労が報われたってもんよ。

血圧安定。サイナスだす。

 

DSCF0714

見渡せばこんな絶景。

これまで見てきたアルプスのどことも違う景色。雲ノ平をこんな近くに感じられる場所に来たのは初めてです。

双六小屋テント泊とモルゲンロート

DSCF0725

16:40

ヒャッハッハー大成功。大満足。

わたし失敗しないので!ってわけて結果オーライな1日目となりました。

 

DSCF0731

夜までまだ時間があったので双六小屋の談話室で高校野球見たり漫画読んだりして暇をつぶしました。

小屋には携帯電波状況の記載もあったり。

山じゃやっぱりdocomoが強いんだなぁ。つか、そろそろキャリアで電波状態に差があるのってやめにしてもらいたいですね。

 

DSCF0747

外に出てみると夕日の時間。もうダウンジャケットを着ないととても寒くて外には出れないぐらいです。

 

DSCF0751

テン場に夜が訪れる。

楽しみにしてた星空撮影の時間までもうすぐだったけど、あたしゃ息絶えたよ。。

 

DSCF0770

夜中2時に周りの音がうるさくて目を覚ますとこの満点の星空!

もそもそっと外に出て星空撮影タイムです。

 

DSCF0785

4:50

周りがうるさくて結局寝るのを諦め出発。

 

DSCF0795

稜線を歩いてると西鎌尾根の向こうから日が昇りはじめた!

 

DSCF0803

モルゲンロートに染まる双六岳。

素晴らしい1日の始まり。

 

DSCF0815

コォーーー!!

おちゃー!ほわちゃー!

トレッキングポールをヌンチャク代わりに、朝日に向かって吠える。

朝から元気です。ええ、2時から起きてますから。

 

DSCF0827

絶景に息を呑む。

2日目は出だしから最高です。

 

DSCF0822

休憩できるポイントもちょいちょい出てきて、この絶景をゆっくり眺めていたい欲求に駆られます。

でも今日も10時間超えのロングコース。余計なストップはなるべくしたくない。

 

DSCF0826

夜中寒かったのもその筈で、すっかり霜が降りて石も凍りついてました。

笠ヶ岳への長い道のりはずーっと大絶景

DSCF0830

5:55

弓折乗越に到着。

実はこの時まで笠ヶ岳に登るか、おとなしく下山するかで悩んでました。

でも笠新道使わずに稜線歩きだけであの笠ヶ岳に登れるんだよ!と思うと実に惜しい。てなわけでやっぱ行ってみよう、ということになりました。

荒行の幕が切って降ろされた瞬間。。

 

DSCF0838

まずは弓折岳。ここまでは楽勝です。

 

 

DSCF0834

ちゃちゃっと弓折岳のピークをはっぱ踏み踏み。

 

DSCF0839

弓折岳からは120mぐらいガツンと下る。笠ヶ岳まではアップダウンの連続だけどここが一番下るポイントです。

逆に笠ヶ岳から双六岳へ登る人にとってはここの登り返しが一番しんどい所でしょう。

 

DSCF0842

最低のコルに着きました。

ここから登っていくわけです。いつもここから(悲しい時ー!)。

 

DSCF0847

「悲しいけどこれ、稜線なのよね」(スレッガー)。

 

登ってる。俺、登ってる。。

アップダウンのない稜線なんてないんだよね。悲しいわ。

 

DSCF0846

振り返ると弓折岳に少し隠れちゃったけど双六岳は相変わらずサイコロみたいな形で一目瞭然です。

 

DSCF0857

苦しかったけど登りきると上空には秋の雲が流れててなんとも爽快。

ここは顔を上げてよーく景色楽しまなきゃ損だと思って歩く。

 

DSCF0851

花の最終ランナーのリンドウ。これが咲き始めると紅葉シーズン開幕まで秒読みです。

 

DSCF0866

すごい景色!

笠ヶ岳へのルートはこんなにも絶景が広がってるなんて!!是非多くの人に歩いてもらいたい!

 

DSCF0867

ここの稜線は一部崩落箇所があって即席で巻道が作られてました。管理してる方々の対応に感謝ですね。

 

DSCF0879

秩父平に着きました。

すごい景色の連発。変化に富んだ景色にだいぶ疲れてきたけどまだ頑張れる!

ここは絶対に来る価値があります!

 

DSCF0881

8:00

10分ほど腰掛けて休憩。

 

DSCF0882

さって、再び登るぜ!

くどいけど前日からたくさん歩いてるんでね、気合入れても足が前に出ない。とは言えコースタイムとほぼ同じぐらいで歩けてるからOKでしょう。

 

DSCF0885

秩父平から遠くに見えた標柱。これを目指してやっと辿り着いたんだけど、、

 

DSCF0886

登りはまだまだ続くんだぜ。。オエェー。

笠ヶ岳山荘からやって来た登山客にこの先も登りが続くのか恐る恐る聞いてみると、「ここが一番しんどくて、登りきっちゃえば先は楽ですよ」とのこと。

ふぅ、信じるぜ。。

 

DSCF0893

ほんとだ!!笠ヶ岳見えた!

アップダウン無さそうな稜線がずっと続いてる!!

超気持ち良さそう!

このルートの目まぐるしい景色の展開に驚きの連続です。

 

DSCF0895

笠すぎるわ。

今年は厳冬期の編笠山、入笠山から続く笠シリーズのクライマックス!

 

DSCF0902

9:20

笠新道分岐でザックをデポる。

それでもここから山頂までのコースタイムは片道1時間以上。水分は絶対に忘れずに持って行きましょう。

 

DSCF0906

身軽になると歩く気力が湧いてくる。

今回のルートは体力が必要だけど、こんなルートなかなかないと思う。

 

DSCF0904

笠ヶ岳を指さす自分のふくらはぎにご注目を。

湿布貼ったままだったからくっきり日焼けの跡が残ったよ!

 

DSCF0913

抜戸岩

ここがちょうど笠新道と小屋の中間地点だけど、メンタル的にはもう目の前って感じだからペースを上げてしまいがち。意識して自制しましょう。

 

DSCF0918

独立峰みたいな笠ヶ岳。

抜戸岩をくぐれば槍ヶ岳や穂高連峰、北アルプスの峰々から眺めてきた名峰がすぐ目の前。

 

DSCF0924

ガンバ!!

 

DSCF0929

10:30

小屋に飛び込むと、なんとこの山奥の3,000mに近い異常な環境にも関わらずクーリッシュが販売されてるじゃないの!!

小屋の売店メニューを見て目を疑いました。そりゃ買うでしょ。

これをチューチューしながら山頂を目指すでチュー!

 

DSCF0932

遠くからは分からなかったけど、山頂直下はガレてます。たおやかと言うか、のっぺりとしたイメージを持ってたからかなり意外。

 

DSCF0933

つか、ちゅーちゅーしながらだと息が上がる!

吸いすぎで頭クラクラするわ。

山頂はあっちでふね。

 

DSCF0935

いよぉ~

今回から取り入れた歌舞伎ポーズ。睨みを効かせた顔がブサイクすぎて炎上必至なのでモザイク入れさせてもらいますわ。

 

DSCF0954

10:45

いろんな山から笠ヶ岳を確認できるだけに、ここからの眺めも一級品。

 

DSCF0945

歩いて来た稜線。

長い長い道のり。

のりのり。

大変だったけどここまで歩けてよかったよ。

 

DSCF0949

遠くに南アルプス、その後ろに富士山も見える。

今日は午後から曇ると聞いてたけどなんとか間に合って良かった。

 

DSCF0956

小屋に戻ると、スタッフが今日初めてやって来る女子スタッフを今や遅しと双眼鏡で偵察してるところを盗撮しました(笑)。

 

DSCF0959

サイナラ。

素晴らしいルートでした。

 

DSCF0961

何度だって振り返ってまうわ。

名残惜しいけど、これから下る笠新道に対しての不安な気持ちの方が勝ってます。

長すぎる笠新道

DSCF0967

12:25

デポったザックを回収して笠新道で新穂高温泉へ下ります。

おいおい、これが噂に名高い”しんどい笠新道”かい?

爽快なルートじゃないの。

 

DSCF0969

杓子平に着きました。

穂高連峰を眺めながら気持ちよく下ってこれました。

しかしここから先が世間が恐れる真の笠新道。本当の苦しみを思い知ることになる。

 

DSCF0970

遥か遠くに見える新穂高温泉。あそこまで下りるのか、何時間かかるんだか。。

 

DSCF0971

のんびりペースは変えず、口数は減り、黙々と歩き続けてこのゴールが見えた時は心底嬉しかったぁ~。

下山を開始して3時間半。眺望の悪い樹林帯を延々と下るってのはなかなかしんどかったよ!

 

DSCF0972

16:00

登山口でバシャバシャっと勢いよく水を頭から浴び、新穂高温泉に向け林道を超ハイペースで歩きます。

 

「あんさん、忘れちゃいねぇかい?これで終わりじゃねぇってことをさ」

 

新穂高温泉から鍋平駐車場に向け標高差200mを登るという現実が待ってるわけよ

 

ロープウェイの営業時間内だったら鍋平駐車場までそれはそれはバラ色だったでしょう。

ドブ色だよ!!

 

次回はロープウェイ運行時間までに必ず下山しようと心に誓う登山となりました。

 

 

振り返って

 

最近やっと分かったことがあります。標高3,000m近い環境で活動時間が10時間を超えると一気にバテがやってきます。北岳や槍ヶ岳登山で完全に足が止まった時もそうだし、今回も案の定10時間を超えたあたりからピタッと体が動かなくなりました。

自分のカラータイマーは10時間。まだ3分じゃないだけマシか。。

 

外秩父七峰縦走や谷川連峰主脈縦走も長かったけど、標高が低かったから体の変調がなかったんだと思います。

 

DSCF0875

 

ロングトレイルを歩くのが一部のアスリート登山者の間で流行ってますが、自分は長い距離を歩くのが好きではありません。本心です。

別に長く歩きたい訳ではなく「行ってみたい」という欲が勝ってしまうだけで、本当はゆる〜くあまーい登山が、だ、大好きだ!本心です。

で、バテる。

あともう少しでサザエに手が届くと欲張って溺れてしまう素潜りの人に感覚は近いと思います。

この日、紛れもなく自分の目には笠ヶ岳がサザエに映ったわけです。むしろサザエにしか見えなかった。サザエに登りながらクーリッシュを吸う。。私は欲の塊でした。

 

この「行ってみたい」という欲はなかなか扱いが厄介な代物です。雪山なら命に関わるので、自分みたいな人間はより慎重になる必要があるでしょう。

 

DSCF0769

それにしてもずーっと絶景が続く素晴らしい登山となりました。笠ヶ岳への縦走も目まぐるしく変わる景色に感動しっぱなし。たくさんの人にぜひお薦めしたいルートです!

 

そして帰りは上高地の沢渡駐車場を過ぎたあたりから渋滞にハマりました。事故渋滞です。

松本までは片側1車線の1本道。トンネル内の道幅は極端に狭く、とにかく車が進み始めるまで待つしかない状態が2時間以上続きました。

やばい・・。今日中に帰れないかも。

目の前のアルピコバスにもカラータイマーを真っ赤にした乗客がたくさん乗ってんだろうなと思いながら、じーーっと待ちました。

家に着いたのは0時を回ってたけど、とりあえず帰れてよかった。やっぱり余裕を持って行動しなきゃだめだなと反省しつつ、今回も忘れられない旅となりました。

 

では

 

DSCF0818


アルプス・八ヶ岳カテゴリの最新記事