白砂山 進め!照り焼キング! 稜線フルコースと満開のシラネアオイ

白砂山 進め!照り焼キング! 稜線フルコースと満開のシラネアオイ

稜線は続く〜よ〜♫どーこまでも〜♫

 

野を越え~♪

山越え~♪

谷越えーてー♪!(どやッ!)

 

どこまでも爽快な稜線を駆け抜けろ!

天気予報は悪かったけど来てみればこの快晴!

この青空の下、長大な稜線と満開のシラネアオイを見ながら稜線闊歩できるなんて贅沢すぎっ!

群馬県境トレイルとして有名な白砂山(しらすなやま)に野反湖を起点にして登ってきたよ。

群馬県、長野県、新潟県の県境にある山で、とにかく360度見渡す限り山しかない圧巻の景色。

 

おっさんだろうがボンビーだろうが、長かった雪のシーズンが終わって高山植物が咲き始めれば浮足立つ。ウキウキだ。

稜線のシラネアオイはちょうど満開!ミネザクラもまだ咲いてたし、足元にはイワカガミやマイヅルソウの大群落。

素晴らしい景色、さあ良い空気を思いっきり吸うべく深呼吸をしてごらん。

大量の羽虫が口の中に入ってくるぜ!ぺっぺっ。

雪解け直後は羽虫が多いからネットを持ってくれば良かったよ。トンボの出現が待ち遠しい!

 

白砂山は標高2,140mの日本二百名山。

今回のルートは野反湖から堂岩山経由で白砂山に登り、下りは八間山経由で野反湖へ。定番コースだけどそれなりに距離が長いから早出を心がけるべし。

 

ルートとコースタイム

■2021年6月12日 ※カッコ内は標準コースタイム

白砂山登山口⇒(75分)⇒地蔵山⇒(80分)⇒堂岩山⇒(70分)⇒白砂山山頂⇒(170分)⇒八間山⇒(90分)⇒白砂山登山口

コースタイム:8時間5分(休憩含まず)

総距離 14.8キロ
累積標高差 1,355m

白砂山登山 本編

野反湖駐車場で照り焼き弁当

体がちょっと弱い。それがちょっとした悩み。

お腹が弱い、鼻血も出やすい、喘息持ち、アレルギー体質、胆嚢のエコーでは謎の影が映る、少しでも体重が増えると肝臓の数値が極端に悪化し、ドクターから「酒を飲まないのにこの数値は癌になって死にますよ」とこれまで何度死刑宣告を受けてきたことか。

とにかく太らないこと。痩せれば肝臓の数値は格段に良くなる。

先日、久しぶりに乗った体重計が壊れてた。

またまたご冗談を。目を疑う数値だ。

ふんぬー!体脂肪率、骨格筋、次々と表示される値。体重計は壊れてなんていない。

1年で8キロも太っとーやん!!

やばい。「あなた死にますよ」が脳内リフレイン。

OKグーグル、リピートアフターミー。

「アナタ、シニマスヨー!!」

笑えない。1ミリも笑えない。しばらくランニングさぼってたし、毎晩ポテチ食べてたし、そろそろスイカバーが恋しくなる季節だなーって思ってたし、すべてなるべくしてなった結果だ。

どげんかせんといかん!!

という訳で、極端な食事制限ダイエットを敢行し、フラフラな状態でやってきた。

ここは野反湖の白砂山登山口駐車場。

群馬、長野、新潟の県境にあるここは、ドラえもんのび太の大魔境かと見まごう秘境中の秘境だ。

しかも白砂山はコースタイムが長く、累積標高差も1,300mオーバー。マジで過度なダイエットを課した自分なんかが果たして歩ききれるのか不安だ。

とにかく、こんな秘境で倒れる訳にはいかない。

今日だけは食事制限を解除せねば!駐車場に着くなりガッツリ照り焼き弁当を食べた。

これで正真正銘の照り焼キングだ。

 

駐車場は野反湖キャンプ場の近く。かなり広めだから遅くやってきても停められるだろうけど、コースタイムが長いから前夜発が望ましい。

ご覧の通り、駐車場には水洗トイレもあるし、自販機だってある。

ゲプッ。いささか食べすぎたみたいだ。

 

こんな秘境なのに登山案内センターが開設されている。

パンチが効いた熊みたいな大男だったらやべぇぞと恐る恐る近づくと、気の良さそうな男性がぐんまちゃんの描かれたハンカチをくれた。

出だしから良いことがあった。お陰で良い1日になる予感がする。

 

白砂山登山口から堂岩山まで

白砂山まで6.4キロ。話に聞いてた通り長い。

山の距離は平地の2倍で換算して良いと個人的には思っている。上りだけで約13キロってとこか。

わずか2週間で5キロ落とすという荒行によってフラフラな身ではやはり不安だ。大量の食事と水分を持参して挑む。

 

照り焼き弁当の栄養が血液によって巡り、飢えた細胞に染み渡っていくのを感じる。

よし、これならなんとか登れそうだぞ。

いきなり現れる木階段に秘境らしさは全く感じないが、登り始めなんてどこもこんな感じだ。油断するな!

 

登ったと思いきや下る。

かなり下る。

その分、後で登るわけで再び不安になる。過度なダイエットは人を情緒不安定にさせるのか。

いや、これはもしかして更年期ってやつか?登り返しを心配する新手の更年期。

 

一旦沢まで下りたら渡渉だ。

下ってきただけなのに、ハァハァと息を切らしてしまった。

こりゃやべぇとすかさず伝家の宝刀トレッキングポールを取り出し、最初から体力温存といくぜ。

 

ハンノキ沢から堂岩山まで3.6キロ。

堂岩山から先は待ちに待ったスカイトレイルだ。

楽しみは3.6キロ先にある。

迷わず行けよ、行けば分かるさー。どぼぼーん。

 

トレイルの両脇にはマイヅルソウの大群生がひたすら続く。ほんとすごかった。

しゃがむと疲れるから、前かがみになって写真を撮る。それでも体を起こすと立ちくらみがする。

照り焼き弁当を食べてなかったらそのまま後ろにひっくり返って撤退してたことだろう。

 

地蔵峠に着いた。

ペースをいつもの1.5倍遅くしたらなんとか歩けそうだ。

相変わらず息を切らしちゃいるが、山歩きを楽しむだけの余裕が僅かにでてきた感じ。

 

地蔵峠から本格的な登りが始まった。

これまでが楽なだけたったのか。迂闊だった。

 

あわわ、天気予報を裏切る青空じゃないの。梅雨の晴れ間にうまく合わすことができた。

意味不明だが、なぜかこの青空を見てたら具志堅用高の顔が浮かんだことに触れておく。ちょっちゅねちょっちゅね。全くもって意味はない。

疲れてるから明るい人を想像してしまっただけだろうか。

 

あの青空も稜線に出る頃には劇的な曇天に変わってるかもしれない。早いうちに稜線に出たいところだが、そうは問屋が卸さない。

ペースを乱せば完歩も危うくなるぎりぎりの体力。

慌てるでない、慌てるでない。ちょっちゅねちょっちゅね。

 

シダ類もちょっとだけクルクルしてる。もう少しだ!もう少しで背筋伸ばせるぞ!

 

地蔵峠を越えてから堂岩山まではひたすら急登だ。ここが1番しんどいポイント。

去年穴が空いてしまったプラティパス。下手に修理を試みたお陰で2度も水漏れによってザックの中身と背中をびちゃびちゃにするという悲劇に見舞われたが、この度やっと新しいハイドレーションを買い直したよ。

ハイドレーションって使わない人の方が多いだろうけど1度使ったら手放せない。やはり便利だ。

 

ゴゼンタチバナ

ドクダミと似てる。

 

遠くにオラオラ系な山がでてきた。あれは岩菅山かな?チャンスがあればいつか歩いてみたいと思う山の1つ。そんな山ばかりで挙げればきりがない。

少しずつ見晴らしが良くなってきた。標高は確実に上げてきている。

 

行動食は、SOYJOYと森永ミルクキャラメルと塩味タブレットとクエン酸キャンディ。行動食だけで2食分はあるぜ!

こういうところで荷物の削減をした方がよっぽどバテ防止になるんだろうな。

照り焼キングが強烈に効いてて全くお腹は空いてないけど、バテ防止にここら辺で1つ口に放り込んでおきたい。

とりあえずクエン酸キャンディをチョイス。

 

残雪はほんのわずか。もう夏だ。

 

ああ、やっと登りが終わる。

長かったー。早々にトレッキングポール出しといて正解だった。

 

イワナシ

山頂だと分かれば足元の花々を見る余裕だって少しでてくる。

 

堂岩山にようやく到着。

もう下山してもよくね?と軽くよぎる。

 

絶景の稜線とシラネアオイ

しかし、こんなに晴れたんだぜ?

シラネアオイが見頃を迎える梅雨。この難しいタイミングで、こんな晴れるなんて奇跡だ。

やはりここで帰る訳にはいかない。

この幸運を捨てたらこれからの登山、全部大洪水だぜ?

さて、参るぜよ。

 

ぬおー!突然視界が開けた。正面に見えるのが白砂山。眺望が素晴らし過ぎてこわい!

今日で運を使い果たしたな、確実に。もうこの先toto BIG買ったって当たりっこない。月に1度の300円の楽しみだったけどもうやめよう、いい機会だ。

 

稜線に向けて歩みを進める。

ここで行かなきゃ登山なんてやめちまえ。

 

さあ、待ってるよ。

わくわくだ。

 

どっぱーん!

ああ神様、ここには爆風も雷雨もガスも無いっス。

耐風姿勢を取らなくて良い稜線歩きなんて久しぶり過ぎて歩き方忘れた。

うれぴー(泣)

 

ここで分岐。

左の白砂山方面へ。帰りは右の八間山を経由する定番ルートだけど、登り返しがえげつないと聞く。

下山ルートは疲労具合を見ながら検討だ。

 

もっと!

もっと!!

たけもっとー!!!

登山ブログのインフルエンサー達がこぞって褒め称える稜線がこれだ。

自分もずっと、何年も前からずっと登ってみたい山の筆頭候補だったけど、なんとしてもシラネアオイの時期に合わせたかったからほんと長いこと待ったよ。

近年の白砂山や群馬県境トレイルの人気の高さが納得できる絶景!待った甲斐があった。

 

カメノキ。

 

さあ、稜線歩き本番を前にSOYJOYでエネルギー補給しとこう。

コースタイムは長いし、今日みたいに晴れて風が弱いと暑さでへばるから、ちょいちょい食べとかないとフラッと倒れてまう。

ちなみにこのSOYJOYは知り合いが会社でたくさん配られるんだけど食わないんだよねーっと言ってくれた物。

どんどんちょーだい!

 

アズマシャクナゲが元気に開花。

 

白砂山への稜線はアップダウンはあるけど実際に歩いてみれば大したことはない。

水平な稜線なんてどこにもないもんね。それなりに登ることは覚悟してたのが良かったのかも。

 

今下ってきた斜面を振り返る。点々と白い物が見えるのは全部シャクナゲ。感動と驚きの連続だ。

 

青空へ向けて上る。

風の流れが緩い。実に心地良い。

しっかり日焼け止めを塗り直したけど、それでも心配になるぐらい日差しは強烈。なんと言っても2,000mオーバーの世界だ。

 

堂岩山までの疲れを多少引きずってはいるものの、頭の中を空っぽにできる絶景だ。

今日まで長く待ち望んできただけのことはある。充足感に満たされまくり。

 

お目当てのシラネアオイは、血眼で探したけど見つからなかった。

何年も前から登りたかったとか言っておきながら、群生地がどこかをリサーチしてこなかったという抜けの良さ。言い方おかしくね?

ここ猟師の頭から白砂山までの稜線沿いに群生してると信じて突入だ!

 

どこまでも伸びる県境トレイル。ずーっと先は谷川主脈へと続いてるから、やはり谷川主脈と雰囲気は似ている。

主脈縦走した時の最高に気持ち良かった旅の記憶が蘇る。エビス大黒ノ頭から次の仙ノ倉山への登りがしんどかった(泣)

 

ミツバオウレンの畑。

 

長大な稜線。人間なんてちっぽけなもんだな。

こんな広大な世界観に放り込まれると、ちまちまと歩いてたって目的地になんて一生たどり着かないぜ?という気がしてくる。

 

しかし歩いてみると意外と早く着くもんだ(笑)

楽しい時間は短く感じられるからだろうか。もう目の前は遥か遠くに感じられた白砂山のピークだ。

青空と白砂山。

今年はガスガス登山が多かったけど、今日の青空で全て帳消しだ。

 

イワカガミは至るところで大群生。これを見ると初夏を感じる。

 

ちゅどーーん!!

白砂山に取り付くとやっとお出ましの本命シラネアオイ

まったく萎れてない、まさに見頃。

完璧や、完璧のタイミングやで〜!とカメラを持って群がるおっさん。うんこにたかるハエと同じだ。

ほんとに?こんなに恵まれちゃってええのけ?

針ノ木岳で味わった爆風地獄に比べたらここは竜宮城ですかえ?1度地獄を見た男にはもったいなさ過ぎる景色だ。

 

コルから山頂を見上げた時はあんな所まで登るのかよー!と軽くうんざりしたけど、登り始めてしまえばやはり大したことはない。

ちなみに以前、福岡空港で見かけた古田新太さんが短パン姿だったのはイメージ通りで好感が持てた。そもそも見た目で売ってないってのはあるだろうけど古田新太さんは普段から見た目通り、飾らない感じが良かったよ。

何の話だこれ。

 

歩いてきた道のりを振り返る。

もはやどれが堂岩山だったのかさえ見分けはつかない。この大きな景色ではそんなことどうでもいいのだ。

映るものすべてを覚えておきたいけど、昨夜何を食べたかすら思い出せないポンコツな自分はカメラの撮影に余念がない。

この日は軽く200枚を超えたな。他の方々に比べて多いのか少ないのか分からないけど。

 

遠くに山塊が見えると思ったら1番左の山は浅間山だね。その右隣は四阿山かな。

次から次へと絶景のフルコースやぁー

 

息が上がって再び動けなくなればすかさず振り返って達成感を楽しむ。

急ぐのがもったいないからさ…、なんてのは言い訳だ!何度も何度も振り返った。

 

立ち止まってばかりだったけど、もう山頂は目の前だ前田。

 

シラネアオイの群生が何度も訪れる。

 

このちょっと茂った先に見える青空は山頂か?

 

ぱあーっと明るくなったけど、ピークはまだ奥か!

軽く騙された感はあるけど、なんとなく予想はできてたのよん。

という訳でいよいよだ。踏み込む足にも力が入る。

完璧な解放感。明るい、軽い、気持ちがいい!

よく頑張った、俺!

 

ナエバキスミレの大群生。

こんなざわざわ咲いてるのは見たことがない。

 

再びシラネアオイ。

あっちこっちで賑やかな山だ。

 

白砂山山頂とタカネザクラ

ほいっ。山頂に到着!

山頂は狭くて、休憩取れるのは10人がやっとって感じ。もし混んでたらこのちょっと先まで行って休んでもいいかもね。

 

山頂からの景色。すぐ近くに見えるのは草津白根山。活発な噴火活動によって茶色の山肌が見えてて視認しやすい。

 

そして先程も紹介した浅間山方面だけど、残念ながら雲をかぶってしまい見えなくなってしもた。

この直後、あっという間に更なる大量の雲によって覆われ跡形もなく姿を消した。

山頂まで何度も振り返って見てきたからね、今更って感じさ。

 

遠すぎてはっきりカメラに映らないけど八ヶ岳。

今日は16-55mmの標準ズームレンズだから遠くを映すのは無理がある。残念だ。

 

奥の山々は谷川主脈の山々、山頂付近に雪が残ってるのは仙ノ倉山。

 

奥の横に長い山は岩菅山かな?登ったことがないからいまいち分からないけど、山より麓の志賀高原スキー場の方が知名度は遥かに上。

四阿山も百名山ではあるけど、麓の菅平スキー場の方が知名度は高いしね。

長野と群馬は良いスキー場が多くてほんと羨ましい。

ちなみに手前の花はオオカメノキ。

 

お次は新潟方面。奥の平らな山は苗場山。

苗場は1度だけ初秋に登ったことのある山だけど、すっごく良かったからもう1度登りたい山。

本当なら山頂でテントができるといいんだけどテン場がないのがほんと残念だ。

次登る時は赤湯からを狙いたい。

 

白砂山から先には遥か先まで続く稜線。

これを見てるとどこまでも歩ける気になってくる。

よし、行ってみようか。

は?

この先を行けばどうなるものか。行けばわかるさ。ダァー!!!

 

わずか200mほど歩いて、白砂山へ帰る時の登り返しに青ざめた。やっぱ無理!至上最も早いタンマを発令。

登り返しが不安でしょうがなくなる新手の更年期障害か?

しかし、わずか200mでも歩いた価値があった。それがこの満開のタカネザクラ!

さすが2,000mオーバーの山だ。6月中旬だというのにまだまだ元気に咲いてるじゃないの。

ちなみにミネザクラはタカネザクラの別名ね。

 

よーく見てみれば花の中には赤い星があるんだね。

 

さて、あれを登り返して帰ろうじゃないの。山頂は相変わらず賑わってんなー。

それにさっきよりガスってきたよ。間一髪だったのか?

 

まだまだ八間山まで続く稜線歩き

さて、充分休んだからお次は八間山に向けて移動だ。

ここまて来たんだ。せっかくだから白砂山定番コースで歩いてみる。

 

トレイルの至るところでアズマシャクナゲがわんさか咲いてる。

 

蝶も飛び交う。トンボはまだでない。

羽虫が多くてまいっちんぐ。ネットを持ってこなかったことを激しく後悔した。ぺっぺっ。

 

振り返る白砂山。もうこんなに歩いてきたのか。小ピークの登り返しはあるけど、下り基調だからここら辺までは楽勝さ。

 

問題はここから先なんだよなー。

八間山はあのピークのまだまだ先なのよ。YAMAPで歩いた人の地図を見ちゃうと、簡単に歩けそうな気になってしまうのが良くない。ほんと、良くない。

何年も登山をしてるくせに地図読みが甘い。いやいや絶対そんな楽なはずないって!と打ち消してみても、どこかで余裕っしょ(鼻ホジホジ)と油断してしまうのだ。

それは満塁のピンチになって始めてギアを一段上げ、本気の豪速球で軽く三振に仕留めてしまうダルビッシュ有の余裕とは次元が違う。

ショートの凡フライをまさかのヘディングでレフトへ後逸した伝説の宇野勝ヘディング事件とまさに同じ境地だ。

ちなみに、最悪なことにこの日の先発はあの闘将で知られる星野仙一。爆笑に包まれる球場で唯一グラブを地面に投げつけマジギレする男星野。

戦う男に冗談は通じない。今世紀最大のお笑いを前にキレ続ける面倒くさい男。

そんな姿に宇野勝が「ちょーダルビッシュ」と言ったとか言わなかったとか。

尚、電車で宇野勝ヘディング事件のYouTubeを見ると笑いが止まらなくなるから要注意だ。

 

シャクナゲロードを是ー々ー非ー々ー言いながら登り返す。これは必死の形相で撮った貴重な1枚だ。

ここから八間山まで3.7キロ。

まだまだ続くアップダウンに下山したら絶対に草津温泉に入るぞ!とご褒美のことを考えて乗り切る所存。

 

上りの時にも通ったこの分岐を八間山方面へ。

ゆっくりなら歩ける。行ってみよう。行けば分かるさ、ダァー。

 

本日一発目のツツジはムラサキヤシオ

去年に続いて今年もムラサキヤシオが見られるなんて、贅沢な山旅をさせてもらってるなぁとしみじみ思う。

 

八間山までのトレイルは爽快過ぎ。

とても正気でなんていられない。

 

中尾根の頭に到着。ここから八間山まで2.8キロ。

案内標識が多いから少しずつ距離を縮めている事を実感できていい感じ。

 

振り返る白砂山。山頂は完全にガスにのまれてしまった。ぎりぎりのすれすれでセーフだったぜぇ、天気予報は当たってたのねん。

これから山頂に向かう方々が少し気の毒に感じるけども、この稜線が晴れてるだけ良かったと思っておくれ。

 

 

他人の心配してる場合ではなかった。突然ガツンと下ってからジラレヘン登り返しをお見舞いされる。

このルートを自ら選択しといてヘバる訳にはいかない。

水平な稜線歩きなんてどこの山にも無い。くそっ。

登り始めからトレッキングポールを取り出して体力を温存しといてほんと良かった。朝イチで照り焼き弁当食べといてほんと良かった。登ってる間はそんなことばかり考えてた。

 

トレッキングポールは消耗品だと思ってるからAmazonで見つけた激安品を使ってるけど、やはりヘリノックスとか軽くて丈夫なのをそろそろ持っててもいいのかなと、たまに思う。物欲に押し潰されそうだ。

 

何度も繰り出される登り返しもきっとこれが最後だ。あちき負けないっ!ノボレノボレー!

 

オサバグサと思いきや、ツバメオモト

初めて見たよ。やはり希少種らしい。

 

八間山までまだ1.2キロ。平地の感覚ならあと2キロってとこだろう。

 

いや、黒渋の頭からの1.2キロはむしろその半分に感じられる快適トレイルだった。神様ありがとう。

ここの斜面は下から吹き上げる涼しい風を遮る物が一切無くて、ここまでの疲れが一気に吹き飛んだ。

立ち止まって襟を広げ、胸に風を取り入れる。見た目は悪いが砂漠で飲む水より美味い風だった。

 

シャクナゲって終わりが近づくと花が汚くなってくるけどまだ瑞々しくて元気もりもり。

 

さあ、いよいよ八間山は目の前。

やっとここら辺で足取りが軽くなってきた。いつもの調子が戻ってきた感じがする。全行程の内、9割は終わったというのに。

 

3日後には開花しそうなコバイケイソウ

 

ミヤマキンバイの大群生。春の花が終わって端境期を経ていよいよ夏山の花シーズン到来だ。

 

群馬県境トレイルを延々と歩いちゃう超人達にしてみればへなちょこだろうけど、それでも充分な達成感。

白砂山をチョイスして大正解だった。初めて野反湖にもやって来れたし。

 

という訳で、噂通りの登りごたえだったけど無事に八間山に到着。標高は1,935m。

 

うーん、御座山かな。勉強不足。

山頂からの景色は、雲がだいぶ出てきてしまいよく分からないなぁ。

 

右奥の雲に隠れちゃったのが白砂山。

あんなところからよく歩いてきたよ。頭おかしいんじゃない?と笑ってしまうけどゆっくり歩いてれば着くのよ、こりが。

山々の景色を楽しむことより、ここまでの充実した稜線をしみじみと眺めて休んだ。

 

野反湖駐車場に向けてゲッザーン

文字が薄れてさっぱり読めない案内標識だけどキャンプ場方面にゲッザーンだ。

やっと本格的な下りが始まる。

 

下り始めてわずか3分で樹林の間から野反湖が見えた。近っ!

こりゃゲザンもすぐ終わるな。

 

レンゲツツジ満開。ヤマツツジよりオレンジ色で一輪一輪が大きいのが特長だね。

見つけられなかったけど近くにコマクサも咲いてたらしい。惜しいことしたな。

 

さすが秘境。どこまで行っても原生林の森が続いている。

 

ツマトリソウ

 

ほんとにあっという間に八間山の登山口に到着。

 

ここからキャンプ場駐車場までは林道歩き。

意外と交通量の多い道。秘境から一気に俗世に戻ってきたことを実感する一方で、

 

道路沿いには高山でしか見られない花々が百花繚乱という矛盾。

これはベニサラサドウダン。他にもタニウツギやレンゲツツジなんかの大共演。野反湖凄ぇ!

 

おお、ずいぶん車が増えてる。

駐車場に着くとツーリング客が自慢のスピーカーでミスチルを爆音で流してて、やはり俗世に帰ってきた事を強く実感した。

勝利も敗北もないまま〜孤独なレースは続いていく〜♫(爆音!)

 

駐車場で軽くお土産が買えるよ。ニジマスカツサンドに軽い衝撃を受けて後ずさりした。

 

下山後は草津温泉へ

さあさあ、サァー!!

楽しみにしてた草津温泉大滝乃湯へ。

白砂山は草津温泉と四万温泉の有名温泉地に挟まれた好立地だから、どちらにも立ち寄らないのは大損だ。

ここ大滝乃湯は、草津温泉でも有名な立ち寄り湯だからそこそこ賑わってたけど、湯は流石に良かったし、建物の造りも独特で見てて面白い。

来て良かったよ。

 

更に帰りは道の駅六合(くに)にやって来たけど、半分地元密着型のスーパーみたいな商品陳列で、あまり見どころは無かった。

群馬名物の焼きまんじゅうが食べてみたかったけど、それはまた次回。

 

振り返って

悪いことは言わない、ダイエット中の登山はやめましょう。いきなり本日の反省の弁。

まあ、朝にガッツリ食べたからと言って突然体力が戻るわけでもないし、やはり最低2日前からたくさん食べて蓄えておく必要があるなと痛感した。

しかし1年で8キロ増はなかなかの衝撃。やっと5キロ減らしたからあと3キロかぁ。あと一歩だ。またドクターから「あなた死にますよ」宣告されない数値に戻すのにやっきになってる次第なのさ。

 

6月になって、ようやく2,000mオーバーの山でも雪が無くなった。白砂山から見えた北アルプスはまだまだ真っ白だったけど。

白砂山のベストシーズンは6月アタマ〜中旬。

高山植物の開花シーズンは一瞬で駆け抜ける。

きれいと言われる時は短すぎて〜♫ 桃色吐息だ!油断はできない。

梅雨ど真ん中という難しい時期だけど、ここには何年もかけてチャンスを伺うだけの価値があったよ。

下山後、事前に調べてた焼きまんじゅう屋さんに営業時間ぎりぎりに着いたらなんと準備中。しかも店内からご主人と思われる初老の方から訝しげにガン見され追い返されるという貴重な経験をして帰ったよ。

いつになったら焼きまんじゅうは食べられるんだか。

ではでは

 


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