2019年10月。
せっかく紅葉シーズンを迎えたのに週末の天気に恵まれずふて腐れてる山好きの皆様、こにゃにゃちわ。
今回は九州のグランドマザー祖母山(そぼさん)に登ってきました。
4年越し?いやもっとか。とにかく祖母山に登るなら絶対に秋、そして尾平登山口から登ろうと決めて長年秋晴れの日が巡ってくるチャンスを待ってました。
そんな祖母山の魅力を思いっきり堪能できるのが傾山〜祖母山縦走の2泊3日コース。それが日程的に無理という方は、こちらも健脚コースですが今回自分が歩いた尾平登山口を起点にして黒金尾根ルートで上り宮原ルートで下る日帰りコースがお薦めです。コースタイムは8時間です。
更に時間が無いという人には春のアケボノツツジが綺麗な北谷ルート。北谷は標高1,100mから登ることができるためファミリー登山にも向いてます。
黒金尾根ルートは山頂までの単純標高差は1,156mですが、稜線に出てからのアップダウンがあるのでそれなりに体力が必要です。
最上段の表紙にも使用した写真は天狗岩方面から狙った祖母山で、黒金ルートでは定番の一枚です。ここはぜひぜひ秋に歩いてもらいたいルートです。
それでは祖母山登山のポイントです。
祖母山のポイント
①バリエーション豊かな登山ルート。
②圧倒的な岩峰群
③神話の里の歴史ある山
祖母山は九州を代表する歴史ある山です。
万人に親しまれる阿蘇。花と火山が魅力の九重。
全国から見た九州の山はこの二大勢力に人気が集中する傾向にありますが、祖母山のバリエーション豊かな登山ルートと深い原生林、錦秋に染まる九州一の紅葉と圧倒的な岩峰群、そして日本がまだ神話だった頃からの歴史深さは、旅慣れた人にこそ良さが分かる山だと思います。
祖母山は宮崎県、大分県の県境に位置する山です。標高は1,756m。日本百名山、花の百名山、九州百名山。初代天皇の神武天皇の祖母トヨタマヒメを祀った山であることがその名の由来です。
「即位礼正殿の儀」を翌日に控えたこの日、余は神話の山を歩くぞよぉ~
いざっ
ルートとコースタイム
■2019年10月21日
尾平登山口⇒(185分)⇒天狗岩⇒(90分)⇒祖母山頂⇒(10分)⇒9合目小屋⇒(60分)⇒小広場⇒(70分)⇒二合目⇒(65分)⇒尾平登山口
標準コースタイム:8時間00分
祖母山登山 本編
尾平登山口へ移動
宮崎県の高千穂峡経由で登山口の尾平(おびら)へ向かいます。
高千穂峡は天孫降臨の地、神話の里と言われてます。
そんな訳で途中に立ち寄ったトイレにあったこの林道のコースマップも「天走行輪」。ふふっ。
この案内図に「注意!」箇所が多い通り、狭く曲がりくねった道が延々と続きとても楽しめる様な道ではありませんが。。
尾平登山口の駐車場に着きました。晴れ予報の日曜だというのに車は少なめです。
本日は大崩山登山の時に子供から絶縁状を叩きつけられた関係修復に時間がかかっているため1人で寂しい登山です。
妻と子供はそのまま高千穂峡に戻って観光を楽しんで下山のタイミングでピックアップしてもらう贅沢な送迎付き登山です。
送迎方式の自分は免除ですが、駐車場は有料で500円/日かかるみたいです。
封筒に車のナンバーを記載して500円を入れて設置されたポストに投入すれば大事な車で帰ることが許される身代金方式の様です。
でも、看板に書かれてる「もみじや駐車場⇒(矢印)」の方のスペースはテープが張られて立ち入り禁止になってるし、支払う必要はないのかもしれません。なんかよく分かりませんね。
駐車場から少し歩くとトイレも出てきます。獣の匂いがしたのでたまにイノシシなんかがやってくるのかもしれません。
トイレで用を足してたら後ろで順番待ちしてたのがイノシシだったらなんてスリリングなんでしょう。
祖母、傾、大崩はユネスコエコパークに登録されているエリアです。
1泊2日で傾山との縦走も考えましたがあまり時間がないので、日帰りの中で祖母山の良さを最も堪能できるルートを厳選しました。
そうです、待ち焦がれていた祖母山登山なんです。
とりあえずもう少し先に行けば祖母山を一望できるポイントに出るから楽しみっ!
それがこれ!っておいおい!晴れ予報だったのにガスがかかっとーやん!!
10月下旬の秋晴れの週末を何年も待ち続けたと言うのに、着いてみたらまさかのガス!
これは緊急事態だぞ。。
青空の下、古祖母山〜大障子岩〜祖母山が壁の様に立ちはだかる急峻な山並みを心待ちにしてたのに!登る前から涙が止まらん。。
まあいい!登っている内に晴れてくれることを祈って、
「祖母登山礼正殿の儀(そぼとざんれいせいでんのぎ)」、開始でおじゃるぞ!
黒金尾根ルートで登山開始
黄色の橋を渡ると宮原ルート。
余は今回、上りは黒金尾根を行くからこのまま沢を遡上するぞよ。
黒金尾根から祖母山山頂まではいくつものロープ、梯子が出てくるデンジャラス地帯のため、上りで黒金ルートを歩き、宮原ルートで下山してくることを薦めるぞ。
岩稜帯は下山の方が難しいでおじゃるからな。
標高600m地点に着きました。
ここから山頂1,756mまで頑張るぞぃ。
川上渓谷の美しい流れを眺めながらのトレッキング。緩やかな傾斜の上り、歩きやすい登山道、出だしは好調。
渓谷の湿った空気で森全体が瑞々しい。
それはいいことなんだけど、
前日に雨が降ったからなのかトレイルも湿ってて木段や木の根っこがすごく滑るのが恐怖です。
橋を渡るんだけど、ここでも木がぬめってて滑る滑る。
滑らない様にワイヤーに捕まって歩くと揺れる揺れる。ひー!
緊張のあまり呼吸を止めてることに気付かず、渡り終えただけで息づかいがハァハァとまるで変態。
再び橋を渡る。表面に苔を塗った岩が異常に滑るため木の枝に捕まりながらゆっくり進む。
もうずいぶん昔に買った登山ブーツで、最近は庭の野良仕事でしか履かない代物だからソールがつるっつるで恐ろしく滑る。靴選び失敗しました。
見上げる原生林の紅葉の色付きはイマイチ。まだ標高が低いからここから先に期待といったところぞよ。
川上渓谷とはおさらばして祖母山方面へ。
写真で見る以上に急登。一気に汗が噴き出す。
正しいルートを示すピンクリボンは至るところに設置してくれてるから助かるんだけど、踏み跡が薄くて油断すると間違えそうになる。
登山口にもそんな注意書きがあたったので皆の者も気をつけるのじゃぞ。
タオルを拾いました。
タオルの上に落ち葉とか積もってなかったので落としたばかりだと思い、このまま持って山頂で手当たり次第に聞いて、落とし主がいなければ登山口に掛けておこうと思います。
落とした所に掛けといても誰も取りに来ないまま山のゴミになるだけだからね。
いきなりロープが現れる。しかも連発で。
何度も繰り返すけど、すげー急登です。
今回のルートでは歩く距離はわずか10キロで単純標高差1,156m、アップダウンも入れたら1,600m近く登るから急登の連続です。
スタートから200m登りました。
川上渓谷の展望所に着いたみたいなので覗いてみましょう。
ふんぬー。
沢なんて1ミリも見えん。
稜線は少し近づいてきた感じはあるけど・・まだまだ遠いな。
ひー!
繰り返すけどね、なおも続く急登。既に満腹を通り越して胸やけを起こしそう。
標高600mから登り始めて300mほど登ったところで体力的にしんどくなってきた。
急登だからいつもより疲れるのが早いと気づき慌ててペースを落とす。まだ先は長いのだよ。やみくもに歩くでないぞよ。
容赦なく襲いかかる急登。
もっとも~っとたけもっとー!
やっとこさ1,100m。北谷ルートならこの標高からスタートできるんだからそりゃ楽だろーよ。
登り始めの600mから山頂までのまだ半分も登ってないっていう事に驚くわ。。
あんまりしんどいからもう帰ろうかな、とちょっと頭をよぎるぐらい今日は体が重い(ただ単に太っただけだよ!)。
よしよし、少しずつ色付いてきた。紅葉してることが確認できてテンションアップ、一人どんちゃん騒ぎ。
初めての祖母山なんでね、何としても天狗岩側からの祖母山を見てみたい!という思いだけでここまで頑張って登ってきました。
しかしこんなに頑張って稜線がもしガスってたら立ち直れませんね。
1,750mの山で1,300mまで標高を上げてくるとあと少しって気になってくる!
ぽたぽたと垂れる汗が止まらない。
俄然やる気でてくる。
標高を上げるに連れて見える変わっていく風景を楽しめるのは登山ならでは。
だいぶ空も近くなってきた。
さっきまでの苦しみは少し緩和され、確実に山頂までは行けるという気にもなってきたよ!
こうやって緑に交じる黄色と赤の配合が変わっていく様子が楽しい訳よ。
期待できる!
なんかさっきから標識の写真ばかりだな。。
ちょうどここら辺でガスに取り囲まれました。登り始めに見えたガスが漂う標高に突入。
枯れた熊笹の間を抜けていきます。
ここら辺でやっと前を歩くご夫婦、第一登山客を発見。声を掛けるとこちらの奥さんがタオルの落とし主でした。見つかってほんと良かったよ。
「天狗の水場」。水量は少なめで両手ですくって飲むのに5秒ぐらいかかり、「ええーいもういいわ!」と一口で癇癪を起こした。
「天狗の岩屋(泊)」と書かれた洞穴がでてきました。
こういう所でビバークすることにならなったらほんと嫌だな。。
突然ゴーロ帯に突入し、ブーツが恐ろしく滑るから四つん這いで進む。こちとらこんなところで一人で怪我するわけにはいかないっス!
天狗岩も近づいてきた!葉の色付きも狙い通り!
稜線までもう少しもう少し。
いよいよ稜線からの撮影大会
ガルルルルらぁー!!しゃーーー!!
「天狗の分かれ」に着いたぜぇ!どんなもんじゃい。フーフーフー!
左へ行けば天狗岩や古祖母山や傾山方面。
祖母山へは右へ!!!
そして展望所へ!
ここからの祖母山の景色をずーっと楽しみにしてました。
どうやら晴れてくれてるっぽいけど、どうか?
固唾を呑んでこの先の展望を待つ。
トヨタマヒメ様〜お願いだよ〜ガスよ晴れたまえ〜
ひゃー、いただきました!
毎度こういう場面で「はい、どぼぼーーーん」って流れだったけど今回は違う!
いやぁ、嬉しい。ほんと報われたよ!
この一枚を撮るために登りに来たと言っても過言ではないので、ホワイトバランス変えてみたり、20枚以上撮ったな。
で、上の写真が何枚も撮った内の一枚。どうでしょう?うまく撮れてますよね?
振り返った天狗岩もなかなかの迫力。岩稜と紅葉がほんとお見事。秋の祖母山、ほんとお薦めしちゃう!
駐車場に車が少なかったのが勿体ない。ちなみに黒金ルートを歩いてて出会ったのはたったの4名だけでした。
祖母山の山頂を目指して移動開始。
お目当ての1人撮影会を楽しみ、あとは山頂までえっちらおっちら歩けばお昼ご飯だなんて考えてたら、苦労して稼いだ標高を一旦えげつなく下げる。そして山頂に向かって再び登り返していきます。
もうダメージ半端ねぇっす。
1,600mまで登ってきました。先ほどから標高案内を写すだけの面白みに欠ける写真ばかりです。
展望所は至るところにあるんだけど、登山道の周りはご覧の通り背が高い枯れた笹薮が邪魔して景色を楽しむことはできません。
と思ってたらこんな開放的な林の中に放り出された。
だだっ広い林間を歩くのは気持ち良いし、なんと平和な山なんだぁ~って感じ。吹き抜ける風に汗もさ~っと乾いていく。
オオセンチコガネをたくさん見かけました。
動物の糞を食べる山の掃除屋だと知ってからこの虫には触らなくなりました。
山頂直下の岩稜帯
梯子が出てきました。
さっきまでの平和な雰囲気から一転。なんか危険な香りがプンプンするぞ。
やべぇ!!この先ちょーやべぇ!
とんでもないところに梯子が掛かってるのが遠目にも分かる。
祖母山、、マッスル婆ちゃん系ですな。
標高1,700m。もはやお決まりの標識だけのつまらない写真。。
とりあえずあと56m登れば山頂だよ。
ひ、ひーーー!!!
考えが甘かった様です。
残り56mが最も過酷な区間だった。。
ひ、ひーーー!
ひひひーーーー!!!
まさかの梯子のおかわり。うーん、やはりこのルート楽しい!(そっちか!)。
九州で最も難易度が高いと言われる大崩山と同じ山域なだけに険しい!
黒金ルート名物『賢所大前裸足の女神よの儀(かしこどころOh!myはだしのめがみよぉ〜のぎ)』。
梯子ではないところはロープ。ロープではないところは梯子というお婆ちゃんからのお仕置きの波状攻撃はまさに国賓級のおもてなし。
黒金尾根を下りで利用しなくてほんと良かったぜぇ。。
岩場って一気に標高を上げられるけどその分疲れるんだよね。
紅葉を見上げて一息つく。
ここを上れば山頂かな?
ひーーー!違った!
まあしかし、岩場と紅葉って登山をする人しか見ることのできない絶景だよね。
ロープって滑るから握力使うんだよなぁ。。とブツクサ言いながら上っていく。
怠惰な生活によって絶賛体重増量中。それにより握力はもはや限界。いや、握力うんぬんかんぬん以前にロープの耐荷重が限界かもしれない。
これが最後の壁。こいつを乗り越えたらお婆ちゃんに会えるよ。
雲海の大絶景
着きましたー!!
トヨタマヒメが祀られてるのはこちらかな?
山頂にお邪魔します!
すごい!今歩いてきた稜線を滝雲が流れていく。あの滝に呑まれてたら死んでたかもしれない(笑)
しかしなんちゅうドラマチックな展開。この恵まれたタイミングで山頂にいられる登山客はみんなラッキーだわ。
諦めなくてほんと良かった。
雲海から頭を出しているのは九重。祖母山側からだと大船山が右に見えるんですね、なんかすごく新鮮っ!
多幸感に溢れる雲海の大絶景。
こちらは阿蘇山。噴煙が上がってたから一目瞭然です。まったくうっとりしちまうじゃないの。
ちなみに雲仙普賢岳も遠くに見えました。遠すぎてカメラには映らなかったけど。
雲海にのまれていく岩峰群。
山頂だけ晴れた幸運とこの神秘的な景色にトヨタマヒメ様からのご褒美を感じる。
トヨタマばんざーいばんざーい。
山頂で自撮り。その1。
誰かに撮ってもらえたら楽なんだけどなぁ〜。。
という訳で、これから2人で記念撮影をしようとしてる人に声をかけてみます。
「撮りましょうか?」(その後、余のことも撮っておくれ)
パシャっ。
「ありがとうございました~。あ、撮れてる撮れてる~。ナイっスー」。と満足そうにその場から立ち去るお2人。
ヘイ、プリーズ。余は?
その後もそんな感じで2組目にも声を掛けて撮ってあげましたが、
「あ、撮りましょうか?」「え、いいんですかぁ?すみません~」という思い描いたやり取りが交わされることはなく、一方的なボランティア活動で終了。
ちっ。
(T_T)
まあいい。
気を取り直して!お次は、
『饗宴肉巻米粒の儀(きょうえんにくまきおにぎりのぎ)』!
本日のメニューは、肉巻きおにぎり、チーズハンバーガー、超絶甘ったるいコーヒー、食後のデザートにラムネ。
このコーヒーはパッケージがハロウィンっぽくて良いな、と思って買いました。
三ツ星レストランを上回るフルコースぞよ!
自撮り、その2。
饗宴の儀&1人ハロウィンパーティーを終えて満足そうにしてるこの姿は松坂慶子の演技以上にわざとらしい。
食べた場所からわざわざ場所を変えて、カメラを設置して慌ててポーズをキメて撮れた写真を確認しに戻って、という動作を忙しそうに3回繰り返してたら食べた物を吐き出しそうになったことを白状する。
宮原ルートでゲッザーン
充分時間をかけて雲海の絶景を楽しんで下山開始。
下山中も雲海から頭を出した九重と紅葉のコラボに足が止まってしまう。
スリリングな黒金ルートと違って宮原ルートはのんびり歩けるルートです。
これから山頂を目指すご年配の方と、軽く挨拶を交わしてしばしこの景色を堪能しました。
自撮り、その3。
下山風景を撮ってみました。
9合目小屋までは傾斜が緩いので思わず走り出したくなるコースです。
そしてカメラを取りに戻る。
戻って来る時は上りなのでちょいとキツイ。
コイツよくやるなとブログを読んでて思われた方もいらっしゃるとは思いますが、本人それなりに楽しんでますから同情はいらない。
9合目小屋に到着しました。山頂からコースタイム10分だけど自撮りを繰り返した結果20分かかりました。。
中はご覧の通り清潔そのもの。ちょっと前まで管理人が常駐する小屋だったので皆さん大事に使ってる感じがあって良いですね。
でも奥を覗くと中で焼き肉してる人がいて煙もくもく。。
即退散しました。。
雲の層の標高に突入したらこの景色とはおさらば。なんとも名残惜しい。
おお。これこそ僥倖というやつでおじゃるな。
紅葉をまとった岩峰がガスに煙る姿はなんと幽玄的。こんな祖母山登山なかなかできないと思う。
振り返った祖母山は黒金ルートで見た姿とは全然違う姿です。やはり天狗岩側から見た景色が1番素晴らしいわ。
この直後にガスが下から湧いてきてあっという間に暗くなり山頂を呑み込んでしまいました。
ガスは更に濃さを増していき、それ以降山頂の姿は見ることはできませんでした。
たまにこんな感じでちょっとスリリングなところもありますが、宮原ルートは概ね安全です。
リンドウがぽつぽつ咲いてます。
リンドウが山の花の最終ランナーです。これが枯れる頃、下界より早い冬が到来します。
しばらくだらだらと緩斜面を下っていくのであまり標高が変わりません。
小屋泊装備のソロの女性とすれ違った時に、小屋泊と思われる親父3人組が先に行ったよと情報を伝えます。ちなみに小屋のすぐ近くのテン場には既に1張ありました。
明日は天気悪いっていうのに宿泊客がそこそこいることが意外。
やっと傾斜がきつくなってきて標高をガツガツ下げていきます。ここら辺は単調だったのでちょっと小走りです。
途中で林道経由で尾平に下るルートとの分岐がでてきます。ここが2合目です。
ブーツが滑って危なかったので林道にするか一瞬迷いましたがこっちの方が遠回り。遠回り。
と言う訳でこちら。尾平登山口に向けてトレイルで下ります。最後の最後まで登山道を楽しんでこそ祖母山満喫の旅だと思えたので。
何も変哲のない登山道に見えますが土の上ではなく大きな岩の上を歩きます。意外と滑らなくてほっとします。
あと100mでゴールだよ!
登り始めの時に通り過ぎた吊橋を渡ります。ところどころ底が抜けてるのが怖いじゃないのっ!
振り返った祖母山は完全にガスの中。
最後までここからの祖母山の景色は見ることは叶わなかったけどね、余は満足ぞ。
明日は雨予報。ぎりぎりのタイミングで紅葉が楽しめました。
九州では残念なことに熊が絶滅したと言われていますが、祖母山周辺は熊の生存が否定できないエリアと言われてます。
目撃情報ではアナグマとの見間違いと言われてたりするけど、個人的にはなんとか生き残ってて欲しいと思ってます。
禁断のエナジー!!
登る前に飲んどきゃ良かったぜ!!
この後、電波が通じるところまで林道を5キロほど歩いて妻と子供と合流して帰りました。予定していた延岡にある祖母の墓参りは、ここから下道で70キロもあったので諦めて帰ります。延岡はやっぱ遠いわ。
木地屋でとろとろ温泉
帰りの温泉は五ヶ瀬温泉の木地屋へ。内風呂しかなかったけどとろっとろの湯にはびっくり!
九州のへそに位置する五ヶ瀬から眺める夕焼け小焼けが今回の旅の締めくくり。夏が長い九州もすっかり秋の空になりました。
帰りに食べようと思ってた赤牛丼のお店はランチタイムしか営業しておらず、基山サービスエリアでうどんを食べて帰りました。
基山SAと鳥栖駅のうどんは三ツ星の美味さです。って自分が紹介するまでもなく有名みたいですけど。まだ食べたことがないって人はぜひ行くべし!
振り返って
祖母山がある宮崎県の高千穂は天孫降臨の地で神話の里と言われてます。初代天皇の神武天皇の曾祖父の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と8人の神が三種の神器と共に降り立った地と言われ、なんとも不思議な興味を掻き立てる里です。
昔から山には神様が宿ると信じられていた日本では、ほとんど全ての山に神様を祀る祠があり、山の助数詞が「座」なのは山には神様がいると考えられてきたからです。即位礼正殿の儀の前日に神話の山に登りに来れたのはまったくの偶然ですが、そのお陰で神話と天皇家の関係、三種の神器や山の神々に興味を持つことができました。
下山途中で振り返るとガスに巻かれていく神々しい祖母山がありました。
山頂からの雲海の眺めも良かったけど、この景色にしばし呆然と見惚れてしまいました。
あ~祖母山、やっぱ最高です!
百名山の中で1番つまらなかったと揶揄する人もいる祖母山ですが、正しく評価されてないと思います。そんな風評に影響を受けている登山客もいると思いますが、
百名山ハンターのスタンプラリーみたいな即席登山でこの山は語らんでもらいたいでおじゃる!
高千穂峡で生まれた日本誕生の神話も面白いし、険しい岩稜帯、原生林の紅葉、渓谷の美しさ、山頂からの素晴らしい眺め。
期待してた以上の山でした!
ではでは