【登山かわら版】アルプスの岩稜にチャレンジ! 憧れの岩峰と三大キレットへ!グレーディング別に紹介するぜ!

【登山かわら版】アルプスの岩稜にチャレンジ! 憧れの岩峰と三大キレットへ!グレーディング別に紹介するぜ!

さァ、アルプスの岩峰を登ろうぜ!

 

前回の関東近郊の岩稜・鎖場編に引き続き、今回はアルプスの岩稜ルート(一般ルート)を紹介するでゴザル。

 

ジャンダルム三大キレット馬ノ背吊尾根、剱岳。ちょっと怖いけどいつかは歩いてみたい嬉ションルートが、きら星の如く散りばめられているのが、ここ北アルプス。

登山を始めたばかりの人からジュクジュクの熟達者まで、みんなのハートを掴んで離さない憧れの縦走路。

今年の夏もダイナミックな景色とすさまじい達成感を味わいにアルプスへレッツらゴーの助じゃい!

 

グレーディング

いきなりつまらない話だけど、まず最初に山のグレーディングを知っておこう。

これを参考にしながら自分が実際に歩いた感想を交えながら書くよ。以下の表は長野、富山、山梨の山のグレーディングを簡単にまとめたもの。

難易度
A B C D E
体力度
10
9 大キレット
8 槍ヶ岳 甲斐駒ヶ岳~鋸岳
7 奥穂高岳 八峰キレット 北穂~涸沢岳~奥穂~前穂
6 鹿島槍ヶ岳 不帰キレット 剱岳 早月尾根
5 五竜岳~唐松岳 西穂高岳 剱岳 別山尾根

右にスクロールして見てね。

 

縦軸が体力で、横軸が技術的難易度。

右上に行くほど困難なルートっていう見方だけど、このグレーディングを参考に選ぶのが手っ取り早い。

大キレットが一番右上にあるから、とりあえずここに向けてステップアップ&岩への順応を上げていきたい。

ちなみにジャンダルム〜馬の背は大キレットのワンランク上の場外ホームランだと思っておこう。

それと、岩稜は上りより下りの方が難しいから、どこを起点にしてアタックするかがとても重要になってくる。

西穂から奥穂へ向かうのと、奥穂から西穂へ下っていくのは全然違うからね。初めて歩くルートであれば、難所は上りで通過するのが望ましい。

 

山梨と長野の山グレーディングはこちら
岐阜の山グレーディングはこちら
富山の山グレーディングはこちら

 

1.五竜岳~唐松岳(グレーディングC-5)

どすこーーい!!

初めてアルプスで岩稜歩きをするという方へは、難易度的にこのコースを薦めるよ!

その理由は以下3点。

①五竜岳、唐松岳のどちらから登ってもロープウェイを利用できて岩場での体力を温存できる

②五竜岳、唐松岳どちらにも素晴らしい山小屋があるから一泊二日で歩くにはもってこい。

③岩場の難易度は今回紹介する中では一番低い。

 

難易度が低いとは言え、一般ルートの中では上級者コースだから油断するでないぞ、ニンニン。

 

ここでは五竜岳→唐松岳のルートで紹介するよ。

五竜山荘を出発して、しばらくなだらかなアップダウンを繰り返しながら、のんびりアルプスの景色を楽しもう。

そんなほんわか登山に終止符を打つのがこの「これより岩場」のご案内。オエッ。

 

さあ、ガツガツ行くぜぃ!

という意気込みとは別にペースは常にソロリソロリ。

 

後立山連峰は岩稜帯の宝庫。不帰キレットや八峰キレットがその代表格だけど、五竜岳〜唐松岳もなかなかワクワクさせてくれるルート。

 

夏の猛烈な日差しを避ける様に、朝早く五竜山荘を出て、日陰の西側斜面を通過したい。

 

ちなみに、なぜ五竜岳→唐松岳で紹介したかと言うと、自分は基本的にテント山行を前提にしてるから。

唐松岳のテン場は、眺めはサイコーなんだけど山小屋から少し離れてるのが、ちょっちゅねー残念。

五竜山荘のテン場は小屋のすぐ近くで、フラットで眺めもヘブンっ!

そんな訳で五竜山荘でテント泊して、翌日に唐松岳に向かうのが良いね。

 

さあ、唐松岳が見えてきた。

五竜岳側から眺める唐松岳は端正で美しい。

もうここまで来ちゃえば危険箇所はない。唐松山荘でザックをデポったら、浮かれ気味に山頂を踏みに行こう。

下山は八方尾根を下って、ロープウェイであっという間に下界へひとっとび。

http://hibihansei.jp/karamatsu-2020-8/

 

2.槍ヶ岳(グレーディングC-8)

どこからも、ひと目で分かるよ、槍ヶ岳。

標語っぽく言ってみたYo!

 

山を歩いてて、遠くに槍ヶ岳が見えた時の感動ったら無いもんねー。槍ヶ岳は間違いなくアルプスのシンボル。つか国宝。

そんなヤリさんは、とにかく体力勝負の山。

グレーディングはさっき紹介した五竜岳〜唐松岳と同じ難易度になってるけど、もはや技術なんぞいらない。

 

体力あるのみ!

 

自分は毎回アプローチの長さで屍となる(嘘でないよ)。

 

急峻な北鎌尾根はバリエーションルートだからここでは触れないけど、上高地と新穂高温泉のどちらからアプローチしても難易度は同じで、核心部は穂先だけ。

 

という訳で、核心部の槍への取り付きだけは慎重に行きたいところだけど、なんせここまでが長過ぎてヘロヘロ。

しかも、目を凝らして見ればハイカーが列をなして岩に張り付いてるし。エベレストかいな?

人気の山の宿命だけど、こんな数珠繋ぎで岩稜を歩くなんて、落石を考えるとゾッとする。

できれば一泊して、その翌朝にアタックしたい。

混まない早朝や夕方を選ぶべし!

 

槍の穂先に取り付くと、梯子、鎖、ホールドが絶妙な位置に取り付けられてるから、見た目以上に簡単に登れるはず。整備してくれる小屋の方々に多謝!

登りと下りでコースが分かれてて一方通行になってるのも安心だね。

 

3,180mの山頂に登れば大パノラマが待っている。

今いる槍ヶ岳から遠くに見える穂高山まではグレーディングで最難関とされる大キレットと北穂〜奥穂の縦走路が見える。

上高地から標高差2,000m、20キロの距離を歩いてきた苦労もこれを見れば報われるわー。

 

ちなみにゴールデンウィークだとまだこんな感じで雪が残ってて鎖が埋まっちゃってるから、ピッケルとアイゼンは必須。

雪が緩いと難易度が増すから、雪が締まってる早朝に登った方がいいね。

http://hibihansei.jp/yari-2017-9-30/

 

3.不帰キレット(グレーディングD-6)

初めての3大キレットなら、アコムばりにご利用は計画的に!

キレットデビュー戦はどこにしようかと迷われてるなら、自分は断然不帰キレットを薦める。

ちなみに読み方は「かえらずキレット」だったり「かえらずのけん」。略して「カエラズ」と呼ぶのが一般的。

とにかく縁起でもないにも程がある名前だ。

 

ここでは白馬岳側の天狗山荘→唐松岳で不帰キレットで紹介するよ。

 

天狗山荘からの不帰キレットは、「天狗の大下り」と呼ばれる標高差300mの激下りから始まる。

迫りくる不帰キレット第Ⅰ峰と核心部の第Ⅱ峰。

 

唐松岳からスタートする場合は、登りで八方尾根ロープウェイが使えて不帰キレットまで体力温存できる。ただ、その代わりに最後にこの300mの鬼の激上りが待ち受けてるという事を肝に銘じておこう。

 

迫りくる第Ⅱ峰の北峰。

白馬岳側から歩くメリットは、最大の難所第Ⅱ峰の北峰を上りで通過できること。

急峻な斜面は上りのほうがダンゼン安全なのは言うまでもないからね。

 

急峻な岩場をクリアしたら不帰Ⅱ峰北峰に到着。

ここまで来ちゃえばハッキリ言って後は楽勝で、周りを楽しむ余裕も出てくるはず。

この絶景を楽しみながらカエラズのゴール地点唐松岳を目指そう。

 

唐松岳からここまで歩いてきた不帰キレットを振り返る。

唐松岳は人気の山だから、いつも多くのハイカーで賑わっているし、長野の学校登山でも登られてたりするから、代わる代わる記念撮影が繰り広げられる光景に、これまで静かだったキレットとのギャップにたじろぐこと間違いなし。

http://hibihansei.jp/karamatsu-2016-8-7/

 

4.八峰キレット(グレーディングD-7)

三度の飯より八峰が好っきー!

 

さあ、カエラズをクリアしたらお次は八峰キレット(はちみね)へとステップアップ。

上の写真は鹿島槍ヶ岳から撮った八峰キレットの全貌。そしてその先にそびえるのが五竜岳だ。

 

後立山連峰、通称ゴタテにそびえる2つの百名山、鹿島槍ヶ岳五竜岳を結ぶギザギザした鬼稜線が八峰キレット。

 

カエラズに比べれば難易度は低いって言う人もいるけれど、

それ、完全に猛烈に間違ってますから。はい。

 

高所恐怖症の自分だからこそ分かる違いってやつね。

「こりゃマジで怖いやつー!」って絶叫しまくったもんね。急峻な岩場とアップダウンの連続は体力的にもしんどい。

 

でもね、ここ素晴らしいんだよ。

 

大キレットやジャンダルムみたいに殺風景な風景が続くのではなく、ハイマツ帯も多いからオコジョや雷鳥も多い。しまいにゃ氷河まで出てきちゃうという歩いてて景色の変化を楽しめちゃうのが八峰キレットの最大の魅力。

 

これ、自分みたいに岩場が苦手な人にはちょー大事。このあと紹介する大キレットやジャンダルムで書いてるけど、殺風景な岩場に飽きてくるんだよね。

 

やはり山登りに緑は大事な要素で、癒やしでもあるから、自分は今回紹介するコースの中では1番好きなコースかも。

 

ここでは鹿島槍ヶ岳→五竜岳で八峰キレットで紹介するよ。

 

八峰キレットと言えば、このポイントがとても有名だけど、びっくりするぐらい完璧に整備されてるから慎重に行けば大丈夫。

こういう整備をせっせとしてくれるキレット小屋の方々に感謝しなきゃね。

 

とにかくキレット小屋のちょい鹿島槍ヶ岳寄りの辺りと、五竜岳のG5というポイント付近。この2つの区間が核心部だと覚えておこう。

 

どんどん険しさを増していく八峰キレット。

ワンミスが命取りだけど、G5〜G4区間の鬼坂に比べれば難易度は低い。

 

やっと現れるキレット小屋。よくこんな所に小屋を建ててくれた!と感動すること間違いなし。

八峰キレットにはエスケープルートなんて無いから、ここでしっかり休んでおこう。

なんなら泊まったっていい。

 

振り返れば鹿島槍ヶ岳の立派な姿。

五竜岳方面に向き直れば、左の景色は立山と剱岳、右を向けばカクネ里雪渓。もっと遠くには浅間山も見える。

とんでもない絶景を堪能しながら、国内屈指の難所を通過。

ここには北アルプスを歩く楽しみがたくさん詰まってるでゴザル。

 

少しずつ近づいてくる五竜岳。そしてその手前に見えるG5(グラート5)付近が最大の難所。

終盤にきてこのアップダウンがしんどい。

八峰キレットの全長は約4キロ。たった4キロと思えるか、長いと思うかは体力と経験値次第。

自分は果てしなく長く感じたけど。

つか、難易度うんぬんより、この鼻血ものの絶景を満喫してもらいたい。

 

鎖場ばかりに気を取られがちだけど、眼下に目を凝らせばバカデカい熊がいた。

距離は十分離れてたからね、母グマの後ろにはよちよち歩きの子グマが2頭いて微笑ましく見れたよ。

オコジョもいたし、雷鳥も見たし、猿には手を振られたし(ほんとに)、

鹿島槍ヶ岳の山頂ではトレランの上田瑠偉選手もいたし(笑)。

 

上田選手は、自分がキレットへと下っていく途中しばらく心配そうに見てくれてて、振り返るとルートは間違えてませんよー!と指差ししてくれたナイスガイだった。

つか、よほど危なっかしく見えたのかも(草)

http://hibihansei.jp/goryu-2020-8/

 

5.大キレット(グレーディングE-9)

まるで火山の様にモルゲンに染まる北穂。

怒涛の3大キレット3連発。

最後は大キレット

大キレットの入り口までが、どこからアプローチしても長い!しかも、大キレットに突入したら最後、エスケープルートはないから前日は南岳山荘か北穂高小屋でしっかり休んでから挑みたい。

 

※ここでは槍ヶ岳側の南岳→北穂で紹介するよ。

 

まず声を大にして言いたいのは、南岳小屋のテン場はフラットで広いし、水もうまいし、景色もサイコー。

何より穴場ってのがイイネ!

キレットに突入する前日の夕方、そんなヘブンに高山病とシャリバテでヘロヘロになった自分は到着したのだよ・・。テントの中で高山病とシャリバテでブルブル震え、こりゃ駄目だと思ってフラフラと小屋に移動してストーブで暖まりながら日清カレー飯を食べたら元気になった(笑)。

 

翌朝、すっかり元気になったからテントを回収して、いざ大キレットへ。

南岳小屋は標高3,032m。大キレットの最低コルは2,748m。北穂が3,103m。つまり単純標高差は350m。

大キレットは全長6キロ。途中に長谷川ピークがあったり鬼のアップダウンを繰り返す。

 

上高地から大キレットまでが長かったというのに、大キレットから岩、岩、岩の無限イワ地獄。覚悟しいやー。

 

さあ、これが有名な長谷川ピークだ。

北アルプスは、登山をしていればどこかで聞いたことのある有名スポットがいくつも点在している。

名ばかり有名で目立った特徴も無く気付かず通り過ぎちゃうことも多いけど、長谷川ピークも実はそんなところ。

ただ、長谷川ピークを過ぎると、北穂まで更に険しさを増すと思って身構えておこう。

 

真夏だと午前中は日陰を歩けるのが助かる。逆に午後だと日除けがないこの斜面でこんがり丸焼けになるから覚悟すべし。

 

とにかく長く続く岩場。

ここの岩稜は、先に紹介したカエラズや八峰とは明らかにレベチ。ザクなんかとは違うぞ、装甲もパワーも!ってやつだ。

お腹も空いた。高山だとシャリバテが襲ってくるのも早いからちょっとの空腹感でも何か口に入れることを心掛けている。

一度シャリバテになると復活するまで時間がかかるからね。ここにはエスケープルートはないし、ちょっとしたことが命取りなのだよ、もぐもぐ。

 

眼下には涸沢ヒュッテが見える。歩いたのが10月1日だったから、すでに紅葉も始まっている。

大絶景に胸が躍ること間違いなしのハイカー憧れのルート。

http://hibihansei.jp/kitaho-2017-10-1/

 

6.北穂高岳~涸沢岳(グレーディングE-7)

大キレットと同じ難易度を誇るのが北穂~奥穂縦走ルート。

大キレットの延長でそのまま雪崩れ込む様にこの岩稜ルートに突入だ。

このルートは最後の奥穂付近が最も優しい。核心部は北穂~涸沢岳の区間。

※ここでは北穂→涸沢岳で紹介するよ。

 

これから歩くルート。

見渡す限りの岩稜に少し酔った(笑)。

ほんと嘘ではなくて、歩いても歩いても岩しかない世界に気持ち悪くなったんだよね。非日常過ぎて頭がおかしくなったというか、まるで鉱山に強制労働しに来た気分というか、とにかく「今自分は憧れの縦走路を歩いてるんだぞ」と気分を奮い立たせるんだけど、目は死んだ魚だったね、確実に。

 

振り返れば急峻な北穂の斜面を続々と下りてくるハイカー達。

人気のコースなのは分かっちゃいたけどさぁ、こんなにいる?目を疑ったよ。

とにかく10名以上の大パーティが多いのと、日本のお年寄りは元気だなって印象。

ルート上の岩には〇印がたくさんペイントされてるけど、少しでもコースを外せば浮石があったり落石のリスクも高まるから、進むべき先を常に確認しながらクリアしていこう。

 

やはり北穂〜涸沢岳の区間は、大キレットより油断できない。

涸沢岳のピークは最後の最後まで見えない。

呼吸を整えつつ、右前方にはジャンダルム~西穂へと続く稜線が見えたり、左には吊尾根が見えたり、どこもかしこも国内屈指の岩稜ルートに囲まれた鬼畜難易度マックスなルートだ。

 

やっとこさ涸沢岳の山頂に着いて、振り返れば北穂がすぐ近くに見える(右のピーク)。

あれだけ苦労した北穂〜涸沢岳間のルートも実際にはこんな近くなのかと愕然としたし、山頂の熟年ハイカーの多さにも驚いた。

穂高岳山荘は涸沢岳から下って15分のところにあるからね、涸沢岳が混むのは必然。

 

さて、穂高岳山荘でカレーでも食べて一休みしよう。

ここには岩稜で頭がやられちゃってる人とカレー好きが集まっている。最後のは嘘だよ。

 

7.奥穂高岳~前穂高岳(吊り尾根)(グレーディングE-7)

奥穂高岳と、前穂高岳を結ぶ夢のつり橋。

吊り橋のメインワイヤーの様な、逆さアーチ形が特徴的な稜線が吊尾根だ。

※ここでは奥穂高岳から前穂高岳方面へのルートで紹介するよ。

 

まず、スタート地点の奥穂高岳から、涸沢岳と北穂高岳の間から槍ヶ岳が見える半端ない絶景を堪能しよう。

このページの一番最初にアップした写真がそれだけど、日本アルプスらしさが詰まった絶景。

 

さて、そんな景色を満喫したら、いざ吊尾根へ。

 

いきなりこんなところを下っていく。

右側に落ちたらどこまで転がっていっちゃうんだろう。怖い怖い。

地図を見て奥穂高岳から上高地までの近道だと思って安易に吊尾根に迷い込んでしまうハイカーもいるらしいけど、後悔するだろうね。

ただ、吊尾根は最初のこの下りさえ無事に通過できれば、あとは比較的簡単。

 

吊尾根をクリアしたら、ザックを紀美子平にデポして空身で前穂の山頂へ。

ええ、前穂もご覧の通り岩峰です。

ちなみに、自分は前穂の下りで油断して大怪我するところだった。

自分の2人前に中学生ぐらいの子が歩いてて、自分の前を歩く女性が距離をあけようと急に止まったんだよね。それで慌てて止まろうとしてつまずいて、危うく崖を落ちそうになった。

岩場って足場が崩れたり落石に気をつけなゃいけないだけでなく、前の人との距離感もほんと大事。

普段運転してても、前の車との車間さえ開けておけばもらい事故だって防ぐことができる訳だし。

これは大いに反省すべきことだったな。

 

前穂の山頂からは奥穂から槍ヶ岳までぜーんぶ丸見え。

こんな晴れた日に歩くことができてほんとラッキーだったな。雨の日の岩稜歩きのリスクは、滑って危ないだけでなく、途中に小屋がないから低体温症になって動けなくなるかもしれないし、エスケープルートもないってところだと思う。

雨なら岩稜を歩くのはよそう。

アレルギーの主治医から、アレルギーは克服できないから避けるのが得策ですと言われたことがあるんだけど、それと一緒だね。

http://hibihansei.jp/okuhotaka-2018-8-4/

 

8.ジャンダルム(グレーディング E-10)

登山を趣味にしてるなら、やっぱこの天使には会っておきたい。

ジャンダルムへのルートは人気ルートだからハイカーはたくさんいるけど、難易度E-10に位置づけられているド級の鬼畜コース。

 

 

これがジャンダルム。

そそりたつ岩峰とねじれたスラブ(北アルプスだとスラブって言いがち(笑))。

いかにも近寄り難い雰囲気を醸し出しているけど、ジャンダルム自体は特に難しいことはなく、ここまでの過程がスーパー鬼畜なんだよね。

ここでは西穂方面からジャンダルム、奥穂高岳までのルートで紹介するよ。

 

西穂から天狗ノ頭を通過した辺りから鬼畜難易度は格段に上がる。

ご覧の通り、シンジラレナイところに矢印が付いてて、もはや一般ルートと言っていいレベルではない。

ジャンダルムはあくまで通過点。奥穂高岳まで一瞬も気が休まらない急峻な岩場が続く。

 

ジャンダルムを過ぎて、奥穂へと続くこの恐ろしく細い尾根が有名な「馬の背」

このルートこそが北アルプスの真骨頂。怖さも魅力。ドラクエで言うところの「いのちだいじに」モード発動しっぱなし。

ここを乗り切って穂高山荘にたどり着けばカレーが待ってるぞ!

 

ちなみに、山小屋ランチをランキングにすると、1位はダントツで水晶小屋の力汁。岩峰じゃないけどー。

2位は高見石小屋の揚げパン。チーズとココアだけで気絶。まあここも岩峰じゃないんだけどー。

3位は三俣山荘のカレー。山奥なのにこんな激ウマな欧風カレーが食べられるのはほんとブラボー。岩峰じゃないけどねー。

 

9.剱岳 早月尾根(グレーディングE-6)

技術難易度はさて置き、ここも一度は歩いておきたい有名な岩稜ルートの一つ。

登山口の馬場島(ばんばじま)はTJARのスタート地点でもあり、ここにある「試練と憧れ」の石碑はあまりに有名。

これを見るためだけに来てもいいぐらいな場所かもしれない。

 

早月小屋を過ぎたあたりから鎖場が出てきて、気付けば岩しかない世界に突入。

ガスってて分かりにくいけど、まあなんせ剱岳なだけに代わり映えしない岩場の連続なんですわ。

 

ちなみに、今やすっかり富士フイルムユーザーのあたしですけどね、この時はまだニコンユーザーで、しかもこの日はメモリーカードを忘れたためにiPhoneで撮影するというなんともお粗末な画像。

よりによってこんな特別な山でiPhoneなんて…。

またここには来なきゃ。

 

ここがカニのハサミと呼ばれる難所。

同じ剱岳の別山尾根だとカニのタテバイっていう難所があるけど、まあ同じだね。

 

別山尾根とグレーディングも同じだけど、早月尾根は北アルプス三大急登の1つであり単純標高差は2,300m。

登っておけば箔がつくし、チャレンジしたことは貴重な経験になるYo!

 

間違っても、ヤマレコとかで二往復してる人とか、コースタイムの半分で歩いちゃう変態なレコに惑わされないよーに!

 

カニのハサミを過ぎてもまだまだ油断はできない。

この日は、晴れ予報に反して早月小屋を過ぎたあたりで雨が降ってきちゃって、まあすぐやんでくれたけど、濡れた岩場は恐ろしい。

激グリップの登山靴じゃないし、よく滑るトレランシューズで来たのは失敗だったなぁと思ったよ。

 

登頂後、早月小屋のテン場に戻ってくればレインボー!

 

室堂からアプローチできる別山尾根の方が圧倒的にハイカーは多いけど、これはあくまで自分の嗜好だけど、別山尾根みたいに簡単にアプローチするよりかは、無骨なクラシックルートで苦労して得た登頂の方が特別感というご褒美をもらったようで、なんたか嬉しいんだよね。

なにより、自分の足で歩いたという財産は嘘偽りのないものたし、なにかに祝福されてるようでついニンマリしてしまう。

早月尾根はそんな魅力が詰まったルートだよ。

http://hibihansei.jp/tsurugi-2016-8-20/

 

10.南アルプス鋸岳(グレーディングE-8)

まず、鋸岳(のこぎりだけ)について、ヤマレコではこう紹介されている。

”的確なルートファインディングができ、どんな場面でも冷静に対処できる十分な経験を積んだ熟達者に薦めたい岩稜ルート”

南アルプスは北アルプスの様な岩稜は少なく、どっしりした大きな山が多い中で、ひときわ異彩を放つのがこの鋸岳。

 

鋸岳らしさを堪能するなら、今回自分が歩いた甲斐駒ヶ岳〜鋸岳の縦走がおすすめ。

ピークハンターの方々は圧倒的に釜無川ゲートから登る人が多いけど、、それだとつまらんもんね。

 

というわけで、甲斐駒ヶ岳側から石室経由で鋸岳にアタック。まずは第2高点へ。

中ノ川乗越から第2高点までのガレ場は足元だけじゃなく右側の岩壁からの落石にも注意が必要。

第2高点を登頂したら、お次の鹿窓までの区間がルートを間違えやすい。自分は散々探した挙句ルートを見つけられず、大ギャップを無理やり登って中岳に這い上がり、第1高点を目指したんだけど、、

マジで怖かった。。

 

鹿窓から第一高点へは一旦下って登り返す。一旦下るとかそんな軽く言えるような下りではないんだけどね。

二百名山のくせして一般ルートがないというぶっ飛んだ山ではあるけど、ところどころ鎖は設置してくれてたりする。

それにしても、まるで妙義山の鷹戻しみたいなところだなぁ。

臆病な自分は北アルプスの一般コースのどこよりも怖かった記憶しかない。

 

第一高点がこちら。

ものすごい達成感、充実感を味わったら、角兵衛沢までガレ場を下山。

そして角兵衛沢から仙流荘まで延々15キロも歩くという地獄のロード。

ただひたすら、だらだら硬いブーツで歩いたのが、今振り返ってみても一番しんどかった。

仙流荘や戸台駐車場を起点にするより、標高差あるけど尾白川渓谷を起点に鋸岳と甲斐駒ヶ岳を周回した方が絶対にいいと思う!

七丈小屋でカレー食べられるし!

http://hibihansei.jp/nokogiri-2018-6-17/

 

あとがき

やっぱアルプスは冬より夏だよね。今年の夏はアルプスに行けるだろうか。

神様お願い、

俺の仕事ぜんぶなくなれー!!

 

山のグレーディングを参考にしつつ、高所恐怖症の自分が実際に歩いた感想を交えながら紹介させていただきました。

PV稼ぎを目的に、切って貼った様な中身がないまとめ記事ばかり載せるサイトとは違うのだよ!URyyyyyy!!

まあそれはいいとして、アルプスの岩稜にチャレンジしてみたいという気持ちとは裏腹に、心配なことも多いだろうからね、ダラダラと長く書いちゃったけど、少しでも役になるなら幸いです。

 

というか、この手のネタって散々雑誌でも取り扱ってるから、今更自分が書く必要もないのかなと。

もっと言えば、怖がりな自分が楽しめたんだから、誰もがひょいひょい行けちゃうんじゃないかなぁ…とも思いながら書いたよ。

でもやっぱり毎年事故が発生するルートだから、

「計画よし!装備よし!天候よし!」キリッ!

この3点の指差し確認よろしくです。

 

そして、どうぞ楽しんてきてください。

とんでもない絶景が待ってるよ!

 

 

ちなみに、簡単に手袋について。

お金に余裕があれば登山メーカーの高いグローブを買えばいいけど、自分はホームセンターで売ってる豚革の手袋を使ってて、はっきり言ってそれで十分!

園芸用のゴム手袋を使ってた時期もあったけど、それだと滑らなすぎてちょっと危ない。無駄に握力も使うしね。豚革がベストだよ。

 

それと、ヘルメットの装着も忘れずに。ちなみに自分は頭デカ族定番「グリベルのサラマンダー」、これ一択。

 

 

本当に最後になりますが、

もう岩場にはすっかり飽きて、テン場で飯食ってゴロゴロして、のんびり過ごすのが登山における最上の楽しみだと思っていることを白状する(草)

ばいび


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