池塘に反射する青空。
紅葉に染まる秋景色。
新潟の大きな山々が、どんな愚か者さえも受け入れてくれる。
非の打ち所だらけの男がやって来たのは、ここ火打山。
数々の失敗談は、語り尽くせない。
「あ〜あ、今日は朝から内視鏡検査イヤだなぁー」、と言いながら朝ごはん食べちゃってたり、
「あれ、マスクがない!」と言って、あごに着けたマスクを必死に探し回ってたり、
みんなマスクしてるからバレないっしょ、と思って屁をこいたら爆音で出してしまったり。
ふっ。そんな失敗は全て忘れてしまえ。
そう、ここは火打山。
非の打ち所だらけの山ヤロウが集まる山。
そんな訳で、笹ヶ峰を起点に、妙高山と火打山に登ってきたよ。
妙高、火打。
実はちょっと因縁があって、以前、11月の中旬にやって来た時は、腰まで埋まる雪が積もり、妙高山までひたすらラッセル行軍で頑張ったけど、山頂の手前で断念。
暗くなった頃、くたくたになって高谷池ヒュッテの避難小屋に逃げ込んだ。
もう随分、昔のことだけど、その時の衝撃が強過ぎて、今でもハッキリ思い出せる。
その2日目は火打山を目指したんだけど、踏み跡があったお陰で難無く登れ、山頂から見渡した一面の銀世界は、前日の悔しさを綺麗さっぱり晴らしてくれる素晴らしいものだった。
まあ、そんな訳で、前回断念した妙高山に登って、今度は紅葉した火打山を楽しもうというのが目的。
ちなみに、今回は黒沢池ヒュッテのテント泊。
高谷池のテン場は予約制ですでにいっぱいだったからね。
そこで困った。
ネットで黒沢池ヒュッテのテン場情報を探してみたけど、全然見つからない!
黒沢池ヒュッテのことをググると、ご主人が難しい人とかネガティブなことがたくさん書き込まれてて、めっちゃ不安になった。
一体、どんな所なんだろう?
まあ行ってみよう。行けば分かるさ。
乞うご期待。
妙高山は標高2,454m、火打山は2,462m。どちらも新潟県にある日本百名山。
今シーズン一発目の紅葉登山は天気に恵まれたヨ〜。
ルートとコースタイム
■2022年10月1日 ※カッコ内は標準コースタイム
1日目コースタイム 7時間5分
笹ヶ峰⇒(60分)⇒黒沢橋⇒(90分)⇒富士見平分岐⇒(50分)⇒黒沢池ヒュッテ⇒(25分)⇒大倉乗越⇒(95分)⇒妙高山山頂⇒(105分)⇒黒沢池ヒュッテ
2日目コースタイム 7時間
黒沢池ヒュッテ⇒(65分)⇒高谷池ヒュッテ⇒(20分)⇒天狗の庭⇒(75分)⇒火打山⇒(85分)⇒高谷池ヒュッテ⇒(30分)⇒富士見平分岐⇒(125分)⇒笹ヶ峰
合計コースタイム:14時間5分(休憩含まず)
総距離 24.2キロ
累積標高上り 2,197m
妙高火打登山 本編
笹ヶ峰から登山開始
土曜の朝。
一週間の内、一番のんびりしていたい時間帯に、その通りのんびり10時半頃に着いてみれば、悲劇の満車。
登山において、快晴の土曜の朝は戦場だということを忘れてはならない。
しかも10月初旬。登山適期なのだから、なおさらそりゃそうだ。
まあ、探し回って、なんとか車は止めれたけどね。
ちょうど路線バスも到着。
のんびりした登山客を何名か乗せているのが見えた。
彼らにも焦りは感じられない。きっと小屋かテン場をバッチリ予約てきているから余裕なんだと思う。
計画的な方々だ。
登山口前の駐車場に至っては、本来止めちゃいけないところにまで車を無理やりねじ込んで止めてる輩もいる。
妙高火打の人気の高さがうかがえる。
登山口で入域料の500円を支払う。
任意だけど、たかだか500円で楽しませてもらうのだから、四の五の言わず払いましょう。
そんなこと言っておきながら、小銭がなかったから、ここは申し訳ないがスルー。
小屋でジュースでも買って、帰りに払うよ。
ちなみに500円払うと、この木札を1個持ち帰ることが許される。
雷鳥の型が切り抜かれてるよ。
そして、ここの登山口には様々な情報が溢れている。
10/23までは妙高駅から路線バスが出てるんだね。さっき見かけたバスがそうなのか。
山ありダニあり。
これと言い、ヤマビル対策のスプレー「ヒル下がりのジョニー」と言い、なんか通じるものがあるな。
最初は木道で登山スターティン。
登山口での色付き方はいまいち。
どこら辺で紅葉が始まってるのか、そいつを楽しみながら進もう。
緑に覆われたブナ林の中の木道を進む。
登山口から妙高山の山頂までは片道8.4km。火打山は9km。
どちらも日帰りで往復するとなると、アルプスと同じぐらい手強い山だって言うのに、こんなにハイカーが多いことに驚いちゃうよ。
緑が気持ち良い。
10月に入って、やっと涼しくなってきた。
夜はえぐいぐらい寒いけど。
黒沢橋に到着。ここまではほぼフラットな道を歩いてきただけなんだけど、コースタイム90分となかなか長い。
ここから先はもっともっと長いから、とにかく急がないようにという意識で進みたい。
ここ黒沢橋は、YAMAPで水場のマークが付いてたけど、上流の池塘から流れてきた沢だと思うと、飲める気がしない…。
本格的な登りが始まる
十二曲りに差し掛かった。ここからどんどん登りがきつくなっていく感じ。
ここまでも意外と長くて、すでにしんどいんですけど…。。
しかし、十二曲りは区間としては短い。
たぶん、長く単調な上りが続く中で、目印になりそうなところにあえて名をつけたんだと思う。
十二曲りを通過すると、少しずつ紅葉が始まってきた。
10月初旬の新潟の紅葉は、まだまだこんなもんではないはず。
距離は稼いできたつもりなんだけど、まだ3キロしか歩いてないことにびっくりした。
散々、長い長いと書いといてなんだけど。
つか、やっぱり火打山まで9キロってのが遠すぎるんだな。
やはりすぐ隣が北アルプスだからみんな距離感覚が麻痺してるんだろう。
やっと景色が開けた。
遠くに見えるのは北アルプス。素晴らしい景色に心も晴れ晴れだよ。
先日、飛行機から降りて、到着ゲートに向けて歩いていると、左前方を歩いていた男性が突然腕を広げてリュックを背負い直したんだけど、その肘がまんまと右から抜き去ろうとしていた自分の左肩にガツンと接触。
こっちは突然エルボーを食らった形だというのに、その男性から、「んだよ!!」って因縁を吹っかけられたよ。
とっさに「大丈夫ですか?」って声かけたけど、舌打ちが返ってきたよ。
なんでだろう。
痛かったのはこっちなのに。
そんなつまらない出来事も、この景色を見たら晴れ渡っていく。
モンベルの携帯トイレブースがでてきた。やはり距離が長いから途中てぶりぶりしちゃう人も多いのかな。
高谷池ヒュッテの予約サービスもモンベルが代行してるし、モンベルにサポートされてるという頼もしさを感じる。
携帯トイレブースを過ぎると、高谷池と黒沢池の分岐が出てくる。
前回はここで黒沢池へと向かったけど、今回も同じく。
そして、ここから一段と紅葉が進む。
前回来た時は、この辺は膝ラッセルで進んだところ。踏み跡を期待してただけに、愕然としたのをよく覚えている。
しかも、その頃は(今もだけど)めちゃくちゃ未熟で、11月の中旬になると、雪はあってもここまで冬山に変わってるなわて知らなかったんだよね。
まさかラッセルとは。
知らないって恐ろしいよ。
黒沢池湿原
そして黒沢池湿原の大平原にでた。
ここがこの山の一番気持ちの良いところかもしれない。
ここは雪が積もると、どこが木道かも分からず、外すと踏み抜くという恐怖に怯えながら歩いた。こんな気持ちの良いところなのに。
やはり断然夏道の方が楽しい。濡れないし。
どうしてここに大平原が誕生したんだろう。
右を向けば、すぐそこに樹林帯がお利口に待て状態している。
笹ヶ峰ルートで歩くならこのポイントは外せない。
火打山しか登ったことがないという方は是非歩いてみてほしい。
ここを急ぐのはもったいない。
前日、黒沢池ヒュッテでテント泊されたという方から、15時のテント受付まではテントを張ってはいけないんだよ、という情報を頂いた。
ほんとかいな。それを待ってから妙高に登ってたら真っ暗になっちゃうじゃないの。時間の使い方がムズい。
ちなみに、小屋泊の方もテントと同じく15時以降のチェックインになるとのこと。
この上の写真の通り、今は登山道の整備をしているからだろうか。期間限定の対応かもなので、詳しくは小屋に問い合わせてみてね。
黒沢池ヒュッテから妙高山へ
黒沢池ヒュッテに到着。
ここから見てヒュッテの右側に荷物が散乱してるのが分かると思うけど、みんなあそこに荷物をデポして妙高山を目指している。
テント泊の人も一旦あそこに置いて山頂を目指しているんだろう。
うーん、仕方ない。話に聞いた通り、受付が完了するまでテントは張らないでおこう。
という訳で、荷物をデポして妙高山に行ってくるぜよ。
ちょっとこのシステムがいまいち分からなかったな…。小屋の人に聞きたかったけど、不在で確認できなかった。
黒沢池ヒュッテからヒーヒー言いながら登っていく。
2回目の山になると、先の展開が分かってるから、ペース配分をコントロールできるってのが強みだよなーとずっと信じて疑わなかった。
けど、違った。
そんなの体力がある人が言えることで、あちきは一度上りになった途端、ただただ必死に歩いてる。
大倉乗越に描かれた山のキャラクターが、まさかキン肉マンのレアキャラ「ザ・魔雲天」を彷彿させる。
ステカセキングの次に現れた難敵だ!
そして、ここで初めて姿を現す魔雲天・妙高山。
しかもなんだ、これまで強烈な日差しを提供し続けてきた青空ちゃんに、まさかのガスが覆い始めるというジラレヘン展開。
どーせ。
大沢乗越からはガツンと下るのよ。
眼下に見える長助池がとても印象的。
後で地図を見て知ったけど、長助池の横を通って燕温泉へ下っていくルートもあるんだね。
そして、とてつもなく下っていく。
場所によってはロープが設置されてて、それを必死につかみながら慎重にザレた箇所を下っていく。
息も絶え絶えになって登って、激下るという涙なくしては語れない区間だ。
いくぶん水平になってきたと安心するなかれ。
まだまだ下っていく。
帰りはもちろん登り返し。
ひでぶやで、ほんま。
ひでぶと関西弁の相性はバツグンやな、ほんま、ブツブツ…。
下って下って、やっとこさ分岐に到着。
ここから再び激上りが始まる。妙高山ならではの試練の雨あられ。
しかも山頂ガスってるし。
自暴自棄になってる人にオススメなルートかもしれない。
期待した紅葉はさっぱりじゃないか。。と、ガッカリしながら登る。
ちなみに、前回はこのちょっと先でタイムリミットを迎え、引き返した。
それがあるから、今回は覚悟が違う。
暗くなっても構わない。絶対にピークを踏む。
それで遅くなって、万が一テン場が一杯になってしまっていたら、明日の火打山は諦めて夜のうちに笹ヶ峰まで下山したっていい。
少し登ると、突然景色が変わった。
上り一辺倒のつまらないトレイルを紅葉が華やかに彩る。
見てて飽きることがない。
やっと秋の山歩きが始まる。
山頂のガスが晴れた。青空に紅葉が映える。
急ぐ必要はない。
テン場の空きがなけりゃ夜のうちに笹ヶ峰下っちゃえばいいやという割り切った考えが、ペースに余裕を生んだ。
楽しまにゃ損だ。
アデランスの中野さんによる「女房を質に入れてでも見なあかんでー!」が飛び出ちゃいそうな景色が続く。
これ、今なら放送倫理に引っ掛かりそうなセリフだよね。
ゆっくり秋を楽しもうじゃないの。
山頂はすぐそこだ。
分岐からここまで、前回撤退したポイントを探したり、今シーズン一発目の紅葉を楽しめたから、長かったけど長く感じなかった。
神様の住まいが出てきた。
なんかちょっと暗くて、とても近寄りたくない感じ。
近寄りがたいとは違う。
さあ、抜けるよ。
この山は豪雪地帯にある標高2,500m峰だというのに、山頂まで樹林がずーっと続くんだから、ある意味すごいよ。
紅葉の時期は楽しめるけど、真夏は風が通らないジャングルが続くだけなんて、考えただけで無理だなー。
燕温泉から登ったことあるけど、あっちの方が体力的にも見どころ的にも良いと思う。下山後の温泉も最高だった。
妙高山山頂
という訳で、北峰でパチり。
我ながら男前にポーズキメ過ぎちまった。いやーん恥ずいわー。
山頂は広い。
のんびりし放題だぜー。誰もいないぜー。
日本海側の景色を見ようと、山頂をうろついてたら、明日登る火打山のきれいな三角屋根が見えた。
左に見える丸っこいピークは焼山。
ああ、それで日本海はどこだっけ。
雲の奥に広がってるのが日本海かな。うーん、やはり朝に登らないと海の景色は霞んじゃうな。
山から眺める海の景色がいいんだけどね、まあしゃあない。
岩に己の名を刻む輩を発見。
こういう類の浮かれ行為は、もしかすると1,000年後に、古代人が使っていた「漢字」を発見!として、保護の対象になっているかもしれない。
その頃にはパソコンのデータなんかは核戦争によってすべて消し飛んでしまい、生き残った人類は手と手を取り合い、言語は英語に統一化されているかもしれない。
そして、こういう岩に刻まれた浮かれ行為だけが、後々見つかって大騒ぎになるという壮大な妙高山スペクタクル。
そんな可能性はゼロだな、うん。
無駄に想像し過ぎた。
さて、解読しよう。よーく、見れば何て書かれたのかが見えてくる。
「笹川一則参上」だな!
恥ずかしい奴めぇ!
こっちは北峰。あちらは南峰。
燕温泉から登るとまず向こうの南峰に出る。見える景色はあまり変わらなかったと記憶している。
燕温泉方面は、湯けむりなのか噴煙なのか分からない煙がもくもく出てた。
燕温泉にある「黄金の湯」は、野天温泉だからシャワーとかはないけど、一度は経験してみてほしい温泉の一つ。また行きたいもん。
こんなコースだったんだなぁ。雪山とはこうも違うんだなぁと、当たり前のことだけど新鮮な驚き。
あ、申し遅れたけど、下山開始してるっスー。
一度、まとめ記事で紅葉のおすすめの山をアップしたことあるけど、それを書いてる時も改めて思ったのは、新潟の紅葉は随一だね。
それがあったから、今回、このタイミングで再訪したかったんだよね。
西日が紅葉を照らすのに綺麗すぎて、登りもそうだったけど、下りもあっという間に感じられた。
つー訳で、分岐に到着。
ここには水場があるから汲んでおこう。テン場の水場は煮沸しなきゃ飲めないって言うし。
それに、ここからの登り返しに備えて汲んでおかねば。
あべしやで、ほんま。
分かっちゃいたけど、それでも受け入れ難い鬼畜な登り返しが始まる。
しかも、日は陰り、さっきまでの紅葉も全く楽しめそうにない。
息も絶え絶えに、大沢乗越に着いた。
妙高山がニコチャン大魔王を彷彿させるおケツっぷり。
黒沢池ヒュッテでテント泊
なんであちきはこんな際どいところにテントを張ってるの?
熊笹を踏んで無理やりスペースを作った極小スペース。
黒沢池ヒュッテでテントの受付をすると、「先に張れるところ確保してから受付に来てね!」と言われた。
ということは、先に場所取りして良かったってことだよね。
途中ですれ違った方の、受付してからじゃないと張っちゃいけないという情報はデマたったのか…。
事前に小屋に電話して確認すれば良かったな。。
とてつもなく寝苦しかった。まるで東京の土地事情。
でも張れただけラッキーか…。
小屋の前のスペースに張れた人はめちゃラッキー。
羨ましいじょ。。朕に譲っておくれ。
ただ、これたけは言っとくけど、小屋の方々はとても対応が良かったし、話をしてても大変親切だった。
ネットでいくつか見かけた、対応サイアクといった評価は…うーん。
全てが嘘ではないとは思うけど、少なくとも、自分に対応してくれたおじさんは良い方だった。自分の家は埼玉なんですよって言ってたから、手伝いで来てるのかもね。
やはり、自分で見てみないと分からないもんだよ。
おはようございます。
すっごく寒くて辛かったけど、6時間は眠れたかな。
夜の2時ぐらいに普通の声のトーンで、「えー!星がきれーい!」とか話してる女性がいて、テン場の全員が目を覚ましたに違いない。
ああいうネジぶっ飛んでる人、テントする資格ないよ、ほんと。ぷんぷんだす。
黒沢池から高谷池へ
小屋のご主人が挨拶しながら、みんなを見送ってくれていた。
噂は噂。いろいろネットに書かれてておっかなびっくりだったけど、最後まで嫌な印象は受けなかったよ。
そんなことより、星が綺麗とか言って騒いでたあの女性の方が1000万倍ストレス…。
朝の澄んだ空気。
この時期は寒くて仕方ないから、朝日を稜線で見るような早い時間には起きれないんだよね。
もうすっかり明るくなってからだけど、十分感動的な景色に出会えたよ。
日はぐんぐん昇る。
実際には太陽は動いていないとか、面倒くさいこと言っちゃ嫌よん。
願わくば自分も立ち止まったまま、山が動いて山頂に連れてってくれたらいいのに。
とにかく雄大で美しい。
左を見れば大きな山。
手前は黒姫山で、奥が飯縄山かな。たぶんね。
予期せぬピークが現れた。
茶臼山ゲット。
火打山が見えたけど、あんな遠くてよかったんだっけ。なにかの間違いじゃないの?
高谷池に着いてみると、霜がすごいじゃないの。
10月1日だよ?もう冬が来ちゃったよ。
なにかの間違いじゃないの?
さあ、高谷池ヒュッテに着いたよ。
また来ることができて感激。小屋閉めした後は、避難小屋として2階を開放してくれて、ハシゴを使って2階から入る。
その節はお世話になりました。
小屋の前にザックの中身を、どぼんっとデポらせてもらい、身軽になってとっとと山頂を目指す。
天狗の庭を経て火打山へ
草紅葉(くさこうよう)。
つい「くさもみじ」って言いそうになるから、自分に分からせるつもりで口に出して言ってみる。
でも間違えて何が悪い。くさもみじでもええやん。
そんなところで正解なんて求めちゃいないんだよ。それを分からせるつもりでとか、自分はなんてつまらない生き物なんだ。アホらしかー。そんな風に思えて、急に寂しくなった。
あれ、なんで突然自分をこんなディスらなきゃいけないんだ。
もう無口でいよっと(笑)
間違いから生まれる新しい表現の仕方もあると、言いたかっただけなのに。
あんな遠かった火打山もだいぶ近づいてきた。
きっと笹ヶ峰からあの頂きを目指して9キロ歩いてきた人はきっとここで嬉ションするだろうな。
ここら辺が池塘だらけなのは、それが溜まったからなのかな。
りんどうが咲いてた。
もう終わりっぽい。
振り返って妙高山。
ちなみに3人ぐらいのパーティーかな、遠くにハイカーが見えるけど、どうやら有名な登山ユーチューバーさんだったっぽい。
大人女子のってやつ。
よくYouTubeを開くと、あなたにオススメって出てくる番組だね。
ちなみに自分の場合、こんなアホでくっそ稚拙な文書でも、文字を書くことが少しは自分のためになってるなぁーってたまに感じるから、ブログはまだしばらく続けるつもり。
もはや動画しか見ないって人がほとんどだろうから、ただでさえマイナー路線を行く当ブログは、自然消滅するんだろうな。
天狗の庭に到着。
日差しが強すぎて背後の景色が飛んじゃうぐらいだ。なんて良い天気だ。
ビューティほーい!!
逆さ火打山うっほほーい!!
そこら中にある逆さ火打山に感動しながら、さらに先へと進んで行くと、カメラ女子がいて、ここ逆さ火打山が見られるんですよ!と教えてくれた。
あぁ、うんうん、ありがとう!!
すでに逆さ火打山に満腹だったけど、せっかく教えてくれた女子の気持ちにお礼言っとかないと。
きっと暗いうちに火打山に登って、今下山してきて感動してるんだろうな。
ほーれ、そこら中に。
ほんと天国みたいなところだ。
奇跡的にまだそれほど疲れていない。
そんな訳で、休憩なしで山頂を仕留めにかかるか。
かっこよく言ってみたけど、木道で滑らない様にめちゃ腰が引けてる。
崩壊した斜面がすごい迫力。
妙高山は山頂までずーっと樹林帯だったけど、こっちは高谷池あたりからすでに森林限界ぽい感じ。
モヒカンみたいに一列に毛が生えている。
これまで雷鳥を一度も見かけたことはないけど雷鳥平。
焼岳の方に歩いていくと、たくさんいるらしいよ。
さあ、いよいよ。
いよいよ疲れてきた。
最後の最後で、まさかの階段の登場によってペースが極端に落ちた。
でも、ここまで来て慌てる必要なんてない。
火打山山頂
貸し切りの火打山山頂に到着。
山頂からは北陸地方の日本海が見える。
日本海が見えるのは、太平洋側で育った人間にとって、それだけで特別な光景。
海から朝日が昇るのが太平洋。昇らないのが日本海。
同じ海だけど、それだけで与える印象は全く違うんだよね。
福岡の玄界灘は冬に散歩していると、寒いし曇ってるし雪もちらつくけど、かき小屋がズラッと並んで楽しみもある。はよ、冬よ来い。
手前の大きな山は最近入山規制レベルが下がって登れる様になった焼山。その奥には雨飾山が連なっている。
そして北アルプスの後立山連峰。
湊かなえさんの山女日記では、ワンゲル部だったことを隠していた彼女が、彼に誘われてやって来たこの火打山の山頂で、とつぜん右から何という山か言い当てていく。
その横で、仲が悪かった女子二人が山頂に着いた喜びから一緒にバンザイ三唱しているというシーンが、ここ火打山の山頂。
自分も後立山連峰は全部登ったから言えるよ。ちなみに略すと「ゴタテ」って言うらしいよ。ちょっと言うの恥ずいけど。
こうやって見ると、白馬岳と鹿島槍ヶ岳の存在感は際立ってる。
こっちは北アルプス南部の山々。
さすがに遠すぎてわかりにくいけど、真ん中のポコンとしてるのは槍ヶ岳。さすが。
そして非の打ちどころだらけな自分が取り出したのはじゃがりこ。
よーく味わってみると、後味にわずかながら人参が入ってるのが分かる。
これ、ほんとサラダ味なんだな!と、この美しい景色よりもじゃがりこに夢中になっていた。
紅葉ゲッザーン
さあ、楽しい時間はこれぐらいにして下山しよう。
最初はぽかぽかしてて極楽だったんだけど、しばらくすると寒くなってきた。
もう長居ができない季節になっちゃったんだな。夏の短さが寂しくもあり、秋の涼しさが有り難くもある。
30分はいれたんだから十分堪能できた。
それにしても、どこ見ても絶景だったな。
右は真緑で左は黄葉になったところを通過中。
こんなきれいなところ、人に教えたくない秘密の場所にしておきたいけど、登ってくるハイカーの多さったらなかった(笑)
登山口から山頂まで9キロもあるってのに、みんな体力すごいわ。
それと、さすが百名山。
九州百名山を歩いてても誰とも会わずに終わることもあるっていうのに。
人気の理由がよく分かる、まだまだ止まらない絶景の波状攻撃。
高谷池ヒュッテの屋根のデザインがこの景色によく似合ってる。
ちなみに、こちらが高谷池ヒュッテのテン場。すんげーフラットで、こここそが地上の楽園と思えた。
しかもモンベルが予約代行するという安心感。ふむふむ、そりゃ人気も出るよね。
デポした昨日履いた汗臭いパンツや汗臭いシャツとかが盗まれていないことを確認しながら、ザックの中に戻して笹ヶ峰へゲッザーン開始。
紅葉は標高によってどこかしらでヒットするから良いよね。
当たりの確率が高い。
富士見平の分岐に着いた。
青空に紅葉が映える。
2日間天気に恵まれて感謝だよ。テン場の場所取りたけが失敗したけど。
ちなみに、この山はどこもかしこも電波状態は期待しない方が良いよ。
マジック1になってから連敗続きのホークスの試合結果を早く知りたかったのに。
これでもかと、紅葉はしばらくノンストップわんこそば状態。
なんか今日は楽勝だな。景色が綺麗すぎて疲れもあまり感じない。
そろそろ紅葉のゾーンディフェンスを掻い潜ったと思った頃に現れるのがアイツ。
12へそ曲がりヤロウだ。
ふっ、上りならいざ知らず、下りの自分に恐れるものは何もないわー!ふんぬー!とラオウばりにどすどす下っていく。
我ながら、いつになく頼もしく感じる。
あのうまい棒が値上げしてしまった。
もう10円で買えない時代が到来するなんて、
間違いなく、今年度一番の衝撃だった。
滝を見ながら話すことではないけど、語らせておくれ。
うまい棒よ、なぜ…。
円安、鉄や銅の高騰、ワールドワイドで起こった急激な需要の高まりによる部材供給遅延と物価高。
半導体も物によっては1000%以上の値上げになってたり、恐ろしいよ。
仕入れの仕事にも携わってるから、様々な業者から値上げの打診を受けるけど、ついつい、「あのうまい棒でも値上げしたんだしなぁ…。今回は仕方ないか。。いやいや!ダメです、受け入れられません!(一回は断らせてもらう)」
と、常にうまい棒が頭をよぎる。
きっと自分と同じ仕入れ担当者はたくさんいるはず。
うまい棒さえ、あのうまい棒さえ値上げしていなければ!
ちなみに、この物価の高騰は末端の消費者ほど手触りがないらしく、パソコンに至ってはメーカーからの卸値が180%〜200%の値上げになっているというのに、「町でパソコン買うときにそんな値上げなんて感じないですけどねぇ、何で値上げすんの?」とか普通に言ってくる客もいる。
おいおい、販売店の在庫消化価格と一緒にしないでよ。
まあいい。難しいことを言うつもりはない。
どんなに理解しない輩だろうが、一発で納得させる方法が一つだけある。
あのうまい棒も値上げしたんですよ?だ。
覚えといてほしい。
そんな訳で、道もフラットになった。
フラットになったのだから、ゴールはもうすぐだと思ってしまった。
これがいけなかった。もうすぐだと思うと長く感じるもんだ。
ここを右に曲がれば登山口が見え…見えない!
ええーい、次、左に曲がった先に見え…、見えない!!くそー。
そんなことを何度も繰り返した。
そして、やっと登山口が見えた頃にはいつも以上の疲労感に襲われていた。
なんか今日は楽勝だな、そんな風に思えたあの頃が懐かしい。
こんなに疲れさせてくれてありがとう(T_T)
入場の時に払えなかった入域料をきちんと払ったよ。
下山後は、妙高高原IC近くにある温泉、苗名の湯へ。
まだお昼だったからガラガラだったよ。
振り返って
下山後に真っ先にやることって何?
登山靴を脱ぐ?ちゃうちゃう。
温泉を探す?ちゃうちゃう。
野球の結果を見るに決まっとろーもん!!
さーて、ホークスのマジック1。もうさすがに優勝してるでしょ?
どれどれ。
(T_T)
負けとった。。
千賀で負けたのかー、マジック1のままどれだけ焦らすんだ。
そして、この日の夜、パ・リーグ最終戦。
ドキドキ土器土器。
(T_T)
うそでしょ。まさかの敗北。
マジック1のまま、オリックスに優勝をかっさらわれるというジラレヘン結末。
打たれた泉よ、批判なんて気にするな。ディスることは誰にでもできる。そんな奴はファンじゃない。あの難しいタイミングで逃げずにマウンドへと上がった自分を誇ってほしい。
だいたいさ、やっぱオリックス強かったなー。相手を褒めよう。
2年連続で優勝するだけあって、さすが、底力あるよ。
こうなったらオリックスには日本シリーズも優勝してもらわにゃ。ホークスが日本で2位だってことを証明してもらいたい。
まあ、なんにしても、妙高山に登れてよかったよ。
(繋げ方、無理すぎね?)
中村俊輔の引退。一つの時代が終わったなぁ。感慨深い。
マリノス時代に練習を見に行ったことあるけど、代表選手がズラりと並ぶ中で、プレイの輝きが一人だけ違った。
名波監督がジュビロに中村俊輔を呼んだときのエピソードで、
「あいつのサッカー好きは半端ないよ。寮に住みたい、隣がグランドだからって。練習しすぎるから止めるのが大変だったんだから」と聞いたことがあるけど、改めて、すごい話だよ。
俺なら会社の隣になんてぜっっっっったいに!住みたくないけどね!
中村俊輔は引退したけど、
ホークスは負けちゃったけど、
うまい棒は値上げしたけど、
妙高山に登れてよかった。
(繋げ方、無理すぎね?)
今回使用したカメラは、富士フイルムX-E1どえす。