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1泊2日の白峰三山縦走の記録、2日目。

初日に広河原から農鳥小屋まで行くスケジュールでしたが、自分の体調不良が原因で北岳山荘にテントを張ることになりました。

なので、2日目は北岳山荘から間ノ岳〜農鳥岳を経由して奈良田へと下る長丁場です。

農鳥岳から奈良田はなんと標高差2,200m!

早月尾根や黒戸尾根と変わりませんが、テン泊装備を背負ってのこの標高差は未知の世界です。

恐ろしや〜。。

 

それと、今回の旅で未知なる経験がもう一つ。

10月中旬に2,800mを越える稜線でのテント泊。

氷点下になると聞いてかなりビビッてたのですが、この日のために用意したダウンパンツのおかげか割とぐっすり眠れ、心配無用でした。

それに稜線の突風もなく、ほんと運が良かった。

 

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あらよっと。

今日も快晴!

3,000mの稜線歩きで名山を巡る旅、2日目スタート!!

 

白峰三山:北岳(3,193m、国内2位、日本百名山)、間ノ岳(3,190m、3位、日本百名山)、農鳥岳(3,051m、15位、日本二百名山)

1日目、広河原~北岳編はこちらからどうぞ

アクセス方法

・奈良田駐車場へは奈良田温泉白根館を目指してください。
・白根館へのアクセスは、こちら

■ルート

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■全行程スケジュール 2016年10月16日

5:00 北岳山荘出発 ⇒ 5:50 中白根山 ⇒ 7:00 間ノ岳 ⇒ 8:20 農鳥小屋 ⇒ 9:30 西農鳥岳 ⇒ 10:20 農鳥岳 ⇒ 11:15 大門沢分岐 ⇒ 13:50 大門沢小屋 ⇒ 16:10 奈良田第2駐車場

 

登山開始

 

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昨夜は2℃まで下がりましたが氷点下にならなかっただけ、ラッキーでしょう。

3:50頃に起きて4:30までにテントを片付ける。朝の気温は5℃。予想より暖かくてラッキーでした( ^ω^ )

 

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結局、自分の片付けがもたついてしまい朝5時に出発。

北岳山荘から少し上がったところの稜線に出て登山開始です。

日付が変わって16日になったけど、未だ沈まない15夜の月明かりのおかげで稜線は明るかった。

 

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東の空から明るくなり始めると富士山のシルエットが露になってきた。

ご来光が先か、中白根山に着くのが先か、しばらく太陽との追いかけっこデス。

 

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振り返れば、昨日散々苦しめられた北岳。

今朝、テントから出たときに山頂を目指す複数のヘッデンの明かりが見えたから、今頃、たくさんの人で賑わってるんだろうな。

 

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中白根山まで寝起きには丁度よいゆるやかな登り。

のんびり登りながら血流が巡り、徐々に体が温まっていく感じが心地よい。

左手には日の出まで秒読みとなった東の空、右手にはまだ沈まない十五夜。

その間を稜線が隔て、南にそびえる間ノ岳に向かって歩く。

 

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中白根山、もう着いちゃったって感じ。標高は3,055mです。

この中白根山の少し手前から標高3,000mオーバーの空中散歩としては国内最長のコースが始まってます。

 

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間ノ岳に向けて、超高速で「ナハ!ナハ!」を繰り返す中年ハイカー。

分かるよ。よほど気分が良いんだな。

 

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お日様キタヨー!

茜色が濃さを増し、富士山のコントラストが強まる。

絵を見てる様な風景。

この景色を眺めながら稜線歩きができるなんて、素晴らしいとか綺麗とか、言葉では表現できない喜びが溢れてきます。

 

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富士山。

今日も姿を見せてくれてありがとうよ。

日本の最高峰が富士山でほんと良かった。

 

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ここから西側を歩くため、お日様とは暫しお別れ。

ここを抜けて、東側斜面に出た頃には赤い太陽からいつもの黄色い太陽になってました。

 

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ここ一帯の山々は海底から隆起してできたため地質がもろく、削れてこんな丸っこい形になったそうです。

ちなみに北岳は現在でも隆起し続けてて、毎年3mmずつ高くなってるそうです。

 

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遠くに目をやれば、あっ見える見える、国内第5の高峰、槍ヶ岳。

今年どうしても登っておきたかった山の一つ。残念だけど今年はもう無理です。

奥穂、槍ヶ岳の二大巨頭を残してるのも何かの縁。来年はきっと快晴に恵まれて登れる、そんな暗示と思って楽しみに取っておきます。

 

 

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山の遠近感ってつかみにくいから、山頂まで近いのか遠いのかよく分からない。

昨日の北岳も、大樺沢ルートを登りながらずっと見てたけど、遠かったなぁ。

YAMAPや腕時計の標高機能で自分の位置を確認しながら進みます。

 

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一度、地平線から飛び出した太陽がすごい早さで昇っていく。

 

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ここが本当に標高3,000mを越える世界なのかと、疑ってしまうほど平和な世界。

この光景を目に焼き付けておこうと思うけど、きっとすぐ忘れてしまうから次なる登山意欲が湧いてくるのでしょうね。

 

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いよいよ山頂が有効射程距離に入る。

みんな朝早い。ここからすでに賑わってる様子が見て分かるわ。

 

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到着!標高3,190m。

白峰三山の”間の山”という全くひねりの無い残念な名前の百名山です。

 

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あらよっと。

今日は元気だ( ^ω^ )

間の山を飛び越えて次なる農鳥岳へ行くぜ!

 

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とか言っておきながら、間違えて塩見岳方面に下ってしまい引き返す。ひえー。

間ノ岳の山頂はだだっ広くて進む方向が分かりにくいので気を付けましょう。

 

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間ノ岳の山頂から農鳥岳までは2時間半。

地図だとすぐ近くに思えるけど結構距離あるんだよね。

 

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先はまだまだ長いというわけで、この絶景を眺めながら軽く食事を摂ることに。

さすが百名山。人の賑わいは大したもんです。

 

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農鳥小屋に向かって激しく下っていく。

それにしても間ノ岳を過ぎたらパタッと人が減りました。

北岳と間ノ岳の百名山だけを登って広河原に下っていく人が多く、最近は農鳥岳まで足を延ばす登山客は少ないんだそうです。

 

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今年はじめて見るホシガラス。たくさん飛んでました。

ハイマツの実がエサなんだそうです。だから標高の高い山でよく見かけるんだな。

 

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農鳥小屋に着きました。

親父さんはいたけど挨拶しても返してくれなかった。ふむ、噂通り。

どちらかと言うと自分は人見知りな方なんで、同行者の陰にそっと隠れるようにしてここはパス。

 

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おお、立派!振り返っての間ノ岳です。

北岳側からだと殺風景な山にしか見えませんでしたが、どうしてどうして。農鳥小屋からだと威風堂々としたたくましい山容です。

見方によって全然違うから驚きます。

農鳥小屋までこの急坂を400mほど一気に下ってきました。滑りやすくて大変でしたな。

 

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そんなわけで西農鳥岳へは急坂の登り返しが待ってます。

 

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農鳥小屋を振り返って、だいぶ登ってきたことを実感。

累積すると今日は相当な標高差になりそうです。

 

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西農鳥岳の山頂が見えました。

実はこの時は高く見えるあのピークこそ農鳥岳で、西農鳥は途中にケルンみたいな物がでてくるぐらいなんだろうなぁって思ってた。

 

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分岐に着きました、というかここを西農鳥岳だと思ってたから少し意外だったな。

 

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さあ間違いなく西農鳥岳の山頂です。

青く澄んだ空が気持ちよい。

 

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イェーイ(^-^)v

西農鳥岳が3,051m、農鳥岳は3,026m。

(゚o゚;) ハッ うん??

な・・なんと!!∑( ̄ロ ̄|||)

三角点のある本峰の農鳥岳の方が西農鳥岳より標高が低いとは・・。

ブログ書いてて今気付いたわ。

 

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今更だけど、歩いてて違和感あったのはそういうことか・・。

そんなわけだから、農鳥岳へは何度かアップダウンを繰り返しながら少しずつ標高を下げていきます。

 

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いよいよ白峰三山最後のピーク、平らな山頂が特徴的な農鳥岳。

景色に励まされながらここまで来れました。

 

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結構遠かったぜ!! JAPANのハットをかぶりサッカー日本代表頑張りや〜っと。

原口元気が元気すぎて、点を決めた後にPKを献上するという一人相撲を演じたオーストラリア戦の直後だったんでね、ちと調子に乗って楽しみました。

原口元気のスピード感と若さ溢れる強気な姿勢は見ててなんと気持ちいいことか。

 

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俺だってまだまだ若い(ということにしておこう)。

チャレンジすることに遅いなんてないんだから、やりたいことやってやる。

お小遣いの範囲でな!

 

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”酒のみて 高根の上に吐く息は ちりて下界のあめとなるらん” と酒飲みの歌碑がありました。

明治の文人、大町桂月の歌だそうです。ふ~ん、知るらんなぁ。

 

そいじゃ、あたいも一つ。

酒飲んで〜 駅のトイレで吐くゲロは〜 いつも不快さ酒飲みきらん

あしからず。らんららん

 

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農鳥岳からいよいよ標高820mの奈良田へ向けて、標高差2,200mの長大な下山の始まり。

まずは横移動。

 

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なんかすごく雑じゃね?

 

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カールの横を過ぎ、歩きやすいトレイルを大門沢下降点へ。

標高差2,200mは農鳥岳山頂からの標高差です。間ノ岳からだと2,600m以上下ることになるんだな・・。

 

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農鳥岳を振り返る。貫禄ある日本二百名山です。

名残惜しい。白峰三山に来れて本当に良かった。すごく大変だったけど、絶対にまた来るよ。

 

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大門沢下降点に着きました。

ここで同行者が天候に恵まれたこの二日間の喜びを鐘の音で表現してました。

カーーーン!!(爆音)

(O_O)

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さあ、恐るべき時間の始まりだ!

気合入れる反面、あせらずにゆっくりと下りたい。

 

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森林限界が高い南アルプスでは下山を始めるとすぐに樹林帯に飲み込まれてしまう。

さらば、稜線歩き。

 

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人が少ない中でのハードな下りです。怪我したら大変なのでマジで気を引き締めていきましょう。

 

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ちょろちょろと沢が流れてます。

農鳥小屋の飲み水はあそこから汲んできてるのだろうか?

 

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後ろを歩く同行者が足を踏み外して3回転しながら転げ落ちてきました。

Σ(・□・;)

 

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わ・・わき毛無ぇ~。

シラネスペシャルと言ったとか言わなかったとか。

着地に失敗した当の本人はショックのあまり、しばらく動けなくなってしまいました。

不意だったし、デカザックに振られて思ってる以上に止まらなかったし、怖かったと思うよ。。

ヽ(´o`;。

次は団体で金取ろうぜ。

 

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しばらく休んでから気を取り直して出発です。

小さな流れを集め、沢は徐々に大きな流れとなって下界へ向けて落ちていきます。

登山者だけが見ることを許された大井川の源流を歩きます。

 

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標高を下げると沢沿に少しだけ黄色に色づいた木々が見られました。

この時期に紅葉が見られないんだったらいつ来りゃいいんだ?と思ってましたが、今年はどこも紅葉の外れ年だったみたいですね。

 

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橋を何度も渡ります。

こういう派手に壊れた橋をなんとか渡ろうと苦心してると、横からすたすたっと石を使って簡単に渡る同行者に、

「その手があったか!」

と感心する単細胞な自分。

( ^ω^ ) てへっ

 

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大門沢小屋が見えてきました。

ここまでうんざりするほど長くて写真撮る気になれなかったわ。

 

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土曜に小屋閉めんなよー!

なんとこの前日の土曜が小屋の最終営業日。事前に情報仕入れてたからさほど驚かなかったけど、日曜までやっててくれよー。

カレー食べたかったぜ!

水場で飲み水の補給ができただけラッキーだったけどね。

 

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しばらく休んで、再び下り始める。

まだまだうだる様な下りが続きます。普通の山なら3座分を一気に下る。高尾山だと5回分の下りか。。

信じられへん。

じられへん。。

 

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ちょろちょろがこんな流れに成長しました。

流れが強すぎて顔をバシャバシャ洗うのも足がぬれそうで一苦労です。

 

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だいぶ景色が変わってきました。

登山ではなく日帰りハイキングを楽しむご夫婦がいたり、着実に人里に近づいてる気配がするのはここら辺から。

西農鳥岳の山頂で、AM1時に奈良田を出て日帰り白峰三山にチャレンジしている酔狂(?)な若者と会いましたが、ここら辺はルートが不鮮明で迷っただろうなぁ。

 

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そ~っとね、一人ずつ一人ずつ。

ってなんで真後ろついて来てんねん!

揺れ方が自分の感覚と違うから超焦ったわ。

「揺れるっちゅうねん!」ってゲラゲラ笑いながら、楽しかったな(^^)/

 

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ユーシン渓谷?

 

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ここまでの急坂は本当にしんどかった。

それまでの南アルプスらしい鬱蒼とした森は消え、人工物が増え、トレイルは林道に変わり、旅の終わりが近づいてきたことを感じます。

 

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いやいや、高所恐怖症だから(T_T)

前フリじゃないから!一人ずつだから!!

真後ろをついてくる同行者を振り切ろうと吊り橋を駆け抜けました。

ワロタわ。

 

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奈良田第2駐車場が見えました。

長い長い林道を歩き、足の裏にはたくさんマメができてもう限界。

 

 

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奈良田駐車場からすぐ近くにある日本秘湯を守る会の白根館にやって来ました。

立ち寄り温泉の受付時間は17時まで。

今は16:20。なんとか間に合いました。

掛け湯をしただけで湯の違いが分かるという触れ込みは大げさではありません。

是非、お楽しみください。驚きますよ。

 

 

振り返って

 

駐車場で荷物を片づけていたら、農鳥岳から何度か抜きつ抜かれつしながら歩いた、ソロで来ていた2人が、それぞれ嬉しそうに声をかけてきてくれました。

 

壮大な下山を終えて、本当に大変だったけど、みんな疲れと充実感がぐちゃぐちゃになった良い笑顔をしてます。

 

やっぱ山はいいですね。

 

なんで山に魅かれるのか。理由はよく分かりませんが、きっと自分もこの人達と同じぐちゃぐちゃな顔になってたでしょうね(‘ω’)ノ

 

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秋の空は青が濃く、筆で描いた様な薄く伸びた雲が、3,000mの稜線歩きを一層爽快なものにしてくれました。

 

いつかは来たいと思っていた、白峰三山。

直前で夜の寒さに耐えられるのか、最後まで歩ききれるかと不安が膨らみ、稜線を漫遊闊歩する自分を全く想像できませんでした。

 

でもこの景色。今年一番の感動の景色だったと、今もしみじみ思う。

 

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息を弾ませながら、この澄んだ空気感の中でしか見られない絶景。

しばらく考えますが、今はもう頭に描けません。

 

では