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事前に知り合いから聞いてた北岳の難易度は、

「まあまあだ」です。

 

登り始めてみると原生林の緑はきれいだし、沢沿いの景色は歩いてて飽きがこない。

正面にたたずむ北岳の姿に登山意欲を掻き立てられながら、いつもよりゆっくりめのペースで登る。

最高でした。

異変を感じ始めたのは八本歯のコル辺りから。

 

頭痛がはじまり、息も苦しくいつもと勝手が違う。

 

「まあまあ? うそでしょ?」

 

テン泊装備の重みと睡眠不足で足が重い。

「くそっ、ぜんぜん話が違うじゃねえか!」

 

これまでの登山で一番辛く長く感じられた白峰三山縦走。

広河原からの標高差は約1600m以上。がっつり登ります。

登ってる時は苦しくて苦しくて・・、3,000mの稜線を散歩する自分を想像できませんでした。

 

だけど紛れもなく、これまでで一番の絶景に出会えた登山となりました。

 

いざっ

 

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白峰三山:北岳(3,193m、国内2位、日本百名山)、間ノ岳(3,190m、3位、日本百名山)、農鳥岳(3,051m、15位、日本二百名山)

 

 

アクセス方法

・奈良田駐車場へは奈良田温泉白根館を目指してください。
・白根館へのアクセスは、こちら

 

■ルート

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■全行程スケジュール 2016年10月15日

6:55 広河原出発 ⇒ 7:02 広河原山荘 ⇒ 9:18 大樺沢二俣 ⇒ 11:50 八本歯のコル ⇒ 12:30 北岳山荘方面分岐点(ザックデポ) ⇒ 12:40 吊尾根分岐 ⇒ 13:05 北岳山頂(休憩) ⇒ 13:45 北岳山荘方面分岐点 ⇒ 14:30 北岳山荘

 

登山開始

 

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午前3時前に奈良田に着きました。5:32発の始発バスまでちょいと仮眠。

10月中旬ともなると冷える冷える。

同行者は寒くて全く眠れなかったそうです。かわいちょ。

3000mの稜線でのテント泊がどんなだか、不安でしかたがない・・。

٩( ‘ω’ )و ガンバルぞい

 

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広河原まではバスで約40分。

なんとしても座りたいねと先頭で並びましたが、やってきたバスがすでに超満員。マジっすか。。

ここで乗れたのは10人もいなかったかな。

臨時便も出てなかったから、ここで乗れなかった20人以上の方々は数時間後に折り返してくるバスを待ちぼうけすることに・・。

 

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睡眠不足で満員のバスに揺られ、軽く気分が悪くなったけど、第1便に乗れただけラッキーでしょう。

1年ぶりの広河原~🎵

 

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ここがヤマレコなんかでよく見る有名な吊り橋。

いよいよ自分もここを歩くんだなぁと、ワクワクする

╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

 

前の人もそうだけどやっぱみんなここで写真撮るよね。

 

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吊り橋を越えるとすぐにでてくる広河原山荘。

山荘の横から北岳を目指します。

 

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白根御池(しらねおいけ)へのルートを右に見送り、左へ。

沢沿いの変化に富んだ大樺沢ルート(おおかんばさわ)を進む。

 

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仙丈ヶ岳に登った時の、南アルプス = 鬱蒼とした樹林帯ってイメージが残ってたんだけど、早朝の澄んだ空気の中で見上げる森のなんて美しいこと。

 

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なんだ、南アルプスの緑ってこんな開放的で気持ち良かったんだな。

と、これまでの印象がガラッと変わる。

 

それも翌日の農鳥岳からの下山でガラッと変わるんですけどね。

まっ、それは2日目のレポで詳しく。

 

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人は多いけど周りに流されずマイペースで登る。

 

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つか、人気の山なのは分かるけど、この時期にこんなに人多いかね。

ちょうど甲府駅からのバスの到着時間と重なったから一番混み合う時間だったのかもしれないけど・・。

 

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まだまだ序盤。登りはじめは同行者のペースに合わせてゆっくり登る。

「急ぐ必要なんてないよ。のんびり行こうよ」、と余裕をかます自分ですが、

途中から同行者のペースについていけなくなって泣きをいれることになる。

かっこわるいぜ。

 

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この橋は安全だったけど、途中いくつかあった木製の橋は凍ってて恐ろしく滑るところがあったから注意してくださいね。

 

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大樺沢ルートらしくなってきました。

目の前にそびえる北岳に、そこで待ってろよ!と登山意欲が湧いてくること間違いなし。

 

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どんどん近づいてくる北岳。

先ほどまでの緑に囲まれた景色から、すっかり葉を落とし終わった木々に変わる。

標高を上げながら季節の境界をまたいだ気分になれるのも山歩きの楽しみですね。

 

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日当たりの良いここが右股と左股の分岐、大樺沢二俣です。

見晴らしサイコー!

まだまだ先は長いからここで休憩を取りましょうね。

 

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右股ルートで肩の小屋を目指す人たちが多い。

自分達は左股で八本歯のコルを行きます。

 

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やっと秋らしいもの、見っけ。

ナナカマド。

 

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アルプスの季節の巡りの早さに戸惑うわ~。。

10月中旬で秋の終わりだなんて、下界じゃ夏気分が抜けない人はまだ半袖だったりするのにね。

 

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ご年配の外人さん達のパーティ。

本当に「コニチワー」って発音になるんだなと思いながら挨拶を交わす。

 

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ガルルルルーー!

バットレスに取り付いてやるぜ!!

 

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どりゃーーーーーー!!

ガルルルル!!

 

なにやってんだか。

こんな感じでふざけてたら、写真を撮ってくれてる同行者に向けて大きな岩を落として足に当ててしまいました。

ほんとごめんなさい。

 

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地獄の八本ノックの始まり。

ここからしばらくこんな梯子を登っていくけど、標高が高いからすぐに息が上がる。

それに上を見ようと上体を起こすとデカザックの重みで後ろに倒れそうになるし、手すりは恐ろしくツルっツルだし、大変!!!

 

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八本歯のコルに着いた。

ほのかに頭が痛くなってきた。。

今思えばここで早めに頭痛薬飲んどきゃ良かったわ(๑⁺д⁺๑)

 

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んぐっ。どんどん険路になってきた。。

いつもならスイスイ足が前に出るのに。くそっ、くそっ

 

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標高差1,600mオーバー。やっぱ長ぇーわ。

もうほんとしんどくて、余裕の笑みを浮かべる同行者に申し訳ない。。

さっきまで「大丈夫、ゆっくり登ろうね」なんてどの立場から俺は言ってたんだ・・と、情けない気持ちでいっぱいでした。

でも、これ以上ザックを担ぎ上げるのはとても無理だったので、北岳山荘との分岐でデポることにしました。

 

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その分岐からすこし登ったところに吊尾根分岐がありました。本当ならここでデポれば良かったんだけどね。

ほんと、付き合わせてごめんっ。

 

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ふ~、でも調子が悪いなりになんとか上がってきた。

雲一つない晴天。のんびりしてもガスに巻かれる心配はないさー。

 

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ああ、これが夢にまで見た3,000mオーバーの稜線か。。もう泣きそうだよ。

苦しくて口に出せなかったけど、心ん中じゃやっと来たぞ!!ってガッツポーズでしたよ。

 

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あと標高差50mもない。山頂は一歩一歩確実に近づいてきてる。

少しだけ元気がでてきた。

 

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俺、よく頑張った!

頑張ったあとに見るこの景色は感動的!

 

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日本第2の高峰から眺める甲斐駒ヶ岳ととても大きな仙丈ヶ岳。

この特別な山で、こんな晴天に恵まれなんてね、巡り合わせの良さに感謝です。

 

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相変わらず見事な三角を見せる甲斐駒ヶ岳。

ガスってたけど今年は黒戸尾根も登れたし、とりあえず目標は達成できた。個人的に思い入れが強い山です。

その奥には大好きな八ヶ岳も見えます。八ヶ岳は初めてテント泊した特別な地。

 

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北岳からは仙丈ヶ岳が本当に存在感たっぷりにそびえ立って見えました。

冬にも登ってみたい山です。

 

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明日は日本第3の高峰、間ノ岳。農鳥岳だって3,000mオーバーの高峰。

贅沢な旅は続く~。

さて、ザック取りに戻りましょうかね。

 

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またこいつを背負うのか。。

この重さ、デポってる時に誰かに石でも入れられたんじゃないかって疑うわ。

 

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うぅ、遠い (T_T)

北岳山荘まですぐだと思ってたのに、地図で見るより遠くに感じられる。

 

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瀕死の状態でなんとか、到着。まずは頭痛薬を3粒がぶ飲みです。

最盛期は張るところがなくて困る超人気のテン場ですが、余裕で平らな場所を選べました。

 

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食欲なかったけど、頑張って食べないと体調は戻らないよっと。

それに夜中は氷点下になるかもしれないから暖かいものにしとこうというわけで、スープを飲みました。

 

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長丁場、当然体はくたくただったけど、スープが良かったのか、幾分復活してきた。

ご飯を食べ終わって、夕焼けまで少し仮眠。

 

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起きたら夕焼けは終わってました。

ちーん。

明日も良い天気になる。

 

 

振り返って

「乾杯!」

ビールとジュースを合わせ、冷えた炭酸が喉を流れ落ちていく。

日が傾き、南アルプスの山々とテントの影が伸びてくると、どんどん気温が下がりはじめました。秋の夜風が心配で、稜線上に張ったテントが飛ばない様にいつもより少し深めにペグを打ち込み備えます。

テン場は風のある日は心配ですが、眺めは素晴らしく、この日は特に十五夜で煌々と照らす月が美しかったです。

 

大樺沢ルートを登りながら北岳を見据え、途中で右手に見えてくるバットレス、左手に見える間ノ岳を満喫しながら、至福の時間が続く。

いつもと調子が違い、苦しくて口数も減りましたが、テントの中でシュラフに身を包むと、いい日だったなぁと、しみじみ思えました。

 

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すっかり紅葉が終わった大樺沢から見上げた北岳と澄んだ青空の構図は、それなりに秋らしい。

この山の登りごたえとこの景色。

今、自分が思う北岳は「なかなかだ」です。

 

 

ではでは

 

2日目、間ノ岳~農鳥岳~奈良田への激下り編へ続く