赤岳 雪山登山(赤岳鉱泉) 雪山3年生、この冬最高の舞台へ 赤岳鉱泉小屋泊(2016.12.18)

赤岳 雪山登山(赤岳鉱泉) 雪山3年生、この冬最高の舞台へ 赤岳鉱泉小屋泊(2016.12.18)

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雪山3年生、赤岳に登ってきました!

 

(呼びかけ風に)
1年生、大菩薩と日光でぇ〜、雪に慣れ親しんだぁ運動会~(全員で:うんどうかいー!)。

2年生、上級生と登ったぁ~天狗と黒班やまぁ〜(全員で:くろふやまー!)。

悔やんでも~、悔やみきれないたいらっぴょー(全員で:タイラッピョー!)

3年生、雪山最大の目的地 赤岳へ~、ぼくたーち、私たちは〜、

(全員で:)登ります!!

 

とうとうこの日がやって来ました。

天候さえ良ければ絶対に登れる、そんな自信に満ち溢れた3年生。

多少なりとも山の難しさと楽しさを知り、きちんとギアも揃え、そこそこの体力と経験を武器に赤岳に登ってきました。

 

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赤岳は八ヶ岳連峰の最高峰、標高は2,899m。日本百名山です。

一等三角点が置かれた山頂からは、八ヶ岳連峰の山々を始め、奥秩父、南、中央、北アルプス、富士山といった国内を代表する山岳が360度に広がります。

 

この前日、今年一番の寒波がもたらした豊富な雪により一面真っ白に輝く八ヶ岳。舞台は整いました。

それに今回は赤岳鉱泉のステーキも食べられたし、サイコー♬

アイスキャンディを見学したり、登山だけじゃなく山旅を思いっきり楽しんできました。

もうすぐクリスマス、気分も上々です。

いざっ

 

アクセス方法

・八ヶ岳山荘へのアクセスは、こちら

住所:長野県茅野市玉川1140
電話:0266-74-2728

■ルート

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※ログは2日目の赤岳鉱泉〜山頂〜八ヶ岳山荘までです。

■全行程スケジュール 

1日目 2016年12月17日
9:30 八ヶ岳山荘出発 ⇒ 10:30 赤岳山荘 ⇒ 13:20 行者小屋 ⇒ 13:50 赤岳鉱泉

2日目 2016年12月18日
7:25 赤岳鉱泉出発 ⇒ 8:00 行者小屋 ⇒ 9:23 地蔵尾根分岐 ⇒ 10:30 赤岳山頂 ⇒ 11:10 文三郎尾根分岐 ⇒ 11:45 行者小屋 ⇒ 13:45 美濃戸山荘 ⇒ 14:40 八ヶ岳山荘

 

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美濃戸口にある八ヶ岳山荘前の駐車場です。

登山口に最も近い赤岳山荘前の駐車場に停める予定でしたが、林道が途中からガッチガチのアイスバーンになってて全然上がれませんでした。

 

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というわけで八ヶ岳山荘前の駐車場に停めましたが、ここから赤岳山荘前の駐車場まではコースタイムで約1時間ほど登らなければいけません。

しかし夏にバスで来た時はここから歩いたんだし、別にどおってことねえさっ!

 

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昨夜はここに車を停めて就寝しました。

朝になるのを待って、もう一度アイスバーンに挑みましたが見事に跳ね返された次第です。

今停まってるこの2台もこの先の坂を上りきれなかったんだな、きっと。

 

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その上り坂では完全にスタックした車があり、4~5台の渋滞になってました。

年に50回は来るというガイドさんがいましたが、今日みたいなコンディションは年に数回あるかないかだと言ってました。前日、この冬1番の寒波が来た影響です。

 

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結局歩いた方が早かったね、と。

話しながらだと林道もさほど苦にならないし。

赤岳山荘前の駐車場にはアイスバーンの急坂に勝った猛者たちの車がズラリと停められてます。

エクストレイルとハスラー、定番のジムニーが多かったです。車の性能とアイスバーンの運転に慣れた技量の差なんでしょうね。

自分にはとても無理でした。

 

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美濃戸山荘に着きました。

この時期でも水場は凍ってなかったので年中使えそうです。

 

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で、北沢と南沢ルートの分岐。

夏は北沢ルートから登ったので、今日は南沢から行きます。

 

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今日は天気も悪いし、赤岳鉱泉まで行ったらあとはのんびりするつもり。

時間に余裕があるから南沢から行者小屋を経由して赤岳鉱泉に向かう。あえて遠回りのルートを選択して山歩きを楽しもうって考えです。

 

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沢も凍りついてます。

 

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森も凍りついてます。

立ち止まる。とても静か。

 

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実はここら辺は歩きながらまぶたが重くて重くて・・いつでも眠れるってぐらいバテバテ。

標高1,502mの八ヶ岳山荘から標高2,354mの行者小屋へ。たった850mほどしか登ってないのに、どうしちまったんだ、俺。。

 

 

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行者小屋に着きました。

こんな極寒の地でテント泊する人の多さに驚きました。

自分にはとてもできそうにありません。

 

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赤岳鉱泉までの道のりでバテたなんていう人、聞いたことないぞっ!

と自分を鼓舞しながら歩きました。

行者小屋から樹林帯を30分ほど歩いてやっと赤岳鉱泉に到着です。

受付を済ませ、談話室でホルモン食べながら雑誌広げまったりして過ごしました。

 

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少し体力も復活してきたから外に出てみると、巨大なアイスキャンディで大にぎわいでした。

見た目以上にピッケルが氷に刺さりにくいみたいで、みんな苦労してる様子。

 

 

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泊まった大部屋はこちら。さすが冬山の大本命、赤岳。すごく混んでました。

敷き詰められた布団。寝ちゃえば気にならないけど、、これじゃ夜中トイレ行けないやん。

 

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電話予約の時に、

「晩ご飯はステーキが食べたいです!」

と思い切って伝えました。。

ムフフっ、祈りが通じました。

 

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キターー!

アメリカ産の安い肉かと思いきや、八ヶ岳で育った国産牛の霜降りステーキ!

感激の味、すんげーうめぇー!!

山小屋グルメ、沸騰中!

 

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ペロリですよ。

ご飯、キノコ汁はお代わり自由。

キノコ汁もこれでもかってぐらい舞茸が入ってて、格別に美味かったなぁ。

噂通り山小屋のご飯とは思えない質。スタッフも感じ良いし。

ほんと、最高の夜になりました。

明日は晴れるし、楽しみ〜。

 

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でもって朝食は焼き鯖。鯖ストーカーの自分はもう感激のあまりノックダウンされちまいました。

近くに座った人が、「え、この魚なに?」と聞いてるのが聞こえて耳を疑いました。

はあ?見りゃ分かるやろ。鯖やん!マサバやん!!

うぅ~教えてあげたいー o(≧▽≦)o

溢れ出るサバ愛を抑えるのに必死でした。いい大人なんでね、おとなしく食べましたけど。

赤岳鉱泉の良い仕事に感心しきりです。

 

たくさん食べたし、昨日のバテはどこか遠くへ行ってしまいました。すっかり元気元気です!

 

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行者小屋への樹林帯の道をトボトボと出発です。

寝起きのウォーミングアップ。

 

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樹林帯の隙間からの硫黄岳です。山頂のケルンもよく見える。

すごい快晴です!

 

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行者小屋の裏にある地蔵尾根の入り口です。

ここから本格的に登山スタートです。

 

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冷たく澄んだ空気に鮮明に輪郭を描く阿弥陀岳。

昨日は1日ガッスガスだったのに、こんなにも良い天気。

今年はホント晴れに恵まれた一年でした。

 

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お月様もよぅ見えるわ。

 

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階段が出てきたら樹林帯を抜けたサインです。

 

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振り返れば雲ひとつない空と北アルプス。

 

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稜線までは急坂が続き、一気に標高を上げていきます。

一歩一歩雪を蹴り込んで登る。

 

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赤岳山頂は遠目からでも分かるぐらいに地吹雪が舞ってます。

今自分たちがいるここは無風状態でも稜線にでたら相当風は強そうです。

 

 

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一番右のゴツゴツした横岳とその奥の硫黄岳。その奥が西天狗かな。分かりにくいけど蓼科も頭だけ覗かせてます。

 

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まだ標高が低いので階段が少し露出してるところがあります。

それでも過去のヤマレコを見てると今年はほんと雪が豊富みたいです。ここから上が楽しみです。

 

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こういう細いトレースでアイゼン引っ掛けて転ばないように慎重に慎重にトラバースします。

 

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よしよし、もうすぐ阿弥陀さんより高いところにでるぜ。

 

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ずっと北側斜面を登ってきたから、ここで浴びる朝日がすごく眩しく感じられる。

でもってここから風が一気に強くなる。

稜線に出た時の猛烈な風がどれぐらいかドキドキします。

 

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夏に赤岳を登りに来た時にすごく印象に残ってるのがこの位置から眺めた赤岳。

冬の雪景色は険しさを伴って夏に見たそれとは全く違う表情をしてます。

街では映画やドラマに登場する名所がちらほらありますが、こんな凄い景色をテレビで見かけることは不思議なぐらい無いなぁと、変なことを考えてました。

 

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うしっ!地蔵様。

稜線にでました。

 

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阿弥陀と同じぐらいの高さまできた。

ここから先は気が抜けないぜっ!

岩陰で風を避けつつオーバーグローブを装着し気を引き締める。

その途端、右のオーバーグローブが猛烈な風に一瞬で吹っ飛ばされてしまいました。しっかりつかんでたつもりなのに、もの凄い力で持っていかれちまった。。

・・・・うっかり八兵衛。

 

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やっぱ稜線の風、おそろしやー。

オーバーグローブはさかいやスポーツに並んでた中で一番安い物を使ってたのですが、、それでもショックは隠せません。

とりあえずレザーの雪山用グローブをはめてたから、オーバーグローブはなくても当面問題なしです。切り替えて登るよー。

 

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自分は耐風姿勢をとるフリして、実は激しく息を整えてます。

余裕ブッこいてるのはフリです!

バラクラバで口を覆うと、3,000m近い標高でマスクしてるのと同じでとても息苦しい。

 

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風は凄かったけどこれまでにもっと強い風を何度か経験してるし、不安になることはありません。

もう3年生ですからね!

それに180センチの大男ですから、そう簡単に風に吹き飛ばされたりしませんのよ。

 

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この冬最大の目的地赤岳で、最高の天気に恵まれた幸運に感謝しながらここまで登ってきました。

山頂はすぐそこです。

 

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いよいよ天空の祭壇へ。

 

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とーっちゃく!

また戻ってきたよっと、三角点をタッチ。

逆立ちするには山頂は狭すぎるので、なんとなくありきたりなポーズで一枚パチリ。

 

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先週登った木曽駒ヶ岳からは南アルプス越しに見えた富士山。

地蔵尾根ルートだと山頂に立つまでその姿を拝むことはできませんでした。

赤岳山頂からは遮るものが何も無いこの距離感が堪りません。

 

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権現越しの南アルプス。

すごい眺めです。

 

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真っ白に染まる仙丈ヶ岳が一際目立ってました。

その左の三角が甲斐駒ヶ岳です。

 

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先ほどから何度も登場してる南八ヶ岳のもう一つの主役、阿弥陀岳です。

少しでも長く眺めていたいと思うけど、それは叶わないのでたくさん写真におさめて、

そろそろ下山します。

 

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下山は文三郎尾根から。

地蔵尾根より風は弱いけど、岩がゴツゴツしてるので慎重に下ります。

 

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今更だけど、これが八ヶ岳ブルーなんですね。

 

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ここまで下りてくると風はすっかりおさまりました。

吹っ飛ばされたオーバーグローブを思い出すと悔やまれますが、悲しんだって大笑いしたって結果は同じなんでね、どうせなら笑いにしながら悔もうっと。

 

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赤岳と阿弥陀岳の分岐です。

体力に余裕があれば阿弥陀岳にも寄っていいかなと思ってたけど、気持ちが満たされてしまってもう満腹〜。

夏に来た時と同じパターンですが、せっかくの八ヶ岳ですから、欲張ったりせず余裕を持って楽しみたいんです。

 

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阿弥陀岳は次回ね、次回。

 

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きっとここには何度も足繁く通い、会話に花を咲かせながら登りに来るだろうから、心残りなんてありません。

 

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次は残雪期の春に来てみたいな。

その時はテント泊で。あ、でも赤岳じゃなくて硫黄と天狗のセットでも楽しいかもしれない。

それと蓼科も。でも蓼科はできれば冬に登ってみたいな。

てな感じで同行者との会話を楽しんでいるとあっという間に行者小屋に着きました。

 

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すっかり暖かくなったので中のフリースを脱ぎました。下山は軽装で大丈夫そうです。

コーヒーを飲みながらあんぱんを食べて一休み。

ここにいるみんなが下山後の時間を満喫してる様子でした。

 

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静かな静かな樹林帯を、美濃戸口へ向けて下山開始。

 

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なんてね、気取ってんじゃねえよ、って感じで激しくコケる。

振り返って赤岳の写真を撮ろうとしたらアイゼンを引っ掛けてバランスを崩してしまいました。

踏ん張って転倒をこらえるより、無理せず深雪に倒れちゃった方が安全かな〜っと飛び込んだ次第です。

やっぱ雪山はこうでないと。

 

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こわばった平日の忙しさからの解放。

最高の週末となりました。

そんな山旅にも終わりが近づいてます。

 

これだけの景色に今後また出会えるのだろうか。

最後の見納めと思うと、何度も振り返ってしまいます。

 

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赤岳山荘まで戻ってきました。

最高の旅を終え、万感の思いを胸にシャリシャリに凍ったファンタを味わう。

それは下界では決して味わえないものでした。

 

振り返って

 

初めて赤岳に登った当時、まだアルプスに踏み入れたことのなかった自分にとって、赤岳の見た目のかっこ良さは強烈なインパクトを残しました。

今回、地蔵尾根からゆっくりと標高を上げていき、澄んだ空気に輪郭をくっきりと現す山体を見上げ、

「やっぱり違うな!」

と思わせるブレることのない偉大な姿に嬉しくなりました。

 

去年までは、冬の赤岳はちょっと自分には無理かなと感じてました。

それが今年になって不思議なぐらい自然と登りたいなぁと思える様になったのだから分からないものです。

四季折々の山に登ってきて、ちょうど良いタイミングになったのだと思います。

 

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真冬の登山はただでさえ荷物が増えるのに、大きなカメラを抱えて登る人たちを数多く見かけます。

二度と繰り返されることのない、この瞬間がとても名残惜しいので、写真をたくさん撮ってなんとか記憶に刻もうとする。自分はそんな気持ちを素晴らしいと思います。

そして期待を超えた青空。真っ白に輝く360度の大パノラマ。

日常ではあり得ない猛烈な風に耐えながら、山頂で達成感にひたり、沢山写真に収めました。

 

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赤岳は、人を惹きつける程よい厳しさが魅力な山です。

赤岳鉱泉のステーキに当たったのも旅の重要な味付けとなりました。

朝食の鯖も美味かったし、前日までのバテはぶっ飛んで元気に登れました。

そう、サバはフランス語で「元気」という意味です。

赤岳鉱泉、にくいね~。

ではでは


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