3月10日。
長かった冬が終わり、さあこれから残雪期だ!って感じですが
花見登山もおすすめです。
「俺は満開の河津桜が見たいっ!どうしても春気分を味わいたいっ!」
と、だだをこねて丹沢の高松山と松田山にやって来ました。
暇人なモンで、数週間前から松田山という河津桜でちょっと有名なお山にハイキング
さくら餅と甘酒を持ってのんびり里山を歩きます。
長かった冬の終わりを感じ、久しぶりの春を満喫しようというのが目的ですが、ついつい食べ過ぎて下山してみると太ってるのが春山登山の難しいところです。
イエイ。
松田山のまつだ桜まつり。
やって来ましたえぇ~
葉桜も目立ち始めてたので、1週間来んの遅かったかなぁと思ったけど、これだけ見られたら十分でしょ!
超絶きれいだったぜー。
さて、高松山ですが標高は801mで丹沢の南側、大野山の隣に位置する山です。
小田原に仕事で訪れることの多い自分は、今日も丹沢がよく見えるなーと、小田原市側にそびえる高松山を知らず知らずに見上げてたわけですが、この山の存在は全く知りませんでした。
ヤマレコで知って、興味が湧いた次第です。そしてこの山頂からは富士山や明神ヶ岳などの眺望が素晴らしい、らしいです。
「らしい」と言うのは
ご覧の通りガスガスだったからだよ!
視界30m。登り始めは雨。山頂はどんより。
絵にかいたどぼぼーん。
くやちぃ!
完璧な青空を背景に桜のピンクが映える写真が撮れる!と意気込んでやって来たのに、天気予報にまんまと裏切られました。
期待した俺の熱量を返せ!
と言いたいところですが、今回の様に登山以外にお花見という目的があればそれなりに楽しめるから全然OKです。
高松山登山で良かった点を要約しますと、
1.山北駅から歩き始め松田駅に下山ができ、アクセスは抜群に良い。
2.富士山の眺めは素晴らしい(らしい)。
3.まつだ桜まつりや、みかん園に立ち寄って楽しみ倍増。
こんな感じです。
さあ、おやつを持って出かけよう。春山登山の幕開けです。
いざっ
■アクセス方法
・御殿場線で山北駅(無人駅)へ。
・まつだ桜まつりへは御殿場線松田駅、または小田急線新松田駅から徒歩10分ほど。
■ルートとコースタイム
■2018年3月10日 ※カッコ内は標準コースタイム
山北駅⇒(120分)⇒高松山山頂⇒(45分)⇒尺里峠⇒(50分)⇒最明寺史跡公園⇒(50分)⇒西平畑公園⇒(15分)⇒松田駅
標準コースタイム:4時間40分(休憩含まず)
3/10 山北駅~高松山~まつだ桜まつり~松田駅
活動距離:15.24km
高低差:746m
消費カロリー:3,127kcal(目安 身長180cm/73kg 男性)
はじまり
JR東日本の国府津駅で、JR東海の御殿場線に乗り換えます。
東京からだとお得な切符の休日おでかけパスが便利ですが、御殿場線はJR東日本ではなくJR東海となるので、この路線は対象外で別途費用が発生します。ご注意を。
そんなバナーナ!
「てんくらだってヤフー天気だって雨雲レーダーだって完璧な晴れだったのに、雨かよ!!」
改札出ちゃったけど山北駅は無人駅だし、しれ~っと帰ることもできるな、などとちょい悪な考えをめぐらせながら、高松山を目指すべきかどうか、しばし悩みました。
そーいや、さっき電車の中で乗り合わせたおっさん達が、
「アイツはどんな晴れ予報でも雨にするからなぁ。ガッハッハッハ」とか言って盛り上がってたな。
アイツめ!!
地産の野菜を店頭販売するデイリーストアで少し雨宿りしようと立ち寄りましたが、客が少なすぎて居ずら過ぎる!
仕方ないので雨に濡れながら出発です。
自分はレインウエアを持ってきましたが、完全な晴れ予報を信じきった同行者はウインドブレーカーでスタートです。
山の天気が読めないのは分かりますが、駅前ですからねぇ。。参ったわ。
すでに散り始めた梅林があったり、それなりに春山登山の前座らしい山北町の演出。
大野山に登った時も山北駅から歩いて登りました。それ以来の山北町です。
みかん?はっさく?畑の隣を抜けていきます。
とにかく山北駅から高松山への道標はほとんど出てこないから、地図やヤマップなどのアプリで確認しながらじゃないと登山口にたどり着けないかもしれません。
昔のホンダLifeが停めてありました。山北町のおシャンティーさん。
軽自動車なのに白ナンバーだったのは昔は黄色なんてなかったからなのか?
暇人なモンで調べてみると、黄色ナンバーが開始したのは1975年からなんだそうです。
高速の下をくぐって行きます。
高速の下にトイレがありました。大事なポイントです。もちろん山北駅にもトイレはありますのでご安心ください。
本日はビリ堂経由で高松山の山頂を目指す定番ルートです。
雨は降ったり止んだりを繰り返してますが、完全に止む気配は見せません。全部アイツのせいです。
登山スタートと思いきや、みかん畑の中の林道を長いこと歩きます。ゆっくりですが標高を上げてく感じ。
突然、工事現場にたどり着いたと思ったら、新東名高速道路の予定地でした。
こんな山の中を切り崩して道路を通すなんて、人類それで良いのか?
「うぬぼれてんじゃないよ!」と叱りたくなってきます。
高松山に登れるのも今のうちだけかもしれません。
さあ、やっとトレイルの始まりです。
いつもは林道が終わるとほっとしますが、今日はぬかるんでるし、ちょっと嫌です。
樹林帯に入れば雨は凌げるかな、という思いはありましたが、雨脚は一層強まり、更に濡れる濡れる。
本来はハイキングのつもりでやって来ました。誰がこんな修行登山になることを予想できたでしょうか。
ビリ堂に着きました。ここまでこれといった急坂もなく、だらだらと標高を上げてきました。
天気さえ良ければ子供でも楽勝でしょう。
ビリ堂には水場があるみたいですが、御覧の通り雨で全部びちゃびちゃ。どこから水が出てるのかも分かりませんでした。。
ここの説明書きに、夜になると動物たち(鹿、猪、穴熊、狸、狐)の運動場になっていると書いてありました。やっぱり丹沢に熊はいないんだなと、安心した次第っす。
ビリ堂を過ぎると丹沢名物の階段登りっぱなし地獄の始まり。
疲れて見上げた森はそれなりに神秘的。
やっと雨も止みましたが、山頂からの景色は絶望的。経験上、このガスは晴れないという確信があります。
この分岐で見るからにパワフルなおじさんが一人でめちゃでかい声で歌いながら遠ざかっていき、何事かと本気で驚きました。
昼はおっさんののど自慢の場になっている様です。
山頂が見えてきました。
急にガスが晴れるサプライズは万に一つ起こり得ない。待ってるのは絶望です。
登山的に、典型的などぼぼん。
典型的や。。
それでも山頂では恒例の空元気でジャンプを決めてみせる。
せっかくの山頂ですからね。俺は楽しむぜ!
お湯をそそぎ、3分待つことができない同行者がバリカタのラーメンを食べ終わったら、そそくさ下山します。
真弓ヶ丘というポイントみたいですが、特に何もありません。
ここからは道標だらけなので、迷うことはないと思います。
とにかく河津桜、または最明寺史跡方面へ下ればお目当ての西平畑公園には着きます。
今のところ巨木を撮るぐらいしか楽しみがないのでありんす。。
富士見台なる富士山の絶景ポイントに着きました。
心を豊かに、目を閉じて富士山のイメージを膨らませてみましょう。
アイツめ!
林道に出ると
「ハイクマップ。ご自由にどうぞ」と出てきたので有り難くいただくとしましょう。
ちっ。
MAZDAのトラックが不法投機されてました。
松田山はすぐそこです。粋な演出です。
MAZDAってトラック作ってたんですね。
突然集落が出てきて舗装された道に変わる。
高松山と松田山に挟まれたこの集落に暮らす人たちの交通手段に興味を抱かずにはいられません。
黒毛和牛と遭遇しました。
野生ではなさそうです。
スピーカーにスイッチが入る音がボンっと異常に大きくてマジで飛び上がってビビりました。
同行者は腰抜かしてました。
そしてお昼を告げる音楽がけたたましく流れだす。
おそるべし松田山。
最明寺史跡公園に着きました。
こんな風情ある公園に見えるのは私のカメラの腕です。なんつって。
実は5年ほど型落ちのミラーレスカメラを激安で買いました。富士フイルムのX-A1という、富士の中では最もグレードの低いカメラですが、発色が素晴らしいです。
使い慣れてきたらこのカメラレビューを書く予定ですが、、既に市場には出回ってないけどね!
かくれんぼしたら誰もがあそこを疑うだろうという巨大なタイヤが置いてありました。
ひょっこりはん!
最明寺史跡公園から西平畑公園までの長い長い林道に辟易していると、天野松田山わくわくランドなるアミューズメントパークがでてきました。
にわとりが鳴き声がうるさかったです。
「ンゴンゴ」も聞こえたから豚もいたかも。
松田山、なかなか深いです。
桜が見えてきて、ずいぶん整備された場所に出ました。
ブルーベリー狩りという看板に興味を惹かれます。
西平畑公園に着いたのかな?
違いました。
松田山 食用菜の花狩り&菜の花まつりが開催されてるみたいです。
そこら中で祭りが催されてるなんて、ますます松田山侮れません。
みかん園の直売もあったので試食を楽しむ。
レモンがあったので少しかじってみると口内炎にしみて激痛。我ながらアホです。
もう完全に下界の雰囲気です。
道なりに下りていくと、
さあ、まつだ桜まつりの会場に到着です!!
この翌日が最終日なだけあって既に葉桜が目立ち始めてますが、今年一発目の桜にテンション上がるぜ!
すごいよすごいよ!数ヶ月も真っ白な雪景色ばかり見てきたから、この花の狂乱は色の洪水の様に感じられます。
屋台村のテントの中は、ビール片手にうまいもんに目がないパーリーピーポーの憩いの場となってました。
イエイ
出店もたくさんあってお祭り気分を盛り上げてます。もう少し天気が良ければもっと賑わってたのでしょうが、残念ですね。
桜も綺麗ですが、菜の花の量も圧巻です。
園内のベンチで湯を沸かすことがためらわれますが、それでも沸かします(笑)。
待ちに待ったお昼です。
今日のメニューは、カップラーメンクリーミートマト味。
飲み物は甘酒。
スイーツは、スーパーの値引きシールが貼られた桜餅、さくら風の揚まんじゅう、シュークリーム。
デザートの量がメインディッシュを凌駕してるのがやっほっほ亭スタイル。
桜を眺めながら桜餅を食べるってこれまでやったことなかったかも。贅沢だわ~。
森永の甘酒も初めて飲みましたが、うまかったぜ!
食べながらのんびり桜を楽しみました。デザートたくさん、夢いっぱい。
お尻をびちゃびちゃにして園内の滑り台で遊ぶ子供たちを見て、ほっこりしたら下山しましょ。
ゴール間近。そろそろ見納めです。
何はともあれ花見企画は成功と言って良いでしょう。考えてみれば河津桜は初めて見たかもしれません。
東名高速がすぐ目の前です。ここを出たら左に折れて高速沿いを歩き、あとは道標に従って行けば松田駅です。
途中にあった河津桜の方が、さくら祭りのどれよりも満開だったなんて言わない。
JR松田駅に着きました。
小田急線の新松田駅もすぐ近くです。
おでかけパスで来たのでJRで帰りますが、国府津駅までは別途切符の購入が必要です。たしか240円だったかな。
振り返って
まさかの雨でスタートした今回の高松山登山。
山頂からの景色はことごとくガスの餌食となり、修行っぽい登山となってしまいましたが、最後のまつだ桜まつりが全てを帳消しにしてくれました。
山頂を目指すだけを目的にした登山であれば失敗してたと思いますが、お菓子と甘酒を持って花見に行く、高松山登山はついで、そう割り切ってたので個人的にはそこそこ満足いく登山でした。
そもそも河津桜とは、河津川沿いで冬枯れせずに芽吹いてた桜を見つけた飯田勝美さんという方が、自宅に苗を持ち帰って大きくさせたのが原木とされ、自然交配で誕生した桜です。
それが1955年の出来事で、その後1974年に新種と認められ河津桜と命名されました。
2月上旬から咲き始め、2月中旬から3月初旬にかけて見ごろを迎えますが、他の桜に比べて咲き始めるタイミングが予想しにくいみたいです。
それでも、早咲きで満開を長く維持できるという特徴が人気を博し、半世紀以上かけて多くの人の手によって増殖されてきました。
本場の河津桜を見ればきっと「さすが!」と驚かせてくれることでしょう。それでもそう考えてみれば、今見てる光景は、近場の丹沢にあって長い年月を経て遠いところまでやって来たんだなぁという、旅の感慨に浸らせてくれます。
帰りの電車の中で、遅ればせながらやっと青空が見えました。
ではでは