二丈岳 登山(ゆらりんこ橋) 滝巡りの通学路と青い海の大絶景

二丈岳 登山(ゆらりんこ橋) 滝巡りの通学路と青い海の大絶景

福岡県の二丈岳(にじょうだけ)に登ってきました。

九州百名山でもない山ですが、福岡県ではとても人気のある山です。何年か前に子供と登りましたが、その時は真名子木の香ランドというキャンプ場から山頂までものの40分ほどで着いてしまう即席登山だったので、いつかきちんと歩いてみたいとずっと思ってました。

そんな訳で今回は二丈岳の魅力がたっぷり詰まった定番ルートゆらりんこ橋から登ります。

見てこの海!

二丈岳登山のポイント

①山頂からの玄界灘の眺め

②いくつもの滝を見ながら登るルート

③初級者から楽しめる安全なルート

人気が高い山の条件、①好アクセス、②眺望の良さ、③歩いてる過程が面白いの3点を見事に満たした山です。

すぐ近くに「まむしの湯」や「きららの湯」といった温泉施設はあるし、海沿いのレストランもたくさんあって下山後の楽しみにも事欠かないってのも嬉しいポイント!

福岡市から西九州道を利用すれば1時間もかからないアクセスの良さも特筆すべき点です。ちなみに西区の自宅から下道で30分で着きました。

 

背振山地より少し海寄りに位置する山なだけに、目の前は青い海!そしてこのルートの魅力はなんと言っても滝巡りです。

登り始めから真名子木の香ランドまではずっと加茂川沿いを遡上するルートのためいくつもの滝を眺めながら爽快な登山が楽しめます。

登山道はよく整備されてて初級者でも安心なルートです。もし体力に自信がなければ無理せず真名子木の香ランドから登り始めることだってできます。

 

二丈岳は標高711m。福岡県糸島市二丈町の山です。

10月14日、紅葉が少し始まってたらラッキーだなぁと思ってやって来ました!結果はいかに?

いざっ

 

ルートとコースタイム

■2019年10月14日

ゆらりんこ橋⇒(60分)⇒加茂神社⇒(10分)⇒真名子木の香ランド⇒(40分)⇒二丈岳山頂⇒(45分)⇒加茂神社⇒(50分)⇒ゆらりんこ橋

標準コースタイム:3時間25分

 

二丈岳登山 本編

ゆらりんこ橋から登山開始

朝の9:30

朝が苦手なあたくし。登山をやる者として致命的だけど今日はそんなぐうたら登山者でも楽しめるゆるゆる登山。

のんびり糸島市二丈町のゆらりんこ橋の駐車場にやってきました。

30台ほど停められる駐車場は、6〜7割程度埋まってました。意外と空いてます。

 

駐車場には山ナビBOXが設置され、糸島界隈の登山情報をまとめたリーフレットを持ち帰ることができます。

福岡の山に登り始めた頃はこういう親切なリーフレットにとてもお世話になりました。当時はまだヤマップも普及してなかったからねん。

 

水洗トイレも完備されてますよ。

いつもはきれいにしてくれてるんだけど、この日はオイニーがツイキーで写真で伝わらないのは残念です(ラッキーだね♫)。誰か流してない輩がいるんじゃないか?

鼻っから汚い話ですみません。でもトイレ事情って大事だもんね。

くれぐれも、普段はとても綺麗にしてくれてるんですけどね。。

 

9:40

では出発。ゆらりんこ橋を渡って登山開始です。

橋がゆらりんこするなんて恐ろしすぎ!と思うかもしれないけどこんな頑丈な橋なのでご安心を。

このゆらりんこ橋から最初に出てくる滝まではたまに犬の散歩で来てるので勝手は分かってます。

頑丈にできてますが、大の大人が大人気なく走るとほんとゆらりんこするので、是非とも必死こいて走ってみることを薦めます。

 

彼岸花。

一本の茎に一輪の花、葉っぱは無いって言うのが変わった花ですよね。

 

ご覧の通り、歩きやすい登山道を進んで行くと、

 

最初に出てくるのがこちらの滝。ここまでは犬の散歩コース。

清流が気持ちいいっ!

だけど子供から「父ちゃんまじカマい!」と謎の蔑みを受けた傷を癒やすにはまだ足りない。

次なる滝を目指してここから先の未知なる領域へ行ってみましょう。

象とか出てきたら超ヤバイかも。

 

いた!

なんつって。

南アルプスの赤石岳もこんな可愛らしい案内標識が次々と出てきて次はどんなだ?っていう楽しみがありました。

次の案内標識に期待しましょう。

 

次々と現れる滝と家の石

沢沿いのルートなのでいくつもの滝を眺めながら登っていきます。

ひとつひとつの滝の名前は知らないけど、マイナスイオン出まくりなキヨキヨしいルート。

 

でも見上げる森は延々と杉林。

たまにヒノキなんかが混じるけど基本は植林された杉林の中を突き進んでいきます。

登り始めだけではなくてね、

山頂までほぼずっと杉です。

 

そして再びこんな風に滑滝が出てきます。お陰で歩いてて飽きが来ることはなかったな。

水流も強いしなかなか見応えあるよ。

この先の源流域がどうなってるのか見たいから先に行ってみたくなる。

 

滝を眺めながら休憩できるポイントがあったり、のんびり楽しむには最適な山です。

だけど一人だとついペースが上がってしまうんだよねぇ、まだまだ未熟者だなと思う訳です。

 

再び滝。

前回の白馬乗鞍岳の登山でカメラの師匠と一緒に登って腕の差を見せつけられました。そんな訳でシャッタースピードを遅らせてみたり、撮影条件を変えて試し撮りにここで5分ぐらいトライしてました。

三脚持ってこなかったけど意外とちゃんと撮れるもんなんだな。

 

急登は階段になってて弛みきった脚力に大ダメージを与えてくれる。。うぅ。

最近は怠け過ぎ。先日の白馬乗鞍岳もスーパーゆるふわ登山だったし、下山後は豚鍋で食い倒れたし。家に着いたら太ってたし。

 

巨岩が折り重なった不自然な岩がありました。

これはアレ!ジェンガだな!

 

「家の石」、という名の岩みたいです。

ここで衝撃の事実。

ここに書かれてることを要約すると、昭和30年頃までここは真名子に住んでいた子供達の通学路でした。雨が降るとこの岩で雨宿りをよくしてたので、いつしか子供達から「家の石」と呼ばれる様になった。との事です。

「通学路だったのか!マジか!」

 

たまにこんな感じで木の紹介がされてます。

「ひさがき」という木だそうです。

そこそこ登山やってですが木の種類だけはさっぱり覚えられないし判別もつかない。

 

これがそのひさかきの木の葉。

うーん!紅葉を期待してやって来たのに青々してるー!アハハハハーさいこー!

。。。

。。

(T_T)

まだ1ヶ月ぐらい早かったかな。

しゃあない。杉ではないというだけでどれだけ幸せか。

 

おぉこの滝は見事なもんじゃぁあ〜とそろそろ傷も癒えてきました。

カエデと一緒に眺める滝も乙ですな。

滑って落ちたらあっという間に駐車場まで戻ることができます。

 

歩きやすい登山道ですが、もし自分がここを通学や通勤で毎日歩くとなったら即引っ越します。ヘタレですから。

通学路と知ってヒーヒー歩いてる自分が情けなくて泣けてくる。

 

今度の滝は勢いが凄いなと、びびりながら覗き込んでみる。この滝には名前があるみたいです。

どれどれ。

 

よ、読めねぇ!

不動明王と明神之瀧って書いてあるのかな?

 

あ、いた。不動明王見っけ。

 

突然視界が開けたと思ったら単に杉の伐採が済んだエリアでした。またすぐに新たな杉が植林されることでしょう。強烈な花粉アレルギーを持つ自分にとって住みにくい世の中になってしもたな。。

 

加茂神社から山頂へ

加茂神社に着きました。

先行者の方々がこの加茂神社で安全を祈願してました。

自分は通学路を歩いてきただけだし。。と思ったら祈願する気にさっぱりなれなかったので、お山の神様にお邪魔しますと心の中でつぶやいて先へ参るでござる。

 

そうそう、柄杓の裏を何気なく見てみると「YAMAPトレラン部」と書かれてました。下手な字だな(笑)。。と心の中でつぶやきシローですが、山で走る人はすごいよ、ほんと。

 

真名子木の香ランドまで林道を歩きます。正面には二丈岳が見えます。

 

林道にはノコンギクがたくさん咲いてました。

 

広場で中年のおっさんが1人でドローンを飛ばして遊んでました。

超怪しい。。

 

ここから先は通学路ではありません。そして沢沿いのルートともおさらばして真名子木の香ランドの少し手前から登山再開。

前回はここから登ってあっという間に山頂に着いてしまった記憶があるので、気持ち的にはもはや登頂した気でいます。

 

どんぐり。やっと秋らしい物を見つけました。

 

突然キャンプファイアができそうな広場が出てきます。休憩するにはちょうど良さそうな場所ですが間髪入れずに登り始める。

確かすぐ着いたはず、という記憶があったので甘く見てました。

 

地味に長い杉林に「こんなはずでは!」とへこたれ気味。。ちょっとペースを落として浮かれ気分を少し反省。

 

真名子木の香ランドから山頂までコースタイムで40分。

あら、意外とあったのねん。。

 

ふぅ、ようやく山頂だよ。

 

山頂からは大海原の大絶景

うっひゃー青空。

さっと涼しい風が吹き抜けて気持ち良い。湿気の無いさらっとした最高の季節。秋の匂いがします。

山頂はそこそこ広いから登山客が増えてきてもだいぶ余裕があるね。

 

10:50

標高711m。

少し奥に大きな岩があってそこからの方が眺めが良いのでちょっと行ってみましょう。

ここまで15人以上は抜いてきたので混む前に絶景を楽しんでおかねばっ!

 

それがこの眺め!!

海と空の境が分からないこの青さ!

日本海側に位置する福岡は冬になると曇り空が続くし春は霞が濃いから、綺麗な風景を狙うとなると夏と秋。夏に低山に登るのはしんどいので必然的に秋がベストシーズンです。

 

こちらは唐津方面。

唐津〜伊万里〜有田の焼き物街道は陶器好きにはたまらんでしょう。

有田陶器市の渋滞に飛び込んでいく陶器好きの心境が私には分かりませぬが。。

 

こちらは糸島市、前原方面の眺め。

やっと福岡も夏の雲から秋の雲に変わってきました。

こんな快晴に恵まれなんて。危うく家でごろごろして一日を終えるところでした。

 

二丈岳は二條城という山城の跡地です。

兵役にとられて、こんなところに駐在になったら泣いちゃう。

 

11:20 さて、下山開始。

ゲッザーン開始

なんて花でしょうね?花弁の形がスミレっぽいけどちょっと違う。

 

真名子木の香ランドまで下りてきて林道で二丈岳を振り返る。

山頂まで杉林に覆われた山容は全く魅力的に映らないけど、ここまでご紹介した通り登ってみたら良さが分かる山ですね。

 

桜は少し色付いてます。これが今日の時点では精一杯の紅葉だろうね。

 

こちらは紅葉の定番、カエデ。

うーん、新緑!!

 

12:05 ゆらりんこ橋まで戻ってきて下山完了。

下山はピストンだからちゃちゃっと下りてきたので40分しかかからなかったです。

 

駐車場に戻ってくるとほぼ満車。下山中に15人ぐらいとすれ違ったから混んでることは予想できたけど、お昼から登る人の多さには驚かされました。

ちなみに駐車場を出たところに九州大学のバスが2台停まってたんだけど、こんな所で何かのイベントだろうか?

 

少し車で走ると20人ぐらいの外国人がこの田園風景を写真に収めたりしてました。九大のバスはこの留学生達を連れてきたみたいです。

日本の田舎の風景って外国人にとって興味深いんだろうな・・うんうん。

うん?いやいや、糸島キャンパス周辺と何ら変わらんやろ。

 

山頂から見下ろした海が目の前。海沿いの国道で福岡市に帰ります。

最近釣り行ってないな。ぜんぜん釣れないし自分にとって登山の100倍難しい。。

 

振り返って

糸島の魅力は海だけだと思っている人はもったいない!低山とは言え見どころ豊富で人気な理由がよく分かる山でした。

山の魅力をきちんと伝えられる筆力はありませんが、当ブログの写真を見て二丈岳に足を運んでみよっかなと少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです。

まさかの通学路には驚かされましたが、全体的に傾斜がゆるく歩きやすい登山道だったしアクセスも良いし、これから山登りを初めてみようと思ってる人にもお薦めです。

 

関東と東北に甚大な被害をもたらした台風19号の翌日にやって来ました。

遠く離れた福岡でさえ風が強かったので心配してましたが、東北、北関東、長野の佐久、丹沢だと山北町、奥多摩の日原等など、登山をやってて馴染みのある所が次々とニュースで報道されとても痛ましく見てました。少しでも早く行方不明者の捜索が進むことをお祈りします。

 

山では10月から1ヶ月~1.5ヶ月の間、ごく短いベストシーズンを迎えます。

秋はつるべ落としと言われる様にあっという間に日が暮れるし、まだ台風がやってくる季節でもあるので油断はできませんが、黄色や赤に色付き、鮮やかな景観が広がる景色を少しでも多く伝えられたらなと思ってます。

ではでは


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