【栃木】三床山 犠牲者たちよありがとう!冬枯れた山に芽吹く淡いアカヤシオの花見登山

【栃木】三床山 犠牲者たちよありがとう!冬枯れた山に芽吹く淡いアカヤシオの花見登山

目が回るほど忙しい4月がやってきた。

年度末が終わったかと思えば決算報告の資料作成に追われ、その傍らYAMAPで最新の山桜やアカヤシオの開花情報をチェックしなくてはならない。

 

どんなに仕事が忙しくても、今頑張っておかないと恐怖の「梅雨」がすぐやって来てしまう。梅雨の間活動停止しながら4月にたくさん歩いておけばよかったなぁ〜と後悔しても遅いのだ。

 

 

その一方でおっさんは焦っていた。

 

 

冬の間に炭水化物フィーバーでうっかり8キロも太ってしまったのだ。

 

 

相変わらず極端な太り方だけど、このままでは夏が来ても長距離は歩けない。

しかもこのままでは健康診断で脂肪肝と診断され、⇒再検査、⇒ドクターから「肝硬変になって死にますよ?」死の宣告といういつものパティーンが目に浮かぶ。

 

4月は桜とアカヤシオの観光登山がメインだし、ダイエットでフラフラな身でも歩ける山にしか行かない。

やるなら今だ。

北の国からの黒板五郎ばりに

「やるなら今しかねぇ〜♫」

ってやつだ。

 

そんなわけで、炭水化物を遮断して6日目、栃木県の三床山(みとこやま)にやってきた。

 

目的はもちろん、ちょうど見頃を迎えたアカヤシオ。

 

こんなに空腹に耐えて、フラフラなのに、無情にも体重は6日で300gしか落ちていない。

ところがどっこいアカヤシオは待ったなし。

三床山は低山なだけに他の山に比べて開花が早いのだ。

 

うっかりすると満開のタイミングを逃してしまう。

 

ああ、決算報告もまとめなきゃ。

4月は忙しいのねん。

 

シックスパック風にお腹にデブ線が入ったおっさんが降り立った三床山は栃木県佐野市にある山。

すぐ近くには仙人ヶ岳やヤシオ山といったアカヤシオ界では名を馳せた名山がある通り、栃木と群馬はアカヤシオのサンクチュアリ。

 

そんな両県の県境、佐野市や桐生市はアカヤシオのキングオブメッカなのだ。

 

三床山はまさにそんなところにある一座。

 

県境から少し離れた赤城山や下仁田あたりも有名だけど、いずれにしても群馬と栃木に集中してて、アカヤシオの開花情報は北関東のハイカーを浮かれさせちゃう春の風物詩。

 

鈴鹿山脈や九州の大崩山周辺でも見られるけど、西日本はアケボノツツジといって、ルーペでよーーく観察してみるとちょっと違いがあるらしい。

もう一緒でいいんだけど。

 

まだ冬枯れた山の中でこのピンクがバイエルン〜(映える)。

 

 

ルートとコースタイム

■2023年4月1日 ※カッコ内は標準コースタイム

鹿嶋神社前の駐車場⇒(50分)⇒三床山⇒(25分)⇒二床山⇒(15分)⇒一床山⇒(45分)⇒駐車場

コースタイム:2時間15分(休憩含まず)

総距離 4キロ
累積標高上り 360m

三床山登山 本編

鹿嶋神社から登山開始

いつもはそんな混まない山らしいんだけど、アカヤシオの時だけは別腹。

下山してみたら満車で路駐もズラリだったから、世の中に浮かれたアカヤシオハンターがいかに多いかが知れる。

 

さて、どっちから行こうか悩むけど、三床山→二床山→一床山のスリー、ツー、ワンのカウントスリーで進むことにした。

反時計回りで戻ってくるよ。

 

6月から10月まではヤマビルが出るらしい。

嫌な奴じゃ。絶滅して欲しい。そんなことを言いながら実はまだ一度もヤマビルに遭遇したことがない。夏の丹沢も幾度となく歩いてるのに。

ヤマビルもおっさんの放つ加齢臭が苦手と見える。

 

それはいいとして、赤字のヤマビルの下に書かれた「熊出没注中」の方がやばくね?

出没注意ではなくて出没中って、絶賛出没中ってことでしょ。やばくね?

 

登山口にあった神社で、今日以降の登山がぜんぶ晴れることを神様に約束してもらった。

 

土足OKだなんて、ずいぶんフランクな神様だったから話が早い。

ただのめんどくさがりな気もする。

 

出尾根コースというルートで登っていく。

沢コースだと景色は良くないらしい。尾根コースであればゴルフ場の景色を楽しめる。

どっちを選ぶ?

 

歩き始めはとてもなだらかな上り。もはやフラット。

水からじわじわ茹でられてゆっくり殺される茹でガニ風な上りなのかもしれない。

 

折角の快晴を無意味にしてくれる濃密な樹林帯。

 

わずかな隙間から見えた景色はゴルフ場というしごき。

 

早速出てきたのはミツバツツジ。

ミツバツツジもなかなか淡い色してるからね、最初アカヤシオかと思った。

 

ここまでのんびり歩いてたら突然の急登。

茹でガニ方式かと思いきや、人思いに一気にとどめを刺しにきた。

三床山(見とこ)、一床山(行っとこ)とか、そんなかわいさは微塵もない鬼畜な急登に汗が噴き出す。

 

一気に登ったから周囲の山より既に高いところにいる。

激疲れた。汗がまっこと止まらんぜよ。

 

三床山山頂のアカヤシオ

おっ。山頂か?

 

おお〜着いた。

さてさて、アカヤシオはどこじゃ?

余はアカヤシオを見に来たでおじゃるぞ。

ほれ、見せてみろ。

 

違う違う。あれはゴールド佐野カントリーゴルフ場ではないか。

余が言うておるのはアカヤシオでおじゃるぞ。

ほれ、ちこう。もっとちこう見せてたもんせ。

 

ひ、ひーーー!!!

まさかのアカヤシオラナウェイ。年老いてなおデカいサングラスと派手なスーツスタイルを貫く鈴木雅之(もはや漫才師風)の「ランナウェイ」が頭の中で陽気に流れる。

 

しかし、ほんと?

前日のYAMAPではまだ咲いてたのにそんな簡単に散る?

 

 

アハハハー、咲いてた。

あっぶー。まさかぜんぶ散っちゃったかと思ったよー。

 

ほれほれ。これじゃこれじゃ。

もっと見せておくれ。

 

だが残念。広い山頂で咲いてたのはこの一本だけという惨状。

群馬と栃木はアカヤシオの聖地だと思っていた自分は愕然とした。

 

しかも、後ろからやってきた女性が

「くっそー!マジ信じらんねー!超悔しいんだけど!」

と、自分のはるか上を行く男らしさで悔しがってたのでむしろスッキリした。

 

悔しがる女性を置いて、二床山へ。

長居無用だ。

 

下ってから登り返す。

本日の三床山は周回コースで約4キロ。この短い行程で果たしてアカヤシオが残されているのか不安になってきた。

 

しかし、心配は杞憂に終わった様だ。

稜線にアカヤシオがでてきた。

 

謎のトライアングルをヘディングで鳴らす。

 

以前ヤフコメでホークスの周東が犬より速ぇ!ってザワつかれてたけど、WBCのホームインの場面では高松宮杯でも勝てる!っていよいよ馬の上をいくコメントが話題に。

そんな周東はアカヤシオ群生地が多い群馬県桐生市のお隣にある太田市出身。スバルの工場がある太田市ね。

アメトークで博多華丸が、周東は山で野ウサギばかり追いかけてたから足が速くなったって言ってたけど(笑)、

福岡の宝満山にはなんだかんだ毎年登ってるみたいだ。

今年も周東、クリなど総勢5名ぐらいで登ってるインスタがアップされてたし。

いずれどこかの山で出会えるのを密かに期待してるんだよね。

 

だんだん岩稜っぽくなってきた。

アカヤシオは岩場に咲くイメージがあるからこういうところから期待が膨らむ。

散ってなければいいけど。

 

アカヤシオの群生地

あったあった。

まさにこういうところが花見登山の難しいところ。ぎりぎりまでYAMAPでチェックしててもまんまと肩透かしにあったりするからね。

まあそんなのも含めて風物詩なんだけど、ツツジに関して言えば、代表格の高原山でも稀に見る大不作の年に登ったり、ミツモチ山で雨に降られたり、極端にツイてない気がする。

 

今回はかろうじて間に合ったけど。

こっちにも咲いてる。

 

あっちにも。

群生の規模は小さいけど、諦めかけてただけに宝を探し当てたかのように嬉しい。

 

世間が大谷翔平にめろめろになってる頃、こっちはアカヤシオにヘロヘロだ。

しかし、話は戻るけど、ホークスの栗原がどんなに打撃好調でもニュースはぜんぶ大谷翔平がかっさらってしまうのが実に不憫なんだよね。

森唯斗の先発転向だってぜんぜんザワつかれてないし。

2軍で6回まで投げ切ったのに。ヤフーニュースのトップを飾ってもいいぐらいすごいことなのに。

なんてことだ。

 

アカヤシオ越しの二床山。

なんにしても今年もアカヤシオをしっかり見ることができてよかった。

まだ5月の赤城山とかチャンスはあるけど、自分が行くときはどうせ大不作か大雨なんだ。

ああ神様、土足OKの神様、約束守っておくれ。

 

一箇所だけ鎖場がでてくる。

やはりイメージ通り岩稜になってきた。

 

低山とは思えないぐらいに景色がところどころ開ける。こういうところも岩稜ならでは。

 

ミツバツツジはまだこれから。

 

二床山に到着。

いつもはすぐにバテて動けなくなる自分もさすがにまだ元気。たくさん書いたけどまだ2キロぐらいしか歩いてない。

 

とは言え、一床山まではなかなかの急登。

しかも最近は安西先生級に太ってしまったから下手すると後ろにゴロンゴロン転がってしまいそう。

お腹に入ったピンクのデブ線が美しい。

 

簡単に息が上がるから休み休み急登を登る。

朝昼晩の炭水化物大盛りと日頃のランニングを怠った成れの果て。

大盛りの量はスパゲティなら300g、白ご飯なら2合。そして食って寝るを繰り返せば秒で太った(笑)

 

いっとこ山頂は展望良好

なんか居酒屋風のいっとこゲット。

 

一床山の山頂は展望が開けててとても気持ちいい。

そんなわけでお昼を食べるなら一床山がいいね。ちと狭いけど。

今は柄にもなくダイエットを始めたからサラダチキンだけにしたけど、下山後、団子をガツガツ食って整った。

 

ゲッザーン開始

後から登ってきた家族連れと入れ替わるようにゲッザーン開始。

 

低山とはいえ森の中はまだ冬枯れてる。

新緑はあと1ヶ月ぐらい先だろうか。

 

西入の頭という小ピークを過ぎればもうすぐ下山は終わり。

ここは鹿嶋神社方面へ。

全体の行程は4キロほどの登山ってサイコー。

 

山桜が満開。

山桜にもいくつか種類があるらしい。これは大島桜ってやつなのかな。桜餅の葉っぱに使われる品種らしい。

 

ほら、こんな風に桜の色が違うのが3種類はあるし、ここではそれぞれが共存している。

 

重たい体で必死のジャンプ一番。

下り終わると鹿嶋神社まで、雑木林の中を駐車場まで横移動。

 

 

スミレが撮る気にもなれないぐらいそこら辺に咲いてて、すっかり春なのねん。

 

スミレから突然のソーラーパネルの登場。

オール電化に興味あるけど、ソーラーパネルの耐用年数が永久だったらいいのに。

 

戻ってくるとやはり満車。路駐多数。

朝一で来てよかったよ。

 

振り返って

三床山は軽いハイキングにもってこいの山だったよ。

アカヤシオの群生地は三床山と二床山のちょうど中間だったんだね、ちゃんと下調べしてなかったから三床山の山頂ではほんとガッカリきたよ。

鎖場もあったし、一床山は展望良いし、短い行程の中でぎゅぎゅっと見どころが詰まった山だった。

なんといっても都心から近くてアクセスが良いしね。

 

アカヤシオメインだと桐生の鳴神山とかの方が群生規模は広範囲だけど、三床山の良いところはすぐ近くに桜で有名な太平山もある点。

下山したその足で太平山に立ち寄って、桜の花見もできちゃうのは春山で最上級の遊びだと思う。

短い行程だからこそ為せる技。

ぜひお試しあれ!

 

多くのハイカーが、桜前線が通り過ぎた頃、赤城山周辺の山々でアカヤシオが咲き始めるというスケジュール感でいると思うんだけど、三床山の場合はそれだとだいぶ遅い。

低山の開花時期は、桜とほぼ同じタイミングだと思っておけばたぶん大丈夫。いや、でもやっぱりこればっかりは言い切れない。

つぶさにYAMAPをチェックして、犠牲者になってくれた勇気ある方々のレコに感謝してから訪れるべし。

ちなみに、二子山でも(あんなところでも)熊がでてハイカーが襲われるんだから、やっぱり油断ならない。

熊の糞とかは見当たらなかったけどね、念のため熊鈴は忘れずに。

 

ではでは

だぼだぼの服でデブを隠してる。


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