鎌倉アルプス 登山 人波に乗れ!丘サーファーが行くあじさい寺と太平記の峰

鎌倉アルプス 登山 人波に乗れ!丘サーファーが行くあじさい寺と太平記の峰

梅雨です。

登山にとって不適期の梅雨がやって来ました。

新しいレンズを購入したので、

あじさいで試し撮りなんていいじゃん!

梅雨でも少しは楽しめそう!

ってなノリで、あじさいで有名な鎌倉の明月院にやって来ました。

ついでに鎌倉アルプスも歩いてきたけど、ほんと、それはついで。

この明月院、別名「あじさい寺」と言われるほど紫陽花がたくさん咲いてるんだけど、新型コロナウイルスの影響で6月中は平日のみ開門してくれてます。

という訳で、今回は平日休みを利用して人混みを回避。ほんのちょっとだけ空いてる鎌倉を散策して参りました。

 

午前までは曇ってたけど、ちょうど鎌倉アルプスを歩き始めた頃、晴れてきました。

鎌倉アルプスの最高峰は大平山(おおひらやま)で標高は159m。

鎌倉アルプスには天園を通る天園コースや、大仏コースなど、いくつかのコースが用意されてるから何回か通って違う魅力を見つけてみるのも良いかも。

ただ、標高が低いから真夏はお薦めしないけど…。

 

あじさいまみれ、人混みまみれ。

本日はフジノンXF16mmF1.4という新しいレンズを投入。

借金で首が回らないぞ…

いざっ

 

ルートとコースタイム

■2020年6月16日 ※カッコ内は標準コースタイム

北鎌倉駅⇒(10分)⇒明月院(あじさい寺)⇒(30分)⇒鎌倉アルプス入口⇒(55分)⇒大平山⇒(10分)⇒天園⇒(45分)⇒瑞泉寺⇒(15分)⇒鎌倉寓⇒(25分)⇒鶴岡八幡宮⇒(20分)⇒鎌倉駅

標準コースタイム:3時間30分(休憩含まず)

総距離 9.1キロ
単純標高差 144m
累積標高上り 360m

 

鎌倉アルプス 本編

人波に乗れ!

JR北鎌倉駅から本日のトレッキング開始。

駅から大勢の観光客が明月院に向かって雪崩れこんで行くからここは人波に乗ってスイスイ進む。

これがほんまもんの湘南の丘サーファーってやつ。

 

地図があったので、明月院までの道順でも確認しとこうと思ったけど、あまりの寺社仏閣の多さに探せない事態。

これだけで鎌倉が観光客で混む理由がはっきり分かるわ。おぞろじい。

 

こちら、明月院までの道すがらにある円覚寺。

ごく一部の人だけが人波から外れ、この果てしなき階段を登っていく。まったく物好きでやんすね。

 

あじさいストリート。

そう明月院だけではなく、ここから鎌倉アルプスに至るまで、紫陽花がちらほらと道端で咲いてて目を楽しませてくれる。

 

途中に出てくる茶屋が鎌倉っぽさ全開で誘惑してくるから気をつけろ!

 

一度左に曲がれば、明月院へのメインストリート。

警備員も配備してて案内してくれてます。

 

きんつば、大好きです。

でもスーパーで売ってる安いやつでいいんだよね。

1つ200円以上する鎌倉のきんつば事情に驚愕。

 

あじさい寺の明月院に潜入

明月院の入り口からあじさいが溢れてる。

このあじさいをのんびり撮ってたら、参拝料を支払う順番が回ってきて慌てて500円を支払って入場。

キャッシュレス化に慣れきってしまい、ついスマホを出す癖がついてるから、財布をどこにしまったか咄嗟に分からなくなる。

 

進路を示す案内板にもあじさいがフレームイン。

夢を乗せて走るあじさいのエボシライン。鎌倉なだけに、サザン的なワードを散りばめようと必死ですが、内容がさっぱり破綻してる。

悩むわー。どうやってチャコの海岸物語をどう文章に織り込むか悩むわー。

 

ちなみにサザンのアルバム「kamakura」に収録されている「Melody」という曲を自分の両親が好きで、子供の頃から何度も何度も車で聞いてたため、自分にとって最も思い出深い曲。今聞いても良い曲です。

 

明月院はあじさい以外にも、境内にある木々の一本一本が微妙なバランスで配置されてたり、大袈裟ではなく何もかもが綺麗。

 

トイレの前には、あじさい以外の花がたくさん咲いてる。

冬はロウバイ、春は梅や桜、秋は紅葉が見事らしいです。6月はあじさいと花菖蒲が見頃らしい。

 

本日のこのレンズ。16mmという広角レンズでありながらF1.4という明るさ、しかも15cmまで接写可能というオモシロイ特長があるから、F値をうんと下げて背景をボカす感じで撮影しては一人でニヤニヤ。軽く変態です。

 

寺院の中には茶屋もあったけど、もちろんドリンク類は鎌倉の物価。レンズ沼にハマり、借金まみれの自分には敷居が天よりも高いのでパス。

貧民は水を持参しがぶ飲みすべし。

 

北条時頼のお墓がありました。

鎌倉幕府で執権職を世襲して栄えた北条氏。時頼は5代目の執権だそうです。

たまに独裁者と勘違いされがちな北条氏だけど、実際には源頼朝の独裁政治が終わってから、合議制に変更させたのが北条氏。その他、御成敗式目を代表する数々の法律の整備に取り組んだりしてます。

貴族の地位を守るため、後鳥羽上皇が不条理な因縁を北条氏に押しつけ、鎌倉幕府を討伐しようとした時に、北条政子が返り討ちにしたのが承久の乱。

その時に北条政子が御家人達に御恩と奉公を説いたのは有名なお話。

更にちなみに、鎌倉幕府の衰退の引き金となった元寇ですが、福岡県〜佐賀県の海岸沿いには元寇に備えた当時の防塁が未だに残ってて、近所を散歩してると鎌倉時代の面影を簡単に見ることができる。

今こうやって鎌倉に来て、当時執権職だった北条氏の墓を前に、時代のロマンを感じざるを得ないわけです。

この不思議な感覚だけでも鎌倉にやってきた価値があったってもんだな。

 

梅がなってます。

 

明月院ブルーの森

奥へ奥へと進んでいくと、更に数を増すあじさい。

このあじさい、来てみれば分かるけど、これだけの株があって全て手の込んだ手入れがされている。

成長任せに伸ばしてたらこんな整然とするはずがないので、ガーデニングのプロか、お坊さん総出(?)で整理してるのかもね。

 

そんな手間を考えれば、拝観料500円は安いと思う。

清掃も毎日欠かさずしてるだろうし。ほんと、見事。

 

更に奥へ奥へ、本殿に向けてあじさい小径を進んでいく。

明月院のあじさいは日本古来の姫アジサイという種類だそうです。

 

F1.4ビーム!!

背景の玉ボケにトライ。だけどなかなか難しい。

被写体がチングルマの群生とかなら背景を玉ボケさせて綺麗に撮れそうなんだけど。

いや、被写体のせいにしちゃいかんね。腕が足りんのか。

 

ふわふわ感をだしたくて、人通りが少ない小路に入っていろいろチャレンジ。

周りからは変なおっさんに映ってたかも。

尚、あじさいは5月下旬から7月上旬まで見る事ができるそうです。ですが、ピークは6月中旬。

今回は完璧なタイミング。

 

真っ白なあじさい。たまに緑がかった白は見るけど、ここまで真っ白なのは珍しいかも。

でも、やっぱり自分は青い方が好みだなー。

 

こういうやつね。

たまにF値をぐいっと上げてパンフォーカスで撮影。

このパンフォーカスって言葉は最近覚えたんで、実は使い方を間違えてないか少し心配(汗)。

でも、あじさいのブルーが引き立っていい感じで撮れてるよね。

 

はい、どうぞ。

こちら、花想い地蔵と言うそうです。

 

洞穴で仏様がこちらを見てらっしゃる。

あちらへは立入禁止です。

 

ほんでこちらが、ブルー地蔵。

 

本殿です。

毎度のことですが、飛行機が落ちないことをしっかりお祈りしておきました。

前にもどこかで書いたかもしれないけど、一度、飛行機のエンジンが「ボンっ」て音を立てて壊れ、羽田に引き返して緊急着陸したことがあります。

それと、ゴーアラウンドは珍しくないみたいだけど、自分は3回ほど経験してて、その度にヒヤヒヤする。やっぱり飛行機は何度乗ってても慣れないな。

 

明月院のあじさいの歴史はさほど古いものではなく、第二次世界大戦後に、物資や人手が足りない時に参道を整備する杭が足りず、比較的手入れが簡単なあじさいを杭代わりに植えたのが始まりだそうです。

杭の代わりにあじさいを植えるってのが洒落過ぎです。

 

鎌倉であじさい寺として有名なのが、ここ明月院と長谷寺の2つの寺院。

長谷寺のあじさいは4,000株、明月院が2,500株らしいので、6月の平日にもし時間ができたら一度長谷寺にも足を伸ばしてみたい。

けど…

鎌倉って意外と来る機会ないんだよね。行く気にもならないというか…。

 

入り口にはピンクや白のあじさいが見られたけど、明月院のあじさいは明月院ブルーと言われ、奥へ進むと深く青いあじさいに統一されます。

 

カメラを明るめの設定にして撮ると深い青色を台無しにしてしまう気もするけど、試し撮りだから極端な撮り方でいろいろトライしてます。

 

あじさい上空をホバリングする蜂をゲット。

 

ついでの鎌倉アルプスへ

さて、ここから鎌倉アルプスを目指す。

明月院を右に出てしばらく道なりに進むんだけど、途中で天園コースという案内がでてくるのでそれに従って進めば大丈夫。

ちなみに、天園コースは北鎌倉駅をスタートし建長寺の境内を通るルートがスタンダード。

建長寺は鎌倉五山の第一位、臨済宗建長寺派の大本山との事で(それがどれだけ凄いことか分かりませぬが、とにかく格式は高そう…)、かなり立派なお寺らしく、秋の紅葉シーズンは見応えがあるそうです。

次回歩くことがあれば建長寺からのルートでも歩いてみたい。

 

ちょっと入り口が分かりにくかったので、ここはYAMAPやヤマレコMAPを起動させて行動することをお薦めします。

ここを上がっていくと鎌倉アルプスの始まり。

 

すぐ近くには民家が立ち並んでるけど、森の中に入るととても静かでそのギャップに驚かされる。

 

大平山のある天園方面へ。

 

たまに景色が開けると、鎌倉マダムがアールグレイで一息ついてそうな閑静な住宅地が広がる。

ライフガードにするかドクターペッバーにするかで悩む自分とは相容れない世界。

 

冬の登山なら、たまに熱々で甘ーい紅茶を持っていくこともあるんだけど惜しいなーと、持参した水をがぶ飲みしながら自分のブルジョワな将来像に思いを馳せる。

うん、そんな未来まったく見えてこないぞ。

ところで、もう少し暑くなって水ばかり飲んでると塩分不足に陥って水中毒になるから要注意。塩分はタブレット等でこまめに摂るようにしなきゃね(いつもキャラメルしか持ってこない自分に言ってる)。

 

平日で、暑くて湿度ムンムンの鎌倉アルプスなのに、意外とすれ違う人が多い。

 

曇ってたけどだいぶ青空が見えてきたよ。

高山なら山頂部分にガスが停滞しがちだけど、たかだか標高190mほどの鎌倉アルプスではそんなの心配無用。

 

「鎌倉十王岩」なる謎のパワースポットに到着。

 

冥界の十王像の内、3体がこの岩に彫られてるとのことで軽く物騒な印象だけど、よくよく見ると風化が進み過ぎてもはや子供の落書きの様な有様。

 

そしてその岩からの眺めは、「かながわの景勝50選」に選ばれた絶景と聞いて期待したけど、多湿ゆえ霞みまくって、本来見えるはずの相模湾は曇り空と同化した騙し絵の様な景色。

コロナ明け一発目のどぼぼーん、いただきました。

 

日差しが強くなってくると、森林効果によって樹林帯の方がむしろ涼しい。

 

すぐ近くには住宅街があるとは言え、なかなか本格的な登山道。

明月院を歩いてる時は、観光客だらけの中で一人だけブーツ履いててちょっと恥ずかしかったけど、今更ながら大袈裟ではなかったなと思う。

ちなみに本日の服装は、普通のTシャツにズボンは動きやすいダボついた長ズボン、靴はミドルカットだけどメッシュのトレッキング用ブーツ。

ブーツ以外は普段着となんら変わらない、典型的な低山仕様の服装です。

 

苔むした細い登山道を何気なく撮ってみても、このレンズの艶のある色合いに大満足。

ニヤニヤしながら画像をチェックしてたら、前から4人歩いてきて、こんな狭い所で立ち止まってんじゃねぇよという冷たい視線を浴び、慌てて後ろに下がって道を譲る。

我ながら迷惑な男で恐縮ですっ!

 

地層がむき出しになった所があって、何千年、何万年も前に積もった土なんだよなぁ〜と、感慨深げに触ってみると既に石化してた。なんか、ちょっとイメージと違ってたけど、そういう物なんですね。

 

オカトラノオ。かな?

 

鎌倉アルプスって意外と長いな、と思い始めた頃に空へ突き抜けそうな気配。

そろそろ山頂だよ。

 

大平山からの絶景を堪能

大平山に到着。

さあ、鎌倉市最高峰からの絶景を堪能しようじゃないか!

 

うっ・・。なんじゃありゃ!

 

まさかの目の前の景色は鎌倉カントリークラブのクラブハウスというクソ景色。

これまで様々な山から見てきた景色の中で、間違いなく最低。

ガスに巻かれて何も見えなかった方がまだ良かったと思った。

 

違う方向に目を向ければ、そこにはゴルフコース。

鎌倉カントリークラブめぇ!

 

山頂直下は広場になってるのでそこてお昼にします。

 

鎌倉ということで、すぐお隣の横須賀海軍カレーうどんをチョイス♫

強烈な日差しが襲う低山で食べる熱々のカレーうどんは、大量の汗が混ざった味がした。

とんだ選択ミスだ!

 

しかし、そこからの眺めは今日一番のモノだったよ。

わずかだけど、やっと相模湾も見えたしね。

こんな景色が手軽に見れるのは良いね!

 

天園の紫陽花を経由して瑞泉寺へ下山

汗と涙を拭って涼しい樹林帯に再突入。

天園を経由して瑞泉寺に向けて移動します。

ちなみに左の眺めはまだ鎌倉カントリークラブ。ちっ。

 

やっと森の中へ。

全体的に歩きやすいコースだけど、特に大平山から天園までは道幅も広く、お年寄りから子供まで歩ける様によく整備されてる。

 

天園に着きました。

天園からちょっと下ったところに鎌倉アルプス名物の茶屋があるんだけど今日は寄りません。

まあ、次回の楽しみにとっておく。

 

天園はあじさいの天園だった。

明月院では曇ってたから、日を浴びたあじさいをここでやっと撮影できて満足な旅になったな。

 

相変わらず強烈な日差し。

今年の梅雨はほんと雨をたくさん降らせるね。翌日の天気予報が読めないほど、今年みたいな梅雨らしい梅雨ってあまりないかも。

この晴天が2日続けばどこかテント泊したいんだけど、まあ仕方ありませんな。

 

多少のアップタウンはありますが、ほぼ平坦なルートを写真を確認しながらコースタイムよりゆっくりめで歩く。

 

瑞泉寺方面で間違いなし!と指差し確認してたら足元にヘビがいてビビった。そそくさ逃げていく姿が毒を持たないシマヘビで良かったよ。

 

歩き始めると、ここにもシマヘビがいた。

低山だと民家が近いから餌も多いだろうからヘビがたくさんいるのかもね。

 

ヤマユリ。

 

こういう小さい案内って見落としがちだけど、このカラーのリボンが目立って良い仕事してる。

 

ゲッザーン完了。

低山なだけに下り始めたらあっという間に麓に着いてしまった。

 

そしてここからがちょっと長い。まずは永福寺跡へ。

そこからは鎌倉宮、そして鶴岡八幡宮。

ほんと寺社ばかり。。

 

瑞泉寺の立派な門をくぐればもうそこは住宅街。

 

永福寺~鎌倉宮~鶴ヶ丘八幡宮からの鳩サブレー

永福寺跡地。

こんもりしてるのがあったから古墳かと思った。

永福寺は源頼朝が建立した3大寺社の一つで、現在残ってるのは鶴岡八幡宮のみ。他は全て焼失してしまったそうです。

 

鎌倉宮なんてあるんだなと、鎌倉駅まではもうただの観光客。

 

定番の鶴岡八幡宮。

折角だから参拝でもすっか、と思ったけど、参道の長さに一瞬で嫌になって引き返してきた。何回か来たことあるし、もういいや。

ここら辺は暑さにやられて雑になってます。

 

鎌倉駅までの商店街でやはり目を引くのは鳩サブレー。庶民的な鳩サブレーに似つかわしくない御殿だな(笑)。

全国にはニセ鳩サブレーがたくさんあるらしく、言われてみれば福岡にもひよこサブレーってのがあるな、と。長野で雷鳥サブレーってのも見たことあるし。

鳩サブレーの影響力、あなどれん。

 

本日のゴール、鎌倉駅に到着。

少し駅の構内をぶらつこうと思ってたんだけど、ちょうど1分後に発車する電車があったのでダッシュで飛び乗って帰りました。

さらば鎌倉。

 

振り返って

鎌倉アルプスは秋か冬にまた歩こうと考えてます。今回は突発的に来てしまったけど。

名物の天園休憩所のおでんも食べれなかったし、秋の建長寺も歩いてみたい。欲張らずに、今回はわざと残しておきました。本当です。

 

明月院のあじさいは、圧倒的な量でありながら雑然としたところが無く、観光客を受け入れるための関係者の地道な努力を感じました。

ただでさえ鎌倉は、地図に「渋滞」と表記されてしまうほど混雑がひどいし、鎌倉駅から鶴岡八幡宮の参道は窒息してしまうぐらい次から次へ人が押し寄せてくるので、本来なら避けて通りたいエリア。

今回は平日ということもあって気が向いたけど、、まあ明月院のあじさいは見に来れて良かったです。

 

鎌倉アルプスは「市民の健康道場」的コースで、言ってみれば散歩の延長みたいなコースです。登りに行くではなく歩きに行く、そんな立ち位置が魅力でもあるんだと思います。

ちなみに小学生の時の自由研究で、泣く泣く鎌倉幕府の勉強をしたことをずっと思い返しながら歩いてました。

次回は大仏でも見て、その頃の復習の続きをしたいと思います。

ではでは


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