浅間隠して尻隠さずっ!!
さすらいのワンコイングルメブロガーがやって来たのは、群馬県の浅間隠山(あさまかくしやま)。
コースタイムは短くて、上り85分、下り70分、往復たった2時間35分という余裕のよっちゃんイカ。
二度上峠登山口から鼻ほじりながら軽く山頂を踏んできたZe!と言いたいところだが、モーモー牛さんペースでしか歩けず、脂汗たらたら、、長く辛い登山となったのでゴザった。
訳は後で話そう。長くなるのでな。
とにかく、この山はコースタイムが短いくせに山頂からの眺めは360度の大パノラマが広がっている。歩いても歩いても鬱蒼とした樹林帯に喘ぎ苦しむ南アルプスとはえらい違いなのよ。
多くの人に楽しんでもらえる、そんな良い山だった。
さすが2百名山。
長く?険しい?そんな登山をやり終えたフードファイターがやって来たのはそう、湯治だーねー、だーねだーねー。
ここは草津温泉名物の湯棚。だーなだーなー。
草津温泉には代表的な温泉が3つあって「大滝乃湯」、「西の河原露天風呂」、「御座之湯(ござのゆ)」で「草津三湯」という。
全湯制覇すべしっ!!(キメッ)
温泉天国であり名峰ひしめく群馬県。登山と組み合わせて一つ一つ立ち寄らない手はないっ!!
ちなみに自分の場合は、大滝乃湯は白砂山と、西の河原露天風呂は草津白根山と一緒に企画した。
そして今回は浅間隠山と御座之湯の企画。
それぞれ趣が異なる温泉だったけど、個人的には大滝乃湯が一番良かったかなー。
まあ、そんな感じで群馬を堪能する、ぬるーい企画さ。
浅間隠山からは遮るもののない浅間山の雄大な姿を堪能することができちゃう。
浅間隠山は標高1,757m。角落山塊(つのおち)の最高峰で日本二百名山。
ルートとコースタイム
■2022年1月22日 ※カッコ内は標準コースタイム
二度上峠登山口⇒(85分)⇒浅間隠山山頂⇒(70分)⇒二度上峠登山口
コースタイム:2時間35分(休憩含まず)
総距離 4.3キロ
累積標高上り 460m
浅間隠山登山 本編
薬指の負傷
名誉の負傷。と言っておきたい。
トラックに轢かれそうなっている子犬を救ったとでも言おうか。
いやいや、子犬って。昔の漫画か?ベタ過ぎ。
ほいだば、今風に悪さを働く鬼どもと戦って傷を負ったことにするか。
いや、それこそ昔からある定番の話だ。
なんの話かって?
鬼滅だよ。
ちがうちがう。これね。
しもやけ?
いや、違う。凍傷でもない。
足の薬指の骨を折ってしまった。
某有名フイルムメーカーの最新のフラットパネルで撮影したレントゲン画像を先生と一緒に確認したから間違いない。
いつも行くスーパーの、お惣菜に半額シールが貼られる時間に合わせて家を出ようと大慌てで準備していた。
ほんでね、ぶつけたんだよ。ガチでたんすの角に。
正確には部屋の敷居の壁の出っ張りに。
馬鹿じゃね?ほっとけ。
しかし代償は大きかった。
悶絶うって、痛みでオシッコ漏らしそうになるのを必死に我慢しながら、横になってしばらく動けなかったズラ。
恐る恐る足を見ると、みるみる腫れてきたズラよ(泣)
上の写真はぶつけて2日後だから腫れはだいぶ引いてきた画像だけどね。
ふつけてから30分ぐらいしたら歩けるようになったから、ママちゃり号でスーパーに行ってみたら、半額のお惣菜は全て完売。
くそがー!!
それから2日間、多少痛くても割と普通に歩けたから病院に行くべきか迷ってたんだけど、やっぱり変にくっついたら嫌だなと思って行ってみると「ここ欠けてますね」だって。
かけて?欠けてますだとぉーー!!
欠けたのどこいった?
どこいったズラー!!
「1ヶ月半から2ヶ月は痛いからね、お大事に」
指だから湿布も貼れないため、もらえたのは痛み止めの飲薬のみ。隣の中指とくるくるっとテーピング巻いておしまい。
これだよ。骨折の宣告だけして、決して治してくれるわけじゃない。これだから病院には来たくなかったんだ。
だったら整体に行って腰痛をとってもらった方がよっぽどよかった。
はぁ…。
代償は、大きかった…。
あれ、骨が欠けた足であちきはなんでこんなとこにいるの?
これは夢か幻か。
骨折した1週間後、群馬県の山ん中で何しに来たんだろ。アハハハー、バカみたいー。
アハハハー
バカずらー
二度上峠登山口から登山開始
ちょっと時間を戻す。
さて、群馬でお弁当と言えば?
群馬のことを「魅力度ランキングで低い県だろ?」と馬鹿にしてる輩に限って馬鹿の一つ覚えで「横川の釜めし!」とかって答えちゃうんだろうね。ろくに群馬のことを知らずに。出直してきな!
群馬県民、ならびに北関東の多くの人の答えはこうだ。
「登利平(とりへい)!!」
即答するだろう。
そういう自分は登利平は2回目という経験の少なさ。
知ったかぶり甚だしいが、そこは目をつむっておくれ。
そう、なぜなら今日は世界一、登利平を美味しくいただく企画を考えたのだから。
登利平の頂天を決める戦い。
登利-1グランプリの開幕だ。
そう言っておきながら、あったかい登利平のお弁当が冷えきった頃、浅間隠山登山口のある二度上峠に到着。
登山口から100mほど離れたところにも駐車場があるけど、登山口前にも10台ほど縦列駐車できるスペースがあるよ。
さあ、ここだ。既に12:20。やる気無さすぎね?
登山口から雪がしっかり積もっている。登利平の弁当は更に冷える。
この1週間、あまり足は痛くなかった。
スニーカーや通勤用の革靴は柔らかいから、もうだいぶ治ったと勘違いし、浮かれてやってきてしまったのだ。
治るわけねーだろ!とこの直後に思い知るのだが、それでもコースタイムの短い浅間隠山なら大丈夫っしょ!と甘い見立てでここに来ている。
垢抜けたアホだ。
冬靴に履き替えた瞬間、重くて固くて、骨折したところに当たって、さすがに痛くてやべぇと思った。
ようこそ浅間隠山へ。
「ここは初心者でも登れちゃうし景色も最高だよ!でも登山届は忘れないでね!」。平たく言えばそんな事が書いてある。
そう、コースタイムは短いのだ。
なんとかなる。
登利平への愛はこれぐらいでヘコタレナイ。
全ては腹空かしのために登山開始
ほいだば、登山開始。
登り始めた時間が既に昼過ぎだけどのんびり歩いても時間的には余裕。
天気はパーフェクト。
足をケアしながらの雪山バイキング。全ては登利平の弁当を地球上で一番美味く食べるための腹空かしの運動。
雪は付いてるけど表面だけ。積雪は深いところでも30cmから50cmってとこで、トレイルはしっかり踏まれて圧雪されてる。斜面の一部は地面が露出してるところもある。
緩斜面が続くためピッケルは不要。ストックで十分。
こんな日にじっとしてるのがもったいない、という訳ではなくて、ただただ食い意地のために登る。
腹を減らし過ぎて屍となるぎりぎりのところで、登利平のお弁当と群馬イチの名峰浅間山の絶景をゲットする男の駆け引きの幕開けだ。
そして、食後は群馬イチの温泉。
最高の旅だ。
これ以上、群馬県を堪能できる企画はこの世に存在しない。
ミー、天才かも。
カラマツが林立する。
自生地ではない、植林された森だ。
そろそろ花粉の季節がやってくるけど、その点カラマツを植えることに決めた群馬県の判断が素晴らしい。
アイラブ群馬が毛穴という毛穴から溢れ出て、味噌パン臭となって群馬を覆う。
秋に来たらカラマツの紅葉がきれいだろう。
そんなカラマツの森を九十九折に登っていると「ちゃんと登山道を歩いてください」という看板が数多く見られた。
九十九折だとどうしても直登したくなってしまう。雪山なら尚更だ。
しかし、これぐらい微妙な積雪だと変な踏み跡を残して他の登山客を戸惑わせてしまいそうだから、大人しく夏道に従って歩く。
偉そうに言ってるが当たり前のことだ。
早くも中腹
山頂が見えてきた?
さすがに早過ぎね?
気付けばカラマツの森からブナの森へ。
ブナの影が伸びて雪をゼブラ模様に仕上げる。
群馬の冬は美しい。
ことあるごとに群馬アピールが出てしまう。
やはりさっきから見えてるのがピークだったか。
有り難い。
なんせ短いけど、早速腹が減ってきた。昼過ぎに登り始めてまだ何も食べてないのだから当たり前なのだ。
浅間隠って名前いいよね。なんとか隠しって。「隠し」を付ければなんでもかっこよくなることに気付いてしまった。
間違い隠し(仕事のミスを一人でリカバリーしてもみ消すこと。でも周りは気付いている)。
オタク隠し(ジャニーズ好きがバレたくない女性。でも周りは気付いている)。
ハゲ隠し(会議中もズレることに神経を使っている。でも周りは気付いている)。
隠しても無駄だぞ!
足の指はちょっと痛いけど大丈夫そう。
登る前に冬靴を履いた時が一番痛かったけど、普通に歩けることに一安心。
雪を蹴り込んで登るようなところでは無理だと思ったんだよね。
糖尿に向かって火の玉どストレート!
カルピスソーダグレープフレーツ味じゃい。
味覚が小学生のままだから、子供にもそろそろ抜かれるかもしれない。今は話があっていいけど。
さて、どうでもいいけど前回の四阿山で、「そこそこ登山をしていると、道具やウェアにこだわりがでてくるものだけど、自分の場合あまりそういう物が無い。」と書いたので、本当にないのか?と無理にひねり出してみた。
好きな趣味になら多少高くてもギアにはこだわりたいものだ。たしかにな。誰だってそうだ。
だがそういう訳にはいかない。
特におっさんともなればエイジング臭対策にリセッシュやらクリーニングやらにお金がかかって、とてもギアに資金を回せない。
お金があればもっと良いものが買えるけど、本当に便利な物=高価な物とは限らないのだ。
そういう観点で。
まず1つめ、「500mlのナルゲンボトル」。
コレは本当に買って良かった。せっかく水場に着いたのに、狭い岩の隙間からちょろちょろしか出てなくて、ペットボトルだと差し込めない。プラティパスだと経口が小さくて汲むのに時間がかかる。そんなケースって意外と多いんだよね。そんな時にコンパクトで口の広いナルゲン500mlサイズがあると簡単に汲むことができてほんと便利。
物珍しさゼロであいすまぬ…。
2つめ、「キャリー・ザ・サン」。1つ目のナルゲンに続き、ベタなアイテムでかたじけない。。
失敗したくないから鉄板物ばかりを揃えてるというわけではない。本当に便利な物って、結局みんな持ってるよなーって感じ。しかしこれ、テント泊や車中泊が多い人はほんと重宝する。こいつとついでにヘッデンだとブラックダイヤモンドのスポット325一択でしょう。こいつも定番だけど、最高に明るいし長持ちするしコンパクトでいいよね。
3つ目は、山と道の「Light 5 Pocket Pants」。またしても強烈ベタな一品をぶち込ませてもろたワ。。でも便利なもんは便利なんだからご勘弁を。
飯豊山でブヨの大群にやられて以来、自分は山ではハーフパンツは履かない。なので夏山はこれ一択。春、秋も厚手のタイツとこのパンツの組み合わせでほとんどカバーできちゃうしね。値段は高いけどこれは買う価値があるよ。
デメリットは山で同じパンツを履いてる人とよくすれ違う。北アルプスだと100%。恥ずかしいったらありゃしない。
いやー、全部、見事にベタベタのビッタビタのど定番。しかもたったの3点。
書かなきゃ良かったぜぃ。。
もう二度と、調子に乗ってギアの紹介などしない。
話を戻す。
浅間隠山も山頂まで残り3分の1ぐらいになると境界見出標がいくつか出てくるけど、こういうプラスチック板のもあるんたね。
上司との間に貼っておきたい。
アイゼンをつけようか迷ってる内にズルズル滑るようになってきた。
さすがに甘かったか。
下山してきた仙人みたいな爺さまに「滑るじゃろ?ガーハッハッ」と笑われる始末。しかし、明るい性格がでた気持ちのいい笑い方だったな。
「いつも滑ってばかりっスー」と受け答え。
さあ、上り詰めていよいよ山頂は目の前田マエダ。
あそこまで15分ってとこだろう。薬指ちゃん、持っておくれー!
えっちらおっちら登る。
身の丈はある程度心得ている。
大して体力ないんだから急ぐとすぐへばるぞとか、体がデカいんだから燃費悪いぞとか。大して仕事できないんだから、一人で抱えずに周りに頼んだほうが良い結果で返ってくるぞとか。
行動食やお昼ごはんは余分に持っていく様にしてるというのは当ブログでは100万回言ってるけど、この日も登利平のお弁当以外にSOYJOYを2本、おにぎり、更にメロンパンを用意してきた。
往復2時間半の山で。
イエイ。
開けた。空が広い。
都内を歩いてて空を見上げることってあまりないなと、こないだ散歩してて気付いた。ビルに阻まれて空が狭いからだろうか。
栃木と福島の県境にある町に引っ越した知り合いが物件探しのときに「あっちは空が広いんだよ!」と感動してた。
そりゃそうだ。
智恵子抄で言うところの「本当の空」がすぐ近くにあるなんて、羨ましいぞ。
ああスッキリ。
でかいうんこが出た気分だ。空の広さなんてものは、東京から一歩外に出てしまえばどこだって広い。
そこかしこに冬の森の景色。無我に開放的にさせる。
無我夢中に腹減った。
ピークまでコエンザイムQoo10。
もとい、餓死するまでカウント10。
隠されてしまった村と浅間山と登利平
13:50。
山頂に到着。
まずはこの山によって浅間山を隠されてしまったと言って呪詛を溜めている村を見てみよう。
ふむ、村なんてないじゃないか。
そして反対側には何者にも隠されていない浅間山がどーん。
なんも言えねぇー
ちょーきもちいいー
自分で自分を誉めたいー
コケちゃいましたー
氷に嫌われちゃいましたー
骨折っちゃいましたー
最後のは心が震えるな。
おお、八ヶ岳だ。
ほんでこっちは奥秩父の山々の奥に富士山が頭だけポコンと出してる。
奥秩父の山だって2,000m峰が立ち並ぶのにそのずーっと奥にある富士山の頭が出ちゃうんだから、恐ろしくデカい。
草津白根山。
草津よいとこ〜一度はおいで〜♫
でも入山規制中で登れないけどね(2022年2月時点)
少し引きで見てみる。
日本は山と海に恵まれた美しい国だ。
群馬の絶景を堪能しながら、登利平の弁当をいただく、こんな贅沢なことはない。
さあ、これだ。
国宝級ワンダフォー!
おみごとー!登利平屋ー!
登利平「松弁当」を群馬の名峰たちを全部乗せでいただく。
竹弁当がスタンダードだけど、欲張って100円プラスしてもも肉が入った「松」をチョイス。
すべてまっ茶色なのがいいじゃないか。醤油ダレがご飯に染みて超絶美味い。まさに群馬全力投球。
登利平がなぜ「鳥平」ではなく「登」にしたのか。まさに登山とベストマッチングなのだ。
登利平の本店がある前橋市方面だ。
なんか、大気が濁ってるな。
あんなところに戻ると思ったら嫌気がさす。
だが楽しい時間は短い。飯を食うのが早すぎて誤嚥気味たが、ゲッザーンするよ。
最後に北アルプスも見えた。
浅間山の見納め
浅間山もこれが見納め。
この景色が無料で楽しめるんだから山登りはやめられない。
最後まで群馬を堪能できて幸せ。
登ってる時は気付かなかったけど、分岐があったんだね。
間違えないように、二度上峠へ。
日は長くなったけど、下山する方向に隣のピークがあるから進む分だけどんどん日が陰っていく。
ちなみに下りでは最初からチェーンスパイクを装着してるよ。
下山はピストンだから簡単に書いちゃったけどこれででおしまい。
途中でやっぱり軽く足が痛くて鈍ペリニョンペースになったよ。
草津温泉「御座之湯」
さて、湯治!
群馬満喫の旅の大事な締めくくりだ。
もしかすると骨折も湯治を楽しむための必然だったのかも…。
やって来たここは草津三湯の1つ「御座之湯(ござのゆ)」。露天がなくて驚いたけど、その分、内湯の雰囲気が良くて最高だった。
魅力いっぱいの群馬において、魅力度ランキングの低さがむしろ宣伝になってる気がする。
足湯って、五本指ソックスだと超絶めんどくさいんだよね。
ただのまんじゅうだって揚げただけで美味さ倍増だ。
山びこ温泉まんじゅうの揚げまんじゅうを湯棚の前で食らうのは草津でやるべきことの一つ。
帰りに草津のスーパーに立ち寄ってご当地のおっきりこみうどんを購入。
家に帰って茹でたら3倍ぐらいに膨らんだからびっくりしたけど、めっちゃ美味かったからもっと買えば良かったYo!
振り返って
「目が老化すると遠近感がつかめずに怪我することが増えるからな、くっくっくっ、気をつけないと」
と、上司に馬鹿にされたが、それに乗っかって倍の笑いが取れなかったのが悔やまれる。排泄も一人ではもううまくできないっスー、ぐらい言っとけば良かったな。
しかし、まさか壁にぶつけて骨折とは。
動きが激しすぎる。少しは余裕を持った人間にならないとな、と反省。
今日も痛かったし、しばらく登山は自粛期間か。。
浅間隠山は、麓にある浅間隠温泉郷の村からだと浅間山が隠れて見えないのがその名の由来なったらしい。
今回は草津温泉に行ったけど、浅間隠温泉の「かぶきの郷薬師温泉」や「鳩ノ湯温泉」という選択肢でもよかった。
それは次回の楽しみにとっておくとして、群馬は火山が多く温泉天国だし山岳ランドだし、ワンコイングルメも豊富なワンダーランド。
それに群馬ラーメンの「だるま」はぎとぎとの豚骨ラーメンだし、高崎や前橋には宮崎の辛麺「桝元」や、中津からあげの「もり山」があったり、九州を感じられるところが至るところにあるのも、個人的には面白いポイント。
全力で群馬を楽しめた旅となりました。
ではでは
【今回の使用カメラ】
富士フイルムX-T1、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS