カイモン、くまモン、河相我聞。
ホリエモンは嫌なことばかり言うからモンモン族からクビにしてやった。宇宙で餃子でも焼いてこい!
さて、鹿児島県指宿市の開聞岳(かいもんだけ)に登ってきたよ。ゆびやどじゃないよ、いぶすきね。
明治維新を成し遂げた薩摩という土地にあって、明るい門出を連想させる開聞という山名からも、一年のはじめに登りに来たいとずーっと思っていた山。
もう2月になっちゃったけどね。
桜だって咲いてるし、菜の花は12月から2月までが見頃。うっし!2月で結果オーライ!
さすが南国ぅ~、うきうきだ!
指宿からほど近い知覧特攻基地から、爆弾を積んで沖縄へと飛び立った1,036名の若者達が見た「最後の本土」の景色が開聞岳。
開聞岳を何度も振り返りながら「もう戻れない、行くしかない」と覚悟したそうだ。この悲しい歴史はこの山を登る前に知っておくべき最重要事項だね。
「さすが南国ぅ~、うきうきだ!」と浮かれるのは、きちんと歴史を認識した後にしておこう。
きれいな円錐形の開聞岳は、別名「薩摩富士」と呼ばれ、昔から航路や空路において重要な目印にされてきた。
そんな開聞岳はピークハントだけではなく、見た目や取り巻く歴史、そして鹿児島グルメも含めて総合的に楽しみたい山さ。
開聞岳は標高924m、日本百名山、九州百名山。
錦江湾の入り口にあるため「海門」がその名の由来。太平洋の大パノラマが待ってる!
ルートとコースタイム
■2021年2月21日
かいもん山麓ふれあい公園⇒(15分)⇒2合目登山口⇒(60分)⇒5合目⇒(90分)⇒山頂⇒(70分)⇒5合目⇒(45分)⇒2合目登山口⇒(10分)⇒かいもん山麓ふれあい公園
合計コータイム:4時間50分
総距離 7.8km
累積標高上り 880m
開聞岳登山 本編
長渕剛とさつま揚げとぶえん鰹
じゃっどん、西郷どんでごわす。じゃっどん。
桜島サービスエリアまで福岡からノンストップで走り続けたけど、いつも下道ばかりでえっちらおっちら移動してるから、高速道路マジ早ぇー!マジで疲れねぇー!と歓喜しながらやってきた。
いい歳して高速道路ごときで幸せになれる安っぽさ、それが俺だ!ほっとけ!
で、福岡から指宿まではその距離なんと350キロ。
東京から名古屋までと同じ距離だね。遠っ!
桜島サービスエリアでは誰でも無料で薩摩出身の英傑たちになれる!
サぁサぁサぁサぁサァー!どれでも写メ撮り放題だ!
あたしゃもちろん大久保利通をチョイス。
一蔵さんって呼んだほうが良いかも。
自分にとって大久保一蔵は幕末維新に興味を抱くきっかけを作ってくれた存在。
しっかりマスク姿で1枚撮らせていただきまっせー。
早速、薩摩ならではのさつま揚げの奇襲にけんもほろろ状態だ。
チェスト!くそー美味すぎるじゃねえか!
指宿スカイラインから眺める桜島が見た目にも素晴らしすぎて、登頂意欲をくすぐる山だった。
鹿児島市内を降灰で暗くさせ、しょっちゅう噴火してる桜島。
今日はおだやかでごわすなーと呑気に言いたいところだが、せっかくだから噴火してるところも見てみたかったと思ってしまうのが人の性ってやつだ。
この折角の素晴らしい景色を前に、ちっと舌打ちしたのが後に開聞岳の山頂で取り返しのつかない罰となって返ってくることをこの時は知らない。。
さっ、まず目指すのは指宿ではなく、そのお隣の枕崎。開聞岳登山において枕崎のカツオは絶対に外せない。
冒頭で知覧特攻隊基地は外せないと言っておきながら…かたじけぬ。
さらに、鹿児島で長渕剛は外せない。
アル中が飲まずにいられないのと同じ様に、この地が長渕を欲する。
別にファンではないけど、ピーピーピーピー聞きまくる。おかげで一生分の長渕を聞いて全くもってろくなもんじゃねぇー!と発狂しかかったが、鹿児島という地が長渕を欲っしたのだから仕方あるまい。
しかしさすが鹿児島県。ライブ会場でも無いのになりきり長渕を2人も見かけた。サングラス取ったら眉毛ごん太の西郷どんだったりしてとも思ったが、迂闊に長渕のことをディスれない雰囲気が漂ってるのは鹿児島で気を付けたいところだ。
ちなみに長渕剛の実家は指宿に近い宮ヶ浜駅というところで、てっきりアウトローで貧乏を売りにしていると思ってたけど、父親は警察官で本人は大学にもいっていることを知って、イメージとのギャップに戸惑った。
さあ枕崎に着いたぜー。
枕崎に来てカツオを食べないのは、鑑識役に六角精児がいないのと同じだ!
どこにでもある漁港に見えるけどここが本州最南端の漁港、そしてカツオの街さ。
とうとうやって来た。開聞岳よりこっちが本命だったと言っても過言ではない。
ほっぺをぶっ叩いてみる。ああ、俺は今夢にまで見た枕崎お魚センターにおるんやぁ~。
こうなったら体臭がカツオ出汁になるまで思う存分カツオまみれになってやる!
センター内はカツオ商品が目白押しだ。
スライスして食べられる鰹節やら普通の鰹節、腹皮からもちろんカツオの刺し身まで、とにかく鰹ばかりだ。
ちなみに腹皮は焼いて食べると美味だから、このあとキャンプ場で焼いて食べるために買って帰ることにした。
メインディッシュのぶえん鰹。
ここの食事処でぶえん鰹丼を堪能したのだが、後日写真の整理をしててうっかりぶえん鰹丼の写真を削除してしまい、夕日に黄昏れたくなったことを先に触れておく。
まあほんと、これまで生きてきた中で一番美味いカツオと出会えた。マジで。
これまで食べてきた物はもはやサバだ。サバは好きだが…
とにかくこれまで食べてきたカツオは鮮度が落ちたのを軽く焼いて誤魔化しただけで、もはや六角精児のいない鑑識班みたいなものだ。
それが分かっただけ鹿児島まで来た甲斐があった。
登山界では燕岳の燕Tシャツや五竜岳の酒が好きTシャツは有名だが、カツオ界ではこいつがスタンダード、
枕崎の漁師たちの男気を感じさせる「一本釣りTシャツ」だ。
金欠だが思わず手が出そうになった。
そしてここでも薩摩揚げの奇襲に合う。
おばちゃんがせっかくだから今から揚げてあげるよとナイスなサービスを提案してくれたから財布の紐が緩んだ。
「えーっと、チーズと紅しょうが、それと〜ちぎり、全部2個ずつ!」と、たんもり購入。
当然、食べきれなくて持ち帰ることになるのだが。。
釜蓋神社で開運祈願
まだ登山の話題にいかない。登山ブログなんてもうやめた。うまかもんブログに変更だ!あしからず。
次にやってきたのは、ここ釜蓋神社(かまふたじんじゃ)。別名、射楯兵主神社。読み方は「いたてつわものぬしじんじゃ」。
どっちが正式な名前なのかは知らないけど、とにかくここ釜蓋神社も押さえておくべき場所。
御祭神は武の神様スサノオノミコトということもあってスポーツ選手達が来るらしい。カツオ一本釣りに命をかける男たちが住む町の男気満載な神社だ。
この神社の面白いところは2つ。
まず1つ目は、この蓋を頭に乗せ、一度も触ることなく鳥居からお賽銭のある所まで歩ききって参拝すると願いが叶うという願掛けゲームだ。
自分は開運の蓋をチョイス。
生まれて初めて頭デカ族の利点を生かし、意外と簡単に成功できた。
2つ目が、小さな素焼きの釜蓋2つを100円で購入して、写真真ん中のお釜に投げ入れるという、こちらも願掛けゲーム。
こっちは失敗するとムキになってつぎ込んでしまうギャンブル的危険性をはらんでいる。課金商法だ!
この日は風が強く、やるだけ無駄だと思ってやらなかった。
かまふたの岬に立ちて未来を見る。
ちなみにここからすぐ近い長崎鼻が浦島太郎の舞台になったと言われている海岸で、龍宮神社があるから時間があるなら寄ってみると良いよ。
かまふたの岬からは開聞岳がよく見えた。
かいもん山麓ふれあい公園でキャンプ
今回は奥さんが「山は登らないけどキャンプならOK!」と同行。のんびりキャンパーさ。
ちなみにこのテントは10年ほど前に鹿児島出身の知り合いから無料でもらった物。
かいもん山麓ふれあい公園のキャンプ場に到着しテントも設営完了し、焚き火してカツオの腹皮を焼いて食べた。
ちなみにテントをもらった時に「キヤノンの一眼レフカメラなんだけどさ、買わない?ダブルレンズセットだよ。ぜんぜん使ってないんだけどさー、どう?」と持ち掛けられて、秒殺で断った。フッ。
たけど、もしこの時買ってたら今頃キヤノンユーザーになってたんだなーと思うと、きっとこんなカメラに愛着持たなかっただろうから買わなくて正解だった。
開聞岳を近くで見ると低山とは思えない大きさに驚く。
遠目にはきれいな円錐形にしか見えなかったけど、近づくと2段式で上部は後で形成された火山だと言うのが良く分かる。
標高差約900m。侮れないぞ、こりは。
明日はここから登山開始だ。
太平洋に沈んでいく夕日が見られるのも鹿児島に来たんだなと思えた。
福岡だとどうしても唐津方面の山に沈んでいく夕日になっちゃうからこれはこれで新鮮。
伊豆とか千葉でも太平洋に沈む夕日は眺められるんだろうねど。
真っ暗闇の中で登山開始
翌朝。ここはテント場の管理棟前の駐車場。
山頂で日の出を狙おうと思って登山開始。
時間は5:30。日の出が6:50。上りのコースタイムが3時間だからこの時点で無理じゃね?って感じ。
しかも真っ暗だぜ?わざわざ鹿児島までやって来て睡眠を優先させるなんて、何やってんの、俺。
そんなこと言ったってしゃあない。寝起きでボーっとするけど行きまっせ。。
前日に登山口を確認しておかなかったことを激しく後悔しながら登山口を探してずいぶんと彷徨った。
おかげで目が覚めた。
やっと登山口を発見できた時には既に6時。
上りのコースタイムが2時間半だから日の出に間に合わないのは確定だ!とぼぼーん。
えっちらおっちら登ることに決めた。
山頂までは3.6キロ。では参りましょ。
真っ暗な山に突入。
いつもの自分ならぶるっちまうところだが今回は違う!
見よ、この明るさ。ヘッデンをエナジャイザーからブラックダイヤモンドのSPOT350に変えた効果がこれだ。もはや昼だ。どれにするかさんざん悩んだけどこれにして大正解だったよ。
2.5合目。さすが薩摩富士、富士山みたいに0.5方式なのかと思ったらここだけだった。
そしてここからはただ樹林帯の闇の中をヘッデンの明かりを頼りに登り続ける。下山で南国の樹林帯を紹介するとして、写真を撮る楽しみも無く黙々と登る。
5合目まで上がってくるとやっと東の空が明るくなってきた。日の出まであと20分ってとこか。
今日は予報通り快晴。朝イチの澄んだ空気の中、見渡す限りの太平洋を満喫できそう。
東の空が明るんできたとは言え、登山道はまだまだヘッデンが必要な暗さ。
ご来光は諦めてるから今更急ぐ必要はないし、標高差900mは自分の体力でとばしたら山頂まで持たないと思われる。意識してのんびり行くぜ。
7合目辺りでヘッデンが不要なぐらいに明るくなってきた。
樹林越しに外の様子を伺うしかない。
果たして日の出はもう始まってるのかどうか、さっぱり分からない。
8合目を過ぎてしばらくすると濡れた安山岩が行く手を阻む。
明らかに形成される土壌が変化するから2段式の火山というのは登ってても良く分かる。
ちなみに安山岩は滑って危ない。こんなところでおっさん一人で怪我するわけにはいかないんでねと呟き、這いつくばる様にクリアしていく姿は子供には決して見せられない最低なへっぴり腰を披露。
なんと言われようと知ったこっちゃない。こんなところで怪我するわけにはいかないのだよ。
山頂からは種子島や屋久島だって見えちゃうのか!
屋久島は憧れだ。いつか宮之浦岳に登れるその日に向けて拝ませてもらうぜ!楽しみっ!期待しちゃう!
手前の岬の先端は長崎鼻。遠くに見えるのは大隅半島。種子島はここからでは見えない。早く山頂からの大パノラマを見たい。
8合目。山頂まで残り0.8キロ。
近づいてきたとは言え、山の距離は平地の倍あると思って良い。
ここまでの真っ暗な登山道はまったくもって面白くなかったから下山で南国の樹林を堪能しようと思いながら進む。
更に濡れた安山岩が続き一向にペースは上がらない。
正直言えば、まだご来光間に合うんじゃね?とわずかに期待を持ってたけどここら辺で完全に希望は消滅。
滑りまくりで今から下山が危ないと心配になった。
山頂の手前は大パノラマ
いよいよファイナル・カウントダウン。
残り0.4キロだ。
モルゲンで赤く染まる雲。日の出には間に合わなかったものの、それに近い太陽は拝められそうだ。
素敵な景色より睡眠を優先させちゃうのが自分。もうこれは仕様だ、今更変えられない。
螺旋状に登るから先程までの大隅半島側の景色からぐるっと枕崎方面の景色に変わった。
右には大ウナギがいる池田湖。イッシーはいねぇぞ。角田卓造じゃねぇぞ。
遠目からも山頂直下は急登だろうなと分かるぐらいだったからやっぱり出てきた梯子。
新潟の荒沢岳であればこれぐらいなら鎖すら設置されてないレベル。岩場でハラハラドキドキした後でオオスズメバチに追いかけられるというリアル泣きっ面に蜂を堪能した。2度と行くことはないかな・・。
眼下に広がる南国の濃密な樹林帯とこの高度感。海から900mまで駆け上がる開聞ならではの高度感だ。
海に映る開聞岳の影が大きすぎる。
山頂まで52m。大パノラマはもう目の前だ!
枚聞神社(ひらきじんじゃ)。昔は開聞岳を「ひらき岳」とも言ったという。
せっかくなのでお参りしておく。下山の安山岩で滑って怪我しないよーに!
祠には鹿児島らしく黒霧島が奉納されてた。
♫酒が飲める飲めるぞー酒が飲めるぞー♫
鹿児島は西郷隆盛と酒が飲めるとよー♫酒が飲める飲めるとよ酒が飲めるとねー♫
「日本全国酒飲み音頭」ね。
下戸の自分にはさっぱり共感できない歌詞だが、さんざん偉い方々から飲み会に呼ばれてきたから、まず部屋の入口に陣取って水割りセットとお湯割りセットを準備する事とか、下っ端の働き方は心得てるつもりだぜ!生涯下っ端だ!
はい、どぼぼぼーーーん。
まさかの山頂はガスまみれという展開。。予報は完璧な晴れだったのに…なぜだ!
「あーあ、こんな事なら…、、んぐっ」
危うく「こんな事なら、日の出に合わせて早起きして損したぜー」と言いそうになった。うっかりうっかり。
では改めまして、高らかに言わせてもらおう。
「こんな事になって、無理に早起きしなくてほんと良かったぜー!」(なんか違うぞ・・)
「ガスってラッキー!ガーハッハッハ!」(なんか、ぜんぜん違うぞ!)
なんか違うぞ!
皇太子様が平成2年2月2日に登頂した記念碑。
至るところでこんな記念碑みるし、黒戸尾根も登ってたし、登山家みたいだな。
ガっスガスだからこんな記念碑をまじまじと見てたけど、、山頂の標高が922mになってる!
今は924mに修正されてるんだけどね、間に合わなかったのねん。
おっ。ほんの少し晴れ間が!
おお、こっちも!
なんてびみょーな晴れ具合なんだ!
ちなみにこの岩の上に映ってる御仁は自分の様な怠惰な男とは違い、しっかり早起きし暗いうちから日の出を山頂で待っていたそうだ。結局ガスガスで一瞬もご来光を見られなかったと言って苦笑いを浮かべる御仁に「はにかみ王子」というあだ名のプレゼントだ。
分かりにくかったかもしれないがハンカチ王子に掛けたつもりだ、あしからず。
結局、あだ名をつけるセンスも天気も今日はこれが限界だろう。
ふむ、やはり朝寝坊して良かったぜ。
では、この後はテントを片付けて、日本最南端の駅「西大山駅」に立ち寄ったり、再びカツオを食べたかったりするから、まだ粘ると言うはにかみ王子を置いてさっさと見切りをつけて下山することにする。
慎重にゲッザーン
登りは朝露で滑って苦労した安山岩だが、意外と乾いてくれてたのが助かった。
ガスは山頂付近だけだったのか…
山頂からわずか20mほど標高を下げただけでこのクリアな景色が目の前に開けた。
山頂のはにかみ王子が今もなお晴れることを信じてガスの中で待ってると思うと、こっちの方こそ涙が止まらない。
池田湖をアップに。
何年か前に行ったことがあるから今回はパス。
池田湖の名物料理は流しそうめんと聞いてレストランで食べてる人を見ると、一人で流しそうめんができる玩具が各自に配られ、小さな流れるプールをくるくる回るそうめんを流しそうめんと称して食べるという、斬新すぎる池田湖スタイルに心底ガッカリして、レストランに入らずに帰った記憶がある。
今は変わったのかもしれないが…
分かりやすい山体崩壊と流れ山地形。
山の上から見るといろんな事が見えてきて面白い。
南端の砂浜に押し寄せる波。
砂浜が途絶えたところから岸壁となっているのは、開聞岳の噴火によって土砂崩れがあったか、溶岩が流れ出た跡だろうと思われる。
木に絡みつく髭のような草?苔?髭?
南国っぽい木の根。
福岡の山の中でも見かけそうな苔やシダだが、神妙な顔でさすが南国だなぁとシャッターを切る。
とにかく太平洋の景色が見れたし、憧れだった開聞岳にやって来たことで陶酔しきってしまっているのだ。
日が差した。
輝く樹林帯が低山の真骨頂だ。
仙人洞。開聞岳の噴火活動によってできた洞窟で、山伏の修行場だった、といった説明が書かれてる。
仙人洞の洞穴が口を開けている。上りで通り過ぎた時は真っ暗な中ヘッデンに浮かぶ洞穴が恐怖だった。
樹林を突破した先に、とつぜん光芒が差し込む景色が飛び込んできた瞬間、あちきは嬉ションした。
苦労して登ったきた甲斐があった、黄金に輝く海面にしばらく魅せられたよ。
たまに標高が低くてつまらない百名山なんて評価を聞くけど、当ブログがそんなこと言わせないよ。
長崎鼻。鼻ってのがいいよね。
ちなみに、今でこそ登山用語ってあらかた意味は分かるけど、登山を始めた頃はドイツ語が出てきたりさっぱり分からなかった。ルンゼとかワンダーフォーゲルとかバウムクーヘンとか。最後のはちょっと違うけど。
やっぱ日本語だと感覚で理解できるからね。日本語の山岳用語、たとえば「肩」、「耳」、「乳首」。
さっぱり感覚で理解できねぇー!
なんじゃ、耳って。
そんな事じゃなくて、わざわざドイツ語で言う必要あるのか?って思うのがいくつかあるわけさ。
モルゲンなんて朝焼けでいいんじゃないか?ヤマレコで「モルゲンロートの朝焼け」なんてコメントを見たことあるけど、これはもはや長嶋茂雄の名言「疲労からくる疲れ」と同じレベルの間違いだ。
最高に気分が良い。高いところから海を眺めるのがこの上なく好きだ。山々が重なり合う景色も良いけど、こんな景色が見られるテント場があったら最高だなーと思う。
どんどん強まる日差しに、2月の鹿児島は東京の5月〜6月頃の気温だなぁーってぐらい暑い。
と思いきや、この日は全国各地で5月並みの気温となり、実は鹿児島より福岡の方が暑かったという事実。
どうなっちまうんだ温暖化。
元気な太陽と南国の樹林帯
太陽はますます元気になって、美しさを増す開聞岳の森。
これでもかと生い茂る樹林。北関東や上信越では見ることのできない、冬枯れとは無縁の常緑樹の森だ。
上ってる時は暗くてわからなかったけど、5合目から下は火山礫で滑りやすい。これも2段式火山ならではの変化だ。
麓の景色が近づいてきた。5合目を過ぎると異様に早く感じる。
本日の下山第一人者の自分に、すれ違う登山客が次々と「早いですねぇ」と声をかけてくる。
「ええ、早過ぎたおかげで山頂はガッスガスでした。今の時間だったら大パノラマだと思います。ちょー羨ましいっす」というセリフを何度も繰り返した。
さすが百名山、どんどん登ってくる。
ジャージ姿の女子中学生の団体もいたり、地元に愛されてるのが分かる。地元の自慢なんだろうな。
この時期は雪山ばかりに登ってるから緑の濃さに目が覚めるぜぃ。
一切合切輝いて見える。
よく見かけるシダ植物も特別感でまくり。
いや、やはりこれは気のせいだ。気が高ぶってたから感動してしまったが宝満山でよく見かけるやつだな。
とにかく久しぶりのグリーンに癒やされた。
冬靴じゃないから足は軽いし足首曲がるし、体への負担が少ないのも有り難い。
もはやジャングル。開聞岳の本領発揮といったところだ。
しかし、そんな景色よりも腹が減ってきた。そろそろカツオを食べたいから軽く小走りで駆け下りるとするぜ。
関東ローム層の様に真っ黒な土がむき出しだ。海外では黒い土は珍しいらしいよ。
折角なので自分もそこそこ大きめな石を1つ乗っけといた。
関東の山とは明らかに違うし、福岡の山ともどこか違う。木の名前に詳しくないから残念ながら植生について違いが説明できないけど。
上空を轟音を立てて大きな旅客機が飛んでいく。
知覧から飛び立った特攻機ではない、感無量だ。ここにはカツオと砂風呂そして長渕がある!
最後のはちょっと違うけどガッツリ最高だ!
自由な時代に生きていることを当たり前に思っちゃいけない。だからこそつまらない生き方をしては過去に申し訳ない。やるなら今しかねぇ~♪
さあ、開聞岳登山ももうすぐゴールだ。
山頂からの眺望には恵まれなかったけど、めちゃくちゃ実りのある登山だった。登れて良かったという充実感で一杯になった。
2合目登山口に到着。
念願だった開聞岳はやっぱり最高に楽しい山だった。
この山に再び登りに来ることはあるのだろうか。なんとも名残惜しい。
キャンプ場までの帰り道は桜の花道。
さすがにこの時期だから河津桜だけど、それでも既に葉桜になってるっていう鹿児島の季節の巡りの早さにたじろぎまくりー。
2月にして正解だったな。もう少し遅かったらアウトだった。
桜と開聞岳を撮りたかったけど、枝がめちゃくちゃ邪魔だ。
日本最南端の西大山駅
黄色のポストが印象的なJR西大山駅にやって来た。
指宿は菜の花やひまわり畑があって黄色の町だ。
ここJR西大山駅は日本最南端の駅。別に駅に興味がある訳ではないし前にも来たことあるし、
じゃあなんで来たん?
っていう理由はこの線路を挟んだところにある菜の花畑越しで開聞岳を1枚撮りたかったから。
線路を歩いて渡ろうと思ってたけど「横断禁止!」と至る所に注意書きがあったから、この後車でぐるっと回って行ってきた。
九州にはここ最南端の駅と最西端の駅もある。最西端の駅は長崎県佐世保って書かれてるけど、正しくは松浦鉄道の「たびら平戸口駅」で平戸市。佐世保駅はJRの駅の中では最西端だけど最西端の駅としては正しくはない。
そして、正真正銘最西端の駅は2003年に開通した沖縄県のゆいレール「那覇空港駅」。
なんとこの3駅が我こそは最西端だと主張しているのだ。ひゃーウケるー。沖縄に決まっとーやん。
つか、最南端の駅もここ西大山駅じゃなくて沖縄っつーことね。もういいや。
そして最北端と最東端は北海道にある、そりゃそうだろうね。
指宿市の観光案内地図。全国的には砂風呂で有名な土地だけど、そんなことよりカツオだ。
いぶすき山川港特産市場「活お海道」に行かずして指宿はならずじゃ!
そしてお目当ての菜の花畑と開聞岳の風景を1枚パチリ。
これは自分の中の山岳百景に仲間入り。
指宿の菜の花の見頃は12月から2月中旬まで。ぎりぎり間に合ったか?まあ終盤たったのは否めないけどOK。
活のお海道でカツオかつを食らって帰る
「活お海道」に到着。ここは個人的には開聞の名の由来にもなった海門と掛けて「活お海門」にして欲しかったね。
登山より楽しみにしてたと言っても誤解でも過言でも何でもない。さあメインイベントへ突入だ。
昨日枕崎で食べたぶえん鰹丼がメインディッシュで、今日はデザートって感じだ。
ご飯の前に店内を物色しない訳にはいかない。
そこいらの道の駅よりよっぽど買い物が楽しめちゃうから、ここには必ず立ち寄るべし。
鹿児島のソウルドリンク「焼酎」マップがすごい。焼酎で鹿児島が埋め尽くされてるじゃないか。
黒酢も有名だがもはや焼酎によって端に追いやられる存在。
鹿児島県人の酒への執着が恐ろしい。
ボンタンアメもお酒に変えてしまうなんて、洒落がきいてる!
俺うまいこと言うな。。
直前までぶえん鰹の刺身定食と悩んだけど、20食限定の「かつおカツ定食」をチョイス。見た目通り超ボリューミー。おいおい、さっきデザートって言ってなかったか?
しかも欲張って鰹出汁のうどんまで頼もうとしてたっていうのが信じられない。かつおカツだけでリバースしそうなぐらい満腹だっていうのに、胃袋がいつまでも若いと思うなと言いたい。
とは言えね、冷凍された刺身用のぶえん鰹はここでちゃんと買って帰ることを忘れてはいけない。
トイレの表記もカツオ。女性はピンクのカツオだった。
さらば錦江湾。遠くに見えるのは鹿屋(かのや)。
鹿児島のスカッとした晴れは太平洋高気圧による恩恵だ。冬の間はずーっと曇ってるか、霞に覆われている福岡ではなかなかお目にかかれない青空だ。
福岡から鹿児島は、東京から八ヶ岳や北アルプスに行くより遥かに遠かった…。
なかなか来れないよなぁと、有り難く思いながら帰ったよ。
振り返って
開聞岳は、トレイルが螺旋状になっているため山頂に立たずとも360度の景色を眺めることをできちゃうのが最大の特長。歩いてる途中で景色が次々に変わっていくのは見てて飽きることがない。だからこそ暗い中を歩くなんてやめるんだ!明るくなってから歩くことをお薦めします(笑)
ご来光は見れなかったけど、2月の開聞岳は麓で桜が舞い散り、菜の花畑が至るところで見られる鮮やかな山だった。
欲を言えば1月末ぐらいが1年でベストなタイミングでしょう。
明治維新を好きになったきっかけを聞かれて西郷隆盛や坂本龍馬、新選組あたりを答える人は多いと思うけど、自分は父親の小説を借りて読んだ大久保利通がきっかけだった。それからどハマリして明治維新の本を読み漁った、そんな自分にとって鹿児島は聖地。
とか言っておきながら、維新にまつわる観光地の聖地巡礼は全て割愛するっていうね…。
ふっ。カツオの前じゃ維新なんて眼中に入らんかったわ。
ぶえん鰹は九州の甘い醤油とわさびがよく合った。しょうがではないのが新鮮だったよん♫超絶美味かった。ちなみにかつおカツは味噌ダレ。活お海道のレストランは開店と同時にあっという間に満席になっちゃうから、限定20食と知って慌てて刺身定食からかつおカツに変更したけど、刺身定食にすりゃよかったぜぇ。。
でもここでしか食べられないからね、急いで行くべし。限定20食じゃ!
2度目の指宿だからこそ、カツオと開聞岳に的を絞って濃厚な旅にすることができたし、1回目とは全く印象の違う指宿になった。
2度目の楽しみ方ってあるよなーと思った次第です。
明治維新の聖地巡礼は何年も前にバッチリやってるし、大久保のお墓を見に東京の青山霊園へも行ったし、仕事でも何度か鹿児島は訪れてるからね。
そして次のターゲットはもう決めている。NHKの坂の上の雲のエンディングで使われた坂道を登ること。白馬岳ね。正確には白馬大池からの小蓮華岳への登山道。もう何年も前から狙ってるけどなかなか機会がなくて。。
最後の最後になんですが、明治維新よりも三国志の方がハマったことを白状しておく。
ではでは
1万1千文字を超えました。最後まで読んでいただき有難うございました。書き疲れた。。