左がばば岩。右がじじ岩。
なんとも不思議なモニュメントだ。
ちなみにばば岩の方がじじ岩より背が高いのがちょっと違和感あるけど、実はこれはおこたでくつろぐじいさまにばあさまがお茶を淹れて持っていくという設定らしい。
さて、こんな岩がどこにあるかと言うと、レオタード姿で世界を震撼させた伝説のアイドル、井森美幸を輩出した群馬県の下仁田。
下仁田という村は、実に、実に面白い。
甘楽郡下仁田町。こんな過疎地に不思議なほどたくさんの名物が詰め込まれている。
日本三大奇勝の妙義山、ごん太の下仁田ネギ、意外とボリューミーな下仁田カツ丼、そしてこんにゃく。こいつを上州味噌で田楽にして食べたい。
あ、あと荒船山と荒船温泉なんかもある。
そしてミユキ・イモリ。
いや、これはすごいよ。
残念だけど、自分が青春をすごした千葉なんかは県全体を見渡しても名物なんて落花生と千葉ロッテマリーンズぐらいなもんだしなー。
勝浦タンタンメンがあるだろうって?は?
キムタクが何かで紹介してバズったアレね。却下します。
ディズニー?
は?
舞浜なんてもはや東京にくれてやるわ。東京かぶれなんぞ千葉にいらん。
って感じだと思う。
個人的には「なめろう」と「鴨シー」は推しておきたいけど、なんにしても広い千葉県で見てもそんな感じ。
さて、話は戻して、
このじじ岩とばば岩を見たくて下仁田の御堂山(みどうさん)に登ってきたよ。
つか、ほんとは八ヶ岳の権現岳を目指したんだけど、まさかの吹雪で立ち往生。ノーマルタイヤだったから登山口までもたどり着けなかった。。
まあ、じじ岩とばば岩は以前から気になってたし、麓にあるお食処「じいとばあ」とセットでいつか行きたいなぁと思ってたから、バラシた時の代役にちょうど良かった。
荒船山や妙義山もよーく見える。
西上州にはほんと不思議な形をした岩峰が多いけど、自分はやっぱり春のアカヤシオのイメージが強いエリア。
御堂山もご多聞に漏れずアカヤシオが咲くみたいだしね、やはりこのエリアは春に来るのがおすすめ。
ちなみに夏になるとうじゃうじゃヤマビルが出るらしいよ。
今回、晩秋に訪れて良かったと思えたのが、下山後に立ち寄った「じいとばあ」でこの時期限定のおっ切込みうどんが食べれたこと。
ほんと、下山後に美味いもん食って体があったまるって、道楽ハイカー冥利に尽きるよなぁ〜と思えた旅になったよ。
左足の肉離れがまだ完治しないから、リハビリする様にゆっくりゆっくり、トレッキングポールを使いながら歩いてきたよ。
ルートとコースタイム
■2023年11月18日 ※カッコ内は標準コースタイム
西牧関所前の駐車スペース⇒(90分)⇒じじ岩ばば岩展望所⇒(30分)⇒御堂山⇒(90分)⇒西牧関所前
コースタイム:3時間30分(休憩含まず)
総距離 6キロ、累積標高上り 580m
じじ岩とばば岩
西牧関所跡から登山開始
御堂山の駐車場はこの「カーブ多し」の看板を目印にしてくだされ。
看板の隣りに5台ほど止められるスペースがあるよ。
反対側にも3台ほど止められるスペースがあって、縦列駐車に自信がある方はこちらにどうぞ。
国道254号を藤岡方面から走ってきたら、このコスモを目印にするといいよ。
このご時世スタンドっていつ潰れてしまうか分からないんだけど。。
うちの近所のスタンドも潰れてマックになってたよ。
お墓の前を上がっていく。
登山口に到着。
ここにも1台だけ止められるスペースがあったのね。あなた勝ち組。
長い林道歩きで幕開け
危険さわるなという札を見て、電流でも流れてるのかとビビりながらまたいだら登山開始。
先日、駅の階段を下ってたら突然左足の肉離れになってしまい、またいだだけでちょっと痛む。
こんな退化した体で果たして山登りなんてできるんだろうか。
長い長い林道が幕を開ける。
そんな林道には見るべきポイントなんぞあるはずもなく、手持ち無沙汰だったから昔のお墓なのか石碑なのかよく分からないものにシャッターを切っていく。
やっと林道が終わって、作業道っぽくなってくる。
林道が荒れてきただけなんだけどね。
それにしても低山でも日陰だと歩いてても一向に体が暖まらない。
気付けばもうそんな季節になったんだなぁ。
見上げればやっと日向が出てきた。
日差しが恋しいこの感じ、なんだか懐かしい気分でもあるけどやはり夏が恋しい。
この山は夏になるとうじゃうじゃヤマビルが襲ってくるんだと。
気付いてないだけかもしれないけど、長年登山してて幸いにもヤマビルは一度も見たことないという奇跡。
真夏の丹沢にハーフパンツで登って、草の上に座ってお昼を食べてもヤマビルいなかったし。
熊は3回も見てるというのに(笑)
ここで突然空腹感がマックスで襲ってきたからおにぎりを食らうことにした。
空腹を我慢して登ってるとすぐシャリバテしちゃうことを経験で分かっている自分は日向を待たずに冷たいおにぎりを食らう。
なんか、わびしいぞ。
おにぎりを頬張ってると、足を引きずりながら降りてくる流血ハイカーとすれ違った。
最初は自分と同じ肉離れかな?いや捻挫か?って思ったら、すんごい流血してて、それ見て失神しそうになった。有刺鉄線デスマッチとかマジ無理だから。
まさか、この先に大仁田でもいるのか。
下仁田なだけに。
はいはい。
まあ、ほんと思わず目を背けてしまったから助けの手を差し出すこともできなかったのが、せめて声ぐらいかけてあげればよかったと気がかり。
日向が近づいてきた。
トレイルにも光が届く。
どうでもいいけど、「届く」と書くと「荼毒」と変換されてしまい修正するのが面倒くさい。
ほんとどうでもいい話ですんまへん。
日なたの道
あぁ〜めっちゃ暖かい。
これこれ。この日差しが有難い感じ、懐かしい。
さてさて、ここからが山歩きの楽しい時間だ。
陽の光をたっぷり受けながら、森林浴といきましょう。
ちょろちょろ流れる湧き水が、岩の表面を滴っていく。
ふむ、これがリアルに岩に染み入るってやつなのね。
その岩の横をよじ登っていく。
鎖場はここ一箇所だけだった。
肉離れした足に負担がかからない様に貧素な腕力を駆使して登るから不格好この上ない。
死んでも鎖を離さなければ死なないのだよ、が鎖場の心得。
鎖場から先は、ぽかぽかランクがもう一段上がる。
青空が爽快すぎる。
安倍元首相が死んでからこれまでの悪事が次々と明るみになってるけど、国葬にかかった税金を還元しておくれと言いたい。
ちょっとルートから外れたところに紅葉がきれいなところがあって、あっちへとフラフラと行きたくなった。
ところが途中でズルズルと地滑りしちゃって、「ルート外れて滑落した中年、浮かれ過ぎやろ」というwebニュースが頭をよぎったため大人しく退散することにした。
正規ルートに戻って登っていくと西上州らしい奇岩怪石が見えてきた。
まあしかし、まさかこんな形でじじ岩とばば岩を歩く日がやってくるとは思いもしなかった。
レギュラー出演者の体調不良に備えてスケジュールを仮押さえし、ひたすら待機する通称「バラシ芸人」的な、そんなパンサー尾形的な感じで出番が回ってきてしまったじじ岩とばば岩。
大爆笑は無理だろうなという予想を裏切る活躍に期待したいところだ。
こんなに晴れてるし、八ヶ岳だって完璧な晴れ予報だったのになぁ、吹雪になるなんて誰も予想できなかったよ。
実りの秋。
熊被害がずいぶん騒がれてるけど、御堂山のすぐ近くにある低山でも熊に襲われたってニュースでやってて、実は軽くビビっている。
いや、だいぶ。
ちなみにおっちょこちょいの常習犯な自分は、新幹線で熊撃退スプレー誤射したの君だろ?と会社で真っ先に疑われるという二次被害を被った。
まずは左のパンサーじじ岩へ。
後で書くけど御堂山は眺望いまいちだから登らなくてもいいよ。
残り僅かとなった紅葉を眺めながらパンサーじじ岩へ尾根伝いに歩いていく。
なんて大きな岩壁なんだろう。
こんなに大きな岩も遠目に見たらじじ岩がほっこりしちゃってるコタツに見立てられちゃってるわけね。
じじ岩とばば岩
この急斜面を這い登る。
少しでも踏ん張ると、肉離れさんが「またちぎれちゃうけどそれでもいいのかい?」と地味な痛みと共に常に脅してくる。
でも頑張ってここを登れば、じじ岩とばば岩とご対面できちゃうわけよ。
逆光!!
まさかの真っ暗。
仕方ないから向きを反対側にすれば荒船山の絶景が広がる。
歩いても楽しいしすっごく良い山なんだけど、どうしてもクレヨンしんちゃんの作者が自殺した山だなっていうイメージは消えないのが残念だな。
露出をしっかり補正して再び撮影。
右がじじ岩、左がばば岩。
これがじじ岩。
まるでち○こ岩じゃないかとか、ぜったいに口を滑らすんじゃない!
ばば岩は立ち上がってお茶を淹れてるという設定なため、じじ岩より背が高い。
再びじじ岩。
すぐ近くまで寄ってみて見上げたところ。
富士山と同じで遠目に見ないとなんのこっちゃ分からん。
ばば岩の方へはビビり屋さんな自分にはスリリング過ぎて近付けない。
こんなところでリスクを冒す理由はないので引き返すべし。
どこかの巨人が山崩しで残したとしか思えない造形。
なんて幼稚な表現なんだ。
明日には崩れて見れなくなってるかもしれないぐらい危ういバランス。
貴重なものを見せていただきもすた。
ひのき林を抜けて御堂山へ
分岐に戻って、今度は御堂山のピークへも行ってみることに。
しばらくして猛烈なヒノキ軍に突入するであります。
おお、広大なヒノキ畑。
果たして、ここに登る価値はあるのだろうか。
それでも折角だからと持ち前のボンビー根性むき出しで進めば、山頂直下になって原生林が戻ってきた。
あそこが山頂、かな?
これだけ樹林がもりもりしめるけど、眺望はどうだろう。
バラシ芸人の意地の絶景に期待したいところだ。
ほいっ、無事に到着。
じじ岩の分岐から山頂までは20分ぐらいだったかな。
うーん、やはりバラシ芸人らしく絶妙にビミョー!
落葉した今だから妙義山の登山口にある金色の大黒天まで見えたけど、こりゃ新緑の時期だと何も見えんよ。
折角だからヒノキ越しの原生林も撮ってみる。
一体何がやりたいんだか。
ゲッザーン開始
山頂がいまいちだったから秒で下山開始。
冬が来たってことはあと2〜3ヶ月で花粉シーズン到来だなぁなどと思ってしまう。
結局あのメガネ(岸田総理)、花粉対策やるとか言ってなーんも進んでないじゃないか。くそっ。こちとらまぶた倍になるぐらい腫れあがって涙止まらないっつーのに!
落ち葉で滑りやすいところに絶妙に虎の子ロープを配置してくれてる。
いい仕事するぜぃ。
山で見かける栗は本当に食べられるのか?というのは長年の謎だった。
水に沈むものなら食べられるらしいよ。浮くと虫にやられてるんだって。
黄色の世界にそびえるち○こ岩を発見。
下山はだいぶ惰性になって感想も薄っぺらい。
あまり太陽ばかり撮ってるとセンサー焼けしちゃうからほどほどに。
ほどほどにしなさいって!
最後も林道をてくてくと。
気付けば急ぎ足になってて、3時間も歩いてないしこのまま終わるなんてもったいないと思った結果、足元の落葉を撮影。
下山したらじいとばあでご飯食べるつもりだけど、まだお腹が空かない。
空腹感がないままゴールを迎えてしまった。
登山口に杖の貸し出ししてくれてたのね。
さすが、世界中のネギ好きが憧れる下仁田らしく、そこら中にあるネギ畑からネギの香りが漂ってくる。
言うほどネギ好きでもないのに、下仁田に来たらネギ食わなきゃってマインドにさせられるのが怖い。
駐車場近くの西牧関所跡。
ここ下仁田街道は中山道の裏街道で往来も多く、それでいて緩やかで女性も歩きやすかったことから姫街道と呼ばれたそうだよ。
じいとばあのおっ切りこみうどん
遊び尽くすことにがんじがらめになっている自分は、どんなに満腹だろうが立ち寄らないわけにはいかないのだ。
しかも正直に言えば、ずっと気になってたお店だけど、どーせ客なんていないだろうから協力してやっかなーぐらいの見下した気持ちがあったことを白状する。
そして、まさかの満席。
運良くすぐ席が空いて、注文してから30分以上も待たされるという予期せぬ展開。
周りの客が食べる様子を見てたら少しお腹も減ってきたなぁーと思ったころ、おっ切込みうどんの登場。
量も少なかったからちょうど良かった。
ちなみに店内にはこんにゃくや上州味噌なんかも売られてて、買おうかどうするかさんざん悩んで、結局買わなかった。
ふっ、財布の紐が硬いのはいつものこと。
振り返って
じいとばあは国道254号をよく使う人ならすごく気になるお店だと思う。
どーせ空いてるだろ。メニューはこんにゃくぐらいしかないんじゃね?
そう思ってたよ。。
前を通り過ぎる時は車なんて1台か2台ぐらいしか止まってなかったし。
まさかの満席で、しかもラーメンを頼む客のなんと多いことか。
外国人が豚の生姜焼きを注文した以外は、ラーメンかおっ切込みうどんしか頼まれてない感じだった。
ちなみに生姜焼きがめちゃくちゃ美味そうだったんだけど。。
下仁田にはじいとばあ以外にも、きよしやの下仁田カツ丼、茂木ドライブインのこんにゃく食べ放題もおすすめ。
小さな村だから食事処も限られるけど、茂木ドライブインには一度は行ってみることをおすすめします。
たった200円で食べ放題で、しかも美味いし、おばあちゃんのサービス精神が素晴らしいし、なんといっても井森美幸が学生時代にバイトしてたお店というのも大事なポイント。
さっぱり山のことには触れてないけど、こんな日は観光色の濃い1日を満喫するに限るというわけで、以上どえす。
ではでは。