大菩薩嶺 登山(上日川峠) 定番ルートで行く蒸せ返る暑さの峰(2017.5.21)

大菩薩嶺 登山(上日川峠) 定番ルートで行く蒸せ返る暑さの峰(2017.5.21)

大菩薩嶺に登ってきました。

標高は2,057m、日本百名山です。

樹林に覆われ眺望が悪い山頂で有名ですが、雷岩から大菩薩峠にかけての稜線歩きは富士山と南アルプスの絶景ポイント。多くの人が大展望を堪能しにやって来ます。

 

自分は今回で4回目の大菩薩。アクセスが良いからついつい来てしまうけど、最近はさすがに飽きてきたから自然と足が遠のいてましたが、今回訳あって初めて山に登る人達も交え総勢15名ほどでやってきました。

冬だと登山口が裂石となるため、なかなか登りごたえのある山ですが、この時期なら上日川峠までバスで来れるし、400台停められる駐車場も完備されてるため標高差わずか500m、歩く距離も8kmほどでお手軽な空中散歩を楽しむことができます。

今回は車でアクセスしましたが、ハイシーズンということもあり臨時駐車場に回されてしまい15分ほど歩く距離が延びました。が、まあ大した影響はありません。停められただけラッキーです。

 

さて、今回の山登りを企画するにあたって、全員が無事に登れるかずいぶん山選びで悩みました。我が子に置き換えてどこの山なら大丈夫か検討しました。

うちの次男坊の場合、幼稚園の頃に何度も失敗を繰り返しながら最後には350mぐらいの山に登りきることができました。

小学1~2年生の頃には由布岳や久住山にも登れたし、標高差800mの鶴見岳にも登れたなぁ。鶴見岳は下山でロープウェイ使ったけどね。

うん、標高差800mが一つの基準だな。それを下回る山。高尾山は標高差400mだけど、さすがに自分は行きたくない(^_^;)。御岳山、大山、筑波山、宝登山・・・ここら辺の定番にするか?でも折角だから百名山がいいかな。山はこれっきりって人もいるだろうから記念にもなるし。

で、最終候補は日光白根と大菩薩。日光白根はロープウェーが運休中だったため消滅。

よしゃ、大菩薩だ、大菩薩に決めた!!

トレイルはとても整備されてるし、人も多い。山小屋も多いし、富士山と南アルプスの景色も良い。この山ほど適したところはない!!

完璧やん!

しかしいざ登ってみると、

「こんな山だとは思わなかった。ひえー!」

ええ〜。。

「こんなに歩いたの初めて!ひえー!」

え、ええ〜。。

「なんだよ、ほんとに山じゃん!」

どぼぼーん。

(*_*)

うーん、ちょっと初めての人には大変だったみたい。選ぶのって難しいですね。

でも結果的にみんな大満足。怪我もなかったし、楽しんでもらえてほんと良かった。

たくさん悩んだし、慣れない登山計画書も作成したし、必須なものを全員に連絡したり準備が大変だったけど、ありがとうって言ってもらえて苦労も報われました。

神経すり減らしましたー、けど楽しかったよー

いざっ

 

やっぱ中央線の山は眺めが良いですね

 

アクセス方法

・上日川峠のロッヂ長兵衛へのアクセスは、こちら

■ルート

 

■全行程スケジュール

2017年5月21日

9:15 上日川峠臨時駐車場 ⇒ 9:30 ロッヂ長兵衛 ⇒ 10:10 福ちゃん荘 ⇒ 11:30 山頂 ⇒ 11:45 雷岩 ~昼食~ ⇒ 13:10 大菩薩峠 ⇒ 14:30 ロッヂ長兵衛 ⇒ 14:50 上日川峠臨時駐車場

 

 

 

登山開始

駐車場が満車のため大菩薩湖の畔にある臨時駐車場に回されました。広すぎてどこに停めていいか分かりません。

 

本日は気軽にハイキング気分ですが、真夏日になると聞いてたので水分と食料は多めに持ってきました。

何度も痛い目に遭ってますから、怠りませんよ。

 

臨時駐車場から上日川峠ロッヂ長兵衛まで歩いて約15分ほど。とりあえず足慣らしです。

ここを上がって行きます。

 

トレイルは木道に変わり、上日川峠まではほんと散歩気分。みんなもこれで楽勝だなって気にさせてくれた。

この先の唐松尾根は休み休み登らないとしんどくなるぐらいの急坂だよ言おうと思ったけど、楽しそうにしてたし、釘を刺す必要ないもんね。黙っておきました。

 

ロッヂ長兵衛に到着。無料でトイレが使えるのはここまで。この上にもトイレはいくつかあるけど使用料がかかるからと説明して、ここで準備を整えます。

 

待ってる間もこの上にある福ちゃん荘から続々とタクシーが降りてきます。上日川峠から登れるだけでもありがたいのに、ここよりもっと上まで車で行けるなんて、、知りませんでした。

それにしてもすごい人の数です。百名山恐るべしです。

 

さて、登山開始です。

いつもの倍近くゆっくりなペースで登る。自分が先頭。今日だけみんなから隊長と呼ばれ違和感半端ねぇっす。

ケガ人だけはだしたくないので標高を100m上げる度に休憩を挟んでいく予定です。

 

葉がまったく揺れてません。風の心地よさなんて1ミリも感じない蒸し暑さにちょっと危機感。

 

標高100m稼ぐ前に福ちゃん荘に到着。

ここでちょっと長めの休憩を挟む。まだまだ始まったばかりだけど大丈夫かな。心配ばかりです。

 

福ちゃん荘までタクシーでやってくるバブリーな登山客。

歩きに来てるんでしょ?と思うけど、自分たちも上日川峠まで車で来てんだからそんなこと思う立場じゃありません。

目くそ鼻くそです。

 

ほうとうが「おほうとう」になってる!

なんか違くね?

 

すげっ、馬刺しもあるよ!

お馬刺しじゃないのね!

 

ジュースが200円だもんね、山小屋とは思えない価格設定。車で来れるって便利ですね。

 

今日のルートをみんなに説明。

唐松尾根を登って山頂踏んで、雷岩あたりでお昼食べて大菩薩峠経由で戻って来ます。ド定番のショートコースです。

本当は石丸峠経由にしてこの時期に咲くバイカオウレンという高山植物を見たかったんだけど諦めます。

だから脱落は許しませんよー。

 

うしっ、唐松尾根行くよっ!

この尾根を歩くのは久しぶり。

自分にとっての雪山入門登山もこの尾根から始まりました。

 

山と渓谷のアンケートで初めて訪れた山で最も多かったのは高尾山とのことです。予想通りですね。次が富士山。うん、分かる分かる。3番目が筑波山。

自分の場合どこだろう。子供のころに那須岳に登った記憶はあります。筑波山も。だけど、きちんと登り始めるきっかけになったのは大山かな。その次に登ったのが表尾根ルートの塔ノ岳。表尾根の海の眺めは爽快でした。久しぶりに歩いてみたい。

 

休憩できそうなところないかな?と。小まめに休んでるけど急坂が続いてみんなすぐにバテます。

もうここら辺だと森林限界に近いから日影はあまりありません。ちょっと暑いけど大人数が休憩しても迷惑にならない広いところがあればそこで休憩しようと、機会を探りながら登ります。

 

ほいほい、きゅうけーい!

見渡す限り日向(T_T)。

しゃあないね。

水分摂って、腰かけてじっとしていたら少し風を感じられる様になってくるから。

稜線もだいぶ近づいてきたよ。

 

振り返ってかろうじて見える富士山。勝沼インターを下りた時には南アルプスも見えたけど、すっかり姿を消してしまったなー。

3年前、雪の中で誰もいない大菩薩から眺めた富士山。時間が止まった様な静けさに包まれて山登りの醍醐味を感じたました。忘れもしません。

今回は「すげーよ富士山!」「おおー!」と大いに盛り上がって大人数の楽しさもたまにはいいもんだって思ったな。

 

さあ、雷岩。稜線まで上がってきたよ。

山頂踏んでまたここに戻ってくるから荷物をデポりたい人は一ヶ所にまとめて貴重品だけ持ってって下さ〜い。

と言っても日帰りの軽装だし、誰もデポらなかったけどね。

 

山頂です。さすがハイシーズンを迎えた百名山、眺望がないとは言えすごい賑わい。

記念撮影の順番待ちができてました。集合写真を2枚、各人で数枚ずつ。時間がかかるから次の人に何度もごめんなさいと謝りながら巻きで撮影しましたよ_| ̄|○

 

駐車場で見かけたわんこも無事に登れたんけ。服着せられて暑そうです。

 

雷岩を登った先で日陰があったらお昼にしましょう。

今日は日陰の奪い合いです。

 

なんとかみんな木陰に腰かけることができました。自分だけ少し日向(T_T)

今日は自己犠牲の精神で来てるので別にいいです。

眺めもこんな感じで申し分無しっす。

 

和ラーメンの両国ちゃんこ味。暑いけどラーメン。この味と青の博多水炊き味がお気に入りです。

山で美味しいカップラーメンが食べられる様に普段はカップラーメンを遠ざけてます。ほんとどうでもいいですが、地味な努力家、と言いたい。

いつもなら食後はパパっと移動が始まるけど、この日はみんな動こうとしないから飽きるまでくつろいでいると、日陰で休んでた何人かが寒くなってきたと言い出した。

羨ましいぜ。。こちとら汗だらだらだぜ。

ではそろそろ移動します。時間に余裕あるんでのんびり行きますよ。

 

2,000年記念に立てられた標高2,000mの標識。

その後ろで日陰を確保できなかった方々。暑さを悟られない様にやせ我慢してるに違いない。がんばれ。

 

大菩薩峠に向けての稜線歩きが最大の魅力。だからほらっ、顔上げてごらんよ、と促すけどふーんって感じ。

山ってこんなもんじゃないの?って感じの反応が寂しいわー。いろいろ登ると奥多摩奥秩父エリアの中でもここがいかに開放的かが分かるのにぃー!ぐぞっ

 

振り返ると空いっぱいに広がる青空。

遠くの春霞が嘘みたいに空気が澄んでます。

途中にあった岩によじ登って撮影会したり、ちょいちょい休憩を挟みながらなるべくのんびりしようと心掛けました。

 

賽の河原(さいのかわら)。

登り返しがあるとメンバーの何人かから悲鳴が聞こえてくる。。

そろそろ体力的にヤバめなメンバーもいるから、「もうすぐ小屋だよ」「これが最後の登りだよ」と見通しを伝え奮起してもらう。

 

大菩薩峠らしくなってきました。

 

到着!

標高は1,897m。山頂から多少の登り返しもあったけどゆっくり150mほど下ってきました。

相変わらず絵になる風景。

仲代達也主演「大菩薩峠」という1966年の映画の舞台。原作は中里介山。古い映画ですね。。でも意外と有名な映画なので知ってる人が多くて驚かされます。

 

チビ菩薩。

 

中里介山の名からとった介山荘はこの暑さでジュースを買う登山客の接客で忙しそうでした。

う~ん、冷たいコーラに惹かれたけどここはガマンガマン。

 

バイカオウレンが見たかったから石丸峠にも寄りたかったけど、バテ気味の人がいるから当初の予定通り下山しますよー。

 

トレイルに桜の花びらが落ちてたので顔を上げるとヤマザクラが咲いてました。山では春と夏の訪れは遅く、秋と冬の訪れは早いということを改めて実感。

 

何気なくめくってみると西洋たんぽぽではなく在来種でした。こういう小さな発見1つとってみても山に来た甲斐があるってもんです。

在来種と西洋タンポポの見分けかたは、沼津アルプスのレポに書いてまーっす。

 

途中で沢遊びをしたり、小屋の近くにあったブランコで遊んだり、ロッヂ長兵衛までは遊びながらえっちらおっちら戻ってきました。

 

下山後の温泉は天目山温泉へ。ちょっとカルキ臭いけどトロッとした湯。大菩薩の湯は混んでるだろうからと、こっちを選んで正解でした。

広い休憩所があるこちらの施設は大所帯の自分たちにとってありがたかったです。

 

 

振り返って

 

この日は東京で夏日を記録。とにかく暑かったけど雨にならなくてほんと良かった。

 

大菩薩の良いところはなんと言ってもアクセス。

車で上日川峠に行く際は、塩山駅の方から上がって行くことを強くおすすめします。ほんとに。

上日川峠にいる係員が塩山方面からやって来た車に対してどこに停めるかを指示してます。勝沼インターから大菩薩湖を経由して行くルートだと、係員に案内された車とかち合い、逆走するかたちとなってちょっと迷惑。

駐車場ですれ違いができずに渋滞を引き起こしてるのを何度か見かけました。

ロッヂ長兵衛のホームページでも塩山からのアクセス方法を記載した地図がアップされてたので参考にして下さい。

 

 

大菩薩の稜線歩きは久しぶりだったけどやっぱ気持ちいいわ。南アルプスは春霞の影響で見えなかったけど、標高2,000mの開放的で伸びやかな空中散歩は山をやらない人にとってみれば別世界。

忘れられない1日になってくれたらこんな嬉しいことはありません。

 

 

12月下旬の大菩薩嶺。ところどころ膝まで積もった雪の中をツボ足で1人黙々と登りました。

それが自分にとって初めての雪山です。

標高を上げていくにつれて徐々に増える雪。誰もいない山肌を静かに風が吹き抜けていきます。

山の稜線を見上げ、雪化粧した山の姿に興奮して疲れは感じませんでした。

足を止めて振り返ると富士山。圧倒的な存在感。ふと山の静けさに神妙になりました。

あの時の感動は今でも忘れることができません。

周りに誰もいないから「おーーーーい、登ったよーーー!」と喜びを叫んでみようかと思ったけど気恥ずかしさですぐやめました。

それでもなんと爽快な気分。

山登りって楽しい。

あの懐かしい思い出がよみがえってきます。

今回で4回目の大菩薩ですが、日陰を求めて彷徨ったのは今回が初めて。。

暑かったけどみんなよく頑張りました!

 

ではでは

 

 


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