奥武蔵の棒ノ折山(ぼうのおれやま)に登ってきました。
棒ノ折だったり棒ノ嶺(ぼうのみね)だったり、自分の中では呼び方に迷う山第1位です。ちなみに最初、棒ノ嶺と棒ノ折山をそれぞれ違う山だと思ってたし、しかも棒ノ嶺と書いて「ぼうのれい」と読むもんだとずっと思ってました。いやぁ~、全然違ってました!
で、今回ブログを書くにあたって調べてみると「棒ノ折山(ぼうのおれやま)」が一般的みたいですね。山頂には棒ノ嶺と表記されてましたが・・。
うーん、なんで?(あくまで個人的な疑問です)。
と疑問が湧きましたが調べるのが音速でめんどくさくなったので調べない!気になった人は自分で調べて、分かったら教えてね!
棒ノ折山は標高969m。東京都多摩町と埼玉県飯能市との境にある日本百低山、関東百名山の山です。
今回はさわらびの湯を起点に白谷沢ルートで登り、滝ノ平尾根を河又方面に下ってさわらびの湯に戻ってくる定番の周回ルートです。
さて、棒ノ折山登山のポイントです。
棒ノ折山登山のポイント
①山頂の桜と眺望の良さ
②ゴルジュを通過するルート
③都心からのアクセスの良さ
都心からのアクセスが良いためとても人気の山ですが、人気の理由はアクセスの良さだけではありません。迫力あるゴルジュを抜けてから広がる明るい原生林の新緑はすんげぇ気持ちえがった!
急登にひーこらへーこらしてやっと山頂にたどり着けばひゃっはーな大展望!「やべっ、すっげぇ良い山だな!」と大満足すること間違いなし!
都心近郊に魅力的な山って意外と多いんですよね。で、棒ノ折はその中でもかなりイチオシの部類に見事仲間入りすることが決まりました。おめでとー。
そしてなんと言っても1番の見所は山頂の桜です!
この日は2019年4月25日。今シーズンは4月に入ってから寒波がきて関東の平野部でも雪を降らせ、桜の咲き始めを遅らせました。なので今回は満開のタイミングを狙うのがすっごく難しかったんです。
この日の2日前のヤマレコで7分咲きと聞き、ちょうど満開になるだろうなと見越してやって来ましたが、予想通り完璧な満開に訪れることができました!
このゴルジュを抜ける!
鎖場や濡れた岩稜帯を通過するけど慎重に進めば大丈夫!
さあ、満開の桜の咲く山頂へ。
いざっ
アクセス
さわらびの湯
・住所:埼玉県飯能市大字下名栗685
・TEL:042-979-1212
ルートとコースタイム
■2019年4月25日
白谷沢登山口⇒(80分)⇒岩茸石⇒(25分)⇒権次入峠⇒(25分)⇒山頂⇒(15分)⇒権次入峠⇒(15分)⇒岩茸石⇒(90分)⇒山頂
標準コースタイム:4時間10分
■活動距離8.6キロ
■単純標高差750m
■累積標高上り1,038m
棒ノ折山登山 本編
さわらびの湯から登山開始
奥武蔵の登山と言えば、さわらびの湯です。
今日はここがスタート地点でありゴール地点です。
のぼりが立ってるとつい名物を求めて寄ってしまううっかり八兵衛っぷり。そして案の定どデカイ饅頭を買いそうになって登る前に重りを増やすとこでした。
寸前に買い留まったのはファインプレー。
温泉施設だけあって、ちゃんと水洗トイレだってあります。ちゃんと用を足してからスタートします。
いや、焦らず、まずは本日のルートを確認しときましょ。
この地図だと分かりにくいかもしれませんが、とりあえず本日の全体図が記載されてます。
さわらびの湯から名栗湖(有馬ダム)、権次入峠(ゴンジリ峠)経由で棒ノ折山へ。
この地図の表記では「棒ノ嶺」ですね。
持つ者を乱暴者に変えてしまう名栗名物「殴りづえ」がありました。
失礼、「名栗づえ」でした。
こういう親切なサービスが奥武蔵を人気にする理由の1つでもあるんでしょう。
名所案内の表を見てみるとこっちは「棒ノ折山」の表記がされてました。
もうどっちでもいいけど、紛らわしくさせてるのは書く側の責任かもと思えてきた。
という訳で登山界に1mmも影響力がない当ブログですが、一般的と言われてる棒ノ折山で統一します。
つか、あんまりのんびりし過ぎて、さわらびの湯の敷地から今やっと外に出ました。
何を目的に来たのか忘れていた訳ではありません。
まずはこの一般道を名栗湖(有間ダム)に向けて移動します。
こういう車道でバテたくないのでインインインの最短距離で進みます。これで2mぐらい縮まったはずだぜ!
有間ダムに着きました。
DAMっていうカラオケ昔あったな。。そんなどうでもいいことを思いながら先へ行きます。
今歩いてるここにも車の乗り入れは可能です。
軽トラを止めて、ダムを眺めながらタバコをふかし、物思いにふける40ぐらいの男性がいました。
「昔はみんなDAMだったよな」
そう考えてるに違いありません。
ええ、最後のは私の妄想です。
「彩の国有間ダム」の看板の左に上へ上へと上れるハシゴが見えます。
このはしごで登れたら一気に標高稼げるのにな、と横目に見ながら登山口を目指します。
登山口まで意外と歩きます。。
ダム沿いをえっちら歩いてやっと登山口に着きました。
ここから登山開始です。お待たせしてすみませんでした。
関東ふれあいの道なんだな。。
伊豆ヶ岳登山で初めて知った関東ふれあいの道。そこら中にあるよ、と一緒に登ったメンバーから教えてもらったけど、奥武蔵でしか見たことないから奥武蔵イコール関東ふれあいの道というイメージを勝手に持ってます。
さて!登り始めます。
まずは沢沿いを歩いてゆっくり標高を上げていきます。木の根が濡れて滑るから、体重増にあえぐ自分ですが頑張って跨いでいきます。
ドスコイしょっと。
早速こんな看板が出てきました。
カジカガエルの雄だけが美しい声で鳴くという限定情報ゲット。OK!覚えた!
神木があったり、なかなか登り始めから神聖な感じです。
ヤマブキもたくさん咲いてます。
登り始めから次々と出てくる神秘的な森の光景に良いルートだなと思える。
開始5分で棒ノ折山に魅せられちまったぜ。。
腰掛けるのにちょうど良い木だってあるし、優しい山だね!
先程から滝がいくつか登場してきます。もうすぐゴルジュ帯に差し掛かる予感がします。
と、その前にちょっと小腹がすいたので辛い悪魔のおにぎりを頂くとしましょう。
体重増ですが、登山中はそんなの忘れる美味さです。まったく悪魔だぜ。。
埼玉県民熱愛のマスコット「コバトン」の導きで岩茸石(いわたけいし)方面へ進みます。
コバトンのことはここで初めて知りましたが、埼玉県では有名みたいなので奥武蔵に登る人は要チェックですよ!
ゴルゴです。
違うっ!!
ゴルジュ13に到着しました。
すごい迫力だよ、コバトンっ。
ゴルジュ帯を通過します。岩場が滑るから慎重に行くよ。
うあっ!なにこの新緑!
見上げた時の新緑が眩しすぎて足を滑らせました。
なにこの山、すごく良いっ!
去年登って良い山だなと思った川苔山に雰囲気が少し似てるし、川苔山以上に見どころも多い。
白糸の滝?
こういう見どころも随所に出てきます。
再びコバトン。
コバトンの「あっちだよ」の導きに従います。
コバトンの誘導で鎖場に着きました。
全行程で鎖場が出てきたのはここだけです。しかも階段状になってるから鎖は特に必要ないかな?って感じなので、見た目以上に安全です。
振り返るゴルジュ帯。
苔むした岩稜がいい感じ!
まだアセビも咲いてました。
岩の上にも10年以上の木。
こっちはニリンソウかな?
登山道にはひらひらと山桜の花びらが落ちてきます。
そんな光景を爽やかにそう見てる風を装い、実のところ汗だく息ゼーゼーで整備された階段に辟易しながら上っていくと、
ここで林道にでます。
事前に調べた情報によると、ここから急登が始まるみたいなのでちょっと休んで息を整えたいと思います。
ふがふがと息が整わないうちから最近行動食で気に入ってるキャラメルを頬張ります。森永の個包装されてるやつです。
では気を引き締めて参りましょう。
ゴルジュ帯とは打って変わって里山らしい登山道です。言うほど急じゃないので安心しました。
沢もちょろちょろした弱い流れに変わりました。ここら辺が源流みたいです。ここから上は沢沿いではなくなるということね。
途端に横移動に変わります。岩茸石(いわたけいし)まではこんな横移動をえっちら歩いてると着きます。
ちょっと景色が開けると山桜が見えました。あの桜の花弁がひらひら風に舞ってゴルジュ帯に降ったみたいです。
岩茸石に到着しました。思いのほか簡単に着いたので余裕だなーなんて楽勝気分でいたらここからゴンジリ峠までが急登でした。。頑張りましょう。
ゴンジリってどんな字を書くんでしょうね。きっと着けば分かるさ。
そんな事を考えながら必死。斜度が急って訳でもないんだけど長いです。
まだまだ続きます。
ここ最近は怠惰な生活を送り一気に肥満化したため自分にとって地獄の登り。
急登に苛ついた登山客によって破壊されたのだろうか?折れた標柱がありました。
ちなみにここの表記は「棒ノ峰」なんだな。。
まだまだ続く。階段をまたぐのがしんどいから階段を避けるように右に逸れてしっかり踏み固められた坂を登っていく。
ヒー。まだ続くか。多めに持ってきた水分がぶ飲みです。心臓が破裂します。やべぇーほんと体力落ちたわ。。
やっと着きました。
こう書くのか!!ゴンジリ峠!何かの当て字でしょうね。
今歩いてきた白谷沢ルートの説明がとても分かりやすく書かれてました。
白谷沢には白孔雀の滝っていうのもあったみたいです。たぶん知らずに見てるとは思うんだけど。。
疲れたけど、あとは山頂を踏むのみ。山頂まではたったの0.5キロ。うしっ!
残りの0.5キロも結構登る。疲れてヘロヘロです。
気になるのは桜の開花状況。お願い!咲いてて!
満開!!
2年前に山頂に一本桜があることを知ってから、ずっと登りたいと思っていた棒ノ折山。満開のタイミングに合わせて登ることができて嬉しい!重い図体に鞭打って頑張った苦労が報われました。
棒ノ折で棒になった私。
やっと、名実ともに真のデクの棒になれました。
恐らくこれが今年最後の桜の花見になるんだろうな。
んー良い眺めです。青空には恵まれなかったけど高曇りだから景色はバッチリです。ちょっと霞がかかってるのは春だから仕方ないです。
手前の山々は伊豆ヶ岳や子の権現など奥武蔵の人気エリア。
半額でゲットしたお好み焼きをいただきます!中身が焼きそばだとばかり思ってたけどキャベツしか入ってなくて食べた気しなかったよ!
と言う訳で、すかさず本日のスイーツ。
ファミマの抹茶のショコラタルト、これ激ウマでした!
体重は増し増しでっせ。
ちょっと離れたところにある桜は真っ白でした。同じ種類なんだろうけどどうして色が違うんでしょうね。
さて、下山します。
山頂の桜はGW前半までならなんとか見ることができると思います。後半だとほとんど散ってしまうんじゃないかな。
たまたま都合のつくタイミングで満開になってくれた運もあったけど、ヤマレコやヤマップに情報をアップしてくれる方々のお陰で満開に来ることができました。有難うございます。
下山は岩茸石から河又バス停方面へ。
しかしこのルートは単調で楽しみはあまり無いので、白谷沢ルートをピストンする事をお薦めします。
今から下山するルートは白谷沢が冬に凍りついて危ない時に回避するための冬期ルートとして紹介されてました。そんなルートです。
ミツバツツジが咲き始めてます。桜の次はツツジか。
2〜3回、林道を横切ります。
そして晴れてきました。
この後更に天気は良くなる。
もう少し山頂で粘ってたら青空と桜の写真が撮れたのになぁと少しだけ思いましたが、こういうことはよくある事だし、棒ノ折の魅力がよく分かった登山になったので総合的に大満足です。
いつも登山の時は登った山の全体が映る写真を撮るのですが、そんなポイントがないかキョロキョロ探し回りながらの下山してます。
ここら辺は草原状になってるから見晴らし良さそうと思って振り返ってみる。
惜しい!角度が違う。棒ノ折山は見えません。
白谷沢ルートでは全然見えなかったし、意外と棒ノ折山がどんな形をした山なのか分かる人って少ないんじゃないのかな、と思えてきた。
あ、見えた!!
やっと見えました。後にも先にもこのポイントからだけ見えたので、まあこのルートで下山して正解だったのかも。個人的にこだわってるところなので、これで締めくくれた感じです。OK!
さあ、毎度の樹林帯。360度の杉林。
皆さんそうでしょうけど、原生林の樹林帯なら嫌いじゃないんですけどね。。とっとと下りてしまいましょう。
都心近郊の山に新緑の季節がやって来ました。
地域や標高によって異なる季節が巡り方を楽しめるのは登山ならではだと思う。
そんな真面目なコメントをしたためか、最後に墓地に出ました。
この手前の分岐で左に曲がっていれば墓地じゃなかったのかと、二択でハズレを引いた感じ。
でも結局同じ道に合流するので間違いじゃないんです。もう集落は目の前。
標識に従って歩いてしまうと河又バス停まで行ってしまうので、途中で引き返す様にこの坂を登り返してさわらびの湯に向かいます。
さわらびの湯からはバスが出てます。何年か前に伊豆ヶ岳に登った時は下山後にさわらびの湯までGoogleMAPを頼りに歩いてこのバスで帰りました。
振り返って
棒ノ折山は他人に薦めたくなる山でした。
冬以外ならどの季節に来ても楽しめると思いますが、どうせなら山頂の桜を目当てに登れたら良い旅になること間違いなしです。
登山の時は毎度スウィーツを用意してます。
だからデブるのですが、山頂でのご褒美は欠かせません。
スウィーツの種類にこだわりがある訳ではないのですが、安くてどこにでも売られてる物から、並ばないと買えない大福まで幅広くカバーしてます。
お酒は飲まない。言うほど温泉にこだわりもない。でも山頂でのスウィーツだけは欠かせません。
今日みたいな日は桜餅が定番なんでしょうが、ファミマの抹茶タルトを見たらどうしてもこれが食べたくなってしまいました。
くどい様ですが、だからデブる訳です。デブ上等!!糖質カマーン!!
のどかな棒ノ折山の山頂にわっと咲く桜。それまでが急登だったから苦労が報われました。
桜を眺めながら抹茶タルトを食べる時間は至福です。
糖尿病になりにくい家系に生まれてきて良かった。酒が飲めない体質で良かった。
そしてそして良い山に出会えて良かった。お後がよろしいようで。
ではでは