美ヶ原高原 広い空と360度の地平線 初夏に歩きたいアルプスと八ヶ岳の絶景ハイキング

美ヶ原高原 広い空と360度の地平線 初夏に歩きたいアルプスと八ヶ岳の絶景ハイキング

今回は「広い空」がテーマ。

手が届きそうなほど近い距離を漂う雲、カラっとして涼しい風、360度の地平線。5月末の美ヶ原高原(うつくしがはらこうげん)を歩いてきました。

 

美ヶ原高原は標高2,000m。北アルプス、八ヶ岳、浅間山の大パノラマが広がる日本百名山です。

5月から6月初旬の初夏が美ヶ原が最も美しい季節だと思うので今こそ高らかに言わせてもらうぜ!

美ヶ原へは絶対に初夏の青空を狙うんだ!と。

 

 

この時期なら山頂の台地で放牧された牛やポニーもいるしね。冬には会えないよ!

 

ちなみに、緊急事態宣言が解除されたけど、まだしばらくは本当に安全だと思える場所にしか行かないつもり。天気にも気を使いながら、しばらくはこういったハイキング程度の足慣らしを続けて、徐々に登山へとシフトしていこうかなと思ってる。賛否はいろいろあるだろうけど。。

この日は王ヶ頭ホテルや山本小屋はまだ営業自粛中だったけど、晴天に恵まれたし美ヶ原の道の駅は営業を再開してたからそこそこ観光客はいました。

午後になればツーリングやスポーツカーが更に増えて帰りは煽り運転食らったもんね(T T)

 

 

美ヶ原の最高峰は王ヶ頭(おうがとう)の2,034m、王ヶ鼻(おうがはな)は2,008m。

美ヶ原からは日本百名山の3分の1の山々を見ることができるって言うんだから、やっぱすげぇな、長野県。

いざっ

 

 

ルートとコースタイム

■2020年5月24日

ふるさと館前の駐車場 ⇒(15分)⇒ 美しの塔 アルプス展望コース ⇒(75分)⇒ 王ヶ頭 ⇒(20分)⇒ 王ヶ鼻 ⇒(20分)⇒ 王ヶ頭 ⇒(40分)⇒ 美しの塔 ⇒(30分)⇒ 牛伏山山頂 ⇒(10分)⇒ 駐車場

標準コースタイム:3時間30分

総距離 10.6キロ
単純標高差 90m
累積標高上り 280m

 

美しい旅 本編

いざ美ヶ原へ

美ヶ原高原のふるさと館前の駐車場です。

東京を朝出発し、のんびり移動。ほんで到着したらもう10時。

緊急事態宣言が解除され、美ヶ原の道の駅も営業が再開されたけど、王ヶ頭ホテルや山本小屋の営業再開はもう少し先になるみたいだからか車は少なめ。

 

こちらがふるさと館。解除直後だからまだ閉まってるけど、関係者は一刻も早く営業再開したいだろうね。

「いやぁ〜自粛中は楽で良かったぜー、もうテレワークできないなんて気が狂っちゃうよ」とか言っちゃうのは私の周りのお気楽サラリーマンぐらいでしょう。

私も解除宣言が発出され、また満員電車の通勤が始められるって考えただけで嬉ションですよ(T_T)

 

駐車場の前には牛伏山の登山口があります。

ここには美ヶ原をぐるっと歩いて戻って来た時に、まだ気力が残ってたら登ってみたいと思います。

 

山本小屋を開業し、美ヶ原の登山道を整備した山本俊一さんの銅像の前を通過。

美ヶ原の名を広め、国定公園にまでなった功績は大きいと、美ヶ原を語るには俊一翁抜きには語れないとまで言われてる功績者なんだそうです。

検索でたまたま表示されたページの丸写しです。

 

護神、ですかね?

これ読める人いるのかな。

 

一匹だけニジマスが泳いでるけど、動きがあれば一発で見つけられるのに静止画だとこうも分かりにくい。

山本小屋が営業再開されればここのニジマスも増えて賑やかな池になるんだろうか。。

 

ハイキング開始とポニーのお出迎え

雲の切れ間からちょっとだけ見えてるのは蓼科山。

んだよー、南八ヶ岳見えないのかよー、こんなに晴れてるのにー、ぶー。アキラ100%的な雲だ、あれは。あいつはアキラだ。見たいところに限って雲がかかってるなんて。くそ~アキラのそれは見たく無いけどこれは見たいぜ。

美ヶ原に到着するほんと直前まで、美ヶ原全体がガスに覆われてたからこれぐらい回復してくれただけラッキーなんだけどね、アキラ。

 

これから歩く方向はご覧の通り。

広い!空が広い!半分以上青い!

自分がかつてこれほどつまらない朝ドラはない!と思ったタイトルに似たことを口にしてしまった。

ちなみに空の広さを伝えたくて、今日は写真の構図を空中心にしてます。一見バランス悪いけどなかなか良い感じに撮れてる、うふっ。

 

駐車場から5分ほど歩けば山本小屋。

ここも6/5から営業再開するみたいたけど、宿泊も含めた全面再開って難しそうだよね。宿泊人数の制限とかそれなりに条件が付くんだろうか。

 

放牧地っていう雰囲気になってきた。

今回のルートは標高2,000m近いところまで車で上がってこれるから、登山しに来たという意識はゼロ。

周りは普段着の家族連れや恋人たち、ご老人ばかりだし。

 

たまにカメラの設定を変えながら楽しんでます。これはフイルムシミュレーションでベルビアで撮った1枚。その前まではプロビアとクラシッククロームで撮影してるんだけど、出来上がりが全然違ってほんと・・たのしい。。ふふっ。

ほんで、テレビ局のアンテナが林立するのが見えますが、あそこが美ヶ原最高峰の王ヶ頭。

最高峰って言うけど、ご覧の通り高原の中のポコンと突き出てるだけなので、あえてピークを踏みに行く必要なんてないと思います。

 

左を向けば遠くにまだ冠雪してる南アルプスが見える。

 

あんた達は日本で一番幸せなポニーだよと教えてあげたい。

 

 

なんという爽快な景色。地平線と同じ高さに漂う雲。雲の形がだんだん夏らしくなってきた。

 

 

王ヶ頭の左にはここのシンボル『美しの塔』が見えてきた。

美ヶ原と言えばやっぱりコレね。

ガスった時にケルン代わりになるし鐘を鳴らして音で方向を知らせることがてきる。

 

美しの塔からアルプス展望コースへ

美しの塔に着きました。

駐車場から普通に歩いたらここまで15分ぐらいかな。なんせ写真撮りまくりでコースタイムの倍以上かかってるから正しいタイムなんてさっぱり分からない。

 

尾崎喜八さんが書いた美ヶ原賛歌です。

きっと当時は若い連中から『キハッさん』と呼ばれてたことでしょう。勝手な想像ですが。

ちなみに私はこういうカタカナばかりの詩はさっぱり読む気にならないので次へ行きまひょ。

 

やっぱりこういうのは鳴らしとかないとね。塔の中に入ってロープを引っ張れば大きな音が鳴り響きます。

 

コースタイムが書かれた案内があったけど、やっぱり山本小屋からここまで15分だって。我ながら良い感覚だな。

ちなみに自分はここまで40分かかってる(笑)

 

遠くに放牧された牛が見える。もうちょっとこっちに近づいてきてくれないかなー。

そしたら言ってやるのに。あんた達は日本で一番幸せなホルスタインだよと。

 

 

関係車両が走れる様に広く平らな道がずっと続きます。

これだけ整備されてるから景色に見惚れててもコケる心配はないっていうね。

 

最初の分岐です。ここで右に行けば直接王ヶ頭へ向かうコース。左へ行けば王ヶ頭まではちょっと遠回りになるけどアルプス展望コースで絶景が楽しめる。

ホテルに泊まる予定の人なら右へ行けばよいだろうけど、日帰りハイキングなら絶対にアルプス展望コースを歩こう。

という訳で左へ。

 

 

一本道と青い空。

日本じゃないみたい。

 

トイレがあったので立ち寄っておこう。

 

 

男の表示もホルスタイン。

 

女の表示もホルスタイン。

美人です。

 

地図でアルプス展望コースを通って王ヶ頭に向かうルートを確認。

ちなみ「少年自然の家」からちゃんと美ヶ原まで山登りするルートももちろんあります。

単純標高差は600mほどでコースタイムは2時間ほどのコース。次、またやって来る時があればそっちから登ってみても良さそうだね。

 

アルプス展望コースらしく景色が開けてきた。

 

王ヶ頭とは逆方向だけどあっちまで行きたくなる稜線だけど、今は長引いた外出自粛で体力落ちてるからやめておく。

テレワーク中はずーっとお菓子食べながら仕事してたから体重も激増してすっかり運動する体ではなくなってしまったからね。そのままテレワーク続けてたら脂肪肝で死んでたかもしれない。

 

右の奥、少しどころか、だいぶ雲がかかってしまっているのが北アルプス。

アルプスが雲に隠れてても、これだけの景色が見れたんだからこっちのルートを歩いた方が断然お得です。

 

 

実は今回が初めての美ヶ原です。

美ヶ原って登山入門向けで紹介されてるし、山ってどんなところかな?と足慣らしで歩いてみる人が多いみたいだけどね、自分の場合はじじいになっても歩ける場所は後回しだ!と言ってたもんで。。

でも体力の尺度だけで今登るべき山かどうかを決めるべきではないなと痛感させられっぱなし。素晴らしい1日になるよ、こりゃ。

 

北アルプスはまだ雲の中だけど。。

う~ん、アキラの野郎~しつこい奴め。

 

これから向かう王ヶ頭方面の雲も恐ろしく増えてきてあたしゃチビリそうだよ。

雷でも落ちるんじゃないかっていう雰囲気。

 

 

でも見るところを変えればほら、半分以上青い。

 

 

王ヶ頭のテレビ局のアンテナの建ち方は・・引くよね。。

建てる時に景観を損なうという議論は散々されたと思うから、今更仕方ないんだろうけどね。今後テレビが電波ではなくネット回線に切り変わっていけばこういうアンテナって必要なくなるんだろうか。

素朴な疑問です。

 

さあ王ヶ鼻で絶景を前にお昼にするぜ

王ヶ頭は帰りに寄ることにしてまずは王ヶ鼻に向かうことにした。

鼻って言うぐらいだからよっぽど良い物見せてくれるんだよなぁ?ええ?

と鼻につく言い方をしてみるのも良し。

ともかく王ヶ鼻は美ヶ原高原の先端にあります。

 

 

滅多に走らないけど関係車両に気をつけましょう。

 

 

見えてきたよ。あそこが王ヶ鼻。

王ヶ頭から王ヶ鼻までは約1.3キロ。

 

ひ、ひーーー!!!

ま、まさかの半分以上白い!

緊急事態宣言や!

 

おえぇぇーー!

ガスによる完全なるロックダウン。

まさかの王ヶ鼻に着くなりの幕引きに涙が止まらない。

 

 

仕方ないのでご飯にします。その間にガスが晴れてくれるなんて事もこれまで何度かあったからね。

今日は海軍カレーヌードルと抹茶ラテ、デザートにコロネ。

(別にコロナにかけてコロネを選んだ訳ではない)

でもコロネ選んでちょっと失敗したな。こういうの好きじゃないわ。山崎ザクチョコとどっちにするか悩んだんだけど失敗したパティーン。

 

 

そんなコロネに騙されて。

サザンにそんな唄もあったな(ヒロシね)。

コロネあんま旨くないけど、この抹茶ラテ美味すぎね?ズボボボーと、ストローで飲み干す音を立て始める頃、気づけば目の前の景色が晴れていた。。

 

アルプスが見える!!

真正面に見えるのは乗鞍岳みたいです。後ろで見てたおっちゃんが山ガールにそう説明してるのを盗み聞きしたからね。

突然、山座同定を始めてうんちくを語りだすおっちゃんに、自分からは山ガールが少し迷惑そうに見えた。

ふっ。

 

 

景色が良くなって一斉にカメラで撮りだす人たちの図。

普段着の方々がたくさんいて、ほんと万民が楽しめる高原です。

 

おっちゃんはこの石仏についても山ガールに説明をしてた。ふぅ〜んとうなずきながら聞く山ガールは自分からは迷惑そうに見えた。

ふっ

 

 

あまりやらないけどパノラマ撮影に果敢にチャレンジしてみたら意外と簡単に撮れた。

 

 

ここが王ヶ鼻だと分かる物を1枚撮っておきましょう。

実はご飯を食べる前、ガスガスの中で1枚撮ったんだけどね、即刻削除して取り直したよ。リセマラってやつ?

 

燕が飛び交う王ヶ頭からは八ヶ岳の絶景

王ヶ頭に立ち寄ってから帰りまひょ。

年をとってから来ればいいやと思っていた自分ですが、重い腰を上げてとぼとぼ歩きだす自分はもうすでに老人だわ。

 

昔、大正大学の学生で遭難した方の慰霊碑がありました。

昔はこれだけの設備があるはずもなかっただろうからね。今はこんなに平和なのに。

 

王ヶ頭には存在感抜群のSBS放送のテレビアンテナが幅を利かせてました。

NHKやら他の放送局も負けじ競り合ってる感じ。

 

王ヶ頭ホテルには自分が生まれてこの方、最も多くの燕が飛び交う場所でした。

ひさしの下はツバメの巣が密集状態。

 

王ヶ頭ホテルからは八ヶ岳の好展望。やっとガスが晴れ、南八ヶ岳まで姿を見せてくれた。

 

 

晴れてるけど風は涼しく、空気はからっとしてて、こんな手軽に2,000mを歩けるんだからほんと素晴らしいところだよ。

たくさんの人がここら辺にあるベンチでくつろいでたから、本格的にシーズンインしたらほんと賑やかになるんだろうな。

 

ポニーと戯れ駐車場へ

王ヶ頭からはアルプス展望コースではなく美しの塔へまっすぐ向かいます。

が、行きも帰りもアルプス展望コースで良かったかも。。

 

まるでCGやアニメみたいに作り物の世界を歩いてる気分にしてくれる、全てがクリアな世界。

まあここまで気持ちの良いことばかり書き連ねてきましたが、実はもうヘバってきてるんだわ、こりが。

ここら辺でたぶん10キロぐらいはもう歩いてるんじゃないかな。

 

歩き始めは遠くの方で牧草を食んでいた牛たちも遊歩道のすぐ近くで骨休めしてる。

う~ん、俺も寝転びたいっ!

 

革ジャンにジーンズ、顔がキラーカーンな人も骨休み。いかつ過ぎてとても隣の空いてるベンチに近寄れねぇっす。

サングラスを外すと実は優しい人だというのがテッパンですが、ここはソーシャルディスタンスを取ることにします。

 

 

ねころび広場なんてのもちゃんとあったのね。

あっちこっちで寝転んでる人がいるのに、ここには誰もいないっていうね。。

 

君はなんて優しい目をしてるんだいと、ポニーの顔をたくさんなでた後、周囲に手洗い場が無いことに気付き少し後悔。

 

水芭蕉が咲いてました。

今シーズン初めての水芭蕉だな。。もう終わりだけど。ほんと、寂しいシーズンになっちまったな…。

 

さっ、駐車場までもう少し。

 

牛です。

なぜかあたしは駐車場の前に登山口がある牛伏山の入口に立っています。

まさかね、バテてるのに登るんですか?

 

これから登山解禁になるんだし、少し登る感覚を取り戻しとこうというわけで、最後の最後に疲れた体に鞭打って登る。今シーズン最初の修行じゃい。ひー。

コースタイム5分ほどの丘なんだけどね。。

 

牛伏山からは先程まで眺めていたアルプス方面の景色が広がってるから、王ヶ鼻まで歩かなくても駐車場から手軽に楽しめちゃうって訳ね。。

 

牛伏山の山頂でもパノラマ撮影炸裂じゃー

 

 ほら!これ見て!牛伏山2,016mってなってる!

wikiやヤマケイで調べても牛伏山の標高は1,990mなんだけどね、もうどっちが正しいのか分かりまへん。

 

道の駅にお立ち寄り

美ヶ原高原美術館と併設の道の駅にやって来ました。

道の駅は営業再開されてたからツーリング客がたくさん。車より高いバイクに乗った集団がドッドっドっと音を立ててました。

 

せっかく長野まで来たんだからと、鹿肉で作られた真田カルパスでも買ってみるか。

食べた後に、製造場所が山形県米沢市でご当地長野県と全く関係がない事に気付くなんてことはよくある話(T_T)

 

道の駅には美ヶ原の台地状の地形を生かした広大な広場があった。

ただ、ボール遊びなんかして柵の向こう側に落とすと何百メートルも下まで取りに行くことになるからそれなりにスリリングです。

 

 

振り返って

 

感動の絶景でした。

これまで後回しにしてきたことを後悔する、そんな旅となりました。コロナで自粛が続いたから何にでも感動する体になってしまったのかもしれませんが、なんにせよ5月下旬の美ヶ原はまさに美しいところてした。

ネットで美ヶ原を検索すると、夜の星空撮影やスノーシューハイクネタのなんて多いこと。。う~ん、それだけだとほんともったいない!(星空撮影はしてみたいけど…)

 

この物々しさが残念だけどね。。

 

やっとコロナの出口が見えてきましたが、間違いなく2波、3波は襲ってくるから、今のうちに安全な範囲で体は動かしておきたいね。

 

下部内視鏡を終えて、折角半日ご飯抜いたんだからこのまま断食してみようかなと、2日間断食を決行。断食後はしばらくお粥とか、汁物だけで耐えてたら1週間で3.5キロも痩せました。

もう少し頑張ってみるか!とその翌週もお粥で耐える日々を継続するも1週間でたった1キロしか落ちず、簡単に心が折れました。

 

ではでは

 


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