鳴神山 登山 もっとドヤを!激辛アカヤシオとカッコソウ

鳴神山 登山 もっとドヤを!激辛アカヤシオとカッコソウ

アカヤシオスプラッシュ!

こげん美しかアカヤシオば初めて見たっちゃねー!

群馬県桐生市にある鳴神山(なるかみやま)にやってきたよ。

まるで空からアカヤシオが降ってくる様な景色にとんこつ弁の雄叫びが響き渡る。この山はアカヤシオの群生としては随一だ。

しかもこの鳴神山、有名なのはアカヤシオだけではないのだ。

ちょうどタイミング良くカッコソウの開花情報が入ってきたもんだから、もう行くしかない!

急いで荷物をまとめ、取るものも取らず、羽織るものも羽織らず、裸一貫でやって来た!

ゴホンっ。裸は嘘です、何か着てました。出だしから失礼。

 

右奥が桐生市から見た鳴神山。

双耳峰で東峰は桐生岳、西峰は仁田山岳。桐生岳と言う名前からして桐生市のシンボリックな存在なんだろうね。

さて、カッコソウ。

もともと特別なオンリーワン〜♫

世界中で鳴神山にしか咲かない絶滅危惧種のカッコソウはリアルオンリーワン。

例年なら5月初旬に咲き始め中旬に見頃を迎える花なんたけど、今年はちょっと早くて、4月下旬にして既に数株咲き始めた。もしここの群生地で土砂崩れでもあったら絶滅しちゃうなんて、ほんと危うい存在だ。

 

これがカッコソウ。

春山の楽しみのアカヤシオとカッコソウを巡る旅。

 

ルートとコースタイム

■2021年4月18日 ※カッコ内は今回歩いたタイム

駒形登山口⇒(100分)⇒鳴神山山頂⇒(20分)⇒カッコソウ群生地⇒(70分)⇒駒形登山口

コースタイム:3時間10分(休憩含まず)

総距離 6.3キロ
累積標高差 690m

 

鳴神山登山 本編

駒形登山口から登山開始

アカヤシオが見頃な上に、カッコソウが咲いたというニュースがヤマレコやらYAMAPで駆け巡り、情報を聞きつけたせっかちな登山客で駐車場は満車。

林道にズラーっと縦列駐車が起こるすごい人気ぶりだ。

 

さすが鳴神山と言うだけあって、ミニ鳥居と神様で幕開け。ちなみに神様の表情はちょっとお怒り気味だ。

世間がテレワークを謳歌してるというのに、自分は毎日出勤を命じられ、年度末の残務や決算資料のまとめ、社長表彰の推薦状を書いたり会議資料に追われ、一人ブラック企業状態で俺の方が怒ってるぞ!と言いたい。

神様お願い、週一でいいからテレワークさせて。

 

ここが駒形登山口。

鳴神山は周回コースで歩けるんだけど、登りでは標識に従ってまっすぐ進み鳴神山の山頂を目指す。この反時計回りのコースの方が見どころがたくさん出てきておすすめ。

途中で石門と書かれたゴルジュを通過するポイントがあるから、登りのほうが安全だしね。

 

歩き始めは見事なまでに舗装された林道歩きでスタート。

前回の釜伏山の再現かと軽くたじろいだ。

 

野山にはヤマブキが咲く。

 

植生保護と新緑とゴルジュの森

舗装路からトレイルへと変わって安心したら早速、植生保護を目的にしたウィッグネットの登場だ。

テンナンショウ。なんざんしょう?

 

これがそれ。花は咲いてないのね、と思ったけど調べてみるとサトイモ科の植物なんだと。

 

新緑がまぶしい。今この時期から梅雨までが新緑を楽しめるシーズン。清冽な四季の巡りに引き込まれる。

 

書かれていることをサクッとまとめると、

鳴神山は地質的にも珍しく、標高1,000m弱にも関わらず高山植物などの貴重な植物が見られ、ジョニーが来たなら2時間待ったとうまく伝えて的な事が書かれてる。

最後のところはちょっと付け足したけど、そんな感じ。

 

沢沿いを登っていく。新緑と相まってなんとも清々しい。

 

この無意味なピースから分かると思うが、出だしからおかしなテンションだ。ナルカミーズカーニバル。

しかしほんとうに最近は忙しい。

コロナバブルで1年前の4月から猛烈な忙しさに突入し、いつ終わるのか出口が見えない状態の中で潰瘍性大腸炎を悪化させるという、散々だった2020年度。

その忙しさは収まる気配を見せず、3月になって大爆発。寝不足と腰痛とパソコンのやり過ぎによる指の腱鞘炎を発症させ、3月が終わってみれば雷様コントの高木ブー状態。丸焦げだ。

ちなみにストレスによって胴回りまでも高木ブー化が進んだ。

しかし4月になったら休めるかと言うとそうではない。自分の期待は見事に裏切られた。

いつものルーティン業務に加え、決算のまとめ業務に忙殺される日々が始まり休む暇は全くない。しかもここに来てコロナで置き去りにしてた仕事の納期がそろそろヤバいとあって更にマウント。

ブラックだ。。残業時間をまともにつけてたらハッキリ言って電通なんて生やさしい。まあ電通問題はパワハラもあったんだろうから毛色が違うけど。

とにかくそんな状態だが、やっぱ春山は楽しい。アカヤシオだけでも楽しめるのにカッコソウも咲いてるなんて期待が膨らむ。

そんな一時の楽しみだからこそ、舞い上がってしまう気持ちも致し方ないのだ。

説明が長いのはご愛嬌、許しておくり。

 

白滝橋を渡る。

こういう橋にいちいち名前が付いてるのは珍しい。レスキューを呼ぶ時には目印になるね。

 

秩父古生層のチャートでできた山だと最初に読んだ説明に書いてあった通り、ところどころ岩稜帯へと変貌していく。

苔がとても綺麗だとジョニィにそこんとこうまく伝えておくり。

 

石門って言うと妙義の石門を想像する人も多いと思う。

妙義のとはぜんぜん違うけど、やはりアカヤシオが咲く場所は岩稜むき出しの山肌と相場は決まっている。

 

石門はゴルジュ帯なのね。ここの通過でロープがでてきた。今日は軟派な登山だと思って油断してたらこんな棘を持ってたのね。

鳴神山は駒形登山口から周回コースで歩けるけど、濡れた岩場は上りの方が安全だから反時計回りで登って正解だった。

 

昭和60年度川北小6年生の卒業記念製作の「鳴神山登山道」の案内板。

できれば山頂まであと何分とか書いてくれるともっと良かったねー。と、子供に接する様な優しい口調でアドバイスしちゃうが、これを作った少年少女は既に50近い海千山千のおっさんおばはんさ。遠慮はいらないぜ!

 

レンゲショウマも咲くんだね。なかなか侮れないな鳴神山。

 

たった一輪だけのニリンソウがしっかりネットで保護されてた。世界一過保護に育ったニリンソウだ。

 

ヒトリシズカはネットの外で発見。まさに名の通り静かに咲いてて舞台から降ろされた女優みたいな扱いだ。

 

左右からバタバタと倒木がサスケ的。

 

これはもしや、ナルカミスミレか!と、とりあえず写真で撮って後で調べようと思ったけど違った。

毎度定番のタチツボスミレね。

ナルカミスミレは白っぽいスミレらしい。どうせならナルカミスミレも見てみたかった。

 

沢に点在する岩の上にてんこ盛りに積まれた枯葉。どうやったらあんな風になるんだろうとしばし思案。

沢の上に堆積して、雨が強い日に周りの枯れ葉を流して岩の上だけに残った、ということだろうと一人納得。

 

ひらひらと花びらが落ちてきたから見上げてみればほぼ散り終わった山桜。

4月中旬を少し過ぎて東京の桜が散ったこのタイミング、そろそろ棒ノ折の山頂で桜が満開を迎える頃だろうなと頭をよぎる。

山にワンテンポ遅れて春がやってきている。良い季節だ。

 

そして第2石門。

 

ゴルジュを通過。この先に緑のウィッグネットが見える。あんなのがたくさん点在する。

いい加減、ウィッグネットじゃねーよ!とツッコミが欲しいところだ。

 

新緑シャワーの気持ち良いトレイルが続く。コンパクトにおさまった山域に新緑、ゴルジュ、そして花々が五月雨式に登場するから飽きることはない。

さあ、もうすぐそこにアカヤシオが待っている。100点満点じゃないか。

 

コガネネコノメソウ。防護ネットの外だからって油断してたらいかんね。足元をよーく見たらたくさん咲いてたよ。小さいから踏んでしまいそうだ。

 

顔を上げれば防護ネットだらけやん。もはやピンクリボンは不要だ。

 

いよいよアカヤシオとトテモカライ

さっ、この井戸が稜線にでた目印。

よーく見ると飲料に適しませんって書かれてるから要注意だ。

 

そしてここから山頂にかけてアカヤシオフェスタ開催。

3月に福寿草を見に奥多摩の秘密の花園に登ってきたけど、福寿草ってまだ冬の気配が強いから春の訪れと言うには感覚的にだいぶ早い。

やっぱ桜の開花とアカヤシオへとバトンが渡って初めて春山の到来を感じる。

 

なるかみ小舎なる避難小屋もあって突然の雨でも安心。しかしトイレの無い避難小屋の周囲には登山客の野グソが落ちてる事があるから気をつけろ!

この山で避難小屋での宿泊を計画する人はまあいないだろうけど。

 

この鳥居をくぐって神の領域へ。さあ山頂で仙豆食うぜ。

 

神様はまさかの岸部一徳似。

 

一徳のお次は畳み掛ける様にアカヤシオが猛威を奮う。

言い方がコロナ的になってしまうのは申し訳ない。許しておくり。しっかし、ワクチンまだかいなー。早く打たないと小屋泊できないよ。

 

アカヤシオの向こうに広がる桐生の町並み。爽快だ。

 

山頂直下はアカヤシオのトンネル。

なんか初めてだな。

青空とアカヤシオを一緒に見るのは。何度もアカヤシオを見に来てるのに青空を背景に見たの初めてかも。

自分のことをずっと晴れ男だと思ってたのは勘違いだったのか。思い返せばずっと勘違いしてきた様な気がする。いろんなことを。ショックでかいやん。

 

単純標高差はわずか552mほど。簡単だけどもう山頂に着いちゃったよ。

 

男体山が見える。

まだ雪が積もってるのね。

 

反対側には男体山と同じく独立峰の浅間山。浅間山にも雪が積もってる。地熱ですぐ解けてしまうイメージだけど、前日の雨があっちでは雪だったのかも。

もうすぐゴールデンウィークを迎えるけど、アルプスでは突然の吹雪で凍死しちゃう人もいる難しい時期に突入する。

コロナはまだまだ収まらないし、今年は山での事故が起こらないことを祈るよ。ただでさえ登山客は白い目で見られがちだから、限界ぎりぎりのスレスレのヒリヒリする登山はやめた方がいいかもね。

なんでこんなにワクチンは遅いんだか。父親の誕生日にファイザー社のワクチンおくれー!

 

そして桐生市〜高崎市方面。近くにいた登山客があれが高崎市市役所だべーって言ってたからきっと高崎方面なんだろう。

 

山頂の奥社。

鳴神山は双耳峰になってて桐生岳の方に奥社がある。

 

奥社にはこんなちっこいオオカミの狛犬が鎮座する。オオカミの狛犬って奥武蔵のイメージだったけど群馬にもいるんだね。軽く頭をなでたら昼ごはんだ。

 

「トテモカライ」と書かれたこのQTTAを一口食べてはせっかくご褒美に持ってきた「飲む杏仁豆腐」をバキューム飲みするというのを3回ほど繰り返し、あっという間に飲む杏仁豆腐は底をついた。楽しみにしてたのに。。

しかしまだ終わらない。まだ大量に残るこのとんでもなく辛いQTTAを食べ終わるまで苦行は続く。残り汁を山に捨てるわけにはいかないのだ。

ぐえぇー!とヒキガエルのような雄叫びを上げ、猛烈な汗を流しながらコーラをがぶ飲みする見苦しい中年オヤジ。ほんと、ほんと、清々しいアカヤシオを見に来た他の登山客に申し訳ない。

周りはドン引きだ。

更にこの3時間後、下山後で助かったが猛烈な腹下しが襲ってきてトイレの中で激しく後悔することになる。

「ああ、飲む杏仁豆腐だけにしとけば良かった、ごめんなさいごめんなさい」と、鳴神山の神様に対して岸部一徳呼ばわりしたことも合わせて深く謝罪した。

激辛系ラーメンは登山には向かないことを知った。

 

なんとか食べ終わったけど激辛によって血の気が引いて軽くフラフラするし胃も痛い。視界も火花が散ったみたいにパチパチする。辛いのに強いわけではないのに無理して食うんじゃなかった。

やっぱ俺のベストは資さんうどんだな…。肉うどんに思いを馳せ、軽く涙した。

鳴神山のもう一方のピーク、仁田山岳を覆うアカヤシオが涙で霞んでまともに見えない。

あ、辛いスープが付いた手で目を拭いただけね。

 

陰影が変われば印象も変わる。少し日が陰ったところではひときわ濃いピンクに様変わりだ。

仕事後にやつれた姿へと変貌する自分とそっくりな変化だ。

 

今更だが案内図があったので見てみる。鳴神山の登山道の全体図を見てみると大滝登山口からならカッコソウの保護地を2箇所巡ることができたのか。

そんな欲張ってる訳じゃないからいいけどね。1箇所巡れたら十分さ。

 

この標識通りカッコソウ北保護地のある椚田峠へ。

良く見たら標識に「花期5月中旬」と書かれてる。

山頂で「いつも来てっけど今年はほんと早ぇもんなー」「ガッハッハ、ほんと毎週来てるもんなー」と地元感を存分にアピールするおじさん達が言ってた通り、今年は例年よりたいぶ早いんだなー。

花の開花時期に合わせるのはほんと難しい。

 

仁田山岳は桐生岳以上にアカヤシオの群生地だ。

このピンク、やっぱり激辛QTTAの色とはぜんぜん違う。

絵の具で書いた様な淡い色に癒やされたお陰で、QTTAによって貧血ぽかった体調もたいぶ復活してきた。

うーん、いつもの調子で山頂でご飯食べちゃったけどこっちでご飯食べれば良かった。

 

形はツツジというより桜っぽくてコニカを連想させる。

おしべが長いところにツツジらしさがでてるけど。

 

こげん美しかアカヤシオば初めて見たっちゃねー!

と驚嘆してしまうアカヤシオの強烈な右ストレート。

空からアカヤシオが降り注ぐ。なんだ光景は。

食べても食べても減らないアカヤシオの牧のうどん状態。

 

日差しを浴びたアカヤシオのなんと美しいことか!

いつものように幕があき〜♫恋の唄歌う私に〜♫

拍手喝采だ。

ちなみにここでカメラのフィルムシミュレーションの設定をベルビアからアシスタへ変更したのが鼻血級に良かった!この色はなかなか出せないと、別に自分の腕ではないが自画自賛。

 

これほどのアカヤシオの群生は初めて!と、毎度どこかにアカヤシオを見に行く度に思うんだけど、ほんとここ鳴神山には度肝を抜かれた。

ずば抜けて鮮やか。ピンクの色彩が湧き立つ。まさにアカヤシオ劇場といったところだ。

 

仁田山岳の山頂にも鳥居はあったんだね。さすが神様だらけだ。

 

反対側の山々の景色。なんという山かなんて何一つ分からないけど、これがザ・里山って風景でいいんだよ。

 

仁田山岳から椚田峠への稜線は鮮やかなアカヤシオ街道が続く。冴えざえとしていながら刺激的でもある。

 

しかし稜線を下っている時の足場は岩場だから上ばかり見てらんない。何度も立ち止まりながらコースタイム以上の時間をかけて歩いてやる所存でごわす。

 

アカヤシオのトンネルの中を立ち止まりまくり。渋滞は起こしてないよ。登山客少なめでのんびりできたな。

果たして来年もこの景色を見ることができるだろうか。もう緊急事態宣言による自粛なんてまっぴらごめんだ。飲み屋街をうろつく飛沫マシンガンだけ取り締まれと言いたい。

 

山頂から離れるとアカヤシオの影も少なくなってきた。

そろそろ群生地の終わりが近づいてきた。

 

これが見納めね。今シーズンもアカパラ満喫したぜ。

アカヤシオパラダイス、略してアカパラ。

何の変哲もない里山を別世界にしてくれた。

 

椚田峠からカッコソウ群生地へ

いや、なんの変哲もないと言うのは間違い。

この山には世界中でここにしか咲かない花があるんだった。

という訳で椚田峠に到着。読み方はくぬぎだとうげで合ってると思う。

ここにもミニ鳥居。さすが鳴神。

 

カッコソウ保護地までここから3分。

案内標識に「花期5月上旬」って書いてある。さっきは5月中旬って書いてあったけどまあいい。今は4月下旬なのだから。花の開花時期は水物だ。

 

お地蔵さん風ですな。

 

しっかり檻の中で守られたカッコソウ群生地に到着。

なんか最近読んだ本で、懲役期間が長かった受刑者ほど、腕時計をすると手錠を思い起こさせて付けれない人が多いって書いてあったな。

自分はじゃらじゃらするのが嫌で腕時計はなるべく装着したくないだけなんだけど、そんな風に見られるなら付けた方がいいのか?と迷わせてしまうような嫌な本に出会ったと後悔した。

なんの話だこれ。

 

あれだ!咲いてる咲いてる。周回路のすぐ側にある株は蕾ばかりで、ズームでかろうじて咲いてる株が見つかる程度。しかし、紛れもなくカッコソウだ。

 

まだ9割がツボミ。まあ4月下旬だからこんなもんか。

 

杉の枯れ葉の絨毯の上にぽつぽつ咲いてる。

先程まで空から降ってくる様に咲いていたアカヤシオとは全然違う。

 

なんだこの物足りなさは。

動物園に行って物陰から尻尾だけかろうじて出てるヒョウを見てる気分だ。

はっきり言ってつまらないぞ。

 

もしアカパラの前にカッコソウを見てたなら印象も違ってたのかもしれない。

ドヤ顔満載の織田裕二のSUITSを見た後に中村倫也を見たらそりゃ物足りない。もっとドヤを。憎たらしいほどのドヤを!

今のカッコソウに足りないのはゴリラだ。

 

ふむふむ、確かに咲いてる。でもそれだけ。ユージオダには程遠い。

さて、もういいや。

次は最盛期に来てみたい。カッコソウは悪くない。勇み足した自分がいけなかったのだ。

懸命に保護活動をされている方々に申し訳ない。次はちゃんと開花時期とスケジュールを調整して再訪しますね。

 

怒涛のゲッザーン開始

さあ、いつもの様にゲッザーンの始まりだ。

今日は低山だしコースタイムも短い。いつも以上のぐだくだが許される。盛大にだらだら行くぜ。

 

石門を通らない下山コースは終始とても整備されたあくびコースでぐだぐだするにはもってこいだ。

しかし、残念ながらそこは保護ネットで囲まれた花も無く、さらには眺望もないという見事なまでの見応えゼロコース。とても優しいけど自分が欲しいのはこういうんじゃないんだ。

必然と下りのペースは上がった。

 

ちょろちょろと、ここから川の始まり。

下山中立ち止まったのは唯一ここだけ。ガンガン駆け下りる。

ガンガンだ。

ギヤを一気に6速へ。

そこらでのんびり歩くご年配や少年少女をぶち抜く。

 

特に見せ場は無いまま、クルマでも無理すれば走れそうな林道に突入。

今日の登山は既に終わったも同然だ。

 

ゲッザーンの見どころその2。クルマでも通れるぐらいの悪路だと放置自動車もでてくる。町が近い山にありがちだ。今更どうにもできない。

 

光速ゲッザーンで駐車場に戻ってきた。

最初公言していたぐたぐだが嘘みたいだ。

何かに追われてたのだろうか。

ええ、仕事にね。

(泣)

 

振り返って

アカヤシオと青空ってこんなに合うもんなんだなぁーと、のんきに感心してて気付いた。

 

ハッ!

 

これまでアカヤシオを見に来て晴れたことなかったかも!

 

自分がアカヤシオを見に来た日は決まってクラウディ。今にも大粒の雨が降りだしそうな悪天の下、ひえー!やべぇよ!と慌てて下山した記憶はかりだ。実際濡れたこともあったな。。

 

まあいい。自称だが晴れ男で通してるのだ。今更変えられない。

 

アカヤシオを求めていろんな山々を歩いてきたけど、鳴神山はその中でもトップクラス。青空とアカヤシオの美しさが金銭欲と物欲にまみれたあちきの心をピンクに染めてくれた。

 

こないだ石井スポーツでトレッキングポールを見てたら、あのポール界で名を馳せる国産メーカーSINANOから北斗の拳コラボモデルなるものが売られてるではないか!

しかも全然売れてないらしく、SINANOであるまじき70%オフ!

そもそも定価が高いからそれでも高いのだが。それでも目を疑った。

北斗の拳を全巻所有する男として心が動かぬはずが無い。やべぇ、ここが秋葉なら胸張って買えるけど、いかんせん神保町の石井スポーツだとちと恥ずかしい。

天を衝くラオウが描かれたポールで地を衝くなんて最高じゃない?

グリップは子供サイズだろうが関係ない。うーん、欲しい。

手にとって見る。やはり屈強な店員さんだらけの石井スポーツではなかなかこれを買うのは恥ずかしい。

これは、帰ってからネット通販で買おう。うんそうしよう。

そう言って石井スポーツを静かに出た。

そして石井スポーツのネット通販を見てみる。

無い!無いじゃないか!北斗の拳モデルがないじゃないか!

 

わが人生に一片の悔いあり。

ではでは

 


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