フィーバー!フィーバー!
ジャスティン・フィーバー!!(確変!)
井原山でコバノミツバツツジがリアルガチで満開ビーバー!との知らせが飛び込んだ。
やべーこりゃ行かにゃ!と、2盗を狙う周東を超える速さで荷物をまとめてやって来た。
井原山のお薦めの時期は、5月初旬のコバノミツバツツジ、それと7月末から8月初旬のオオキツネノカミソリが咲く頃。
九州の山で特集があればどちらも必ずランクインする絶景ザ・ワールドが広がってるよ!
オオキツネノカミソリは以前紹介してるのでそちらを参考にしておくり ⇒こちら
山頂直下で現れたコバノミツバツツジの群生。9回裏、森唯斗の登場と同じタイミングで一気にテンションアップ!
コバノミツバツツジは、その名の通りミツバツツジより葉っぱが小さく「小葉の三つ葉ツツジ」の意味。
ツツジは園芸の世界では品種改良されまくってるけど、こういう自生種は未来永劫大事にしていきたい。
井原山はそんな貴重な植生が見られるだけでなく、登山口から始まる原生林、山頂からの眺望、そして福岡市からのアクセスの良さ、その全てが素晴らしい。
山頂からは糸島方面の眺望がサイコー!(ギータ)
井原山は標高982m、九州百名山。
散歩気分で歩いてきたよ。
ルートとコースタイム
■2021年5月3日 ※カッコ内は標準コースタイム
キトク橋登山口⇒(60分)⇒アンノ滝⇒(75分)⇒山頂⇒(60分)⇒アンノ滝⇒(50分)⇒キトク橋登山口
コースタイム:4時間5分(休憩含まず)
総距離 7.3キロ
累積標高差 806m
コバノミツバツツジの井原山 本編
キトク橋登山口から登山開始
まいどまいどのキトク橋駐車場。
さすがにコバノミツバツツジの時期とあって駐車場は満車。駐車場の前の道路も瑞梅寺ダムの方まで軽く50台以上が縦列路駐する事態。さすが井原山、侮るなかれ。
軽自動車の自分はスルっと近くに停められたけどね。
この後も続々とタクシーや車がやって来て、水無登山口の方に行ってたけど、水無登山口は離合ができない細い林道が続くからなるべくなら行きたくない。
と言うわけで、まいどまいどのキトク橋からのダルメキ谷コースで井原山登山開始だ。
では参ろうぞ。
まずは舗装路でスタート。すっかり新緑シーズン開幕といったところだ。
完璧な天気。春が来て日本海側でも晴天率が上がってきたことを実感。
しかしこの2日後、天気予報で「曇のち黄砂」という初耳ワードが飛びでるほどの猛烈な霞みが福岡県を強襲。
黄砂だけでなく、PMにしたって中国の影響を色濃く受けるのは位置的に仕方ないけど、黄砂と一緒に有害物質も飛んできてるだろうから、それが心配になった。
向こうに言わせたら汚染水を海にぶちまく日本に言われたないわ!って感じかもだけど。
新緑と沢と滝のダルメキ谷
早速、最初の渡渉ゾーンに差し掛かる。
山頂まで渡渉は2箇所。ピストンだと計4回通過することになるけど、こんなの慣れてるぜぃ!と下山中に余裕かましてカメラいじりながら渡ってたら片脚ドボンした。
井原山のメインコースは今歩いてるダルメキ谷コースと水無コースだけど、どちらも沢沿いに登っていく清廉さを感じることのできるコースでお薦めだよ。
濃い原生林の緑の中を突き進む。
井原山は登り始めからとにかく原生林の森が最高に気持ちが良い。
昔の自分は、九州の低山は杉林ばかりだし暗くてつまらん!とアホなことを思ってたけど、それを覆してくれた山が井原山なのだ。
ザッツ木漏れ日。
うんと高い所から光が降り注ぐ。
アンノ滝が見えてきた。
今日は立ち寄らないけどね。
アンノ滝以外にもこんな小さな滝がちょいちょい登場してくる。
ここら辺から本格的な登りが始まるよ。
沢を遡上するここ、この辺りが慣れてないとどこに進んでいいかちょっと分かりにくいかもしれない。
上流の方をよく見ればピンクリボンを確認することができるからじっくり辺りを見渡そう。
沢では岩の上を歩くため踏み跡は残らないし、豪雨などで簡単に姿を変えてしまうから迷いやすいポイントだ。
山頂方面と水無登山口への分岐点。
コバノミツバツツジの群生地は山頂にあるから、このまま真っ直ぐ山頂へススム君だ。
ちなみに、夏のオオキツネノカミソリは水無ルートに群生地があるから、ここで水無登山口方面へ行くと良いよ。ちょっとアップダウンあるけど。
水無登山口から登山開始すれば楽なんだけど、自分はやはりあの狭く離合がやっかいな林道を走る気になれない。
どこを取っても絵になる。死ぬほど美しいぜぃ。
立ち止まって近くで鳥が鳴いてるのを探したり、風が吹いたタイミングで屁をこいたり。
ラショウモンカズラ。
コミヤマスミレ。
ツツジ以外にも足元を見れば春らしさがたくさんだ。
井原山は実に素朴な感じがいい。
やる事は他にたくさんあるのに、わざわざ山の中や川の源流域に入って開発しまくる日本において、しかも市街地から近い低山でこれだけ原生林が残る素朴な山ってなかなかない。
糸島市民は、標高933mの山でこれだけ楽しめる山がうちらにはあるんだぜ?と自慢すべきだ。
山頂まで1.2キロ。
既に大汗かいちゃいるけど足はまだまだ元気だ。
ゴロゴロとした岩が出てきたらここら辺が1番の急登。
低山だと思ってなめて登山口からペース上げると必ずここでバテるからじっくり進むことを意識する。
ここを越えれば尾根に出るから、急いでる人は尾根に出てから走ればいいよ。
もうしばらくの我慢だ。
ここまで来ちゃえばあとは余裕。
そして一気に明るい!登り始めは沢沿いの谷でちょっと暗かったけど、尾根に出たことで清冽な新緑を享受できる。
緑の惑星。
森林を欲するのは本能なのだよ。無意識のうちに待ち望んでいるんだよ。
一度尾根に出てしまえばなだらかな登りになるから、もう散歩気分で緑のトンネルを楽しむ。
新緑ロック。
ONE OK ROCK風に言ってみた。
そして、
来るぞ来るぞ。ここから突然景色の変化が訪れるよ。
覚悟しいや!(岩下志麻)
ちゅどーーーん!!!
花粉をむさぼるミツバチ。
山頂の一歩手前で一気にボルテージアップだ!
山頂からは糸島の海の絶景
ふぅ~、意表を衝いたウエルカムコバノミツバツツジについ興奮してしまったが、とりあえず山頂は目のマエダマエダ。
最後のここがちょいと狭くてね、混雑したら離合が大変なポイントだ。
今は空いてるから小気味よく登っていく。くどい様だが汗でびちょ男だが足の疲れなんて全く感じない。
山頂はめちゃくちゃ賑わってる!
井原山が1番賑わう時期かもしれない。真夏のキツネノカミソリの方が有名だと思うけど、登山適期は春と秋だからね。
山頂から三瀬峠方面。素晴らしすぎる絶景。
奥に見える山は金山〜脊振山。
脊振山地を全山縦走するわんぱくな人がいるけど、あちきにはとてもじゃないけど無理だなぁ。
そしてこっちは天山とか、佐賀県方面。
井原山は福岡県と佐賀県の県境にあって、福岡県糸島市の最高峰の山。
そして福岡県糸島方面。
山から眺める海が好きな自分にとって、ここは特等席だ。
ちなみに世間一般的に、糸島出身者はチャラいと言われている。
事実かどうかは知らないが、糸島は通称「チャラ島」と呼ばれてるらしい。チャラいって嫌いじゃない!!
今回は男の36回払いで手に入れた16mmの単焦点レンズを持ち込んできたからちょっと分かりにくいけど、福岡市早良区方面の景色。
ソフトバンクホークスの聖地、ペイペイドームがある所。
しかし2020年度のソフトバンクの決算報告にはしこたま驚いたな。。資金繰りがもはや投資ファンドだ。
ちなみに孫さんは「まず登る山を決める」というのがビジネス戦略を立てる上で重要だと力説されている。どの山に登るかで登山計画を綿密に練って装備を準備する。ビジネスもそれと一緒だと。
佐賀県出身の孫さんには是非とも井原山をお勧めしたい。古場岳登山口なら手ぶらでも登れるよ。
コバノミツバツツジ群生地へ
さて、ツツジの群生地エリアを少し歩いてみようじゃあ〜りませんかー。
山頂からほんの少しだけ三瀬峠方面へ行ってみよう。
チョレーーーイ!!
ちょー鮮やかすぎーーー!!!
お次はメレンゲふわふわ風に(*´з`)
お次は、ちょっとだけふわふわ風に。
つい興奮して何枚も写真に収めていったけど、今冷静になって見てみるとはっきり言ってどれも似た写真ばかり。悲しいかな。
ちょっと角度を変えたり、ふわふわ風にアレンジしてみたところで、結局そもそもカメラの技術がないためどれも「結局ただのツツジでしょ?」という写真ばかりを量産。
仕方ない!技術の低さは文章でカバーするっ!
と奮起してみたが、いつも勢いだけで書く筆チキンだし、「!」びっくりマークの多用で誤魔化してばかりだし、高血圧だし、とてもカバーなんてできない!(高血圧は関係ない)
まあ、書き続けていればいくらか筆チキンも少しはマシになると思って今後も書き続けるさ。
もっとカメラの撮り方を学ぶ必要があるなーとも思う。
背脂マシマシツツジもりもり街道を抜け、ここら辺が1番群生してるってポイントで立ち止まる。
長い冬から覚醒したツツジの鮮烈な光景だ。
ツツジの中に潜り込んで見上げてみればツツジと直射日光ビーム!
ビームとか言ってる時点で筆力なんざ1ミリも無いのだが、そんなことあちき気にしない。
これだけ満開で天気も良ければ言葉なんて不要なのさ。
佐賀県の古場岳登山口側から次から次へと登山客が登ってくる。古場岳登山口側からだと井原山まで標高差約350m、距離は2.3キロほどで登れるへそ茶コース(へそで茶を沸かせちゃうぐらいの楽勝コース)。そんな訳で必然的に登山客たって多くなるのだ。
脊振山地で2番目に高い山でありながら、老若男女に優しい山。
春らしくまだ少しひんやりした風がサーっと吹き抜けると、もう夏を感じさせる強い日差しを和らげてくれる。
この時期の井原山は居心地がよい。
真夏に登ったときは全身の毛穴から体臭を放つ公害チキン野郎に成り下がったが今日は違う。
体臭を気にする必要はない。胸を張って再びあの人で賑わう山頂に戻ろうではないか。
ゲッザーンの前に、最後に極彩色の風景をもう1枚。少し名残惜しいぐらいがちょうど良いもんだ。
焼きあごとゲッザーン
ゲゲゲのゲッザーン!と思いきや、やはり山頂直下の狭いポイントで渋滞発生。
譲り過ぎても後ろに迷惑がかかるから、隙さえあれば少しでも前へ進む。
そしてカメラをいじりながら沢を渡渉したら右足をくるぶしが浸かるまで深くドボンした。
しっかりオチをつけることを忘れないあたり、我ながら律儀だ。
小腹が空いたから焼きあご。
焼きあごサイコー。
シダの葉っぱが開く前はこんな風にゼンマイみたいにクルクルしてる。ピロピロ笛みたいなもんだ。
登山口が近づいてくると、最後にこの時期のど定番シャガが至る所に咲いてた。個人的にはあまり好きな花ではないけどこれも風物詩。
ほい、キトク橋に無事帰還。今日はピストンだったし、冬靴でなければ体力的には楽勝。筋肉疲労は皆無だ。
やっぱ春は荷物が軽くてサイコー!と、中年オヤジが一人でルンルンスキップ。
しかしこの直後、雷山でオオヤマレンゲの開花情報を知り、縦走すれば良かったと激しく後悔した。
瑞梅寺ダムから眺める井原山〜雷山の稜線。
瑞梅寺ダムは福岡のダムの中ではミニミニサイズ。
梅雨がやってくるとミニサイズのダムなんてあっという間に貯まっちゃうのに対し、大きな江川ダムの貯水率は一向に上がらなかったり、その推移は見ててなかなか面白い。
今年の梅雨はしっかり降りそうだ。
ちなみに江川ダムでさえ全国で見てみればミニミニサイズだから驚きだよ。
瑞梅寺ダムから井原交差点へと向かう道沿いにあるこの場所は、6月初旬になると蛍の観賞で賑わうところ。なんだかんだで自分もカメラ持って毎年来てるよ。
もうそんな季節だな。
振り返って
春の天気は当日まで読めない。特に福岡の4月〜5月はPMや黄砂の影響もあるし、目の前が玄界灘だから朝方は湿気が溜まりやすく山は霞むことが多い。
自宅の庭から脊振山地を眺めてると、午前よりも気温が上がる午後の方が大気がカラッとしてクリアになることが多い。でも午後から登ったら下山が遅くなってリスクが高まるからね、難しい。
この日も朝起きて山を眺め、今日は完璧だ!と思ってやって来た次第さ。こんな日、なかなか無いからね。
全国の街の垣根で咲くツツジの多くは、江戸時代に薩摩藩が持ち込んだキリシマツツジ。
キリシマツツジはヤマツツジとミヤマキリシマの配合種で、よくよく見てみるとミヤマキリシマの様に小ぶりで密集して咲くし、ヤマツツジの様に鮮やかな朱色にも特長がでてる。薩摩藩が持ち込み、江戸の染井の植木市から全国に広まったそうだ。
キリシマツツジ以外には琉球ツツジや久留米ツツジなんかも人気の品種らしい。
そんなことを軽く知っておくと、ただの散歩でもこの時期はまあまあ面白い。
ではでは