今回はたっぷり雪が積もった瑞牆山(みずがきやま)に登ってきました。
日本百名山、標高は2,230mです。
山全体が花崗岩でできているため、登っていると桃太郎岩や大ヤスリ岩などの奇岩怪石が目をひく見所の多い山です。
そんな実に特徴的な山なので、以前から自分は金峰山より瑞牆山の方に魅力を感じてました。
当初、この時期の定番の四阿山や平標山あたりで雪山登山を企画してましたが、日本列島を猛烈な寒波が襲いました。
今シーズン最強と呼ばれるその寒波の影響で北関東、東北は軒並み荒れ模様となり断念。
くそ~どこか晴れるところはないのかー?
天気予報に振り回されながら登れそうな山をてんきとくらすで探してると、
おお太平洋側、特に山梨は天気が安定してるよ!
今なら雪山になった瑞牆を楽しめるんじゃない?
ってなわけで即決で瑞牆山に決めました。
瑞垣山と聞いて、雪山登山を思い浮かべる人はなかなか少ないと思います。
かくいう自分も、瑞牆山と言えば季節は夏か秋。そして富士見平で一泊して、金峰山とセットで登るというのが定石だと思ってました。
実際、この時期に登ってみると、奥秩父の主脈なだけに雪はそこそこ積もってていい感じだし、標高差は700mちょっとしかないから疲れすぎず、正月明けのたるんだ体にはちょうど良かったです(^^)/
ルートも鮮明。途中にある富士見平小屋が通年営業してるってのも安心材料です。
初日の出を見に貫山には登ったけど・・、本格的な登山は赤岳以来の約1ヶ月ぶり。
ここいらで体をきちんと動かしとかないとなってわけで静かな山歩きを楽しんできました。
いざっ
絶賛、ダイエット中~♪
■アクセス方法
・瑞牆山荘の住所:山梨県北杜市須玉町小尾8861
・瑞牆山荘へのアクセスは、こちら
■ルート
■全行程スケジュール
2017年1月14日
8:50 瑞牆山荘前県営無料駐車場 ⇒ 9:00 登山開始 ⇒ 9:45 富士見平小屋 ⇒ 11:55 山頂 ⇒ 12:15 下山開始 ⇒ 13:30 富士見平小屋 ⇒ 13:55 駐車場
おはようございます。
道の駅南きよさとです。今回の旅はここからスタート。
瑞牆山荘のトイレは冬季使用禁止のため、瑞牆山に近いここ道の駅南きよさとで車中泊しました。
気温が何度まで下がったのか分かりませんが、寒くて寒くて何度も目が覚めたので、とても自分には冬のテント泊は無理だと思い知りました。
寒さのあまりシュラフから出ることができず、道の駅を出発するのが遅くなってしまいました。
スタートが遅れたのは全て自分のせいです、すみませんです。
瑞垣山荘前の県営無料駐車場に着いたのは既に8時半頃。
天気予報で大寒波が来ると盛んに言うもんだから誰もいないんじゃないかと思ってましたが、車は10台ほど停まってました。
登山口が瑞垣山荘前にあるみたいなので、一旦車で登ってきた道を戻ります。
周囲は真っ白な雪景色。標高を上げていけば更に雪深くなるだろうと思うと楽しみです。
煙突から煙が出てたので営業してるみたいです。瑞牆山荘です。
ここの向かい側に登山口があります。最初見つけられずに迷いました。
うし!そいじゃ登り始めますか!!
ここから1時間ほどで富士見平小屋、山頂へはそこから約2時間の行程です。
雪山登山の中ではかなりお手軽に楽しめる方だけど、正月に登った貫山こそお遊びの山だったから、今回はリハビリにはちょうど良いです。
ガチの雪山ブーツが重い。。これに慣れないと来週以降予定してる山行が大変になるからトレーニングだと思って頑張ります。
ちなみに富士見平まではノーアイゼンです。
ここら辺は雪の上に枯葉が落ちてて登りやすいし、アイスバーンもないのでアイゼンは不要です。
里宮神社とな!?
よく山頂に奥宮があるので、登頂ついでに初詣も済ませてしまおう!って考えがよぎりました。
山頂になかったんですけどね。。なんでだ。
100がイカす。
水場の標識が出てきたら富士見平まではもう少し。ここまで来ると傾斜はずいぶん緩やかになります。
瑞牆山と金峰山の分岐です。瑞牆山はここから1時間50分。
雪が積もってるからコースタイムより少し時間はかかるかな。
富士見平です。
道の駅の車中泊でさえ寒くてしんどかったのに、よくもまあテント泊なんてしますよ。。
富士見平小屋です。
ここでアイゼンを装着。チェーンと12本爪で悩みましたが、ここは急登がでてくることを考慮して12本爪をチョイス。
重たい装備を自分に課して1ヶ月怠けてた体に喝を入れるってのも悪くないなと・・この時は思ったのです。。大失敗だったけどね。
さっ、いくぜ!
下にはさっきの水場があるからここで小便するなと書いてありました。
たまにする人がいるのかと思うと軽く気分が悪くなります。オエ〜
ボルダリングをする人にとって有名な小川山への標識がでてきました。
以前知り合いが富士見平でテント泊して金峰、瑞牆には登らずに小川山にだけ登ってきたと聞いたときは何考えてんのか分かりませんでしたな。
先程までと打って変わって岩が露出したトレイルが続き12本爪を選択したことを激しく後悔しながら
やっと天鳥川に着きました。最初ここが川だとは全く気付きませんでした。
足元を見たらガチガチに凍ってたらから、ここが沢だと気付いたんです。
ここのベンチで12本爪からチェーンにスイッチ。素手でアイゼンの刃に触れると皮膚がくっつくぐらい冷たい。
ぱっかーん。
桃太郎岩です。
沢を遡上していきます。
正月太りの成果で、チェーンの小さな爪がしっかり氷に刺さって気持ち良いです。
沢沿いのコースを抜けると木漏れ日が気持ちよい。
アイゼンを交換してるときは日陰で極寒だったけど、日向に出た途端に暖かくて雪上ハイキングみたいです。
ルンルル~ンとのん気に階段を登っていくと、
突然、丸太が倒れてくるのでありました~。
はい、お約束~。
ふにゃー!!俺が支えてる間に先に行けー!
いつまでやってんでしょうね。
平和です。
山頂でもこれぐらい青空になってくれたらいいんだけどなぁ~
物凄い速さで雲が流れていきます。樹林帯を抜けると風は相当強そうです。
なかなか面白い景色を眺めながら登れるので飽きません。
登りで出会った登山者は1人だけ。下山中に5~6人とすれ違ったけど、登りはとても静かな山歩きです。
頭上高くそびえる瑞牆山名物、大ヤスリ岩。
こんな大きな岩がごろごろしている山ですが見た目と違って登山の難易度は高くないです。雪崩の心配もないし、とてもお薦めの山です。
奥秩父らしい深い原生林と岩のコラボ。
樹林帯が強風から守ってくれるので助かります。
増富中学校・・・調べてみるとだいぶ前に須玉中学校に統合され廃校になってるというショッキングな事実。
さて、分岐です。
ここから山頂までは10分。ちょっと鎖場も出てきます。
ハシゴは短めなのでご心配なく。
樹林帯の木々が薄くなってきた。
このトンネルを抜けると山頂です。
この瞬間、わずかに青空が見えました。
大ヤスリ岩のところでは天気よかったのに、一瞬で曇ってしまう難しさ。
登頂です!
最強寒波が襲来してる中、ガスってないだけ恵まれたと思わなきゃですね。
瑞牆山の特徴的な景色に圧倒されます。
岩の黒さと真っ白な雪。モノクロな世界が実に素晴らしい。
こちらは金峰山、甲武信ヶ岳方面。何度か五丈岩が姿を現してくれたけど、残念ながら写真ではおさめることはできませんでした。
こっちは本来なら右に八ヶ岳、前方に南アルプスと茅ヶ岳が広がってるはず。
眺望はありませんでしたが、足元の岩の世界は迫力あってこれだけでも満足できました。
新しい山頂標識に代わられ、森の茂みに追いやられた古い標識。
扱いがあんまりだぜ。。
この標識と同じように自分たちも樹林帯で風を避けながら青空になるのをブルブル震えながら待ちます。
寒さにひたすら耐えて待った甲斐があって、最後にほんの少しだけ青空が見せてくれました。
ぐっ・・、しゃあない。拙者これで満足いたそう。
体がガチガチに凍ったのでさっさと下山します。
下山し始めると強烈な日が差すという皮肉な結果。
ぐっ・・。
まったく最近は倒木に襲われる機会が多くて参りますよ。
正月太りしてるんでね、前かがみになるだけで億劫です。ここをハイハイで通過。
シャクナゲの森。一斉に咲く頃は人が多いんだろうな。
すぐ隣の甲武信ヶ岳のシャクナゲも凄かったけど・・・あの徳ちゃん新道は本当にしんどかった思い出しかない。。
ひやー、気持ち良い。下山を始めてからというものの、どんどん天気がよくなる。
なんでだ!!
後日、下山中にすれ違った人がアップしたであろうヤマレコを見つけました。
「山頂で最高の晴れを迎えました~しあわせ~!」
的な記事に舌打ち100連発ですよ。
「ええーい畜生!」と妬む自分に修行の足りなさを感じます。。
天鳥川を過ぎると富士見平小屋まで登り返します。
頭の中が下山モードに切り替わってからの登り返しほど辛いものはないですよね。
小屋に着きました。なんと清々しい空!!
荒れ狂う風と動きが読めない雲に翻弄されましたが、この穏やかな景色にすっかり癒されてしまいました。
あぁ~、ほんっと東京に戻りたくない。。
さっきよりテントが増えてます。
一晩中どうやったら山の寒さに耐えられるのだろうか?・・ほんとすごいと思う。
楽しいならやってみてもいいけど、自分には苦痛だけだろうなぁ。
下山しようとすると、さすらいのダイエッターの前に誘惑が立ちはだかる。
山の中だってのに・・誘惑だらけです。
でも負けないぞ!!
10mぐらい離れたところに3mぐらいの枝が強風で折れて落ちてきました。
マジで怖かったです(T_T)
静かな静かな山歩きもそろそろ終わり。
駐車場が近づいてきました。
来た時よりも車が増えてました。テントや小屋泊の人たちの車だと思います。
「さっ、ほうとう食って帰ろう!!」
寒さが増した頃のほうとうの味わい深さ。考えただけでたまらんわい!!
いつもより急いで駐車場を出ました。
ほうとう、食べられませんでした。。
帰り道にほうとう屋なんてたくさんあるよ、と勝手に思い込んでましたが見通しが甘かった次第です。
ちーん。
まっ、ダイエット中だしね~♬
帰り道、長野県内の国道141号線沿いにあるスーパーでおやきとお菓子、おっ切り込みうどんを買いました~
六方焼が薄皮であんこぎっしりでめっちゃ美味かった!
ダイエット中?
OK。
振り返って
寒波が来たことによってたまたま選んだ瑞牆山が当たりでした。
前日から吹き続ける強風に流された雲が、たまに雪を降らせたり晴れ間を見せたりとめくるめく天候を変え、自分たちが山頂に着いた頃は運悪く曇り空が巡ってきました。
まったくついてない。
そんな思いもありましたが、山頂から眼下に眺めるにょきにょき伸びるおびただしい巨岩群には感動。
突き刺すような寒風に耐えながら、白い雪と岩の黒い世界は見てて飽きません。
原生林は一本一本が空の青さを隠さない絶妙な距離で間隔をあけ、それでいて風を防ぐぐらいの隙間を埋めて寄り添っています。
そんな原生林の森が彼方まで続いています。
この森の木々を眺めていると立ち止まってのんびり森林浴をしたくなる欲求にかられてきます。
冬の山は怖いと思うと同時に癒しの存在でもあるのだから不思議なものです。
まだへなちょこ登山部の自分には大自然との付き合い方ってこんな感じがちょうど良いのかもしれません。
下山を終え、帰り道で全貌を見せた瑞牆山。
この山だけ明らかに違う。自然が作ったこの山の不思議な生い立ちを見る思いです。
なぜ百名山に選ばれたのか、はっきりとその理由が分かります。
ではでは