甲斐駒ヶ岳 登山(黒戸尾根) 日本屈指の急登へ 試練と充実の日帰り弾丸登山(2016.7.3)

甲斐駒ヶ岳 登山(黒戸尾根) 日本屈指の急登へ 試練と充実の日帰り弾丸登山(2016.7.3)

IMG_4525_R アイキャッチ

 

 

くろーと ♪ ろーとっ♬ ろぉ~と~♩ (^^♪

くろーっと ♬ ろーと ♪ ろぉーーとぉ~~ ♬

くろぉ~~~っと ♬ せーーやーーくぅ~~~~(コブシ)

 

 

 

ロート

 

 

さて、歴史ある黒戸尾根(くろとおね)から甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)に登ってきました。

日本三大急登の中でも最難関として知られる黒戸尾根は、2,967mの山頂に向かって標高差2,200mを一途に登る、なかなか痺れるルートです。

深Qが「甲斐駒ヶ岳は名峰である。日本の10名山を選ぶならこの山は落とさないだろう」と言ったのも黒戸尾根から登る甲斐駒ヶ岳のことを指すんだからすげぇ良いルートに違いないよっ!

と鼻息フガフガ鳴らしてアタックしてきまたよん。

ハードな登高の果てに、日本アルプスを代表する白いピラミッドが目の前に現れた時の達成感は想像しただけでブルっちまうぜ。

その厳しさゆえに多くの人が北沢峠からのルートを選択して、めっきり人が減ったと聞いてましたが。。。いやいや、根強いファンがいるらしく、多くの登山者とすれ違いましたよ。

特にトレランする人には人気のコースの様です。長い長い登りと次から次へと出てくる梯子と鎖場はバリエーション豊かで面白い。

今回は途中から雨に降られ、滑りやすくなった岩場には骨が折れたけどね。。

なので、まず最初にこんな登山に付き合ってくれた今回のメンバーに感謝を伝えたくです。ありがとうございマッスル。

 

念願だった黒戸尾根へ、いざっ。

 

アクセス方法

・尾白川渓谷駐車場から甲斐駒ヶ岳登山口まで徒歩10分。こちら

 

 

■ルート

yamap

 

■全行程スケジュール 2016年7月3日

4:40 尾白渓谷駐車場 ⇒ 4:47 駒ヶ岳神社 ⇒ 6:25 横手・白須分岐 ⇒ 8:07 刀利天狗 ⇒ 9:30 七丈小屋 ⇒ 11:34 山頂 ⇒ 13:10 刃渡り ⇒ 17:06 吊り橋 ⇒ 17:09 駒ヶ岳神社

 

 

 

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あざーっす。

4:30の尾白川渓谷駐車場です。4:30から登れたら良いなと考えてたので、時間丁度の到着に幸先の良さを感じます。

この時点で駐車場は半分ぐらいうまってました。

ここに着く少し前から空が白みがかり、来るものを寄せ付けない巨大な黒い壁のような南アルプスの峰々が見えました。

 

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駐車場から5分ほど歩くと竹宇駒ヶ岳神社です。必勝祈願して挑みましょう!

それにしても、何枚も写真撮りましたが明かりが足りないため手ブレがひどく、使い物になる絵がぜんぜん撮れなかったのはショックです。

 

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甲斐駒ヶ岳登山口にある名物お化けのモニュメントもブレブレで、家に帰って写真チェックした時はがっかりでしたよ。。

 

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南アルプスらしく、延々と樹林帯が続くことをあえて楽しむ心構えで臨むこと!

じゃないと気持ち的に登頂は難しいです。

さあ、スタートぉ!

 

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前日の夕方に1時間仮眠しただけなので、睡眠不足で出だしから足元がフラフラ。

当たり前ですが、睡眠の大事さを痛感する。

 

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ふぅー。登ってる間は眠くないけど、立ち止まると欠伸がまとまらんわい。

 

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最近覚えた超能力で木をひねってみました。

くいっとね。

 

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きのこ軍に占領された木。

 

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標高1000mぐらいでガスに包まれました。

なかなか神秘的でこういうのは嫌いじゃありません。

 

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山頂まで7時間の標識。ここまで九十九折の登り坂をひたすら登ってきました。

で、この7時間って、オイオイ。

山頂に立てるのだろうか、今はまだ想像できません。

 

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鬱蒼と生い茂る南アルプスらしい樹林帯をほぼコースタイム通りに登る。順調、快調。

とにかく最初からとばしたらバテると強く意識してゆっくり歩く。

 

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山岳信仰が盛んな山なだけに、祠や石碑、お地蔵さんが道中いたる所にでてきます。

 

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なんか誰かに似てんだよなぁ~、とか考えながらえっちらおっちらと。

 

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白い山肌の日向山が眼下に見えました。ここでやっと1,700mを超えたぐらい。

標高差1,000mは登ったから普通の登山ならここでおしまいなんだけど、まだ半分以上残ってるなんて、もう疲れたとかじゃなく怖くなってきます。

 

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登りの後に平坦な道が続く。

その繰り返し。

標高差も凄いですが総距離約18キロも歩くから横移動も結構あると思って下さい。

 

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視界が開け鳳凰三山と富士山が姿を表す。湧き立つ雲。曇りのち晴れ、気温は30度を超えて猛暑日になる予報なんだけど、、怪しいぞ。

 

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さあ、ここが有名な刃渡です。特徴的なトレイルというだけで、特別技術が必要というわけではないのでご安心ください。

気が抜けないのはこの先、5合目以降のはしごと鎖場です。

 

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階段がでてきた。

ももがやられたー。

 

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鎖場も。

腕がやられたー。

 

 

鳥天

 

大分名物の鳥天です。

唐揚げではなく、天ぷらにしてるだけなんですけどね、これがふわっふわでめちゃ美味いんです。お酢で食べるのがお薦めです。

ん?なんの話かってか?

 

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刀利天狗に着きました。

というわけだす。ん?何か文句でも?

 

8:07。遅すぎず早すぎず、なかなか良いペースです。

 

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5合目の屏風小屋跡のすぐ向かい側にある祠。

ちょっとやりすぎでしょ( ゚Д゚)

すし詰め状態の石碑、石仏群。

 

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ここから垂直の梯子がえげつない。

ただ難易度は高くないので慌てず行きましょう。

 

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下を見るとなかなかの高度感。

ここまで登っても登っても標高が上がらなかったから一気に稼げるのがありがたい。

七丈小屋まではこの尾根でもっとも険しいと言われる区間です。

 

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ここも名所になってる木の桟橋。

押すなよ、押すなよ、は前フリじゃありません、

ふざけて横から落ちたら死ぬと思います。

 

 

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ここからは鋸岳が見えます。二百名山です。

険しい上級者コースが続く山らしいです。たぶん一生行かないと思う。

 

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何度、梯子を踏み越えただろうか。

途中からポツポツと雨が落ちてきました。午後から晴れ、今日は猛暑日という予報は何だったんだ。

濡れて滑りやすいので注意して進みます。

 

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やっと、やっと七丈小屋に着きました。長かったです。

噂通り、愛想のないご主人でした。シャイなんでしょうかね。。

 

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6月の中旬ぐらいから水は出てるみたいです。

たくさん水持ってきたので給水は不要です。

 

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小屋の裏にある梯子を登って山頂を目指します。

 

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思ってたより広いテン場でした。

ここの上にも更にテン場があったので30張は可能なんじゃないでしょうか。

 

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ご主人が育ててると思われる芋があちらこちらにありました。

 

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登山口から登り始めてわずか2時間ぐらいのところで、19時に東京駅で用事があると言って、引き返そうか悩んでた人がいました。やっぱり行けるとこまで行きます、と言ってたけど、あの人結局山頂まで行けたのかなぁ?

なんて話をしてたら、その人が撤退して下りてきました。

「上は風も雨も強いから引き返してきました、結構強いですよ」、との事。

ふむぅ、なんてこった。

 

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19時に東京駅で何があるんだろうか?

気になるところですが、ここまで来て引き返すなんてもったいない!

白いシャクナゲです。

 

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こちらはウラジロヨウラクです。さわってみるとふわふわしてて気持ち良い~。

 

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”大日大聖不動明王”と書かれた巨大な石碑のあるここが、八合目の御来迎場です(ごらいげいば)。

以前はここに黒戸尾根名物の巨大な鳥居があったそうですが、残念ながら倒壊してしまったそうです。

 

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ステップのある鎖場。

雨が強くなったり弱くなったり。滑って怖いのなんのって、下山のことを考えると不安です。

それに完全な晴れ予報だったからウインドブレーカーしか持ってきてないし、山頂で長居はできないな・・・と不安が襲ってきたのもここらへんから。

 

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あまり高山植物が見られませんでしたが、その中でもツガザクラの群生は目をひきました。

 

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ここ、下山の時は滑るだろうなぁ・・。

一人だったら不安に押しつぶされて引き返してたかもしれません。

 

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あっ!見えた!!

うっすらガスの中に浮かぶ有名な二本の鉄剣。ここまで来れば山頂までは秒読みです。

 

 

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南アルプスの長い長い樹林帯を超え、本来なら目の前に大迫力な山頂が俯瞰できるはずなのに。

くやしい・・・とりあえず今日はピークを踏んでくるだけの登山になるけど、次回へのリベンジを静かに誓う。。。

 

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前回、北沢峠から登った時に黒戸尾根がどんな感じか見ておきたかったので、ここ駒ヶ岳神社まで来たことがあります。

なので、山頂はもうすぐそこだってことが分かります。

 

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北沢峠ルートとの合流地点です。懐かしい。

 

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雨で少し茶色い山肌。雨じゃなかったら真っ白な山頂のビーチを歩けたのに、ぐやじい!

 

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さあいよいよクライマックス。山頂の祠が見えた!

 

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標高差2,200m。登りかえすところもあったから累計で2,300m、とうとう登頂できました!

唯一無二の尾根への挑戦は睡眠不足でフラフラ、立ち止まると風速20mの風と雨でぶるっと身が震える結末。

濡れたウインドブレーカーが肌にへばりつき、体感温度は0℃に近かったかな。

寒さがこたえたけど、次こそは晴れを狙ってまた登りにきてやる!っていう気持ちが強かったかな。

 

さあ、低体温で倒れない内に下山します。

行き交う人たちともたくさん喋りながら登ったから楽しく登れました。

 

 

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テン場まで下りてくるともうそこは別世界。晴れた下界と白く輝く日向山。

ここでお昼ご飯にしました。

ウインドブレーカーはすでにパリパリに乾き、今頃になって底深い感動と達成感のさざなみが襲ってくるのを感じました。

チョコパン食べながら。

 

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鳳凰三山も良い眺め。オベリスクが見えるの分かりますか?

あれも早く登ってみたいなぁ。

帰ったら青木鉱泉からのルートを調べてみよっと。

 

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下山はとにかく長かったです。よくこんな尾根登ったなぁと何度思ったことか。

登りはたくさん喋ったけど、、下山はね、そりゃもう疲れてましたから黙々と歩く場面も増えますよ。下界が近づいてきたら一気に会話が増えましたけどね(笑)。

橋が見えた時はテンション上がったわ。

 

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今日も安全登山、ありがとうございました。

 

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こ・・・皇太子さま?なにされてるんですか?

いろんなところ登ってるのは知ってますが、まさかこの尾根を登ってるなんて本気で驚きました。

健脚なんですね。

 

振り返って

 

山に登っていれば、黒戸尾根の存在を知る機会があると思います。

月日が経つにしたがって、日に日に登ってみたいという気持ちは大きくなっていきました。

そして誇張なく、この挑戦への気持ちの盛り上がりと、経験の積み重ねと、7月初旬の日が長いタイミングが整い、

今ならきっと出来る! という確信がありました。

 

山ばかり登ってる日々ですが、ただ山に登ってるだけでは黒戸尾根に寄せる関心は消えません。

ありきたりな言い方ですが、どれだけたくさんの山に登るかより、どんな山に登るかで、その旅を満悦できるかが決まるんだなぁと、改めて思います。

 

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しかし、それにしたってガスガス過ぎでした。

睡眠さえきちんと取れば、そんなに苦労せずに登れることが実感できたし、完全な晴れを狙ってまた来たいと思います。必ず。

ただ、その前に早月尾根からの剣岳、谷川岳馬蹄形、表銀座と裏銀座縦走をやってみたい。

考えただけでわくわくしてくるけど、誘ったらだれか来てくれるかなぁ。

誰か付き合ってくれ~

ではでは


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