雲竜渓谷の氷瀑 低気圧にジャストミート! 糖度50のきゃぴきゃぴ登山

雲竜渓谷の氷瀑 低気圧にジャストミート! 糖度50のきゃぴきゃぴ登山

最近、天気に恵まれないどぼぼーん登山が続いている。そして今回も。なんの報いだ、これ。

ああ、太陽が恋しいでゴザル。

晴れてさえいれば、山頂からの眺めや森の美しさ、きらきら光る清流だけで軽く尺が足りちゃうのに、曇ってしまうと世界一くだらない親父ギャグのオンパレード、珠玉のクソネタで繋ぐ名実ともにクソブログになってしまう訳さ。

そんな訳で今回も雨と雪で安定のびちょ男になった旅をお送りする訳だけど、既に今から次回が良い山行になることを祈ってばかりだよ。

 

さて、今年も懲りずに雲竜渓谷で氷瀑を見てきたよ。

これで何度目の雲竜渓谷だろう。もういい加減飽きたなーと思ってたけど、実際にやって来ると「やっぱすげっ!」と言葉を失う絶景に圧倒された!

 

氷のカーテンに閉じ込められた冬の渓谷、これぞ日光の名物ですやんねー。

で、今回は物好きなんで東武日光駅を起点に完歩してきたよ。総距離は20キロ。たくさん歩くからソールの柔らかい3シーズン用のブーツをチョイスして氷瀑ハイキング。

前回は庵滝の氷瀑を見てきたし、いったいどんだけ氷瀑好きやねんって感じだけど、この週末はどこもかしこも天気が悪くてね。。

……

だってガスガスだったら山頂からの景色を楽しめないでしょうがー!

子供が食ってる途中でしょうがー!

(黒板五郎ね。知らない人は「北の国から84’夏」見るべし!)

だったらさ、ガスってもそれなりに楽しめる氷瀑ツアーだよな~と。結局毎年同じ理由でやって来ちまったんだぁ〜じゅん〜ほたるぅ〜

 

もう雲竜渓谷については何度も何度も書いてるから、今回は端折りながら、簡単に書いちゃいます。

いざっ!

 

ルートとコースタイム

■2021年1月23日

東武日光駅⇒(20分)⇒神橋⇒(105分)⇒ゲート⇒(70分)⇒洞門岩⇒(50分)⇒雲竜瀑⇒(45分)⇒洞門岩⇒(60分)⇒ゲート⇒(85分)⇒神橋⇒(20分)⇒東武日光駅

合計コータイム:7時間35分

総距離 20.4km
累積標高上り 1,192m

雲竜渓谷登山 本編

東武日光駅から寄り道ピクニック

毎度の東武日光駅でゴザル。

家を出て最寄りの駅に着いてから大事な大事なマスクを忘れ、やべぇ!と急いで取りに帰ったものの当然電車には余裕で乗り遅れた。

え〜っとドクロベェ様、次の日光行きの電車は何時だべぇ〜…。なんと1時間後だべぇ〜。うそでしょ!

特急ならすぐあったんだけど、帰りに特急使うつもりだし行きは鈍行にこだわるぜ!で、その結果が1時間後!鼻血!

くぅー仕方ねぇ、また家に戻ってモーニングコーヒーでも飲むぜ!とアホな失敗をしたくせにハードボイルド風にキメてママチャリこいで家(宿舎)に戻った。日の出前の暗闇の中、家と最寄り駅を2往復するという幸先の悪さ。

まっ、それでも9時には日光に到着できたんだから、日光はやっぱ近いよ。

 

そして日光に着くと早速サプライズ。

おいおい、見てみな!

さっそく駅前の噴水がウエルカム氷瀑でお出迎えだぜ!

 

しばらく登山と関係ない話を続けるけど、こちらが駅前のさかえやさん。

一切盛らずに本音を言えば、ここの揚げ湯葉まんじゅうを食べたいから日光に来てる様なもんなんだよね。この味が無かったらきっと奥武蔵とか丹沢とか、違う山域に行ってたはず。

それぐらい個人的には魅惑の味。

今から下山後の揚げ湯葉饅頭が楽しみだよっ!

 

前から気になってたけど、日光ってカステラ屋さんが多いんだよね。

ちなみに会社の同僚で、文明堂の本店が東京だと思ってたと言う不届き者がいたから秒殺で切り捨て御免しといた。

更に他の者が、東京と長崎の文明堂ってさぁ、そもそも違う会社なんじゃね?と血迷った事を言いだしたから、逆サソリキメてギブさせた。

長州!長州!長州!

社内で沸き起こる長州コール。

ここから始まる俺のマイクパフォーマンス。

カステラはれっきとした長崎銘菓だシャーこらぁ!!文明堂の本店は長崎だぞシャーこらぁ!東京で有名になったのは創業者の弟が東京で宣伝して広めたんじゃこらぁー加藤!3年べー組ぃー!シャーこらぁー!

さらにちなみに、九州のお店の方が東京の支店で出してる物より味は甘く、ザラメが多かったりする。その味の違いにこだわって長崎の物でないとカステラやない!って言う人もいるみたいね。

一度並べて食べ比べをしたいところだけど、最近血中コレステロールの数値がやばくてお菓子は控えてるのさ。

断念…。

 

ついカステラの話題で鼻息を荒くし、鼻水をぶっ放してしまったが、とにもかくにも腹が減ったのでファミマへゴーゴー。

イートインスペースでパンとホットココアを優雅にいただく。

電車に乗り遅れといて、こんなにのんびりしていられるのは、何度も来て勝手知ったる雲竜渓谷だからさ。

余裕過ぎてへそで茶が沸かせるとはこのこと。のんびり行くぜ。

 

あんまりのんびりしていると眠くなってきた。

はっ!俺は歩きに来たんだったと思い出し「仕方ねぇそろそろ行くか」と慌ててコンビニを出た。

そして出発した途端、グッドタイミングで雨が降り始めるという哀戦士、巡り合い曇り宇宙編の幕開けだ。

「早く出発しときゃ良かったぜ」と毎度の涙目スタート。

きっと雨は駅前だけで、滝尾神社辺りからは雪になってんだろうな。

電車に乗り遅れてなきゃ今頃ゲート前に着いてるぐらいなのに。マスク忘れが悔やまれまくり。

 

金谷ベーカリーの前を通過する度、寄るかどうか迷うけど、結局1度も食べたことが無い。

今日こそ食べるか?とふと思ったが、これ以上遅れてずぶ濡れになったらマジでリタイアするかもしれない。

ここは我慢じゃ。

 

おぉ、これが日光のおいしい水か!

うん?なんか違う。有名なのは日光ではない。六甲だ!六甲のおいしい水だ!

日光め、計りおったな!

 

そしていつもの神橋を通り過ぎ、とにかく滝尾神社方面へ。

ここまで登山と関係のない事をたくさん書きすぎてちょっと疲れてきた。

ここから核心部に入っていくけど、端折っていくぜ。

 

「東照宮東参道入口ホテル清晃苑前」のバス停までは、世界遺産めぐりバスでやって来ることができる。

だけど駅からここまで大した距離ではないから(たぶん1.5キロぐらい)、自分をわんぱくだと思ってる人は歩いてしまった方が良いかな。

 

滝尾神社の駐車場。

寒波が何度かやって来たけど、平野部は積もらなかったのね。このコンディションなら車で来た人達はゲート前まで行けるはず。

 

ひたすらつまらない林道を歩き続け、魂が抜けかけた頃やっとゲートに到着。

瀧尾神社からここまで林道沿いに駐車してた車はほぼ無かったけど、やはりゲート前にはわんさか停まってた。

こっちはここまでで既にひと山登り終えたぐらいバテバテ。

 

川沿いコースでやっと登山開始

疲れたから遠回りの林道コースではなく川沿いコースで行く。

車から降りてきたおじさんが林道コースを指さして「あっちじゃないの?」と言ってきたけど、食い気味に「ここまででくたくたになっとんじゃワレぇ!」と言い放ち(実際にはこの100倍丁寧に会話を交わし)、青い矢印の方へ。

2015年頃までは地図がなくて道に迷う人がいたけど、今はYAMAPにばっちり記載されてるし、だいぶ分かりやすくなったもんね。

 

この橋を渡る。

この通行止めの看板は車両に関するものなので遠慮せずにまたいで進むでありんす。

ふぅ、それにしてもなんだこの疲労感は。最近は甘いものを控えてるからこんなすぐ疲れるのか?

明日はたくさん寝溜めカンタービレしよっとと、ブツブツ独り言を言いながら歩いてて、ふと自分をガチでやばいおっさんだと思った。

 

橋の上から眺める女峰山は完全にガスの中。

もし登山だったら史上最悪のどぼぼーん登山になってただろうに。氷瀑ツアーにして正解だったな。

 

川沿いの林道を進む。一部崩落してたりイノシシの糞が転がってるから、林道だからって油断するでないぞ。

 

国内最大級の砂防堰堤を右から巻く。

砂防工事の発注を繰り返し、こんな巨大建造物を山の中に幾つも作って自然を亡きものにした挙げ句、人の手が入らないと自然は保てないんだぞ!と論理のすり替えをしてきた先人たち。盗っ人猛々しいとはこのこと。そして未だにその流れを止められずにいる我々世代。

雲竜渓谷へと続く稲荷川沿いには砂防工事によって毎年風景を変える痛々しい状況を目の当たりにするんだけど、毎年ほんと残念に思う。

 

砂防堰堤を越え、そこに見えてきたのは工事中の立て看板。こんな物、去年は無かったぞ。

足尾の渡良瀬川上流も砂防工事が盛んに行われてたし、栃木県の源流域で手つかずの自然ってどこかあるんだろうか?しらみつぶしに自然がぶち壊されてないか?

 

階段を登って林道コースと合流すると、ドラえもん十八番のもしも操作室。

勝手に開けて操作したら、いかついリアルジャイアン達に取り囲まれてボコされること間違いないでしょう。

 

上流に向けて進んで行くと、ここも1年前から様変わりしてしまった堰のお出ましだ。おかげでここの渡渉に難儀したぜ。

ちなみにこの先は以前まで工事関係車両が通れる様に整地されてたんだけど、川の流れが変わったらしく、ぐちゃぐちゃに崩れてた。

人が作ったものなんざ簡単に壊れるんだな。正しい自然との共存って自然の形に人が合わせるしかないと思う。

 

この土砂崩れの跡を登っていく。ここは2019年シーズンに崩落してしまったところなんだけど、ぱっと見リボンも無いし正規ルートではないとパスしてしまいそうになるけど、ここがれっきとした正規ルートなのよ。

見た目より踏み固められてて歩きやすいからご安心を。

そしてここら辺から少しずつ雪が増えてきたんだけど、まだノーアイゼンで行けそうだから洞門岩まではノーアイゼンで行っちゃうよ。

 

ここは周りに登山客がいないと分かりにくいポイントだからペイントでルートを書いてみた。

リボンが付いてるから頑張って探せばルートは見つかると思う。

 

いよいよ洞門岩から始まるきゃぴきゃぴな氷瀑

見晴台に到着。ここから雲竜渓谷の入口、友不知(ともしらず)が見えるんだけど、今日はガスがメガ盛りマックスでまったく見えなかった。

 

だったら見えるところまで行って確かめなきゃな!

待ってやがれー!とススム君。

意気込みはよろしいが見た目と体力はおっさんどストライクのススム君が行く。

 

ギタァーー!

ガスの中から現れた絶景!

友不知(ともしらず)に到着でゴザル。一人ぼっちの登山客にぴったりな名前だぜ、友しらず。

毎年、お値段以上の氷のカーテンで楽しませてくれるのがここだ。

 

うーん、さすが。何度も来て飽きたなんて言ってた自分が恥ずかしくなるぐらい惚れ惚れと見てしまう美しさだ。

 

どれだけ氷が硬いかって?

分かってるようで分かってない。実際に触ってみて改めて実感する不純物のない氷の硬さ。

 

氷の神殿で男女8人ぐらいが、きゃぴきゃぴ写真撮りあってはしゃぐ姿がおっさんには眩しすぎて失明した。

ここは帰りにゆっくり撮影すればいいやと言い残し、目をやられてクラクラしながらさっさと先へススム君。

そして、この急登を登れば、どーんと目の前に現れるのが、

 

これだ!うそーーーん!!

ガスガスやん!!

そんなまさか、氷瀑ならガスってたってばっちり楽しめると思ってやって来たのにー!

なんでだー!

と、とにかくこれが雲竜渓谷最大の見せ場の巨大氷瀑じゃい!

 

しゃあない。ここは昼飯の陣じゃ。

ここまでで既に10キロ歩いて1,100m近く登っとんのよ。ちょー腹減った。

帰りも10キロ歩いて帰ると思うとゲンナリングだけど、甘いチョコタルトとホットコーヒーが至福過ぎてそんな事忘れた。

 

しかしなぜだ?

なぜ君たちはこの広い雲竜渓谷でわざわざあちきの隣に陣を敷くんだい?ええ?

何が起こったかって?

さっきのきゃぴきゃぴパーティがガスの中から現れたときにちょっと嫌な予感したんだよね。

案の定、イキッた男子が「うえーい、どうだ!これが雪山だぜ!!」と言い放ち、俺のすぐ近くにザックを下ろした。

や、やめてくれぇ〜。

それを皮切りにみんなきゃぴきゃぴ腰を下ろし始め「すごいねー!キャハハハー、ほんと来て良かったー」と各々興奮を口にしながらランチタイムに突入したのだ。

や、やめてくれぇー。確かにここはみんなの場所じゃが、老いぼれが一人やっと静かに余生を満喫しとるんじゃあ〜、と心の中で悶絶しながら、チョコタルトを食べる。

そんなあちきの姿なんぞ、眩し過ぎる彼ら彼女らの前では存在感ゼロだったはずだ。きっと気付かなかったか、透明過ぎて見えなかったのだろう。

ああ・・なんにしても楽しそうだ。

ゲンナリングだぜ。

 

おおー!ご飯食べてたらガスが晴れた。

この一瞬を逃すものか!!

きゃぴきゃぴパーティも今だ!って騒ぎ出したから彼らの記念撮影が始まる前に撮影を済ませなくては!と急いでベストポジションをゲットして数枚カメラにおさめていく。

むふっ。

 

そして再びガスの中へ。

限られた条件の中でベストは尽くせた。さらばだ!

 

というわけで、きゃぴきゃぴがいなくなったので定番の氷の内側からの一人撮影会。

 

低気圧にジャストミィートォォオ!!!

雪が降り始めた。溢れんばかりの不幸がマンモスかなぴー。

いや、そもそも今日は天気が悪い予報だったのか。この時間までよくもってくれたと言うべきか。

 

ちょうど通りかかった人がいたので失敬して1枚。こうやって見ると氷の大きさがよく分かる。

 

もう出口まで来てしまった。

 

名残惜しいから友しらずの氷のカーテンをなでなですりすりして帰るか。

 

近づいてみると骨のレントゲン写真みたいだ。

フイルムはオルソか?

 

振り返るとさっきよりガスが晴れてきた。天気良くなるのか?と思いきや一層雪が強まった。

やべぇ、帰りの林道で滑りそう。

 

下山は強まる雪、次第に雨へ

洞門岩に戻ってきた時には本格的な降雪。

雪ならまだいい。日光駅で雨になってなければ良いんだけど。。

 

慎重に階段を降りて川沿いコースへ。まだチェーンアイゼン付けてるんだけど、それでも滑ってヒヤヒヤして1人できゃぴきゃぴした。

 

気温が下がって濡れた林道は一部アイスバーンになってたし急いでるしで何度か転びそうになった。

おぞろじい。

 

ガンガン降ってくる…。やっとこさゲート前まで戻ってきた。

ここから駅まで続く地獄の林道。ソールの柔らかいブーツで来て良かった。

 

香車だらけの輪王寺香車堂。

寺社仏閣巡りを趣味にしてるっぽい男子が1人でうろついてた。

 

下山も寄り道ピクニック

焼き芋チャージ!!!

なんとその糖度は驚異の50!

ちょうど疲れたなーもうすぐ駅だなーって思ってたらグッドタイミングで出てきた焼き芋屋さんにジャストミートォォオ!!

雨雪で冷えた体にサイコー!

 

ひー、濡れた濡れた。でもちょうど良いタイミングで東武日光駅発の東武スペーシアに乗れたのはラッキーだったな。

東武スペーシアって有料特急だけど安いからね、とっとと乗って帰ろっと。

 

焼き芋バンザーイ!

それと定番の揚げ湯葉まんじゅうを食す。

これにて日光の旅、完結。カーカッカッ。

 

振り返って

最近は天気に恵まれないどぼぼーん登山が続いてる。

きっとこのブログを見てくれている貴重な方々も、最近やっほーいとか言ってないよなとか、おっさんの嘆きばかりでつまらなくなってきたよなとか思っておられることでしょう。

ええ、反省してますとも。

でも安心してください。もう懲りたから。次回は絶対に晴れのところにしか行かない。

さあ、顔を上げるんだ。お日様が見える。雪面からの照り返しで顔が真っ黒になりそうだ。それぐらいの晴れを狙う。

はい、とりあえず次回への意気込みをお伝えさせていただきました。

 

この雲竜渓谷までの道のりで見かけた工事現場や人工物がどこまで自然を侵食してしまうのか、この渓谷が今の姿をいつまで留めていられるのかとても不安になる。

白くどんよりした空と半比例して研ぎ澄まされて青く透き通る氷瀑。何度見てももう一度見たいと思わせるすごい景色だ。

そんな雪が降りしきる空を見上げてると、こういうどんよりした空も冬ならではで悪くないなと、顔がびちゃびちゃになった。ぺっぺっ。やっぱ晴れてなきゃ駄目だ!くそっ!

 

きっと稲荷川上流の砂防工事は更に進むはず。従来の自然環境を破壊し人工的な景観を作り出してしまえば、数多くの人の落胆と失望はただごとではないはず。

今年も見られてほんとよかったけど、頼むからこれ以上がっかりさせないでほしいものだよ。

ではでは

 


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