守門岳 雪山登山 大雪庇にスプライト!冬の新潟は世界一のパワハラ絶景

守門岳 雪山登山 大雪庇にスプライト!冬の新潟は世界一のパワハラ絶景

2月後半、新潟県の守門岳(すもんだけ)に登ってきたんだもん。もんもん。

白毛門、開聞岳、守門岳。長らく続いたモンモンシリーズの最終章に相応しいのがここ、厳冬期の守門岳。今年の新潟は例年以上に雪が多かったから期待できるモン!と喜び勇んでやって来たもんね!

ちなみにこの山での話し言葉はモン語で統一されてるのが特徴だ。どんなに怒り心頭でも可愛くしちゃうのが守門岳だ!

さて、そんな守門岳は最高峰の袴岳と、青雲岳、前守門と言われる大岳で構成される山。保久礼コースで大岳のピストンで引き返す登山客がほとんどだけど、折角だから袴岳まで歩いて二分駐車場を起点に周回ルートで歩くのがお薦めだモン。

 

袴岳からの下りで見られる光景は、どこまでも山が折り重なる信じられない世界だ。日本の冬は美しい。

寒いからといって家でじっとしてたらもったいないよ!

今回自分が歩いた周回ルートは登りが保久礼コースで下山は藤平山コースで大池登山口方面へと下り、二分駐車場まで戻るルート。

累積標高差は1,450m、歩行距離約16キロと長め

重い雪山装備でたくさん歩いたから、その日の夜は山の過剰摂取でうなされ、翌朝は筋肉痛で起きれなかったわ。。

しかしまあ。守門岳の景色は抜群に良かったからこの時期に登れて良かったよ!

 

守門岳は新潟県魚沼市にある日本二百名山。標高は袴岳の1,537m。

コースタイムは軽く8時間オーバー。冬装備が重たいから余裕を持った行動を意識しよう!

 

ルートとコースタイム

■2021年2月28日

二分駐車場⇒(90分)⇒保久礼小屋⇒(45分)⇒避難小屋⇒(70分)⇒大岳⇒(65分)⇒青雲岳⇒(20分)⇒守門岳⇒(85分)⇒藤平山⇒(60分)⇒大池⇒(60分)⇒二分駐車場

合計コータイム:8時間15分

総距離 16.4km
累積標高上り 1,460m

守門岳登山 本編

二分駐車場は脅威の縦列駐車場

栃尾から眺める守門岳。朝の6時を少し回ったぐらいだけど日の出がずいぶん早くなったな。

さてさて、ここ栃尾は福井のお株を奪う感じだが大きな油揚げが有名なのさ。

大きな油揚げ。はっきり言って微妙だ。

「えー!油揚げ!ひゃっほー!」とは決してならないジャンルだ。しかし、そんなことを言ったら福井県まで否定してしまうことになるから、下山後、もし時間が残されていれば是非いただいてみたい。

 

二分駐車場の手前、除雪されている道路に縦列駐車するのがこの時期の守門岳スタイル。ちなみに二分はにぶんと読む。

ヤフーナビや車に搭載されてるナビだと出てこないかもなのでGoogle Mapで「保久礼二分駐車場」と検索してみよう。さすれば案内してくれようぞ。

 

みんな朝早いねぇ…。今日登山する中でかなり先頭のグループかと思いきやむしろ後発隊だよ。

朝7時、登山スタート。

前に見える最終除雪ポイントから這い上がる様にして取り付く。

麓で積雪は3メートルぐらいか。

 

保久礼コースから見る恐ろしく遠い守門岳

右奥に見えるのがこれから目指す守門岳。

すけぇ遠いじゃないのよ…

 

ズームにしてみる。

「なんだ近いじゃ~ん、アハハハー」とか誤魔化してる場合じゃない遠さだ。

夏山なら保久礼小屋から登山を開始できるけど、冬はちょっと気が触れた人たちのためにロングトレイルというビッグサプライズが用意されている。

 

ちなみにこの前日、カメラのセンサー汚れが気になってたから富士フイルムイメージングプラザ東京にカメラを持ち込んでメンテナンスをしてもらった。たった2000円しかかからなかったし、どこが汚れてたか丁寧な説明も良かったし、カメラ本体の外観もピカピカにしてくれた。

待ち時間はたった1時間ほどで、その間に新商品のX-E4をたくさん触らせてもらったし、ほんと行って良かった。

そんな訳で5年以上前のX-T1が生まれ変わったから、まだまだ買い替えずに大事に使う所存さ。

 

アニマルトレース。足跡からテンとかイタチみたいな小動物っぽい。

なんにしてもツボ足でも沈まない軽さが羨ましい。

最近、階級をミドル級から一気にヘビー級に上げようとしている自分なら(なりたくてなった訳じゃない)、一歩目で肩まで沈むこと間違いない。

 

朝日が昇る。今日は快晴だ。素晴らしい1日が始まる準備は揃ったモン。

あちきの快晴男ぶり健在ってとこだねん。今日ここ守門岳にいる皆々ども、朕の恩恵に預かるが良いぞ。ガーハッハッハー!

前日まで3時間に1回の頻度で天気予報を確認して四阿山とどっちにするか悩んでいた男とは思えない発言だ。

 

最初からかなりの急登で面食らう。コースが長いのは何となく知ってたけど急だなんて聞いてないぜ!と、天気予報ばかりに気を取られてコースの事前チェックを怠ったのだ。この先思いやられるパティーンだ。

ほとんどの人がこの急登を前にアイゼンを装着していた。自分もわかんを装着するか悩んだが、もう少しツボ足で行くことに決めた。

深い考えがあってのことではない。ただの横着だ!

 

左に雪に埋没した小屋が見える。

まだ麓だって言うのに、今年の新潟の積雪量はすんごい。

 

ちょっと登っただけでとんでもない景色が飛び込んできた。

越後駒ヶ岳、八海山の越後三山だ。

中ノ岳は角度的にここからは見えないけど、袴岳まで行けばバッチリ見えるよ。

 

踏み跡だらけのトレースを撮っただけなのに絵になるのが雪山の朝だ。

雪山でサングラスは外せないから、ドラゴンボールでウーロンが神龍に向かって「ギャルのパンティーおくれー!」と叫ぶ様に、「ちゃんと撮れてておくれー!」と勘で撮影した結果がこれさ。

勘だけに頼ってらんないから、仕方なくサングラスを外してファインダーを覗いてみても雪面からの照り返しが眩しすぎて、いまいちちゃんと撮れてるのか分からないんだよね…。

雪山での撮影はとことん難しい。

 

朝が苦手な自分にとって朝の寒さは何よりも辛い。

ただでさえ、毎朝、スマホのアラームが鳴る度に「あーもう絶望!」と泣きながら起きるという、全く登山向きじゃない体質。

とにかくじきに体も温まるからそれまでの辛抱だと、寒さに耐えつつ足を温存しながらゆっくり歩き続け、やっと手に入れた日当たりの良いエルドラドがこの尾根道。もうずっとこの尾根で留まっていたいという気持ちにもなってしまう。

それぐらい、ここまでの日陰が長かった。

 

保久礼小屋まで来た。夏はここから登山開始できる。

ちなみに保久礼は「ほっきゅうれい」と読む。山は難読ばかりだよ。

 

保久礼小屋を過ぎてしばらく登れば、早速絶景のプレゼントだ。

わーい!とプレゼントを開けた直後、今度は避難小屋に向けて下り始めるという絶景は束の間のお預けスタイルにガッカリだ。

 

下り坂を歩きながら、いつも大した下調べなんてしてしてこないのに「くっそー今回ばかりはちとヤマレコチェックが甘かったな」と悔やんでいると、雪に埋もれた避難小屋がでてきた。

この小屋の近くにデカザックの物好きが2人いたから(山で物好きは褒め言葉ね)、入口の前は掘られてて利用できるのかもしれない。

 

避難小屋から再び登りが始まった。

樹林帯とは言えここの尾根は明るくてなんとも清々しい。

しかし忘れちゃいけない。今の自分は呆れるほど運動不足で体重は安定して増加中だ。

フルマラソンと同じくペースキープが登頂成功への最低条件だ。

この坂を上りながら、過去に撃沈した福岡マラソンを思い出していた。

お婆ちゃんランナーに抜かれる瞬間、こっちを見て「へへっ」と鼻で笑われたのだ。しかしそこてムキになって追走してはいけない。とにかくペースキープが大事だと自分に言い聞かせた。本当のことを言えば、体力の限界でお婆ちゃんにまったく付いていくことができなかったのたが、まあそれはいい。

誰かを抜き返すことが目的ではない、これは己と正面から向き合う遊びなのだよ。

カッコよくキメたが、そんなお婆ちゃんランナーを思い出すあたり、軽く根に持っている証拠だろう。

情けない、ノミほど小さい男だ。ほっとけ。

 

話は戻すが、ここの登りを踏ん張ればとんでもない絶景が待っている。

山頂までは確かに長い。それでも頑張って歩くだけの価値はある山だと先に言っとこう。

 

ここから始まる大絶景

「今の俺、良い空気吸ってるモン!」と、毎度お得意のラマーズ法でヒーヒーフーを繰り返していると、ここでやっとヘブンズ・ドアーを突破。

背後を見てみな、大パノラマだぜ。

ここからずーーーっとパラダイス。やっと早起きして良かったと思えた。

 

雲一つない快晴に登山客もたくさん!

基本、あまり長い休憩は取らず、ゆっくりペースで歩き続けるのが自分のスタイル。

疲れて次々と休憩を取り始める登山客を尻目にのんびり歩き続けるから、気付けば先行組に追いついちゃってるパターンが多いのよ。

登り始めこそペースがつかめず、しっくりこないこともあるけど、途中から登ることに夢中で他のことは気にならなくなっていることが多い。

歩いてると頭が真っ白になっている、そんな時間が最高に心地よい。

ちなみに休憩は取らないと言っても行動食は取るけどね、立ち止まったとしても2分ぐらいかな。

 

右前方に守門岳を捉える。あんな遠かったのに、歩いてれば着くもんだなー、というのが率直な感想。

 

眼下にはモノクロな山々。この全ての雪が融けたら一体どれだけの水量になるんだろうか。新潟に降る1年分の降水量がこの冬一気に降った感じだ。

空の水分を全て落としきって今の青空があるのだろう。

 

そしていつの間にか前方は静かになっていた(笑)

大パーティーは後方で立ち止まってる様子。

自分は相変わらず平均ペース。

今日は行程がとにかく長いし荷物も重い。登り始めはガンガン抜かれたけど、結局いつものパティーンに突入だ。

 

さっ、着いた。

まずここが保久礼コースで登場する守門岳の最初のピーク「大岳」。

ここで引き返す人が多い。つか、ほとんど。

 

こんな景色が見れちゃうんだからね、大岳で満腹になって引き返しちゃうのも無理はないのさ。

この角度からの大雪庇を一目見るのが目的って人がほとんどだから、多くの登山客がここで満腹になって目がとろ〜んとしてる。

 

ほれほれ、アップにしてみる。絶景ビュッフェの盛り過ぎでもはや過食気味だ。

おーい誰かー!ガスター10持ってきてー!

これが東洋一と評される大雪庇なのね。しかしこの東洋一っていう言い方に、あちきはちと抵抗を感じるけど。

東洋ってアジア全体ってことだからさ、ヒマラヤよりもすごいの?それってちゃんと比較したのかい?

もしそうじゃないならさ、いっそのこと、

世界一って言っちゃいなヨ!

 

勢いで言い切っちゃえ!中途半端はよくないぜ!

吸引力が低くたって「吸引力の変わらない唯一の掃除機」とか言い切っちゃうゲルマン魂とか。

「俺より唄の上手いやつはいねぇな。まあ美空さんは上手かったけどよ」とか言っちゃう松山千春とか。

真顔で「リトルホンダ」とか言っちゃう人だっているんだぜ?

ぶっ飛んだ人はたくさんいる。さあ見習ってごらん。

ボクシングだって、東洋太平洋チャンピオンじゃ誰も名前を覚えてもらえないよ。

 

さあ、今日から君は世界一だ。

「世界一の大雪庇」として胸を張って、誰にも誇大広告だなんて言わせるな!

世界一の大雪庇で吸引力も変わらずに歌が誰よりも上手いリトル守門岳として生きていくんだ!

 

ところで、そんなリトル守門岳だけどさ、もっと間近で見てみたくないか?

しかもだ、袴岳まで行けば保久礼コース以上の大パノラマが広がってるんだぜ?

と言うわけで、上の写真で1番左に見えるピーク、袴岳(守門岳)を目指す。ちなみに真ん中のピークは青雲岳で、読み方は「あおくもだけ」。

袴岳までは近いように見えるけど、アップダウンもあって1時間以上かかるから、時間と体力と相談して行くかどうか決めてね。

 

大雪庇を見ながら大岳から袴岳へ

世界一の大雪庇はご覧の通り、たまに悪魔が口を開けてるから気を付けるんだ!

ちなみに大岳からの下りがエゲつなく急で、ヘタレな自分には写真を撮る余裕が全く無かった…

 

青雲岳への登りで雪面はクラスト状。体重が軽い人はアイゼンに変えた方がいいと思う。

自分は自慢のお肉を生かして…もとい。自らの重みを生かしてわかんの刃が小気味よく刺さって、これならイケると判断。

前を歩く御仁は刃がたくさん付いたTUBBSの高級スノーシュー。うらやまぴー。

 

雪庇が大きすぎてどこから雪庇なのかがもはや分からない。

圧倒的な積雪量で樹林が完全に雪の下に隠れちゃってるから雪庇との境界が分からないのが恐怖だ。

 

こうやって空を見ると、飛行機から見た海に浮かぶ船舶の様にも見える。

そんな雲一つない快晴。

雪山リスクの90%は天気で回避できる。安全に楽しむための鉄則さ。いくら晴れてても風が強ければ凍傷になるからそこにも気をつけたい。

 

大岳の賑わいが嘘のように、静かな青雲岳へのアプローチ。

どこまでも白くダイナミックな世界でポツンと立っている状況は、日常と異次元過ぎて理解不能な感覚に陥る。

この感覚を楽しめるのが雪山の面白さなのかもしれない。

改めて絶対にここまで歩くべきだと強く推しておくよ!

 

人の手では決して作り出すことのできない巨大な雪のドーム。

自然は偉大だ。ハワイのノースショアに打ち寄せるビッグウェーブを雪で作り出してしまった。

ちなみに映画「ビッグウエンズデー」はハワイではなくカリフォルニアが舞台ね。すっごい昔の名作。知らない人は知らなくていいよ。

 

青雲岳まで来ちゃえば袴岳は目の前だ。

くどいけど、こんな大きな世界が日本にはあるんだぜ、信じられないよ。

この翌日には東京のど真ん中で鼻くそホジホジしながらパソコンで数字ばかり眺める毎日が始まるんだぜ、信じられないよ。

そのビルから見下ろせば首都高が渋滞してたり、ファッションに気を遣った学生が行き来してるのがぽつーんと見えるんだけど、なんてつまらない世界なんだろう。

ふぅ、明日から仕事か。嫌なことを思ってしまった。

 

踏まれた所が圧縮され、その周りの雪は風で飛ばされ逆に浮き出てる現象。

 

さあ長かったけど、山頂はもう手が届く距離だ。

ずっと大きな景色に感動しっぱなしだったからあまり疲れは感じてない。

 

守門岳山頂からは360度の山岳パラダイス

到着!!

守門岳の標柱って何mあるか分からないけどちゃんと顔だしてる。

 

空腹の限界だったさ…。

「ガツン!とにんにくスタミナ醤油」をいただく。美味かったけど、この日はずーっとニンニク臭かった。

さて、お湯を注いで待っている間に撮影タイムに突入だ。

 

どこにも人が住める余地がない、びっしりと山々が連なった光景はある意味東京の住宅事情の様だ。

自分は折角の景色を台無しにする例えを言う天才だな。

 

ちなみに雪庇はと言うと、袴岳側から見る雪庇はご覧の通り小ぶりに見え、大岳からの方が見応えはあるね。

 

しかしこうやって青雲岳の雪庇と一緒に写すと確かに雪庇の大きさがよく分かる。とんでもねぇ世界だ。

 

もっと遠くに目を移してみよう。

ずっと遠く、日本海に浮かんで見える白い峰々は佐渡ヶ島だ。

その手前、雪をかぶってない小さな山が2つあるけど、左が弥彦山で右が角田山。

角田山は雪割草がたくさん咲く山で、ちったぁー名の知れた山さ。

 

そして遠くに見える巨大な山塊は飯豊山と朝日連峰。谷川周辺も有数の豪雪地帯だけど、あちらもさすが負けてない。

飯豊山は一度だけ登ったことがあるけど、幅1メートルの登山道だけが福島県で、その左側が新潟県、右が山形県という変わった県境が続くのは有名で、何かテレビでも見たことがあったな。

 

左の特徴的な山は浅草岳。

以前登った時はヒメサユリが満開で良かったんだけど、めちゃくちゃ天気が悪かったし、木道で滑って腕を強打するし、再訪したい山の1つ。

 

もう何がなんだか分からないけど、とにかくこの景色に圧倒される。

たぶん1番奥は会津駒ヶ岳とかかな?(超あてずっぽう)

 

お気に入りのマイザックと山々。ちょうど中央奥に見えるのは日光白根山かな。右奥は平ヶ岳とか武尊山とか、とかとか。もうなんでもいい。

さて、ザック背負って長い下りを帰るよ。

 

藤平山経由でスプライトゲッザーン

下山は藤平山経由で下るけど、途中まで大原スキー場方面と同じだから間違えて大原スキー場に下りないように注意しよう。

二分駐車場方面へは踏み跡は残ってるだろうけど、YAMAPやヤマレコで軌跡ダウンロードはしておきたい。

 

この峰々の奥にあるのが尾瀬。

マジではるかだ。

 

長岡方面を見てみると、これぞ冬の新潟という景色。山だけじゃなく平野部まで一面真っ白な光景は冬の新潟の真骨頂。

この雪深さが良い土と水を作ってコシヒカリを育てるんだろうな。全て自然の恵だ。ちなみに山ではなく人里で1日に降った積雪量の記録を持っているのは新潟県上越市で、なんと8メートル超え。

1日で8メートルって…きっと何人も死んだだろうね。。おぞろじい。

 

「仮想スプライトを世界一ウマそうに撮るコンテスト」で1位を狙った1枚がこれだ!

今回の登山で1.5リットル飲み干した。

糖尿になりそうだ。

 

雪庇が至るところで大安売りされている。

もう雪庇に飽きてあまり驚きもしないのだが。。

 

袴岳を振り返る。

ヤマレコとかで守門岳を探しても、なかなかこの画角の守門岳を見ることはなかった。

大原スキー場から登ってきた人にとって守門岳と言えばまずイメージするのはこれなんだろうね。

 

この絶景はね〜もはやパワハラですよ。

「1日は24時間、1ヶ月は31日もあるんだからそれぐらいできるよね?」と忍び寄る上司に「ひー!あちきはいつでも異動OKなんですけどー!」と弱い抵抗を示しつつ、結局残業して間に合わせようとする自分の弱さに嫌気がさす。

残業で疲れて週末に絶景を見て復活して、また残業で疲れて復活してを繰り返す、絶景のウィークリーわんこそば状態だ。

 

浮かれちまうさ、そりゃ。

しかし、それも今だけ。

 

これから続く延々と終わらない下山に辟易し、うなだれ、憂鬱になり、もはや精神を病む一歩手前まで疲れ切った…。

どんなに歩いてもゴールしないのは、牧のうどん大盛りを食べてる時と同じ感覚に陥る。ぜんぜん麺が減らないのよ、ほんと。

 

うっすら積もったパウダースノーのすぐ下はアイスバーンのブービートラップになってるから滑って転んじまったぜ。

油断も隙もない。

 

おかげで爪を2つ割っちゃったよ。何年かぶりに血豆もできたし。情けない…。

 

雪原に立つ木だって絵になる。ソリ残しみたいだ。

それにしても割れた爪がじんじん痛む。

 

なんという広大さ。どこまでも踏まれた跡が無い真っ白な雪原。

まるで朕の心の様であるぞ。

 

藤平岳に向けてえっちらおっちら登り返し。

しっかり踏み跡が付いててくれたお陰で大原スキー場へ間違えることなく、迷わず二分まで帰れそう。

 

藤平岳に登っちゃえば再び絶景。よだれが滝となって止まらない。もう脱水してしまう。

なんなの、この山。

すごすぎる。

 

振り返れば守門岳はまだ近いという現実に軽い絶望感を味わう。。結構歩いてきたつもりなのに。

右のピークが袴岳、一番左が大岳ね。

 

ナイフリッジ登場。ここは多少なりとも緊張する。崩れたらやばいよ。見るからに冬季限定ルートっぽい。

 

ナイフリッジを越えちゃえば危険なところはないんだけど、まだまだ長いのなんのって…。

夏道なら大したことないと思うよ。ここら辺で冬装備の重さが運動不足の身に堪える。

 

雪団子を斜面に転がすとのり巻きの一丁上がりだ!

 

夏だったらここは湖なんだろうな。

ここが大池だったかどうかは覚えてないけど、ここから斜度は緩やかになって二分に向かってなだらかに下っていく。

とにかく雪しかない世界。

もう歩く事に飽きてきた。疲れてヘトヘトだ。

 

駐車場と同じぐらいの標高まで下りてきた。

左の斜面を見ると、いつでも雪崩れる準備OKだぜ!って言ってそうな斜面にゾッとする。

2月だけど麓はもう気温が高くなってるから気をつけないと。

 

最後の力なんて1ミリも残っちゃいないぜ…。

もうただだらだら歩くだけ。キャラメル食べても復活しないし、足の筋肉もお腹とアゴのお肉もぷるぷる言ってる。限界だす。

 

雪を蹴ると小さな雪片が坂を転がりながら、小指ほどの大きさに成長して飛び跳ねていく様子が、小さな生き物が逃げていく様に見えてとてもユーモラス。癒やされるぅ〜。

 

保久礼コースから下山してきた人たちが見えた。「よーし、ここで記念撮影するよー!」と大きな声がここまで聞こえてきた。

ここまでのルートはずーっと静かな山歩きでそれも良かったけど、お祭り気分を味わえる賑やかな登山も嫌いじゃない。

 

除雪最終ポイントにやっと到着!うれすぃー!

車も8割はいなくなってた。もう16時だよ。栃尾の油揚げ食べたかったけど、また次の楽しみに取っておくことにする!

 

 

振り返って

大雪庇で有名な守門岳は、冬になると多くの登山客でバズりまくり。

袴岳からの下山中、大原スキー場から登ってきたバックカントリーの方と話すと「もうすっかり人気の山になっちゃって、もう二分駐車場からは登れないよ」とボヤッキー状態だ。

 

とは言え、人が多いのは大岳の山頂まで。袴岳は閑散としてたのはご紹介した通りさ。

 

袴岳からの下山で見た風景がとにかく絶景で、雪庇なんかより遥かに強く印象に残ったよ。

大岳で終わらせるのはもったいないとくどく書いたけど、時間と距離が長くなるし、ナイフリッジも出てくるから、そこは安全に楽しめる選択をして下さい。くれぐれも!

 

2021年3月1日から、YAMAPの無料会員向けサービスにおける地図ダウンロード制限が2回/月となった。

そろそろ、ダウンロード無制限のプレミアム会員にアップグレードするべきか。

これだけYAMAPに助けられてればもういいよね。うんうん。

ボンビーだけどもういいよね。うんうん。

ええーい!!

YAMAPよ、これからも登山界を盛り上げておくれー!ギャルのパンティーおくれー!とプレミアム会員のボタンを押した。

YAMAPも思い切った判断をしたと思う。一部からは反対の意見もあったと思うけど、社会貢献度の高いコンテンツを提供してくれてるYAMAPに、あちきは感謝しかないよ。今後も期待してるよっ!

ではでは

また今回も長々書いてしまいました。最後まで読んでくれて有難うございました!


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