蓼科山 雪山登山(七合目登山口) 溶岩と残雪の諏訪の富士山(2017.5.14)

蓼科山 雪山登山(七合目登山口) 溶岩と残雪の諏訪の富士山(2017.5.14)

 

八ヶ岳のた・・た・・蓼科山(たてしなやま)に登ってきました!

ここ最近、立石山、立花山、蓼科山と似た様な名前の山が続いてるので間違えそうになります。

 

さて、蓼科山ですが別名諏訪富士(すわふじ)とも呼ばれ、横広がりの八ヶ岳の中では少し異質な円錐形の形をした端正なお山です。日本百名山、標高2,531mです。

個性的で良い山なのに、すぐなんとか富士と名付けられてしまうのが日本に生まれた円錐形の火山の宿命。

なんかもったいない。

割と近くに本家本元の富士山があるのに郷土富士はないだろ、とちょっと残念な諏訪の富士山です。

 

さて、そんな蓼科山ですが前々からすっごく登りたいと思ってました。今回やっと来れました!

とは言え、、実はこの日、本当は蓼科に登りに来たのではなく、阿弥陀岳の南稜ルートを登りにやってきたのです!南稜ルートは前日に降り続いた雨と雪解け水で沢が増水。途中でルート不鮮明となり撤退してきました。

撤退後、まだ時間あるし蓼科山でも行ってみよっか!最短ルートの七合目登山口からさ!となった訳です。

前々から女乃神茶屋登山口(めのかみぢゃや)から登ってみたいなぁ~と思ってたんだけど、さすがに南稜撤退して体力も削られてたので、七合目登山口を選択させてもらいました。

ちなみに同行者は霧ヶ峰に登りたかったみたいだけど・・自分のワガママを聞いてもらいました~。この借りはいつか返す!

南稜撤退後の蓼科山は自分が思ってた以上に負担だったみたいで、翌日は久しぶりに下半身が筋肉痛になったぜ~。しんどかった。。

いざっ

 

ひゃーちべたい。

アクセス方法

・蓼科山七合目登山口へのアクセスは、こちら

■ルート

 

 

■全行程スケジュール 

2017年5月14日

11:30 七合目登山口駐車場 ⇒ 12:50 将軍平 ⇒ 13:20 蓼科山頂ヒュッテ ⇒ 13:25 山頂 ~昼食~ ⇒ 14:15 下山開始 ⇒ 15:15 七合目登山口駐車場 下山完了

ほぼコースタイム通りです。

 

移動

阿弥陀岳の南稜ルートの起点、舟山十字路の駐車場です。

撤退して駐車場に戻ってきて、まだ朝の10時。

このまま帰るのはもったいないし・・どうしよっか。霧ヶ峰に登るか蓼科山にするかで意見が分かれる。

どうしても蓼科山に登りたかった自分がスーパーのお菓子コーナーでおねだりする子供のように駄々をこねました。

 

そんな訳で蓼科にやってきました。

ここは七合目登山口前の駐車場。時刻は朝11時半。

舟山十字路駐車場から約1時間かけて移動してきました。

第1駐車場はほぼ満車でしたが運良く1台停めることができました。第2駐車場はガラガラでした。

ここは自販機なし、トイレはあったけど閉鎖してたので用は下で済ませてきて下さい。

 

 

登山開始

蓼科神社の鳥居をくぐって登山開始。

こんな時間からでもコースタイム通りに登っても13時頃には山頂に着いて、下山は15時過ぎになりそうだなと、簡単に予想つくのもショートコースの七合目登山口の魅力。

 

登り始めから整備されたトレイル。ついさっきまで南稜を歩いてただけにその差に驚かされる。

さすが百名山です。

ここは残雪さえなければ小学生でも登れます。地元出身の知り合いから小学校の頃に行事で蓼科山に登ったと聞きました。

 

蓼科山の山頂が樹林の合間から見えます。

郷土富士なだけに偽ピークのないシンプルな形。目指すべき所が分かりやすいっていいです。

 

なだらかだったのは最初だけ。徐々に傾斜がきつくなり余裕しゃくしゃくとか言ってられなくなってきた。アゴはしゃくれてますけどね。ほっといてけろ。

春とはいえ日差しがきっつい!汗がじんわりにじんできます。

ちょっとずつ雪がでてきて頬擦りしたくなるわ~。

 

八ヶ岳らしい樹林が続くトレイル。最初はめちゃくちゃ気持ちいいんだけど長いと嫌になってきますが、今回の短いコースであれば最後まで飽きずに楽しめると思います。

 

ちょっとぐらい風が吹いて欲しいけど樹林だから全然風が通らない。

どんどん傾斜はきつくなっていくけど、長く休んでる時間の余裕もないからアゴをしゃくって大きく深呼吸。軽く水分補給したらすぐ歩き始める。

 

ちょっとずつちょっとずつ雪が増えてきた。

入門の山と聞いてやって来た人、夏山気分でやって来た人は「この先やばくね?」と違和感を感じるはず。

 

振り返ると・・あれが霧ヶ峰かな?

今回は自分のわがままを聞いてもらっちゃったから次は霧ヶ峰のハイキングだね。それはそれで楽しみです。

 

天狗の露地(てんぐのろじ)に着きました。

ここからSHOGUN平を目指します。

登りながらSHOGUNを1曲歌おうと思いましたが、世代が違い過ぎてさっぱりでてこなかったデス・・。

帰ってきて代表曲を調べてみると探偵物語の「BAD CITY~♪ ばっ BAD CITY~♪ ばっ CITY ばぁ!」ってSHOGUNだったんですね。まあいいです。

 

コースタイムが短いとは言え、登り始めた時間が遅いからスケジュールに余裕はない。大急ぎで遊びます。

倒木を歩いてみると意外と高くて行ったのはいいが戻るのが怖くなってしまい軽く困りました。

 

絶対山頂踏むよっ!!

たった七号目からのチャラい登山ですが、必要以上に気合い注入!!

山の中を歩いてるだけで気持ち良いんだけどね、山頂踏まないとやっぱ楽しくない。

 

ふがっ!山頂踏むよ!

とうとう本格的に雪山っぽくなってきました。

ただ雪はだいぶ腐ってるから登りでアイゼンは不要です。こんな感じで踏ん張って進め!

ちなみにチェーンアイゼンぐらいは持ってきてます。

 

SHOGUN平につきました。

まず最初に即席の売店が目の前に飛び込んでくるのが衝撃だったわ。なんとも商売っ気の強い小屋ですこと。。

この小屋の商売繁盛を祈り、財布のひもが固い自分は何も買わずに山頂を目指します!

 

木々の背丈もだいぶ低くなってきたし、雪もかなりたっぷりになってきました。

ここからの蓼科の登りはこれまでと違ってマジです!

 

山頂直下はこんなに雪が豊富。それに急登。息が上がる。

下りでは怪我するかもしれないのでアイゼンを装着しますが、登りではしっかり蹴りこめば難なく登れます。

 

雪上のカメムシ。

春だと思って目覚めたら雪だらけでどうしようって感じなのは、夏山気分でやって来た登山者と同じ。

 

山頂ヒュッテの半分はまだ雪の中。

下界では最高気温28度の夏日だってのに、山は別世界だと改めて思う。

このギャップがたまらんですね。

 

広っ!!

話は聞いてたけど、ほんと広いわ。目の前に現れた雄大な景色に腹を抱えて笑い出したいぐらい。

来れて良かった!

冬は風が強いと聞きますが、春になるとぐっと登りやすくなる。雪に埋もれた小屋の景観を楽しみながら辺りを散策します。

 

南八ヶ岳のオールスターズ。ちょっと雲がかかってるけどやっぱ存在感はんぱねえなぁ。

 

左から赤岳、阿弥陀岳。それとうーん権現岳とか。とかとか。

だいぶ雪解けが進んだなぁ~。

 

これだけ空が近いんだからきっと蓼科の神様に願いは通じるぜ!

なんまんだぶ~デ~ブデブー

この日、山頂を踏んだ誰よりも熱い祈りを捧げたと自負してます!

 

あっちは美ヶ原かな?

未熟者なんで山見ても何という山かぜんぜん分かんねぇっす。

全方位見渡して、こっち方面の景色がきれいだったからここでお昼をとりました。

暑かったけどしばらく動かないでいるとすぐ寒くなってくる。たぶん山頂は10℃ぐらいだったと思う。

 

冷えてきたから帰るよー

 

チェーンアイゼン装着して軽い足取りで下山開始。

向かい側の山に巨大な影が映ったので蓼科山の影かと思ったら

 

すごい速さで覆いかぶさってきた雲の影でした。ちょっとおののきました。

 

で、すぐまたピーカン。

天気は午後から崩れる予報だったため、ものすごい速さで雲が流れていきます。

 

チェーンアイゼン装着しててもぐずぐずの雪は滑ります。

でもうまい具合に滑りながら下っちゃえば問題なしです。

 

自分達が登ってる時に普通のスニーカーで必死に下山してるカップルとすれ違いました。彼女の方はおしりをついてたし、下着までびちゃびちゃだよ、きっと。

自分たちが下山を始めるとすぐに追いついてしまった。

下山後、彼女から別れを切り出されること間違いないでしょう。アーメン。

 

あっという間に下山完了。七合目ってありがたいわ。

 

もう駐車場には3~4台しか残ってません。

今日も楽しめた!!

南稜を早く切り上げたのは好判断。今日も怪我なく帰ることができます~。

 

ちなみに、蓼科山は有名だから読めるけど、普通ならなかなか難しい漢字です。

階は「しな」とも読む様に高い土地のことを表すそうです。その昔、蓼科山は立階山と書いたそうです。そこから立科山、蓼科山に変わっていったらしいのですが、どういう理由で「蓼」に変わったのかは調べてもわかりませんでした。でもきっとタデ(蓼)がたくさん生えてた山だったんでしょうね。

まあ、どうでもいい話でしたね。

 

振り返って

 

蓼科山の麓には白樺湖、蓼科湖などの観光地が点在し、蓼科の知名度は八ヶ岳の中でもひときわ輝く存在。

人気の山なだけに登山ルートも多い。

今回の七号目登山口ルートは標高差が約630m、歩行距離は約5km。危険箇所もなく、雪さえなければ小学生でも登れるため夏山シーズンが到来すると多くの人で賑わうそうです。

なので、静かな山歩きを楽しみたい人には向かない山かもしれません。

実際、蓼科山を毛嫌いする人も多いみたいです。

そういう方は今回の自分たちと同じようにハイシーズンは避け、昼から登り始めたら良いかもしれません(笑)

山頂に着く頃には人も減って360度広がる景色を一人占め。山頂をたっぷり散策して、ゆっくりお昼を食べて満喫したらのんびり下山。下山中にすれ違う人も少ない。

昼からの登山なんて別に狙ったわけじゃないけど、この日はガスも湧いてこなかったしなかなか良かったよ!

 

 

それほど体力がなくても登れるといったことを書きましたが、登山の基本はやはり体力です。ギアをそろえることも大事ですが、ある程度のことは体力でカバーできます。

体力がつけばいつもより長く歩けるようになるだけじゃなく、短い距離を安全に歩くことができるし、余裕もできて自然を楽しめる様にもなります。

ギア選びももちろん大事だけど、高額な登山メーカーの戦略に踊らされず、丈夫でセンスがあって安い物を時期を外して探しましょう!

そろそろ冬物が安く出回る時期かなぁ〜🎵

 

さって蓼科山、夏は初心者に、冬は雪山入門者にうってつけの山としてよく雑誌とかで紹介されてます。でもね、

こんな良い山、初心者にはもったいない!と思うわけです!

初心者は高尾だ!たかおに行きなちゃい!

でも一方でこうも思うわけです。登山を始めて間もない段階で蓼科山に登ったらきっと山が大好きになっちゃうだろうな!と。

 

ずっとずっと登りたいと思っていた蓼科山は期待通り満足させてくれる山でした。

ぜひ周りの人を誘ってワイワイ登りにきて欲しい山、そんな山だと思う。

あ、そうだ。忘れてた。

借りを返すためにも霧ヶ峰を企画しないとっ!

 

ではでは


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