【栃木】仙人ヶ岳 満開のネコノメ街道で小学生とデッドヒート キャッツアイとのマッチング登山

【栃木】仙人ヶ岳 満開のネコノメ街道で小学生とデッドヒート キャッツアイとのマッチング登山

3月になると日本中の山奥でひっそりと咲く花がある。

その名は「キャッツアイ」。

 

森の中で静かに咲くキャッツアイはとてもとても小さく、それでいて岩陰に隠れるように咲くため見つけることは至難の業なのだ。

 

見つめるキャッツアイ。

メジップレイダンシン(ヒアリング)、緑色に光るぅ〜♫

 

ちなみに歌っているのは杏里。

杏里のキメた英語がさっぱり聞き取れないけど(笑)、今聞いてみてもあの怪しげなイントロとシンセベースの軽さはセンス良過ぎでしょ。

 

そんなイントロと同じぐらい、森のキャッツアイも一度見たならばそのあまりの可愛さに誰もがメロメロになってしまうこと間違いなしなのだ。

 

月明かり浴びて〜♫

We get you…you…you…♫

 

何の話だっけこれ。

つか、北条司ならシティハンターしか知らないんだよね、実は。

さて、群馬県桐生市と栃木県足利市にまたがる仙人ヶ岳にネコノメソウを見てきたよ、という話です。

 

この仙人ヶ岳という山はアカヤシオが咲くことで有名だけど、自分もそれに合わせて4月下旬に訪れようと狙ってたんだよね。

 

今回はたまたまキャッツアイの群生地でもあるという話を聞きつけて、アカヤシオの開花を待たずに訪問してきた。

 

ネコノメソウっていまいち群生地の情報が乏しくてね…

 

3月になれば源流付近でなら日本中どこにでも咲く花だからそれほど珍しい花ではないんだけど、群生地ってなるとなかなか情報が乏しい。

 

でもそこはさすが桐生・足利の山。

自分の中では桐生の春山にはハズレがないという絶対的な安心感があって、アカヤシオがわんさか咲くし絶滅危惧種のカッコソウなんかも咲いてたりする。

そんなわけで春になると自然と桐生へ足が向くんだけど、さすがさすが今回も桐生の山は裏切らない。

期待した通りの群生地だったし、マクロレンズを用意しなかった自分を呪った(笑)

 

桐生の山は低山ばかりだけど、ぐるっと周回コースで歩くとなかなかの歩きごたえだったなぁ。

仙人ヶ岳の標高は663m。

とても良い山に出会えました。

 

 

標準コースタイム

■2024年3月16日 ※カッコ内は標準コースタイム

岩切登山口⇒(70分)⇒熊ノ分岐⇒(25分)⇒仙人ヶ岳⇒(10分)⇒女仙人ヶ岳⇒(30分)⇒熊ノ分岐⇒(15分)⇒知ノ岳⇒(15分)⇒宗ノ岳⇒(30分)⇒惟ノ岳⇒(20分)⇒猪子岳⇒(45分)⇒猪子峠⇒(20分)⇒岩切登山口

コースタイム:4時間40分

総距離 9.8キロ、累積標高上り 857m

 

仙人ヶ岳ネコノメソウ登山

岩切登山口からスタート

へぇー、こんなに人気の山だったのか…。というのが最初の印象。

駐車場は満車でここの路肩に止めさせてもらう。ここに止められただけラッキーだったのかな。

バス停の「小俣北町」をググってアクセスしてください。

 

 

Z世代は文章の終わりに「。」を付けると冷たく感じるらしいので、優しい自分はお花にしてみることに🌸

バカバカしいとか言わない🐽

 

ここ岩切登山口から登るよ🐽

 

上に咲いているのは終末期のロウバイ🌼

ロウバイって終わりを迎えると黄色から真っ黒になって見るも無惨なのねん🐽

 

早速だけど文末に花をつけるのもう限界…🌻

冷たく感じるって、そもそも普段から会話が少ないとか、原因が違うところにあると思うけどなぁ🌷

 

みかんがなってて、その下を流れる沢にたくさん落ちている🍊

こういうなんてことない光景にも里山らしさを感じるな🍊

 

なんだこの穴は。

この窯の隣に「カタクリ群生地」という札が立っているが、まさかこの穴をくぐった先にあるわけではあるまい。

よーく見てみると、

 

たったこれだけ咲いてた(笑)

今年お初のカタクリ。

これが目的ではないけど、こういう発見も春の低山ハイクならではの面白さ。

 

ネコノメソウ群生地

登山道は沢沿いのコース。

さあネコノメ出てこいやー(ボンバイエー!)。

 

いきなりあった。シロバナネコノメソウ。

あったけどマクロレンズ忘れたからこれ以上寄れない!

実はトリミングしてこれが限界っていう近さ。

 

小さいのぉ〜。

シロバナネコノメソウの雄しべは先っぽの葯(やく)という部分が赤いのが特徴的だね。

 

 

なんか分かってきたぞ。

岩に苔が生えてる様な湿ったところにキャッツアイは隠れている。

多湿な場所を探せばざくざく見つかる。

 

また見っけた。

完全にコツをつかんだ。

 

ここにはいなかったけど、こういうところにいる。

この苔も只者ではない気配を感じるけど…。

 

こちらはヤマネコノメソウ。

自分が初めてネコノメソウを見たのは奥多摩の大ドッケにある「秘密の花園」に福寿草を見に行った時なんだけど、前を歩いてたご夫婦が「ネコノメー!!」って騒いでくれなかったら見ることはできなかったと思う、

その時以来、ネコノメとのマッチング登山どえす。

 

パワハラを受け続けたおっさんの心を癒やすかのような清らかな沢に沿ってトレイルは続く。

まさにネコノメソウを探すには完璧なロケーションなのだ。

 

ちなみに先日は他部署の仕事のできない男が上司に叱られてたんだけど、なぜか自分も呼び出されて一緒に叱られるという謎の巻き添えを喰らい、しかも22時まで残業に付き合わされるという不遇な目にあった。

他部署の話なのに…。

もう体が持ちませんわ。

 

臭うな。

確実にあそこで「ぼくたちはここに咲いてるよ」とネコノメソウ達が歌っている。

 

もう百発百中だ。

狙った獲物は必ず釣り上げる勝負師にでもなった気分。

 

どうでもいい話だけど、カツオの一本釣りって海からカツオを豪快に引き抜いて、天高く持ち上げてからブレーンバスターの如く背後の甲板に叩き落とすというまさにラフプレーなわけだけど、あれを網だと魚を傷つけるから一本釣りで丁寧に扱ったカツオは良いと評価されるのがいまいち理解できず

クッションの上に落としてるらしいけど、カツオ痛そうにしてるもんね。

 

次から次へと上質なネコノメソウに出会えそうなポイントがでてくる。

 

 

やはり。

この群生はもはやパワハラでしょう。

 

とても小さい。

自分もこれぐらい小さく可憐な体型がよかった。

 

最後に見つけたポイントは今日イチの群生地だったから自分の後ろに順番待ちがいる。

自然を愛するハイカーにとって宝みたいな場所だな。

マクロレンズ忘れたしすかさず譲ってあげたけど、たまに権利を主張してるのか頑なにどかない人がいるのはなんなんだろね。

 

 

突然現れる鳥居。

前回の加波山みたいに社の飽和状態になるのは勘弁だなと残念な記憶が蘇る。

 

 

そして悲しいかな杉林へと突入。

これまで花粉の飲み薬にだけは手を出さないで我慢してきたんだけど、もういい加減耐えられなくなってアレグラに手を出してしまったんだけど、もっと早く飲んでおけばよかったとずっと我慢してきた自分がアホに思える。

 

警戒していたスギ林はすぐに終わる。どれだけ花粉が辛くて憎くて苦しめられてるか、もっと叫びたかったけど残念だ。

あの滝の近くにも咲いてそうだけど迂闊に近付くと怪我しそうたしもう無理はしなくていいかな。

 

熊の分岐と仙人ヶ岳山頂

沢が枯れてきたからネコノメソウともさようなら。

下山は猪子山経由で岩切登山口に戻る予定だからもう本日のネコノメとの出会いはござらんのよ。

ネコノメが恋しくなったらまた来年3月の山で探せばいい。

来月は桜、そしてアカヤシオ、チングルマやハクサンイチゲとの一期一会の旅で忙しくなる。

 

こんな岩場もでてくる。

中年のおっさんはちょっとの怪我でも怖いから慎重に通過。

 

小俣第ニ小の子供たちが作ってくれた案内板によると、とうやらここから急登が始まるっぽい。

しかし小学生にしては「難所」とかずいぶん難しい言葉を知ってるんだな。

この頃の自分なんかは、「熊」と「態」の違いすら理解できないアホさ全開だったと記憶している。

まあそれはいいとして、よーく見てみるとこの案内板には「熊の分岐までここから4000歩」と掘られている。

良かれと思ってのことかもしれないけど、小学生が作成した案内板に勝手に掘るなんてひどいじゃない。

 

急登と言ってもこんな開放的な森を進むわけだから苦に感じないよ。

 

 

ごめん、やっぱ苦しい。

 

 

熊の分岐に到着。汗だくだく。

仙人ヶ岳のピークはここを左へ。

ちなみに下山ルートは再びここに戻ってきて右へ行く予定。

 

 

最初は細い尾根道なんだけどすぐに開ける。

きっとこういうところにアカヤシオがたくさん咲くんだろうなという雰囲気。

 

スカッと開放的で歩きやすい稜線にでる。

今日は風もなく穏やかな天気にも恵まれ、歩いてて実に気持ちが良い。

良い山だな。

 

仙人ヶ岳の山頂に到着。

低山なので見晴らしはイマイチだけど。

 

一部で樹林が切れたところを見つけ、食い入る様に遠くを見渡す。

 

どれがなんていう山かぜんぜん分からないけど、景色が見れただけラッキーだ。

 

 

あのひときわ真っ白な山は日光白根山かな、きっと。

 

女仙人ヶ岳へ

標高No.1は仙人ヶ岳。

眺望No.1は女仙人ヶ岳。ぜひとも女仙人ヶ岳まで!!

そんな案内をされてちゃ行かないわけにはいかない。

 

ここら一帯、松の木がたくさん生えてて足元にはまつぼっくりがたくさん。

 

 

女仙人ヶ岳まではだいたい10分ほど。

前仙人ヶ岳まではちと遠いけど、女仙人ヶ岳ぐらいならぜひ立ち寄ってみよう。

 

女仙人ヶ岳と見事な青空。

登る前まではネコノメソウの観賞だけなら曇り空でもいいかなと思ってたけど、やはり山歩きは晴れてると倍楽しい。

 

 

男仙人ヶ岳がないのになぜ女と名付けたのか。まさか仙人=男というイメージですか?とかなんとか、今の時代はそんなことすら突っ込まれそうだけど、仙人ぐらいジジイでええじゃないか。

とりあえず到着。

 

右前方に見えるピークは前仙人ヶ岳かな?

最初はあそこまで足を伸ばしてみようかなと思ったけど、ここから下ってあそこまでの登り返しを見てしまったら行く気になるはずがない。

「よーし、今日の登山はここまで!」と高らかに終了宣言を発した。

 

ちなみに女仙人ヶ岳の左奥に薄っすら白いピークが見えるけど、あれが浅間山。

 

こちらはまさか女峰山?と思いきや赤城山。

赤城山の篭山のアカヤシオはこれまで数多くのアカヤシオの山を求め放浪してきたけど、ダントツの群生地だったな。

 

そして桐生市の町並みも一望できる。

たしかに女仙人ヶ岳からの眺めがNo.1。

 

この前仙人ヶ岳と赤城山の眺めが素晴らしかったけど、10分も山頂にいたら寒くなってきたからそそくさ帰ることにする。

 

 

再び仙人ヶ岳の山頂に戻ってきた。

下山は上りで歩いたネコノメ街道のピストンにするか、ぎりぎりまで迷ったけどせっかくなので周回コースをチョイス。

 

これが意外と疲れたわけよ…

 

下山なのにアップダウンの連続

さっきの熊の分岐を通過して猪子山方面へ。

樹林の木漏れ日が気持ちが良い。

 

仙人ヶ岳方面を振り返る。さっき歩いた稜線が見える。

 

仙人ヶ岳の稜線とは違ってヒノキによるウェルカム花粉のサービス付き。

アレジオン様のおかげで最近は笑う機会が増えた気がする。

 

 

知ノ岳に到着。標高は561m。

小さなピークだけどこういうのが地味に効いてくるわけです。

 

左へ行けば松田湖へと下るルート。

ここはもちろん猪子山方面だから松田湖方面へ行ってはいけない。

 

 

近付いてくる松田湖。

とういうことだ。

なぜ松田湖に向かっている。

松田湖方面へは行ってはいけないでしょー!!

 

200mちかく松田湖方面へ下ってしまい、無意味に知ノ岳に登り返していつもなら精神的にズタズタになるところだけど今日の自分は違う。

ふっ、おかげでさが桜マラソンに向けて良いトレーニングができたぜぇ…。

毎年フルマラソンにエントリーしてたらきっとすべてに前向きになれる。

 

さて、気を取り直して知ノ岳を下っていく。

YAMAPを見ると、この先には宗の岳、惟ノ岳、猪子山という無慈悲なアップダウンが待ち構える。

 

登りに差し掛かった。

正直言えばもう疲れてきたが、前方を歩く小学生の女の子を発見し、さすがにあの子に負けるわけにはいかないと必死の形相。

トレッキングポールを持ってこなかったことも大いに悔やんでいる。

 

 

どうやらこの先、犬帰りなるポイントがあるらしい。

ただならぬ雰囲気だ。

 

 

ここまでの安全な山歩きだったのにね、突然の岩場に差し掛かった。

しかもちょうど下から登ってくるご年配ハイカーの息遣いが荒すぎてだいぶ引く。

 

オーバーハングしてるから下りだと足の置き場が見えず上りより格段に難しい。

端からは自分の息遣いも相当やばかっただろうな。

 

 

そして惟ノ岳に到着。もはや屍。

疲れて水分を取りすぎてしまったため実はもう残り僅かだ。

 

 

そしてこの先に次なるピークが待っている。

あれをまた登り返すなんて憂鬱だ。

電車で隣に座ったおばちゃんがスマホゲームに興じて肘をガツガツ当ててくるのと同じぐらい憂鬱にさせられる。

 

ネコノメ街道のピストンでよかった。

 

とは言えどの山も一期一会。

もう二度と登れない山かもしれないのだから後悔しない様にしっかり遊んでおかねばと、川上剛史ばりの自己催眠にかけてみる。

 

のどが渇いた。疲れた。景色もない。

マラソンに向けたトレーニングという魔法の効力も切れた。

なんとか当初の目的通り猪子山のピークも踏めたけど、なんの意味があったかはもうよく分からない。

 

へたり込んで動かない自分の横を小学低学年の女の子を連れたお母さんが抜いていく。。

 

 

もうここからは登山口まで下りしかないはずだ。

低山なんだし、あっという間に終わるだろう。

そんな期待をもって再び歩き始めたけど、見事に外れる。

 

 

標高478m。

等高線を見て愕然とした。

こういう地図にものらない地味なピークがこの先2つもでてくるじゃないか。

 

チビッた。

 

ああ、本来の俺ってこんなだったなぁ。。

相変わらずというか、こういう優しい山でも疲労感に打ちのめされるのが本来の自分の登山スタイルだった。

それを久しぶりに取り戻せた気がする。

つまり、これは平常運転。

 

「ねぇお母さん、あのおじさんムキになって抜いてったよ」

 

「しっ!聞こえるでしょ!」

 

ここらへんで再び女の子とお母さんをゴボウ抜きし、小学生との熾烈なデッドヒートに決着をつけるという大人気なさも披露。

 

小学生にはちょっときつい山だったろうなと少し心配したけど、逆に心配されていたかもしれない。

 

 

岩切登山口までは残り0.8km。

ここまで来ればゴールしたも同然。

 

 

なんだと!?

「ここから下山する際は「猪子トンネル登山口」へ下山して下さい」だと?

 

こんな注意書きがあってかなり戸惑ったじゃないか。

無視して岩切登山口へと歩いた。

結果的に正解だったんだけど、紛らわしいったらない。

 

花粉アレルギー野郎を殺しにかかる森。

これを心配しての注意書きだったのだろうか。

 

最後は5分ほど道路を歩いたら岩切登山口だ。

明日はマラソンの練習をするつもりだったけど、明日まで疲れは抜けないなこりゃ。

(豪雨のさが桜マラソン、泣きながら完走できました)

 

振り返って

前回が加波山のどぼぼーん登山だったからそれとのギャップもあったけど、仙人ヶ岳はとても良い山だったよ。

 

こういういかにも里山らしさを味わえる山って、東京近郊だとありそうでなくて、実はとても貴重なんだよね。

武甲山や加波山、筑波山とか丹沢なんかは整備され過ぎてて里山感には欠けるし、そのうち奥多摩も似た感じになっちゃうのかなぁと憂いてもいる。

 

桐生や足利の山には地味なイメージを持ってる人もいるだろうけど、その地味さが良かったりする。自然豊かだしハイカーに人気なのも納得。なにげにアクセスも良いからね。

 

 

最後のこのヒノキの森は恐怖だったけど、日が差した光景がめちゃくちゃキレイだった。

 

ところで再配達が有料になると聞いて、いま楽天ポイントで宅配ボックスを買おうか悩んでるよ。

自分が学生の頃、大手の宅配業者で軽トラ使って配達のバイトをしてたけど、再配達の連絡をしてくれる人って実は有難かったけどね。

むしろ連絡がないと何度も訪問して不在票を入れなきゃいけないから、その方がはるかに大変だった。

その荷物がりんごとか米ならまだしも、ミネラルウオーターだったらもう地獄だからね。2リットル50本、つまり100kg。

ヒーヒー言いながら運んで届けてみたら、当時WGPで活躍中の超有名バイクレーサーが出てきて感激しちゃったけど(バイクの免許持ってないくせに)。

まあ昔話なんてしてないで、時代に合わせて宅配ボックス買います。

ではでは

 

歩いたルート

 


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