【茨城】ジャンダルムでタコ殴り登山 3回登った生瀬富士とアップルパイ

【茨城】ジャンダルムでタコ殴り登山 3回登った生瀬富士とアップルパイ

なななな、ぬわんだとー!

茨城にジャンダルムが爆誕!?

 

 

ミミハツッ!!

こうしちゃおられんっ!!

 

がつがつ食って、

どんどん登って、

じゃんじゃんジャンダルム!

という訳で、生瀬富士(なませふじ)にやって来た。

ここは茨城県大子町。以前、奥久慈男体山〜月居山縦走の時に訪れた町さ。

はて、こんなところにジャンダルムなんてあったかいな?

月居山から綺麗な山容の生瀬富士を見た記憶はハッキリ残っている。ただ、生瀬富士にそれほど興味が無かったからスルーしちゃったけど、まさかまさか、そこに茨城のジャンダルムがあるって言うじゃな〜い(波田陽区風に)。

面白そう!という訳で喜び勇んでやって来たのだ。

 

ちょっと!ちょっとちょっと!

そんなまさか。天使が象さんジョウロ持ってるじゃないか!ワロタ。

穴を開けて「茨城のジャンダルム、406m」って書いてある!

シャレが効いてる。やっぱ来て良かった。

 

し、か、も!

 

それだけじゃなくて、長靴に履き替えて沢を渡渉したり、ご当地グルメのアップルパイを食べたり、トータルでジャンダルム級に楽しめちゃうのが、ここ生瀬富士だ!

歩いたコースは、袋田の滝→生瀬富士→立神山→月居山→袋田の滝のサーキットコース。

 

生瀬富士は標高406m。

北アルプスのジャンダルム、足尾のジャンダルム、そして茨城のジャンダルム。

これで全ジャンダルム踏破か?

 

ルートとコースタイム

■2021年12月19日 ※カッコ内は標準コースタイム

袋田の滝町営第一駐車場⇒(60分)⇒生瀬富士⇒(5分)⇒ジャンダルム⇒(5分)⇒生瀬富士⇒(15分)⇒立神山⇒(60分)⇒生瀬滝⇒(50分)⇒月居山⇒(40分)⇒袋田の滝町営第一駐車場

コースタイム:3時間55分(休憩含まず)

総距離 6.6キロ
累積標高上り 832m

茨城のジャンダルム登山 本編

袋田の滝駐車場から登山開始

しばしば猛省登山を繰り返し、その山の魅力をあたかも半減させてしまう様なことを書いてしまっていることに気付いた自分は、今回はペコパ風にネガティブなことでも肯定的に、プラス思考な旅にするぞー!と意気込んでやって来た。

しかし、そんな心配無用は一切無用だった。全てが素晴らしすぎたからね。

 

という訳で、ここは袋田の滝の町営第一無料駐車場。

激寒だ。そんじょそこらの雪山より寒く感じる。

 

無料駐車場でありながら、ここにはトイレもばっちり完備されてる。さすか観光地、おしっこし放題だ。

最近の道の駅でよくある温水がでるトイレではないけど、大子町のサービスの良さに最初から感謝だ。あざす。

 

FMだいごの恐竜マスコットがノリノリだ。

象の化石が見つかった大子町。ここはやはり象のマスコットで推して欲しかった。

 

下山後に立ち寄った温泉の番台さんが、

「今朝は−7℃だったもんね、滝が凍るにはまだまだだよ」

と言ってた通り、日陰は脳天がしびれるほどキンキンに冷える。

 

生瀬富士へ。

そこら辺の草が全て凍っている。

モチベーションが低下してしまいそうだが、よく晴れる日ほど冷える訳で、きっと今日は良い一日になることを信じて先へ進むでござる。

 

住宅地を抜けた先に登山口がある。

進撃だ。

 

日向のトレイル

登山口からトレイルに突入。

先日、進撃の巨人の作者、諫山創先生の地元、大分県日田市を聖地巡礼してきた。

日田駅前と大山ダムにあるリヴァイやエレンの銅像としっかり記念撮影をしてきた、いいおっさんが。

さらに道の駅の進撃の巨人ミュージアムにも立ち寄り、原画に大コーフンした。いいおっさんが。

次男坊のリクエストで敢行した聖地巡礼だったが誰よりも楽しんでやった。

進撃の巨人のストーリーを、そこで初めて知るというにわかぶりだったのだが、そんなこと構わない。

そしてとうとうNHKで最終章の放送が始まった。最終章に間に合ったどころか、単行本で最後まで一気読みしてテレビ放映より先回りしてやった。

 

相変わらず日陰にいると芯から冷えてくる。

駐車場からここまで何度「寒い」と呟いたか。

これだから冬は嫌いなんだ、僕が一番ガンダムを上手に使えるんだ…ブツブツ…。

雪山も好きだけど、やはり快適にテントができて山の夜を満喫できる夏〜秋がベストシーズンだよなと痛烈に思った。

 

右前方に見える岩峰が山頂だろうか?

だとすると早すぎる。

まだ体が温まってないじゃないの。

 

アップにしてみる。

やはりあれ、山頂っぽい。

嘘でしょ。

 

やっと日陰から日向へ。

低山なのに杉林ではなく原生林が豊富な山なだけに遮られない日差しが気持ちが良い。

ここから一気に体は温まっていく。やっぱ山に来て良かったと早々に手のひら返し。

太陽は偉大だ。

 

空には雲一つない、なんて気持ちいいハイキングコースだ。

晴れた日ほど冷え込むと言う通り、朝イチの厳しい寒ささえ乗り切っちゃえば、あとはスカッとした冬晴れのご褒美だ。

ちなみにこの日、北関東や北陸では豪雪となり、恐ろしいまでの交通渋滞が発生。内山峠では車が立ち往生らしいし、八ヶ岳や長野方面にしなくてよかった。

 

山頂がどんどん近づいてくる。あっという間だ。

 

気付けばそこそこ標高を上げてきたことを実感する景色。

 

早速ロープが出てきた。

ここまでダラダラ登らされてて気が緩んでいたが、突然急峻な登りに様変わりする。

 

先に言っちゃうけど、ここでうっかり勘違いしちゃったんだよね。

ここの案内に「立神へ」って書いてあるんだけど、ここで言う立神は集落のことで、立神山のことでは決してない。

生瀬富士の山頂とジャンダルムに登ったら立神山へ縦走する予定だったから、てっきりここに戻ってくればいいんだなと勝手な思い込みプレイを見せつける。

ここから立神山へは行けない。

 

ルートを間違いやすいところには、こんな風に「県北ロングトレイル」と書かれたテープで道迷いを防止してくれてる。全般的によく整備されたコース。

そんなところで道迷いを犯すなんて、片腹痛いわ。

 

虎の子ロープが設置された岩場を越えていく。

細いロープに頼ってると握力がすぐ無くなるし、危なっかしいからなるべく岩のホールドできるところを選んで登っていく。

偉そうなことを言ってるが、その登り方は震えるほどぎこちない。

 

岩場を登れば里山感満載の景色が広がる。

茨城県と言っても福島と栃木との県境に近いエリアだからしっかり山深い。侮るなかれ。

 

奥久慈男体山と同じで、火山によって形成されているから、安山岩がむき出しになっている。

安山岩と安産祈願を聞き間違えてしまう人がいたら、それはジャンダルムに頭をヤラれてる証拠だ。早く登らないと治らないぞ!

ひつまぶしとひまつぶしを見間違えてしまうのに近いがちょっと違う。

 

生瀬富士の山頂からは日光連山の絶景

アホなことを考えてるうちに、もう着いてしまった。

この手軽さがおっさんにはちょうどよい。

山頂は狭かったけど、他に登山客はいなかったから少しのんびり堪能する。

ちなみにここまでとても丁寧な道標ばっかだったのに、山頂の標識に限って、左に行けば「北茨城」、右に行けば「日光、那須」って、途端に大ざっぱ過ぎね?

ここで左が「立神山」って書いててくれたら道迷いしないで済んだのにぃ!

 

山頂からはご覧の通り、遮るもののない絶景。左の山々は日光連山。そして真ん中は那須岳や三本槍岳とか。

更に右に目を向けると安達太良山系も良く見えた、グレートビューが広がる。

 

安達太良山や那須岳もいいけど、やはりでっぷりした男体山の山容は突出してる。

冬の男体山は登っちゃいけないことになってるけど、実際、結構登ってる人多いよね(笑)。

自分もたいぶ前に1月の男体山に登ったことがあるけど、その時もすれ違った人がいたな。

ちなみにその時の記事はアップするなり閲覧数がうなぎのぼりで慌てて非公開にした。当マイナーブログがこんな記事アップしたってどうせ誰も見ねぇよぉ〜っと軽い気持ちでポチッと公開してみたら、まさかの一番の人気記事になって慌てた。

なんにしても早く大手を振って登れるようにしてほしい。

登山してる者がこの男体山の姿を見て登頂意欲を抑えるのはとても難しい。

登るか登らないかは貴方次第といったところだけど、少なくとも救助騒ぎにならないように気をつけねばならない。

 

男体山みたいに目立つ山もいいけど、こういう幾重にも重なる無名な山々を眺めるのも良いもんだ。

やっと気分が乗ってきた。

 

茨城のジャンダルムへ

さあ、満を持して本日最大の目的地、ジャンダルムへ。

生瀬富士の山頂からジャンダルムへ抜けるルートがあって踏み跡も明瞭。すぐ分かると思うよ。

ほんで、そこを抜けると、

 

どっぱーん!

一気に展望が開けジャンダルムへと続く一本の尾根道のお出ましじゃい。

一見、細くてボコボコして躓き易そうな悪魔道に見えるけど、意外と幅が広くて歩きやすい。

もちろん、転んだら助かる保証はないから慎重に進む。ましてや自分は高いところがてんでダメだから、ここからモーモー牛歩となった。

いつもの事だ。

 

なんとか先端まで来たぞ。はて?これがジャンダルムか?

ミニサイズだけど、確かに形は本家本元を彷彿させる。

天使さんはほんとにおるのけ?

 

おおー!!

噂に違わぬ、まさに茨城のジャンダルム!

狙ったのかたまたまなのか、あたかも目の位置に穴が空いてて、本来は鼻筋のところがアホっぽく口を開けてる様にも見える。サイコーだ。

 

こちらは本家の天使。濃霧警報発令中か!?

(そもそも天使に本家って違くね?)

しかもよく見てみれば、本家も口の開け方がアホっぽく見える(笑)

これは自分が2018年に登った時の写真ね。ぜんぶ自分の足で稼ぐ、それが自分のポリシーさ。他人の写真ばかり集めて山の特集記事を作る某ネットマガジンとは違うのだよ!

 

ジャンダルムから先にもまだ行けるみたいだけど、今日はここまで。

生瀬富士の山頂に引き返すよ。

 

ちなみに、ジャンダルムからは富士山が見えるみたいなんだけど、遠くの方はモヤってるため残念ながら見えず。

どピーカンなのに。

 

立神山へ道迷い

さて、生瀬富士の山頂から先に説明した場所まで戻ってきた。

さあ、立神山へ縦走開始だ。

 

彷徨ってるとも知らず、杉林の中をさらに下る。

どうもおかしいと思い始める。

 

ほら、ここにも。

「→立神(大生瀬)」ってなってる。これ分かりにくいよね。

大生瀬って言われてもそんな所があるのなんて他県の人は知らんもーん。もんもんもーん!

 

しかし、そこは長年登山を続けていると働く勘みたいなものがある。

そんなはずはないぞ…と途中で気になってYAMAPを確認。そこでやっと間違いに気付き、この深い杉林の中で天を仰ぎ、そして黄昏れた。

涙がしょっぱいぜ。

また登り直さなきゃならんかね?

と、あたかも「誠意って何かね?」と黒板五郎に問いかける菅原文太ぽく呟いてみる。

 

そして本日、3度目の生瀬富士の山頂にカムバック。同じ映画を連続して3回見た気分だ。

つい先程「やっと気分が乗ってきた」とぬかし、舌の根も乾かぬうちにここで本日一発目のノックダウン。

「この手軽さがおっさんにはちょうどよい」とも言ってた。なのになんだ。生瀬富士でタコ殴りに合ったじゃないか。

踏んだり蹴ったりってやつだ。

体力的には余裕だ。気持ち的に完全に折れた。

 

しかし縦走は続く。

山頂から立神山へは一旦下る。さっき散々下っといてここで再び下るのはマジで心が折れる所業。

おいおい、中年をいじめてなんの得があるって言うんだ?

わしゃ余生を平和に暮らしたいだけなんじゃ~、と転げ落ちていく。

そんなアホな独り言をブツブツ言ってると、前を歩いていた親切な女性が振り返って、「ジャンダルムはあっちですよー!」と教えてくれた。

この女性は、自分がジャンダルムに行くつもりなのに、間違えて私に釣られて下りてきてしまった哀れな中年なのね、と心配して言ってくれているのだ。

とっととジャンダルムは済ませていることをこの女性は知る由もない。当たり前だ。他に生瀬富士を3度も登る輩がいるか。

 

とりあえず、いちいち説明するのも長くなるため「ありがとうございます、でも大丈夫です!」と答えといた。

3度登ったからこそ、他人の優しさを知ることができたのだ。そう思うことにした。

最高だ、生瀬富士。

 

更に下る。ロープが出てきてなかなか急峻。思いっきりロープに頼る。

 

下ったら登る。これが縦走の摂理。くっ。苦しい!

持てる力のすべて、情熱のすべてを駆使する総力戦が始まった。

道に迷っといてなんだが、効率の良いルート選びなんてないのだ。結局、愚直に一つ一つ登っていくしかない。つい目が巻道を探してしまうがそんな愚行はやめるんだ!

 

やっと見えてきた、あれが立神山の山頂だ。

だいぶ遠回りした、本当に。

 

楽な登山をイメージしてた分、余計に疲れた。

全てのピーク踏むまで帰れないという帰れマンデー的な悲壮感が漂い始めた。

 

さっきまでいた生瀬富士はあんな近くなのに。直線距離で100mもないかも。

アップダウンにやられた。

 

滝のぞきと沢の渡渉

立神山からゲロ吐きそうな下りが始まる。

どんなピークでも縦走の場合は一旦下らなくていけない。ピークから登るなんてことはあり得ないのだ。

スレッガー風に繰り返すと「悲しいけどこれ、縦走の摂理なのよね」だ。

 

すべて葉を落とし終えたブナの隙間から見える麓の町が近い。

アルプスだとこれより遥か遠くに小屋が見えると、あぁやっと帰ってきたんだと思えるんだから、改めてアルプスのスケールのデカさにぶったまげる。

 

名もなきピークに登っては、

 

麓の景色に癒やされ、

 

そして下るという、単純行動の繰り返し。

この無駄な行為をしに、わざわざ遠い大子町までやって来たなんて、俺はアホだ(笑)

麓の町はすぐ近くだ。今すぐそこにエスケープしてもいいかなーと思えた。

 

おお、月居山が見えた。

今回企画した旅の最後のピークだ。

でもあそこ1回登ってるし、このまま寄らずとも良くね?と頭をよぎる。

秋の月居山に登った。その時は紅葉の最盛期で最高だった。そこでもう分かっているのだ。

月居山には眺望が無いということを。

 

しかし、男たるもの一度決めたことはそう安々と方針を変えたりせぬものじゃ!うぬら、進撃じゃー!

と、毎度アホの性が暴発。もうこうなったら企画を全うする他、選択肢はない。

真の男は逃げ道なんぞ用意したりはしない。

クロマニョンズの「雷雨決行」が頭の中でガンガン流れる。

やり残しなどしないのだ。いざ、進むべし!

全体の行程7キロ程度の初心者向けコースであることを付け加えておく。

 

また登る。登りを苦にしないどころか、楽しめちゃう強靭な体が欲しいが、そんなのは無理だ。

こうなったら仕方ない、半年ぶりに繰り出すか。

立山三山で体得した「奥義 登りの呼吸 人鳥なりすまし」だ!

「ここは平地でござる、ここは平地でござる!」と何度も呟きながら、ペンギンを彷彿させる小股でジグザグに登り、傾斜を最小限に感じさせことで、脳をあたかも平地を歩いてる様に錯覚させる、やっほっほ亭奥義。

 

この技さえあれば登りを苦にしない強い体などはいらないのだよ。

体力に自信がありすぎるとかえって無茶な山行にトライして痛い目にあうから、テクニックでカバーすることを覚えた。

もう一度言う、この山は全行程7キロも無い初心者向けコースだ。

 

滝のぞき。

日本三名瀑の1つ、袋田の滝を上から見下ろすことができる。

登山者だけが許される光景だ。

どりどり。

 

おお。お見事でござるー!

まだ凍ってないのね。

 

ジャンダルム、そして袋田の滝。楽しいじゃないか!

しかもこのコースにはとっておきの楽しみが更に待っているのだ。

次から次へとアトラクションがでてくる大人のアスレチックコースだ。

さあ進め。踏み出せばその一足が道になり、その一足が道となる。 迷わず行けよ 行けばわかるさ。ダァー!!

 

また下るのか…。

せっかく勢いよく再び歩き始めたというのに。

しかもぐんぐん標高を下げる。

袋田の滝の上流部にある生瀬滝まで一気に下る。ゲロ吐きそうだ。

 

大子町の農村が近づいてくる。

おいおい、嘘だろ。もはや同じ標高まで下ってきちゃったじゃないの。

せっかく稼いだ標高稼いだのに。くそっ。

 

あっ、サンタ見っけ。入山者カウンターをポチッと。

登ったのは12月19日だからいつもサンタがいるのかは分からないけど、こういうのいいね。

 

おおぉぉぉぉぉ!!!この川を渡渉するっマジかいやー!

って知っててやって来たけど、想像を超えてた。それにまさかこんなに水量が多いとは。

本当に大丈夫か?

 

ここの有り難いところは、どうぞ使ってと、長靴が備えられてるところ。

ここの川の水量をこの長靴で果たして渡れるのか?と少し不安だけど。

それに大きめサイズあるかなーと不安だったけど大きめサイズが多くて助かった。自分が28センチだけど、OKだったよ。

たまに10名以上の団体で山に来てるパーティを見るけど、その時は不足するだろうから誰かが2往復して対岸の長靴を持ってくるしかないね。あ、いや、後続の人のために3往復してもとに戻しといてくれないと困るわ。

もしくは、誰が濡れるか事前に相談しておくべし!

 

歩いてみると、水かさが思ってたほど高く無かった!

この写真のおっさんがあちきね。長ぐつが良く似合ってるぜぃ!

渡渉する際に自分のシューズを置き忘れないように注意だ。左手に持ってるのはピンクのナイキのトレランシューズ。まだそれで山に登ってるのかと呆れられそうだ。

ちなみに、ザックは2021年の秋に購入した山と道のMINI2。背面がメッシュポケットになってるザックで探して、候補はいくつかあったんだけど、ナイロン素材も強化したと聞いて奮発してこちらを購入。

グレゴリーの40リットルのザックが防水加工の素材がボロボロ剥がれ落ちてきてベタつくから、そろそろ寿命かなぁーと悲しみに暮れてたんだけど、良いザックに出会えたよ。

これまで苦楽を共にし、登山初心者の頃から無茶な山行にも付き合ってくれたグレゴリー。修理にもだして延命してきたこのザックには思い出が詰まっている。一緒に歩いた山は200座はくだらない。不満に感じるところも多かったけど、それも含めてとても大事なザックさ。

登山を始めた頃は20リットルのカリマーを使ってたけど、荷物が増える傾向にある自分の登山スタイルには、大き目な方が良いと思って購入した日帰り用ザックだった。

普通に捨てるのではなく、安全を支えてくれてたんだから神社で御焼き上げでもしてもらおうか、本気で考えちゃうよ。

そのグレゴリーは最後に最高の山に連れてって上げたい。

 

渡渉の話に戻すけど、こんな一見すると流れが強そうなところを、あの小屋に向かって歩く。

歩いてる分には流れの強さは感じなかったけど、何か物を落としたら最後。あっという間に袋田の滝の方まで流されちゃうから気をつけるべし!

 

渡り終えたこの貸別荘のところで長靴からシューズに換装。

長靴は戻す箱があるからね。

クリスマス気分で山ランチ

さて、一旦ガツンと標高を落としたためすっかり帰宅モードだが、最後の一座から逃れることなんてできないのだ(迂回路はあるらしいけど)。

全体のコースタイムは短いんだし、最後の月居山はゆっくり楽しもう。

 

足元には霜が。オラオラオラーとふみふみ。

 

おえぇ〜、サイアクや。階段でてきたじゃないか!

 

もうこれ以上先へは進めない!

・・・・・。

つ、よ、し!

つ、よ、し!

つ、よ、し!

♬例えば挫折が目の前に立ちはだかる〜

長渕剛STAY DREAMのタメを知らない人は出直してきなっ!(別にファンじゃないけどな!)

まさかまさか、ここからしばらく階段が続く。

なにが「最後の月居山はゆっくり楽しもう」だ。そんな余裕ねぇぞ!

 

冬は山の野鳥が低いところまで降りてくる。鳥のさえずりが賑やかだな〜と思ってたんだよね。

どれどれ、どんな鳥が見られるのかな?

 

ウソ!!

口笛を意味する古語「うそ」からきてるらしいけど、他の案なかったのかね。

 

さきほどまでいた生瀬富士の全体を見渡せる!

これが見られただけ、月居山まで来た甲斐あったってもんだ。

 

月居山の山頂はすぐそこだけど、急ぐのはやめて、ここであえてお昼ごはんにする。

冬の山は突然天気が悪くなることもあるけど、それは高山と日本海側の話。冬の太平洋側は予報が変わることの方が珍しい。

徹底的にのんびりするぜぃ!

 

もうすぐクリスマス。という訳で、デザートはシュトーレン風ドーナツ。おいしそうでしょ?

2021年の登山もたぶんこれが最後。初めての立山、念願だった白馬大池でのテント、開聞岳と菜の花、充実の1年だった。楽しかった。

その締めくくりが茨城のジャンダルムだなんて、我ながら乙な選択だよ。

 

月居山の山頂

さぁーって食ったし、そろそろ月居山に登ろう。

と、歩き始めるなり光明寺に向かって下っていく。

 

ここで勢いよくゴ〜ンとやって遊んでると、先ほど生瀬富士の山頂で出会った女性と会った。

そこでも「ジャンダルム良かったですよ」と教えてくれた。

きっとジャンダルムに立ち寄ることを忘れ、立神山へとガツガツ向かっていく自分を見て不憫に思い、次回は忘れずに登るんだよ、と言いたいのだろう。

申し訳ない。自分の道迷いがこんな形で迷惑をかけてしまうなんて。

しかし、ここでも説明すれば長くなると思い「そうですかー、ジャンダルムいいですよね!」と話を合わせにかかる日本人らしさを見せてしまった。

今思えば、30分かかろうが1から説明すべきだった。そして余計な気を遣わせてしまったことを土下座すべきだった。

この場を借りてごめんなさいと謝罪させていただきます。

 

月居山への最後の登り。

 

これが2021年最後の登り坂だ。以下、ヤフコメで見た2021のコロナ名言に一部付け足したものをご紹介する。

ありがとう2021。

3月「6月までが正念場」
4月「本当の正念場」
7月「勝負所だと思ってる」
7月「まさに今がヤマ場」
7月「この夏最後のステイホーム」
8月「最後の我慢をお願いしたい」
8月「極めて大事な時期」
9月「まさに今が踏ん張りどころ」
9月「今が本当に正念場」
9月「あともうひと踏ん張り」
10月「万全を期して参ります」

 

言い尽くした2021年。

そして2022年が始まるなり、怒涛の感染爆発を迎えている。しかし、再び「正念場」だなんて軽々しいことは言わないでほしい。

もう個人的には、首相も百合子もwithコロナで乗り切ってくれ!でいいと思ってしまう。そして相変わらず自分は会社からはテレワークをさせてもらえないという不遇扱い(くそっ)。

もちろん、周りは当然の権利とばかりにテレワークを取得している。

なんという差別…。しかも喘息持ちなのに。

だがもういい。

ただ1つ、願わくば、南アルプスの小屋が今年こそ営業してくれることを祈るばかりだ。

 

ほいっ、月居山の山頂に到着。

ここは昔山城だったから山頂は平べったい。

 

パッと見、ランチするには良いところなんだけど眺望が無いんだよね。

敵が襲ってきても気付けないっつーことか。この山城の弱点見つけたり!

 

Let’s go out

出ていきましょう!

ではなくて、外出しようぜ!って意味ね。

 

山頂をウロウロしてたら標識も見つけた、404m。

いい字だ!

 

眺望が無いから足元の木の根ショットぐらいしか撮る物がない。

 

ではそろそろ、あそこに見えてる麓に向かって下りましょうかね。

今年も最後まで安全登山が楽しめた。

 

りんごとゲッザーン

さきほどの光明寺まで下れば、そこから先は舗装路だ。

これが2021年最後の下り。こんな舗装路でも辛抱強く丹念にネタを探していくと様々な発見があるものだ。

 

舗装路なのにケルンっているのか?とか。

 

ここは左の袋田温泉方面へ。

間違えて袋田の滝に行っても駐車場に帰れるからどっちでもいいけどね。

そしてよーく見てみると、

 

なぞのメガネ発見。これで目が悪くても標識を見落とさなずに済むぜぃ!

丹念にネタを探してみるもんだ。

 

だらだら舗装路を下っていくと、見落としがちなのがこういう脇道。

ここで「七曲り登山道滝駐車場方面」へ曲がる。

 

呆気ないけどこれで下山終了。

月居山は大子町の目印だ。とてもよく目立つ。

 

大子町はりんごが自慢。

りんご園がたくさんあって、各園でアップルパイの味を競ってるみたいだから食べてみるべし!

 

朝はあんなに寒かったのに、もうぽかぽか陽気。

里山の麓に広がる田舎の雰囲気は、平和な気分にさせてくれる。

 

りんごとオンセーン

りんご園のアップルパイを食べに行ってみたかったけど、閉まってるかもしれないから確実にゲットできる道の駅に立ち寄った。

 

りんこがたくさん売られてるけど、買っても食べ切れないしなー。

 

ウッ!

 

パイ、アッポー、アッポーパイ!

 

はい。という訳で、お目当てだったアップルパイをしっかりゲット。

10年ぶりぐらいに食べたけど美味かった!

 

月居温泉滝見の湯へ。

安かったし近かったからここにしたけど、お肌がツルツルして良かったよ。

風呂から上がると休憩室が地元の常連がたかっててちと肩身が狭かったけど…。

ともかく冬は温泉にかぎる。

 

帰りに「飲む缶カレー」なる飲み物を見つけ、二度見した。

おおっ!と思わず買いそうになったけど、冷静に考えたらレトルトカレーの方が安いよなーと思って、ニューデイズでコーヒーを買って帰った。

2021年最後の登山の画像がこれでいいのか?

 

振り返って

ジャンダルムあり、鎖場あり、川の渡渉あり、袋田の滝あり、アップルパイ、そして温泉。

サイコーだったぜぇぇぇええええー!!!

ここは低山の中では日本一面白いコースだと思う。ほんとお薦めだYo!

太平洋側の気候だから、冬になればスカッとした快晴が続き天気が読みやすいのも良い。茨城の奥の方で東京からだとちょっと遠いけど、来る価値はあると思う。

 

まだ登山の駆け出しの頃、まったく分からずに男ならやっぱグレゴリーだと、そんな思い込みたけでさかいやスポーツで即決したザック。

このザックと歩いた山々は数しれず、今ではすっかりロゴも剥がれ落ち、ショルダーハーネスの修理の跡も痛々しい。

初めての雪山、初めてのアルプスもこの相棒と歩き、暴風雨、吹雪、日差しを浴び続け、すっかりクタクタになってしまった。

乱暴な扱いにこれまで耐えてくれた相棒よ。

このザックと出会えて本当に感謝しかない。

「さよならグレゴリー」の旅は、どこにするか。

ではでは


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