3月18日。福岡県と佐賀県の県境にある九千部山(くせんぶやま)にやって来ました。
自宅から近いので、かねてからちょっとした暇ができた時に子供と出かけるにはちょうど良い山だと思ってました。
九千部山は標高848m、九州百名山です。
ルートはいくつかありますが、グリーンピアなかがわというキャンプ場を起点に、桜谷コースとうるしが谷コースを使って周回してくるルートが定番です。
キャンプにやって来た人向けに、登山道はよく整備されてます。登山口から標高差もわずか490mほどしかないから手軽に登れ、子供と来るには最適です。
今回、自分たちは犬を連れているため、少しでも舗装路が長い方が良いと思い、うるしが谷ルートのピストンにしました。
今回は次男坊と盲導犬パピー(三男坊)の3人パーティーです。
めちゃ笑ってる(笑)
山に登ってると「楽しい楽しい!」っていう気持ちがすごく伝わってきて、ぐいぐい引っ張っていくからリードを持つ手が痛かった。
今回の登山で1番驚いたのは、次男坊が去年よりはるかに体力がついてたこと!
黒髪山でバテバテだったのが嘘みたいです。
軽快に登って行く姿を見て、我が子の成長を感じることができるのも登山の楽しみの1つです。
さて、長々と書きましたが九千部山の特徴を簡単にまとめるとこんな感じです。
1.グリーンピアなかがわからの登山道はよく整備されていてとても歩きやすい。
2.標高差はわずか490mほどしかなくかなり手軽。
3.山頂は広く、ゆっくり休憩できる。展望台からの眺望も良い。
一般的に犬ってソリを引いたり、離れた飼い主に会いに何百キロも移動したり、底知れない体力の持ち主ってイメージが先行しがちですが、実はそんなに体力があるわけじゃありません。
心臓も小さいし、汗もかけないから、通常の散歩は30分程度。1時間も歩かせてしまうとへばってしまい、家に帰ってきてからずーーっと寝てるなんてことが良くあります。
そんな三男坊なので、今回の登山は無事山頂まで行けるか?と心配でしたが、、まあそれは続きを読んでくだされ。
盲導犬パピーと登る山旅の幕開けです。
イヒッ
いざっ
■アクセス方法
・グリーンピアなかがわへのアクセスは、こちらをご参照ください。
■ルートとコースタイム
■2018年3月18日 ※カッコ内は標準コースタイム
グリーンピアなかがわ駐車場⇒(85分)⇒山頂⇒ (60分) ⇒グリーンピアなかがわ
標準コースタイム:2時間25分(休憩含まず)
3/18 グリーンピアなかがわ~山頂(ピストン)
活動距離:5.6km
高低差:487m
累積標高上り:560m
消費カロリー:1,340kcal(目安 身長180cm/73kg 男性)
はじまり
さあ、紹介するぜ!
こんな可愛い犬は日本中探したって見当たらないぜ!うちの三男坊だ!
鼻血でるわ、可愛いすぎる!!
盲導犬クイールの血を引く(らしい)、生後9ヶ月の男の子。去勢済みさ!
イエローラブです。ラブラブだ!
性格は温厚だが遊んでほしい欲求が強く、人を見ると尻尾をぶんぶん振って手当たり次第に飛び掛かっていくやんちゃ者だぜ!
油断すると顔中ベロベロにされるから気を付けろ!
ニヤッ
常に上機嫌なウルトラのパピーだ!
いきなり愛犬のプロマイドでスタートした当ブログ。
ここから本編開始です。
さあやって来ました。グリーンピアなかがわの駐車場。
とってもお利口だから初めて来た場所でもこんなに落ち着いてる。
頼もしい相棒さ。
ここの駐車場は無料でしたが、『無料期間中』と張り紙がされてたので、夏のキャンプシーズンは有料になるってことかもしれません。
真夏に低山に来る物好きはいないと思いますが、とりあえず事前に確認が必要ですね。
そして、もう一人紹介するぜ!
今回三男坊をリードしてくれるのはウチのランボーこと、ジナンボー!
3度の飯よりアメリカンコメディをこよなく愛する男!
何でもやってみないと気が済まないたちで、三男坊の糞を溜め込んだビニール袋を開けて臭いを嗅いでみて、泣きながらえずくとんでもない冒険野郎だ!
三男坊からの信頼も厚く、頼もしい男の中の男だが喧嘩っ早いとこもあって獰猛だ!
あれか?
公園から見える小さなお山。まさかあんな小さいのが九千部山じゃないよな・・と思いながら登り始める。
実際には九千部山は奥まったところに山頂があって、麓からだと山容を確認することはできません。
舗装された登山道を登って行くと、すぐに鹿の防護柵がでてきます。
色んな山で鹿避けの柵があるけど、ここの柵は特に開けにくかったです。
まだしばらくは舗装路の急坂が続きます。
歩きやすさから、次男坊と三男坊がめちゃ早いペースで登って行く。
「ぜったいにバテるから!」
と、止めにかかるけど三男坊が止まらない様子。こりゃ毎度の撃沈登山になるぞと早くも心配。
紅梅が咲いてました。
が、三男坊のハイペースに立ち止まってゆっくり見ている余裕がありません。
三男坊:「脱ぐんでしゅか?もう脱ぐんでしゅか?」
登り始めたばかりですが、もう暑くてしゃあないと次男坊が服を脱ぎだす。
典型的な撃沈のシナリオです。
ここから上はトレイルです。
この急な階段を三男坊が上がれるか心配でしたが、軽々と登って行く。さすが4本足。
三男坊が集中できる様に、後ろを歩きます。
今日はプリチーなおけつを眺めながら登るスタイルです。
どんな顔で登ってるのか興味ありますが、しゃあない。
グイグイ行く三男坊。
「こ・・この子は初めての登山を楽しんでる!」
と、いささか自分に都合の良い解釈に聞こえますが、感情が豊かな子なので、何を思ってるのかは良く分かります。
「山が好きでしゅ!」と言っている。間違いないのだ。
山椿です。花が小さくてツツジの様な形をしてました。
九千部山のピークの手前にある、ホルン五ヶ山という小ピークの展望台がありました。
「行く?」
ジナンボー:「行かない。」
即決です。
登ってる間は終始樹林帯の中を突き進むため、あまり見晴らしは良くありません。
たまに開けてもこんな程度です。
すでに疲れてきたけど、スタートしてからまだ0.3キロしか進んでないという事実に一同ガクゼンとしました。
ペースが早すぎるんじゃ。
それでも一所懸命リードをつかんで登っていく次男坊に、成長を見ることができます。
「すごいやん!」と誉めると、
「うん。俺、鬼ごっこで鍛えとーし!」。
・・・お前ずっと鬼やらされてないか?
相変わらずノリノリ。
その顔が見たかった。やっぱそんな笑顔で登ってたんだな。
「早く早く!ぼく余裕でしゅ!」
と言っている。
予想通り、撃沈ムード漂う次男坊。
しかし休憩なしでここまで頑張ってきたんだから大したもんです。
というわけで水分補給タイム。
三男坊も水を一気に飲み干してしまいました。
ついでに糞もしたのでビニールで回収し、それを更に秘密兵器「臭わないビニール」に入れてザックにしまう。
うん、しっかり臭う。
そんな簡単に糞の臭いが消えるはずがないんだよな、と。ザックの上の方にしまってしまったから、ここから三男坊のうんこの臭いをかぎながらの登山となります。
再び出発すると前からトレイルランナーが駆け下りてきました。
「ここは走っていいんでしゅか?ぼくも走りたいでしゅ!」
と尻尾を振って興奮する三男坊。
この後にやって来たご年配の登山客に
「どうして?あなたはどうして走らないんでしゅか!?」
と激しく詰め寄ってました。
トレランの大会が開催されてました。
この写真に映ってる大会主催者側の緑の女性は昔ラブラドールレトリバーを飼ってたとのことで、少し三男坊と遊んでくれました。
「山頂まであともう少しでしゅ!」
と、何度も振り返って笑顔で手招きする三男坊。
ペースが早すぎるんじゃ。
さっ、着きました~。
次男坊もこんな早いペースなのにたった一回の休憩でよく登りきりました。驚きです!
うん?でもここって山頂なの?展望台があるって聞いてたけど・・。他のところ探してみよっか。
テレビ局の電波塔が立ってます。ここまで車で来れるんですね。
職員の方がいたので展望台の場所を教えてもらいました。
さっきの山頂から展望台までは約5分です。
着きました~!
ひょっこり顔をのぞかせるジナンボーと三男坊。名コンビだ!
三男坊は次男坊を自分と同格に思ってるに違いない。
脊振山方面の景色です。
さっきまでいたテレビの電波塔が物々しいですが、景色は良いです。
で、こっちは福岡市方面の景色。話に聞いてた通りの見晴らしの良さです。
立花山は低いけどやっぽ福岡市のシンボルですね。よく目立つ存在。
で、こっちは佐賀県鳥栖市方面。
鳥栖駅ホームのうどんはすげぇ美味くておススメです。
展望台から山頂の様子。広々としてますが、テーブルが意外と少なくてどこで休もうか悩みました。
せっかく山に来たんだから相席で座るのは嫌ですしね。
結局、展望台にあったベンチでお昼にしました。
山頂によくある方位地図です。これがないとどれが何て山かさっぱり分かりません。
そんな重要な地図上にテープで謎のメッセージを書いた不届き者がいます。
分かりにくいのでパソコンの絵画ツールでなぞってみましょう。
LOVE カエデ。。ぷっ
どうだカエデ!恥ずかしかろー!
山頂まで車で上がってこれる山にありがちなイタズラですね。
さて、もぐもぐタイムはカップラーメン。三男坊は1日2食なのでここではおやつタイムです。ガムをあげます。
次男坊は普段から豚骨ばっか食べてんのに、こういう時も豚骨を選ぶんだな。
食べ終わって山頂で撮影会でもやって帰ろうと思ったけど、もう三男坊の集中力も限界かな。
さって帰るぜ!
あ、そうそう忘れてた。
登山に付き合ったご褒美に以前取り上げたゲームソフトを山頂で返す約束だったんだ。
よく頑張りました!
謎のバイク進入禁止の標識をくぐって来た道を戻ります。
登りと下りで、うるしが谷ルートと桜谷ルートを分けるのが定番ですが、今回はうるしが谷ルートのピストンです。
下山ではリードを持つのは自分。下山中にリードをぐいぐい引っ張られてすげぇ怖かった。
舗装されたところまで下りてきて次男坊にバトンタッチしました。
疲れてしゃがみこむ次男坊に、
「大丈夫でしゅか?」
と離れようとしない。コンビ愛です。
よしよし、駐車場はもうすぐそこ。
グリーンピア那珂川の梅はちょうど見ごろを迎えてました。
やっぱ白より紅梅の方がきれいです。
低山に花の時期が到来しました~
振り返って
さすがにこの時期にキャンプをする人は少ないので、グリーンピアなかがわの駐車場はガラガラでした。いくつかある駐車場の1番標高の高いところに車を停めてからのスタート。
九州百名山に選ばれてる割には、山容がのっぺりとしてて特徴に乏しく、山頂のテレビ塔も物々しい。その反面、登りやすさと展望台からの眺めの良さは太鼓判です。
福岡市からすぐ近くの那珂川町。
気温は適温。ちょっと春霞が濃い日もありますが、ブヨやアブもいない一番良い時期。
少し時間ができたらぜひ登りに来てください。おすすめします。
さてさて、三男坊と一緒にいられのもあと3ヶ月ほど。子犬の頃は甘噛みをするしトイレもうまくできずに大変でしたが、半年もすれば落ち着いてきて、今では我が家で一番落ち着いた存在かも。
人懐っこいし賢い。子供もその存在にどれだけ救われたか。ほんと感謝しかありません。
一般的に盲導犬は、ラブラドール、ゴールデン、シェパードの3犬種なんだそうです。
そして盲導犬になれるのは、わずか3割ほど。
三男坊は猫にもビビってしまう臆病なところがあって少し心配ですが、どの子が盲導犬になれるかは、盲導犬協会の方も全く予想つかないと言います。すごくやんちゃな子や、ぐいぐい引っ張っていく強い子がなったり、賢いだけじゃ適性とは言えないんです┐(‘~`;)┌
もし盲導犬になれた場合は、引退後、再び我が家に戻ってくることができます。
もしなれなかったら、キャリアチェンジ犬ボランティアさんに引き取られるため、パピーをやった飼い主の元に戻ってくることはできません。それを許してしまうとパピーウォーカーのボランティアが増えないという理由みたいです。
仕方ありません。辛いですが三男坊も頑張ってくれることでしょう。
そしてジナンボーも三男坊のことを思って、自分ができることを頑張ってくれると思いたい。
パピーに手を上げて本当に良かったと思う。
そして、戻ってきた三男坊と山に登る。三男坊は山が好きなのは間違いない。
「山が好きでしゅ!」と言っている。間違いないのだ。
ではでは