ここはワンコイングルメ帝国。
帝国のキングである朕は、グルメと登山の両立という崇高な目標を掲げ、日夜調査に余念が無い。
来る日も来る日も、半額シールが貼られた食材で命を繋ぎ、週末は浮いたお金で登山へと遠征し、ご当地グルメを喰らう。
良いもの安くが信条でおじゃる。
ん、アイリスか?
さあ、皆の者!
今回も高級食材には目もくれず、安くて美味いものを求めようではないかァー!
そして今回、朕が目をつけたのがこれぞ。
「ヤビツ峠のロイヤルカレーがマジやべぇ!」
というものだ。
はっきり言って、ワンコインでは収まらない値段だが、そこは拡大解釈で高級料理ではないものはOKとする。
それに、暇な週末はカレーを求めて各地を飛び回っている自分にとって、これは最優先事項でもあるのだ。
しかも名にロイヤルが付くとは。
ふむ、これは行かねばなるまい。
もはやカレーだけを食べに行ってもいいぐらいだ。
折しも丹沢では不動尻のミツマタが最盛期を迎えているというじゃないか。
一番最初にアップした画像がそれだけど、
国宝級にワンダフォーな世界。
まさに春の嵐。ミツマタが狂っている。
そういえば、2年前に焼森山にミツマタを見に行ったことがあるけど、その時はまさかの大雪。
ミツマタは雪の重みで今にも折れそうになってるし、とにかく寒くてガチガチ震えて、踵を返す様にさっさと帰ってきた。
そう。これまでちゃんとミツマタって見たことなかったなぁ、と思い当たった。
ふむ。いい機会だ、ちゃんと見に行ってみようぞ。
どうせなら、不動尻のミツマタ群生地→柏木林道のミツマタ群生地→蓑毛へと下山するミツマタフルコースじゃ!
そして、経由地のヤビツ峠でロイヤルカレーを食べる!完璧!
キメッ!
今回も食レポ。
ヤビツ峠レストハウスのロイヤルカレーは、大学生だった天皇陛下が丹沢を訪れた際に、レストハウスのご主人の祖母が振る舞ったカレーを再現したものらしいYo!
ルートとコースタイム
■2022年3月27日 ※カッコ内は標準コースタイム
広沢寺温泉入口BS⇒(30分)⇒広沢寺温泉BS⇒(70分)⇒不動尻⇒(150分)⇒大山山頂⇒(60分)⇒ヤビツ峠⇒(70分)⇒蓑毛
コースタイム:6時間20分(休憩含まず)
総距離 13.3キロ
累積標高上り 1,385m
不動尻のミツマタ そしてロイヤルカレー 本編
本厚木から広沢寺温泉へ
Are you ready?
ヘ~イヘイヘイヘ~イヘイ♫
キョンキョンの出身地、神奈川県厚木。深キョンキョンではないし、小泉ジュンジュンでもないのだよ。
久しぶりに本厚木駅にやって来た。
本厚木はヤンキーばかりでうるさいイメージしかなかったけど、さすがに朝が早いから閑散としてる。
キョンキョンもやんちゃだったもんなー。
本厚木駅から5分ほど歩いて着いたここは厚木のバスセンター。
駅から地下通路でここまで来れるみたいだけど、一度地上に出て、再び地下に下りてここにたどり着くという、登る前から無駄なアップダウンを敢行するなんて、我ながら意気込みは万全。
おかげでコンビニに寄れたから良かったしね。
広沢寺温泉入口とサボテン
「広沢寺温泉」で降りるところ、間違えて「広沢寺温泉入口」で降車してしもぉた…。あぁ。
どうりで、たくさん乗客がいる中で降車するのが5人ぐらいでおかしいと思ったんだ。
ここから広沢寺温泉まで無駄に歩くという修行の幕が開ける。
何か一つちょんぼをやらかすのが日常の自分にとって、こんなもの屁でもないわ(泣)
実はこの時、不動尻でミツマタを見たらとっととここ七沢温泉に戻ってきて、のんびり温泉に浸かって団子でも食べて帰るのもいいなと迷っていた。
迷うというか、8割方そっちに傾いていた。
いつもそう。
自分は山歩きも好きだけど、それ以上に脇役をメインに考えてしまう傾向にある。
年々その傾向は強くて、付加価値の大小でどこに行くかを決めることの方が多い。
今回で言えば七沢温泉とロイヤルカレー。どっちが理想の王子様か揺れ動く乙女な気分なのだ。
おっさんの悩みは尽きない。
誤って早くバスを降りたがために、無駄にこの坂を上がらなくてはならない。
こうなったら歩いてでしか探せない景色を楽しむしかない。
サボテンからドンマイと声をかけられる。
このサボテンとの出会いこそ歩かないと出会えなかった風景だ!と無理にテンションを上げたものの、これ以降なんの出会いもないまま、どこにでもある聚落を曇り空の下歩いた。。。
広沢寺と温泉の玉翠楼がでてきたら広沢寺温泉バス停はすぐ近く。
仏像がでてきて寺感がでてきた。
桜も満開。これでもかと曇ってるから桜はさっぱり映えない。
ミツマタはもともと樹林帯の中で咲くから曇り空はあんまり影響しないけどね。
ここが広沢寺温泉
ここまでバスで来れたのに…。
舗装路を歩いてきてもう既にふくらはぎ張ってるんだけど。
駐車場はさすがに満車。車なら最低でも7時頃の到着で考えとかなきゃ厳しそうだ。車だと不動尻のピストンでしか楽しめないけどね。
そう、せっかく公共交通機関で来たのに七沢温泉に入ろうとするとピストンなんだよなー。
チューリップも咲き始めた。
ここがピストン族がよく立ち寄ってレコにアップしてる「ますや」さんか。釣り堀もあるみたいだけど、ワンコイン協会の調査ではそばを食べてる人が多かった。
不動尻まで延々と林道を歩く。
これがしんどかった。
見渡せばいつでも花粉の発射オーライな杉林も恐ろしすぎるじゃないか。
この区間は早く通過せねば。
足の張りが半端ないなと思いつつ、無言で歩き続ける。
こんなところにも駐車場があったのね。覚えておこう。大きな三脚を抱えた力士みたいなカメラマンが準備している。
あの荷物と、あの体でもたどり着けちゃうのかと、失礼極まりなことを思ったけど、群生地までずーーっと舗装路が続くことをこの時は知らなかった。
完全にリサーチ不足。
というか知らなくて良かった。先に知ってたら来てなかったと思う。
やっとゲートに到着。ここに車を止めている人もいる。常連さんだろうね。
これは何の写真でおじゃるか?
地下鉄の先頭車両から次の駅が見えたみたいだ。
こんな長く暗いトンネルを歩いていくもんだから、おっさんの三半規管は悲鳴を上げて平衡感覚を失った。おっさんの体はデリケートなのだ。
みんなヘッデンも付けずによく普通に歩けるよなー。
自分は登山の時は必ずヘッデンを持ってきている。下山が夜になるかもしれないし、避難小屋に逃げ込むことも想定してのこと。
しかし、あろうことかトンネルの真ん中辺りまで来てしまったが故に真っ暗すぎて、もはやザックの中から取り出せる状況ではなくなってしまった。
先に出しておくべきだったと激しく後悔しつつ、平行感覚を失ってフラつきながらこの先の光へと向かおうとするおっさんの勇姿。
それを見せられないのが、とても残念。
トンネルを抜ければそこにはミツマタ畑が広がっていた。
そんな展開だったら感動的だったのに、そううまくは行かない。
まだまだ林道は続く。そう甘いものではない。
相変わらず、ふくらはぎは悲鳴を上げ続ける。
もはや満身創痍だ。
ミツマタの群生地まであと10分か。。
予想してた以上に遠かった。
こちとらバス停間違えて長く歩いてるんでね。
おお、ようやく出てきた。
しかしこんなものではないはず。
群生地はまだ先。
まだ先なのは分かっていても、とりあえず林道歩きで疲れてた足を休めたいから、しっかり撮影会を始めてしまう。
この疲労感はなんだろ。
最近、もりもり太ったからその影響か。
群生地のすぐ側を沢が流れている。
ネコノメも見頃らしいから、咲いてるとしたらこの沢沿いな気がする。
でも見つからないんだよね、ネコノメって。小さすぎて。ハイカーがたかってたら分かりやすいんだけど(笑)
そんな訳で、鼻っから探すのは諦めてスルー。
不動尻のみつまた
さあ、着いた。
どーせ、焼森山の半分ぐらいの規模なんじゃないのぉ?
そう高を括ってたけど、度肝抜かれて泡吹いた。
焼森山、超えている。
ミツマタ群生地は周回コースになってて、右回りにするか左回りにするか迷うところ。
午前中は左回りであれば日が当たったミツマタを見上げながら登れて良さそうだなと、もっともな顔で言っているが、今にも雨が落ちてきそうなほど曇り空では意味が無い。
悪あがきというか、限られた中でもベストなチョイスをしたい次第。
ミツマタトレッキングの幕開け。
まだ咲いて間もない若いミツマタは色が濃くてとてもきれい。
あたりに漂う甘い香りも、まるで自分のようじゃないか。
まあ、それは嘘だけど、自分の毫毛でウニみたいなヘアスタイルはミツマタっぽいと言えなくもない。
なんの話だこれは。
特にオチはない。
とにかく、ベストなタイミングで来れた。
ラッキー。
登山道の両側をミツマタがずーーっと咲き続ける。
この先、仕事の電話に夢中になり過ぎてフラフラ歩くおじさんに足止めを食らったものの、別に急いでないからOK。
でも、聞きたくもない通話が筒抜け。
電話の相手に、「いえ、今、ハイキング…に来て…まして。はい、はい。午後には行けますんで。はい。」
急な用事が入っておりましてって言えばいいのに、わざわざハイキングって言うなんて面白い。
林道を歩いてる時はたくさんのハイカーがいたけど、歩き始めると意外と少なくてゆっくり観賞できる。
降りるバス停を間違えたのが、ここでは功を奏したのか。
ミツマタ群生地を九十九折で上へ上へと登っていくと、ちょっと景色が開ける。
いつも厚木ICの目印にしてるビルも見えた。
ミツマタ群生地はまだまだ続く。広がるロイヤルカレー色。
宙に浮かぶ風にミツマタの写真を撮りたくて、しゃがみこんで腰を痛めた。
おっさんの体は無理がきかないのだ。
満身創痍なミツマタストリート。
ちゃんとミツマタを見たのが今回が初めてだったから、つい同じような写真ばかりアップしてしまいがち。
もうここらへんにしておくか。
お腹もすいたし。
というわけで、群生地の1番上まてやってきたら岩に腰掛けて軽食タイム。
ミスドの生ポンデ宇治抹茶!
これ激ウマ!
ミスドにしてはち〜っと高かったけど、買う価値あり。季節限定みたいだけどね。
ここが運命の分岐点。
ピストンで七沢温泉に戻って温泉入って帰るか、大山登ってヤビツ峠のロイヤルカレーにするか。。
長い長い林道を歩きながら、ずーっと悩んでいた。
これが晴れ渡る青空だったなら、なんの迷いもなく大山へ進路を取り、魅惑のロイヤルカレーハイキングへ突入している。
大杉を眺めながら、背景の白さにゲンナリ。
こんな日にわざわざ登る?
ヒヨらせるわー。
最近の自分は、雨どころか曇り空でも登る気が失せてしまう。
でも、それでいいと思っている。
不動尻を十分楽しめた。
ピークハントが目的ではないのだ。
ガツガツ登ってばかりだと、登山に飽きてしまう。
なのに登る。
そう、ピークハントが目的ではないのだ。目的はピークの先にあるヤビツ峠なのだ。
やはりタレコミを信じ、ロイヤルカレーは食べておかねばなるまい。
無駄に山頂を踏むが、それも全てロイヤルのため。
オールフォーロイヤル、ロイヤルフォーオール。
なんか最近この展開ばかりだが、
細かいことは気にしない。
たくさん歩いた分だけ、ロイヤルカレーの旨味は増すのだよ。
ロイヤルを求め大山へ
ヤビツ峠って起点になることはあっても、終点や経由地になることってこれまで一度もなかった。
起点でいきなりカレーを食べるなんてありえないから、やはり今回みたいな機会でもなければ一生食べることはない!
そう思ったら、もう行くしかない。
行くしかないんだ。
さっきまでミツマタ黄金郷にゴージャスな気分に浸っていたというのに、なんと寒々とした空なんだ。
さえずる鳥達だって皆無。
そして容赦ない段差の連発。
もう無理だった。
ミツマタを無理な姿勢で撮影して痛めた腰と、パンパンのふくらはぎ。
前を歩くおばあちゃんの後ろ5メートルあたりまで追いついてから、ほぼ同じペースでしか歩けない。
ストーカーだと思われてないか不安だが仕方ない。
それもこれも、バスで降りるところを間違えたのが悪いんだ。
高すぎて腰掛けられないじゃないか。
意外と長く続く上り坂にバテて、立ち止まって風を浴びていると10秒で体の芯まで冷えた。
樹林の隙間から江ノ島が確認できた。
表丹沢は海を眺めながら縦走できるのが売りだけど、晴れてないとその魅力も半減。
真っ白な背景に大山の雄大な山頂が見えた。
まだまだ遠いじゃないか。
まだ見ぬ魅惑のロイヤルに、すっかり踊らされてしまったな。
見た感じより、実際の距離は短い。
大山まで、残り1.2キロ。
頑張れ!
そしてしばらく歩いて出てきたのがこれ。
残り1.4キロに延びてるというフェイクニュース。
うぐっ。
ロイヤルが遠のいた。
これを登ればカレーがもっと美味しくなる。
前を歩いていたおばちゃんが「あたしゃもうだめぇ〜」と脱落していくサバイバル登山となった。
苦しいのはみんな一緒だ。
未だかつて、こんな弱肉強食ハイクがあっただろうか。血も涙もない。
前から降りてきた10人ぐらいの老人パーティから邪魔だと言わんばかりに押しのけられ、うああぁぁ〜と喘ぎながら端に避難。
弱った者は黙ってどくのみ。
もうフラフラなのだ。
トレッキングポールに支えられながら必死の形相で老人たちを見送る。
流した汗の分だけ、体は塩分を欲する。きっといつも以上にカレーからの養分を求め、旨味も増すに違いない。
そんなカレーを想像しながらロイヤルファミリーばりの笑みを浮かべ、再び登り始めた。
丹沢名物の鹿の食事中の風景が見られた。
大して珍しくもない光景だけど、嬉しいもんだ。こういう気持ちは忘れないでいたい。
突然増えたハイカーの波に飲まれた。
まさに、これぞ大山。
らしくなってきたじゃないか。
山頂に到着。
屍になる一歩手前でなんとか山頂にたどり着けた感じ。
こんなにしんどかったのはいつぶりだろう。一体何が原因だ?バス停を間違えたからだよ!
そうそう、どうでもいいけど、山頂は工事中でブルーシートとネットだらけだった。
なんにしても無事に山頂に着けたんだから、お礼だけはしておかねば。
山頂には売店があって、カレーやおでん、お酒だって買えちゃう。店頭に陳列されたおいなりさんがめちゃくちゃ美味そうに見えた。
しかし、今これを食べるわけにはいかない。
ここで食べてしまっては何のために頑張ってきたのか分からない。
台無しにしてたまるか。ガルルルルル。
ロイヤルを求めてヤビツ峠へ
誘惑に負ける前にとっとと下山すべし。
山頂の滞在時間は何分だったのだろうか。まさに瞬間風速だ。
まあいい。景色を楽しめない山頂なんざ、鼻っから相手にしておらぬわっ!
いつもなら富士山がどーんと見えるポイントだって、予想通り撃沈。
UL全盛期に逆行して粋なザックを背負うお方とすれ違った。
大山名物だ。
歩荷ってトレッキングポール使わないんだな。
この分岐だけは絶対に間違えてはいけない。
ここはヤビツ峠方面へ。
あと2.1キロでロイヤルだ。
残りの水分が心配だけど、
なんとか頑張れる。
このコースを歩くのは、何年ぶりだろう。
ブログを書き始める前。
リュック以外は全て普段着という出で立ちでここら辺を歩き回っていた頃が懐かしい。
上のシャツは今でもユニクロだから当時からあまり変わってないけど。
冬以外は動きやすければなんでもいいって考え。
こうやって丹沢の景色を眺めて丹沢と奥多摩の山をスタンプラリーするように一つずつ歩いていたなぁ〜、と言うとちょっと言い過ぎだけど。
当時からバテバテになってたし。
曇ってても海側の景色は開放的で素晴らしい。
これぞ表丹沢。
真鶴半島と伊豆の海。手前の町並みは小田原市。
小田原駅前の守谷のアンパンは超絶お薦めだけど、お昼までに行かないと売り切れ必至。
ちなみに「氷花餃子(ひょうかぎょうざ)」もめちゃ美味い。全てのメニューで外れがないから、小田原に立ち寄った時の朕の御用達じゃ。
振り返って大山。
大山にはこの先何度も登りに来るんだろうなぁー、などと感傷に浸っている場合ではない。
喉がカラカラで死にそうだ。
残りの水分は200mlほどしかない。もう無駄にはできない。
しかもその水分というのが「濃いカルピスウォーター」という、飲めば飲むほど喉が渇くという、枯渇のスパイラルウォーター。
完全に選択を間違えた。
ここから激下りで一気にヤビツ峠へ。
もう少しだ。
カレーは飲み物とは言うが、今はお冷をがぶ飲みしたい。
ふぅー着いたぜぃ!
ヤビツ峠のバス停には10人ほどのグループが座っているのが見える。
まさか、すぐバス来ちゃう?
いやいや、焦る必要はないでしょ。なんといってもあの有名なヤビツ峠。バスなんて1時間に2本ぐらい走ってるに違いないっサー(大きな過ち)。
ロイヤルカレーとバスの時刻
さあ、ここ。ヤビツ峠レストハウス。
タレコミでは、すごい人気で行列ができてると聞いてビビってたけど、どうやらガセだったみたいね。
ラッキー!
親切にも店内にはヤビツ峠のバスの時刻表があって、そして愕然とした。
ぜんぜんバス無いぞよ!!
1時間30分待ちの14:34発…。
カレーを1時間30分かけて食べるなんて不可能だ。飲み物なんだぜ?
なにはともあれ、ロイヤルを食すべし。
ロイヤルカレーは1,200円。
豚汁も人気らしい。豚汁は700円で、餅を入れると+300円なり〜。
ふむふむ、豚汁?片腹痛いわ!
朕は豚ならこないだ波久礼駅前で豚丼を食らったばかりじゃ!と、
すかさずロイヤルカレーを注文。
カレーを待っている間、店内を物色。
山の中のレストハウスとは思えない清潔さ。朕の部屋もこんなだったら気持ち良いだろうにのぉ。
しかし、喉が乾いた。
いくら待ってもお冷がでてこないのはなぜでおじゃるか?
朕はカラカラでおじゃるぞ。
何杯でも飲みたいところじゃ。
これ、何をしておる?
そこのご主人とやら、はよ水を持ってくるのじゃ。
そう申し伝えると、なんとお冷のサービスはやってないとのこと。
このたわけめー!
余はクラッときたでおじゃる。
正確には、「ここまで水道が来ていないので、水はペットボトルでの販売になりもす、もし飲み物をご持参されてたら店内で飲むのはOKでゴワス」と、この100倍丁寧な説明を受けた。
おお、そうでおじゃったか。
ならば朕にも考えがある。これはもはやお家騒動じゃ。
ええーい!と、残り200mlの濃いカルピスウォーターを一気に飲み干してやったわ!どうじゃ!
ぐわーっはっはっ、これまで飲んだカルピスの中で一番美味かったわー!
カレーを食べながら飲む水分のことなんて気にせず、すべて飲み干してやったわー!
ぐわーハッハッハ!
ちなみに自分は下戸だからどうでもいいんだけど、酒好きの人はビールも持参すればここで飲めるね。
カレーができるまで店内を物色(結構待つ)。
秦野名物の落花生も販売されている。
雑誌もあったから山と溪谷でも読んで待つでおじゃる。
カレーなのに意外と待たせる。
待った分だけうまくなる。
そろそろ来るよ。
わくわく、おじゃおじゃ
わくわくわくわく、おじゃおじゃ
「お待たせしましたー」
ひゃほーーい!!!
ん?
あれ。まさか。
おいおい、嘘だろ。
そっちじゃないって。
あっ・・
ついさっき、入って来たばかりのチャリンコ兄ちゃんの元にカレーがぁぁぁああ!!
(よく見ればおっさん)
あぁ、店員、痛恨のミス。
泣き崩れていると、ようやく己の過ちに気づいた店員が謝罪してきた。
許さぬ。
朕は許さぬぞ!このたわけめっ!
こちとら降りるバス停を間違えて、ふくらはぎがパンパンスパパンパンパパンなのじゃ、ごらぁぁああ!
おいチャリンコ!おのれも気付いとんじゃろー!!
なぁぁぁぁああに、素知らぬ素振りで他人のカレー美味そうに食っとんじゃ、われぇぇぇぇえええ!!
ガルルルルルルルルルル!
しかし、朕もいいおっさんじゃ。いつまでもぷんぷんしている訳にはいかない。
う・・うむ、いいぞいいぞ、此度のことは水に流そうぞ。
誰にでもミスはあるものじゃ。
誰しもが誰かに許されながら生きているのじゃ。
(T_T)
待った分だけ、
待った分だけ美味くなるのじゃ。
ロイヤル・ストレート・フラッシュ!!
水道が来てないと言ってたけど、恐らく水を使わずに、野菜かホールトマトの水分しか使っていないのかもしれない。そんな味がした。
1,200円で、こんな山の中でカレーが食べられるなんて、リアルガチでラブ注入。
絶対に食べに来るべし!
そして待たされるべし!
しかし、正直言って、最も感動したのはカレーより、喉がカラっカラで飲んだカルピスだったわー。
お店からお詫びとしてクッキー貰ったけど、余計に喉が乾いた(笑)
ロードバイクってこうやって停めるんだね。
ヤビツ峠はチャリンコ族にも人気のコースなのかもね。
このチャリってきっと1台何十万円とするんだろうな。朕にはとても手が出ない遊びじゃ。
柏木林道のみつまた
さて、蓑毛まで歩くことにした。
3.4キロの距離でコースタイムは約60分。
バスの待ち時間と大して変わらないし、おまけに途中の柏木林道でミツマタも見られるというおまけ付きだからね。
では、参ろう。
しばらく歩いて、そろそろ蓑毛に着くかな?というぐらいでミツマタ群生地が出現。
髭僧の滝との分岐あたりが1番咲いてる。
奥の方までモリモリ敷き詰められたミツマタの森。
ミツマタってこんなだったのか。
何年も登山してるのに、たまたまこの時期はミツマタが咲いてない山を、ミツマタが咲かないコースを選んで登ってってこと?そんなことあるんだろうか。
なんにしても、今回やっと観賞できて良かった。
ここで水分補給。もうバス停はすぐそこだけど。
秦野の湧水群は日本名水100選にもなっているよ。
ちなみに、どんな基準かは分からないけど、名水100選の1位は熊本の池山水群。2位は長崎県の島原湧水群。3位は長野県の松本城下町湧水群。
投票でもあったのか?
1位は行ったことないからちょっと興味ある。
バス停近くの民家が、こんな粋なサービスをしてくれてた。ヨゴレネコノメとイワタバコ。
こ、これはまさか!!
岩田㵎泉さんの道しるべではないのか!?
朽ちてしまう前になんとかサンショウバラの開花時期に合わせて岩田㵎泉さんの道しるべを見に行こうと思って、かれこれ5年。未だタイミングを逸し、行けてないんだけどね。
蓑毛バス停
さて、着いた。
蓑毛のバス停にはヤビツ峠から30分で着いてしまった。最後はペースアップしたからね。
ちょっと近づいただけで、ウゥゥゥと唸って威嚇してくる犬。「かみつく」っていう注意書きにワロタ…。
黄金のミツマタワールドへは1時間に2本もバスが通ってるYo!
振り返って
不動尻のミツマタ群生地までは、ずーっと舗装路だから、誰でも観光気分で行けちゃう!というのは違くて、
あの距離を何も聞かされてない恋人や子供を歩かせたら、まず間違いなく喧嘩になるでしょう。
ちゃんと覚悟して行くべし。
自分はその林道ですっかりやられて、大山までの登りでヘトヘトになり、何度も立ち止まりながらなんとか登頂できたよ。
ミツマタ群生は、今回初めてちゃんと見られたということもあって、ずっと感動しっぱなし。焼森山を凌ぐ規模だったよ。
多くの人が、大山には登らず、不動尻だけ見て七沢温泉で温泉に入って帰っていくコースをチョイスしているけど、それでいいかも。
ロイヤルカレーとミツマタ、どちらも欲張って自分は大満足だったけどね。
では