【登山かわら版】ファイントラックのツエルトⅡロングを紹介するぜ!野風さんの解説付きでありんす

【登山かわら版】ファイントラックのツエルトⅡロングを紹介するぜ!野風さんの解説付きでありんす

ツエルトって、クセが強いでありんす!

 

突然失礼。コロナで外出自粛の週末、『JINー仁ー』の再放送をずーーっと見ててすっかり影響されちまったでありんすよ。

 

 

流行りのモノポールテントなら簡単に張れそう。うん、見るからに簡単。でもポール2本でバランスをとらなきゃいけないツエルトって見るからに難しそう。

 

そうですよね、野風(のかぜ)さん?

『さあ。どちらにしても御屋敷の中のかごの鳥になるだけのこと。あちきに何ぞ分かりんしょう」

・・・。

はい。

 

という訳で今回はツエルトの張り方について、気紛れに現れる野風さんのコメントを交えつつご紹介していきまっせ!

 

 

自分が初めてツエルトを使用したのは2泊3日の雲ノ平。とにかく軽量化したくてツエルト泊を決行したんだけど、ぶっつけ本番で挑んだ末、朝方、見事に倒壊。

爆睡こいてたら結露したツエルトが覆いかぶさってきて全身びしょびしょ。溺れ死ぬかとマジ焦った。

 

↓これがツエルト童貞を捨てた記念すべき山行。

散らかし放題。。

見よう見真似で張った割にはうまくできた方だけど、結果的に倒壊してしまった華々しいデビュー戦。

 

この時の経験から、ああすれば倒壊しなかったはず、もっとああすればうまく設営できたはずなんだ、といった反省点がふつふつ湧いてきたので、今回はそれを確かめに公園に試し張りしてきました。

乞うご期待!!!

 

その前に、ツエルトの基礎をご紹介しときます。

 

ツエルトとは何ぞ?

 

ツエルトってそもそも何ぞや?

 

英語のテントと同義語のドイツ語ZeltSack(ツェルトザック)が語源。

特徴はズバリ、超軽量で携行性が高く、非常用に作られた簡易テント、です。

ここまで大丈夫ですか、野風さん?

野風『登山でない時も登山の話ばかりでつまらんなんし。一度くらいは他の話をしてみとうありんした』

・・・。はい。

 

防水加工されてるから雨の時には頭からかぶってポンチョとしても使用できます。

文句が多い上司に被せるのにちょうど良いね♪

 

アウトドアショップに行って良識ある店員さんならきっと『テントとしてツエルトを利用するなら私は薦めません』と言ってくれるけど、その一方で今大流行してるUL商材を多く取り揃えたお店だと、逆に積極利用を薦められたりするわけね。目的、使う人、使う場所を選ぶからベテラン向きなのよ、こりが。

 

野風『軽くしたいなら小屋に泊まれば良いでありんしょう。1泊1両もあれば泊まれるでありんす。さすれば心おきなく軽くできると思いんしてな』

 

・・・。はい。

 

軽ければ体力の負担が減り事故が起こりにくくなる。岩場ではバランスを崩しにくくもなる。ULを考えてる人にとってツエルトがベストチョイスだよね♪

 

野風『そもそもULは体力が落ちてきた年寄りや、色恋をなりわいにしているあちきの様な花魁(おいらん)こそ率先してやるべき事でありんしょう。若い殿方は黙って担ぐでありんす。あえて重くするでありんす~!』

 

はい。

(なんか、急速にこの野風さんキャラに疲れてきた)

 

自分がメインで使用してるテントはモンベルのステラリッジ。だけど長い距離を歩く場合で、且つテン場が樹林に囲まれた様な環境ならツエルトも選択肢になるっつーことです。

 

とにかく携行性に優れてるからリスクの高い日帰り登山の場合はザックの中に入れておくと安心。サイズは缶ジュースぐらいだしね(平ヶ岳とか良さそうだな・・)。

 

野風『遭難する様な登山計画を立てるのは詮無きことでありんすなぁ。でもそれが南方先生でありんすから』

・・・はい。

(疲れた)

 

ファイントラック ツエルトⅡロングのご紹介

 

さあいよいよお次はファイントラックツエルトⅡロングをご紹介するよん。

 

・ツエルトⅡロングの仕様

幅100㎝、奥行き220㎝、高さ95㎝。

NEMOのタニ1Pが幅105㎝、奥行き202㎝、高さ103㎝だから、ツエルトⅡロングがいかに広いかが分かると思う。

縦サイズは身長180㎝の自分が横になっても余裕~♪

ただ全室がないからデカザックとブーツを横に置くとさすがに窮屈に感じる。いつも荷物が多くて困り者の自分には向いてないのかもしれない・・。

 

・超軽量

重量はたったの340g。350mlのジュースより軽い!これにペグ、グランドシート、トレッキングポールが追加になるけど、トレッキングポールはそもそも普段の山登りでも持ち歩いてるから、実質追加になるのはグランドシートとペグぐらい。総重量550gってところ。最近は超軽量のテントで1kgを切る物も出てきたけど、それでも1.2kg〜1.5kgぐらいが相場だから、550gだったら楽勝でしょう。

 

・結露がひどい

とにかく結露がひどく決して快適ではない。ここポイントね。

ツエルトⅡロングは透湿性が高く結露しにくいと言われてるけど、実際のところすんげぇ結露する!

そりゃ半端ないわけよ、ぼたぼた水滴が落ちてきてシュラフがびちゃびちゃになっちゃうぐらい。

大袈裟ではなく。。ダブルウォールテントを使用してた人ならもうあり得へんレベル。

他のメーカーの物だともっとひどいって聞くから、考えられんね・・。

 

こりゃ登山の前によ~く検討してもらいたいのは、テン場での居住性を取るか、歩いてる時の快適性を取るか。山行ごとに天秤にかけて判断する必要があるねー。

 

という訳で、答えは1つではなく、選択の問題です。

結露が許せなければシュラフの上からレインウエアをかぶせたりシュラフカバーを用意したり、知恵を使って凌ぐこともできる。

 

なにはともあれ、張り方を練習するでありんす!

 

ツエルト設営 練習開始

んーー!気持ちいい!見事な晴天。

公園で遊ぶ家族、ボールを追いかける子供たち、じゃれ合う恋人たち、ゾンビ化してランニングするおじさん、つまらなそうにカメラ片手にツエルトを持つ自分。

日本は平和で有り難いね。この公園には地雷も埋まってないしミサイルも降ってこない。銃の乱射だってない。

ペグを持ってるだけで凶器と勘違いされるんじゃないか?と不安に感じてしまうぐらい平和。

 

いいか!よく聞け!そんな平和なこの公園を本日の幕営地とするー!!

心してかかれ!

 

レッツ、ツエルティン♪

 

 

ちなみにすぐ近くを流れるナイル川ではユリカモメが規則正しく並んで羽を休める、そんな午後。

風は微風。

こんな登山日和にまさか公園でツエルトを張る練習に出かけるとは・・とうとう焼きが回ったとしか思えない愚行。

 

 

さて、準備するのはこちら。

①ツエルト(ガイライン付き)

②ペグ

③トレッキングポール

④張り綱

 

ガイラインはファイントラックのツエルト用に二股に分かれた張り綱のこと。これがないとうまく固定できないのでケチらず買っとくべし。

張り綱はテント用ならなんでも良いけど、自分はモンベルのステラリッジに付属してる物を使ってる。

トレッキングポールは楽天で購入した安物。

ペグはモンベルのV字ペグ。強度と軽さ、価格のバランスが良かった。

 

 

公園なので、まずは犬の糞が落ちてないことを確認する。

くんくん、はい、OK。

 

ではまず四隅をペグダウンしていくぜぃ。

 

この時、風上からペグで固定していくのは通常のテント設営と一緒。

 

 

四隅のペグダウンが終わって、次。

ここポイント。

ここで人それぞれやり方が違うと思うけど、自分はまずトレッキングポールを立てる位置を想定して仮でガイラインの一箇所をペグで仮止めする。

ポールを立ててからガイライン2箇所をペグ止めしようとしても、折角立てたポールを倒さないとペグ止めできないから結局無駄な工程になっちゃうだよね。

 

 

お次にツエルトから出てるガイラインをポールに結ぶんだけど、こんな感じで輪っかを作ってその輪を先端に通してあげるだけ。

 

 

輪っかを通したら二股のもう片方をペグで固定します。

 

 

これがガイラインをペグ止めしてあげた状態。ガイラインがピーンとテンションが張られた状態でポールも安定してます。誰かに思いっきり蹴られないと倒れることはありません。

先程仮止めしたガイラインですが、このままで問題なさそうなら止め直す必要はなし。

 

 

反対側も同じ要領でポールを立ててしまえば、ほら、既にそれらしくなってきた。

ここで90%は完成したと言って過言ではない。

慣れてくれば自立式テントを組み立てるのと同じか、それ以上に早く設置できると思う。

 

 

最後の仕上げだべ〜。

長辺の真ん中をペグ止めしてあげてから、中の居住スペースを広げるため紐を使って引っ張る。こうすることでツエルトのたわみが取れて中が狭くなることを抑える事ができる。

自分が使用してるのはモンベルのステラリッジに付属してた紐で、こちらもしっかりペグ止めしてあげる。

 

 

ほいっ。

これが最終型。どう?簡単だったでしょ。

と、ここで遠くで遊んでた子供がなぜか突然、数人でどどどどどーーっ!と駆けてきてガイラインを蹴散らし見事にツエルト倒壊。

オーマイガ・・嘘みたいなことが起きた。。

『咲さんペニシリンを!ペニシリンをー!』

 

野風『遊女の涙は 嘘の花。テント遊びに誠の涙など流しては、花魁(おいらん)の名がすたれんす』

・・・。はい。

 

でも確かに、暗くなってくるとテン場の張り綱に気付かず足を引っ掛けそうになることあるよな。。蛍光色のゴムをペグに付けるとか考えたほうが良さそう。

 

もしガイラインのテンションが緩ければポールを少し高くしてみたり、ガイラインのペグ止めした位置を微調整すればうまくいくはず。

雲ノ平で失敗した最大の原因は、ガイラインの固定にペグではなく岩を利用しテンションが甘くなったため。この時はペグが足りなくて仕方なかったんだけど、設営のポイントはガイラインにしっかりテンションをかけることが大事。岩だと少し引っ張っただけで動いたり、紐がズレたりしてツエルトの倒壊に繋がるからペグを使うこと!

こんな当たり前なことが雲ノ平で失敗した原因だったわけです。今回は確認できて良かった。

 

 

ちなみにガイラインはこの様に途中で二股に分かれてるんだけど、これぐらい自作できるわ!って人は無理して買う必要はないかも。

自分は手先が不器用でとてもそんなことやってられない!と即断即決でガイライン購入したんだけどね。

 

 

野風『外はお寒うござんなんし、そっと開けておくんなんし』

・・・。はい。

 

中を覗いてみるとやっぱ狭い。これが簡易テント、快適性は期待しないでね。たわみを抑えるべく紐で引っ張っててもそれでもこれが限界。

ちなみに、床は真ん中で割れてるから紐で結ぶ仕様になってて雨の日は浸水すること必至。

 

 

子供に倒されたけどすぐに建て直すことができた。もうすっかり慣れた。

左からの風が強くなってきたからちょっと不細工に映ってるけど、ちょっとやそっとの風で倒れることは絶対に無いってぐらい安定してる。

竜馬さん『ちょー余裕ぜよ~』

 

片づける速さは自立式テントの比じゃない。秒殺です。

そして見て、このコンパクトさ。

うーん、魅力的でありんす!

 

最後に

クセが強いということは良くも悪くも特徴が際立ってる訳なので、使う場面さえハマればこんな素晴らしいギアはないし、使う場面を誤ればそりゃサイアクなわけでありんすよ。

 

まあなんにしてもコロナが終息しないと今後ツエルト泊だって楽しめない。くそ。

 

頼む~夏のテントシーズンまでになんとかコロナ騒ぎ収まってくれ!!

あー、もう自粛限界。

しかも今年の夏に絶対登るぞ!と決めてた山の筆頭だった南アルプスの『聖岳』は早々に聖平小屋が2020年シーズンの営業中止を発表されたので毎晩枕を濡らしているでありんす。。(関係者の方々の悲しみを考えると辛くもあります)

聖平小屋のホームページはこちら ⇒ https://hijiridairagoya.wixsite.com/hijiri

 

自粛自粛って言ってるけどゴルフの練習場では密集してみんな楽しんでるのにな~。

 

まあ他を羨んでても仕方ないので、最後のにスカイツリーの画像でもアップするぜよ。

 

今は地球をイメージした青色の特別ライティング。コロナに世界が一丸となって打ち勝とう!という思いを込めてるそうです。

『TOGETHER WE CAN ALL WIN ! 』の文字が。

 

では皆さま、おさらばえ~

ほんにほんに・・南方センセありがとうござりんした

 

 


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