【丹沢】大山の紅葉を攻略ぜよ!秋登山を満喫する無限階段と大絶景の旅

【丹沢】大山の紅葉を攻略ぜよ!秋登山を満喫する無限階段と大絶景の旅

だが断るッ!

突然失礼。岸部一徳、いや、シロー。もとい、「岸辺露伴は動かない」に激ハマりでござりんす。

 

さあ!久しぶりに丹沢の大山(おおやま)に登ってきた!

大山はたぶん8年ぶり。ほんでもってこれまででたぶん4回目の大山登山。

職場の女性陣の気の強さにたじたじになっている自分が今回登るルートは、男坂のピストン一択だ。

過去の登山でも女坂には目もくれず、男坂一択で攻めてきた。実に男らしく見えるが、これは攻めでは無い。気が強い女性達からの逃亡なのだ。

他部署への不満を好き勝手にブーブー並べ、自分だけスッキリしたと思えば、締めくくりに「言っといてください」とかさー、

自分が直接言えない不満を上司を使って伝えようとすんじゃないよー!ちゅどーーん!!

つか、こちとら予算策定の真っ最中で誰よりも残業しとんじゃ!

テレワークばかりしてるお前の御用聞きをしてる暇はねぇぇぇえええんだよぉぉぉおおおー!!

ガルルルル!!

「う、うん、分かるよ。分かる分かる。でもまずは担当者間で改善できないか話してくれる?向こうも急にやり方は変えられないだろうからさ(土下座)」

ふぅ〜、なんとかこれで許してもらった。

あぁ、俺もテレワークしてみたかったなぁ。

やってらんないよ、ほんと。こりゃ大山の紅葉に癒やされるしかない…。

 

という訳で、

始めて紅葉シーズンど真ん中の大山にやって来た。

トレイルは超絶見事な紅葉パラダイス。

 

ここには来るべしっ!

来るべしっ!

ヘブンズ・ドアー!

 

マジ最高だった。

うん、マジ最高だったYo!

 

でもね

 

ウルトラ激混み!

そりゃ横浜や東京近郊の山で、しかも知名度の高い大山で、ほんでもって紅葉のハイシーズンとあっちゃー、そりゃ人が押し寄せるわ。

おいどんもこげん紅葉が見事だと思わなかったでごわす。だから混むのも納得。

紅葉シーズンはライトアップもされるみたいだしね。

 

ふむふむ、楽しみじゃ。

 

だが断るッ!

 

大体こんな観光客だらけの山で。しかもライトアップ!死ぬ!人の波に飲まれて遭難するの必至。

早出!

とにかく、早出!

心がけるべしッ!できれば始発でカモーン!

 

大山は標高1,252m。日本三百名山、日本百低山。ミシュランガイド二つ星の観光地。

早出したのにめちゃ混んでたわー。

 

ルートとコースタイム

■2021年11月28日 ※カッコ内は標準コースタイム

大山ケーブルバス停⇒(15分)⇒ケーブルカー始発駅⇒(30分)⇒阿夫利神社下社⇒(85分)⇒大山山頂⇒(65分)⇒阿夫利神社下社⇒(35分)⇒ケーブルカー始発駅⇒(15分)⇒大山ケーブルバス停

コースタイム:4時間5分(休憩含まず)

総距離 6.2キロ
累積標高上り 960m

丹沢大山の紅葉登山 本編

伊勢原駅からバスで大山へ

早出!できれば始発!

と冒頭に書いておきながら、伊勢原駅に着いたのは9時40分。まあそんなもんさ。自分には甘いのよん。、

しかし久しぶりにやって来たな、小田急線伊勢原駅。

大山行きのバスは紅葉狩りの観光客で長蛇の列ができてて、本格的な登山の格好で来てたおじさん数名が無駄に気合い入ってるように見えて、遥か上空に浮いて見えた。

タウンユースでもいける動きやすい格好で来てほんと良かったぜー、と思った。

こういう登山は散歩感覚で服装をチョイスするに限る。

 

バス停前には阿夫利神社の鳥居がある。ここから参道、大山詣ではもう始まっているのだ。

駅から歩いてもいいかもしれないねー♬

たが断るッ!

ここはしっかりバスを待ち、しかも座れるという幸運に恵まれた。

動きやすい格好で来といてちゃっかり座ってるなんざぁこれまた恥ずかしい話だが、カッコつけてる場合じゃないのだよ。

 

大渋滞の大山

10:15

そして、着いたここは大山ケーブル入口。

駐車場が満車でとんでもない渋滞が発生していた。

秋に限った話かもしれないけど、絶対にここへは車で来てはいけない。

丹沢はやはりバスが便利だなと再認識した。

 

登山口はまだまだ先だというのに、こんなところで足止めを食らった運転手からはやきもきした舌打ちの連打が聞こえてきそうだ。

まったく動かない車列の横をすり抜けて上へ進む。ここぞとばかりに勝利の笑みを見せるのは人として最低だ。そのニンマリはマスクで隠すべし!

しかし、ほんと初詣の様な賑わいだ。

 

ここからケーブルカー乗り場までは観光気分でぶらつこうじゃないか。

山の麓のお店に陳列されてる物の代表格、自然薯がズラリと並ぶ。

一本買えばどれだけとろろが食べられるか。とろろはめちゃ好きだけど、自然薯は公共交通機関でやって来た日帰りハイカーが最も買う気にならない代表格でもある。

 

柿とみかん。

登り始めから始まる出店ラッシュ。大山は観光の山だ。楽しまにゃ損悟空。

 

こま参道でこまブラ

大山参詣と言えば「こま参道」。

大山詣り(おおやままいり)は江戸時代には年間20万人が来山するという一大ブームを巻き起こしたそうだ。

ただ、当時の本道だったもみじ坂は、関東大震災で崩壊してしまったとのことで、その右に新しくできたのがここ「こま参道」なんだって。

 

こま参道に入ると、さらなるお土産屋さんラッシュ。

銀ブラならぬ、こまブラするバッハ会長とすれ違うかもしれない。それぐらい楽しいところだ。

ちなみに御岳山の参道を想像する人もいるかもしれないけど、お土産屋さんの数は比べ物にならないよ。

 

「ひとくちいか飯」なんて、美味いに決まってる。

これを買って山頂で食べてる家族連れがいて、ケチった自分を呪った。

 

こま参道は階段362段、踊り場は27段あるそうだ。しかし、これぐらいでしんどいとか言ってはいけない。

山頂までひたすら階段だからだよ!

涙を拭きな、まだ序の口さ。

 

ちなみに、途中で茶湯寺(ちゃとうでら)への入り口も出てくる。残念ながら自分は興味はないのでパス。

 

生ゆばにソフトクリーム。登山を頑張った子供にご褒美を食べさせてあげようと思ったお父さんは、このお店のご利用を薦める。

もちろん子供のご褒美は生湯葉にすべし!ソフトクリームなんぞ片腹痛いわ!

まあこんな感じで、一軒一軒、しっかり物色しながら進むからちっとも進まない。

登山しに来て、最後まで歩けるかなとか、岩場で動けなくならないかなとか、そんな緊張なんかしなくて済むのが有り難い。どうせ散歩するなら景色の良いところを歩きたい、ただそれだけで来れる山だよ。

 

むすび豆の単位がジョッキ1杯500円ってのがワロタ。

山くらげは1束400円。ステムレタスを乾燥させた物を山くらげと呼ぶんだそうだけど、料理が駄目な自分はステムレタスが何かも知らなかった。

ちなみに、登山には全く必要としない、無駄な胸筋で胸がもりもりである。

痩せマッチョを狙ったつもりだったが、イメージしてたのとぜんぜん違うレスラー体系。

筋肉を落としたい。

 

見るからに美味そうな豆腐料理屋さんがでてきた。

しかしこいつはボンビーにはちと敷居が高そうだ。おまけに食っても腹には溜まらない。自分ならそんな金があるなら真っ先にコンビニスウィーツに使う。

もしくは贈答用の極上明太子を食べたい。

実は倹約しまくって、いろんな明太の食べ比べに費やしている。もはや趣味と言っても良いレベルだ。今、このブログを書いてるタイミングでの自分のお薦めベストスリーを紹介するぜよ。

 

第3位!!!

どるるるるるるる(ドラム音)

じゃじゃん!!

「やまやの無着色明太」。

王道のふくや、かば田と思いきや、やまやのコイツがランクイン。つぶつぶ感、味付け、すべて自分好み。文句なしでうまいし、ふるさと納税てゲットできるのがサイコーでごわす。

 

第2位!!

どるるるるるるる

じゃじゃん!!

「福さ屋できたて明太」

冷凍を一切しない生そのものの明太子。限定品だから福岡でしか手に入らない超絶レアな一品。売り場で迷ったら、これをチョイスすれば間違いないよ。

 

 

そーしてーー!!!第1位!!!

 

どるるるるるるるるるるるるるるる

 

るるるるるるるるるるるるるるる

 

ドル$るるるるるるるるるるるるルルル〜♫

 

じゃじゃーん!!

 

「糸島めんたい可也山」

 

ハッキリ言って、3位から1位まで大差ないけどね、可也山(かやさん)は空港でも手に入らない超超超ウルトラレアな一品だし、味も抜群。もし目の前に売られてたら迷わず買うべし!

それに、福岡で登山する者なら可也山(かやさん)は外せんよね~。

いつものことだけど、大きく話が逸れたのでもとに戻るよ。

 

コマのお土産が多いのはこま参道ならでは。

「大山こま」と言う伊勢原市の郷土玩具で、江戸時代の大山信仰のブームで一気に全国に広まったらしく、昔からお土産で買って帰る人が多かったそうな。

こういうのを買っても、結局捨てることになることになるから買わないに限るんだよねと思ってしまう自分は、登山バッチとかの記念品とかも集めようとはしない。

お土産はすぐに消費できる食べ物がベスト。また食べたいから行ってみたいと思えるのも良いからね。

 

大山もみじ祭り。ふむふむ、最高のタイミングでやって来た。

 

可愛らしいくまさんのパンとかもあって歩いてるだけで楽しい。一切買わないが。

しかも、ただ歩きに来ただけだから、このまま山頂なんて行かずに物色だけして帰っても良いという気になってくる。

 

全体図はこうだ。

赤線は女坂だけど、青線の男坂で登ってみる。

下山がピストンにするか、見晴台→二重滝経由のぐるっと周回コースにするか迷うところだ。

 

藤川球児の火の玉ストレートぱりに萌える紅葉。

これなら阿夫利神社下社の紅葉も期待できるぜよ。

 

おえぇ―っ。

ケーブルカー乗り場は恐ろしく長い列ができていた。

係員が「1時間待ちですー!」って説明してる側から次々と並んでいく。

よくあんなのに乗るわ…。

 

登山開始とエンドレス階段

ここが男坂と女坂の分岐。

阿夫利神社へは男坂でも女坂でも行けるが、大山神社へは女坂でしか行けないし、大山神社の紅葉は綺麗みたいだから秋は女坂が良いらしい。

 

だが断るッ!

 

つか、あんまり深く考えずにいつもの男坂で登っちゃっただけだなんだよね。

どちらを歩いたって標高差は変わらないんだから、大差ないと思うけど。

 

10:30

という訳でやっとここから登山開始。どんだけ前段が長いんだ。

いよいよ始まる無限列車ならぬ無限階段。

 

素晴らしい景色だ。

これは前回の武甲山の下山後に立ち寄った、その日の本命とも言うべきミューズパークのイチョウ並木の紅葉が、まさかの全散りに終わっていたという事実に泣き崩れた自分の姿を神様が見てくれていたとしか思えない。

 

巨大な杉の木。東京近郊であるにも関わらず、豊かな自然が残るのも大山の魅力だ。

 

男坂と女坂の分岐にあるのがこちら八意思兼神社。

読み方は「ヤゴコロオモイカネジンジャ」という難読さ。

ここは普通だったらスルーするところだが、今日の安全登山とホークスの優勝とペイペイ年末ジャンボの当選と残業中に飲んだリポビタンDのプレゼント企画での当選をしっかり祈願しておく。

邪心まみれのスタートだ。

 

急な階段で幕開けする男坂。

そうそうこんなだったな!と、すっかり薄れていた記憶を一発で呼び覚ます強烈な上り。

キッツー

 

木漏れ日がキラキラと眩しすぎてもはやこの先がどうなってるのか分からない。

答えを言うと、ひたすら階段だ。

なんと美しい光景だ。もはや階段を愛す他残された道はない。

これだけ延々と階段が続くなんてサイコーでござるでござるー。この無限階段は大山でしか見られない絶景なのねん。ラッキー♫

階段好きにはとっておきのご褒美ルートだYo!

 

そして見上げてみれば、ホームランをかっ飛ばした様な爽快な青空と紅葉。

自分は野球部じゃなかったから、もちろんホームランなんて打ったことはない。イメージだ。バットに軽く当てただけなのに白球が青空にぐんぐん上がっていく、そんな感じ。

ナイス想像。

 

ホームランからの再び階段。

心から階段が好きだと自己催眠をかけながら登る。

砂漠で水を求める旅人と同じく、自分は階段を欲してやまない。もっともっとー!

しかし催眠をかけ続けているというのに、喉の奥から嗚咽が止まらない。

あちき無理してるのかな?

いかにも「俺は階段が好きっス!」という感じでニヤけながら目配せしてくる変態登山者が駆け下りてきた。それがとても気色悪かった。

ああ、自分はとても彼らの仲間入りはできない。困難な道に喜びを感じ、コースタイムを半分以上巻いてニンマリしちゃうアスリート気質ではないんだと悟った。

無理はしないことだ。

 

登山道の周りには原生林が残っている。無限階段から救いの手を求めるように天を仰げば、これでもかと紅葉が癒やしてくれる。

土日をつぶして働き通した10〜11月ですっかり人の心を失いかけていたが、少しずつ人間らしさが戻ってきた気がする。

 

木漏れ日が降り注ぐ階段はまだまだ続く。

夢ならばどれほどよかったでしょう〜♫

のんびり行こう。

 

大山の森がこんなに気待ちが良いもんだとは思わなかった。

今まで気付かなかったのが不思議なぐらいだ。以前に比べたら登山も回数を重ねてきたし、やっとこさ大山の良さを知ることができたって感じかもしれない。

また数年後かに登りに来たら、もっとよく感じるだろうか。いや、その前にこの階段を前に撤退してそうだ。

 

たまにこんな横移動があると、木漏れ日ハイキングで浮かれてしまうこと間違いないだろう。

 

でかいおっさんが写真を撮りながら、ぐえっへっへっとニヤけた姿を想像して欲しい。爽やかさんの殿堂入りだ。

 

今回が本当に今シーズン最後の紅葉になるんだろうな。

しっかり写真に収めとかなくてはっ!と撮りまくる。

前回の武甲山登山ではすっかり終わりを迎えた紅葉が、ここではまさかの全盛期。そのギャップもあって感動を倍増させてくれる。

 

ふい〜、この階段が最後か?

ちょうどコースの真ん中にあるのが大山のオアシス「阿夫利神社下社」だ。

もう着いたかな?

 

息詰まる階段との攻防に髪の毛に白い物が増えた。太ももだってぷるぷるだ。

阿夫利神社に着いたら一息つこう。

 

違ったかー!くそっ!ただの東屋じゃないか。

阿夫利神社はまだ先だったなんて、がっかりを通り越して本当に山頂まで辿り着けるのか不安になってきたぞ。

盛ってる訳ではなく、本当にこんな所でヘバるわけにはいかないと焦る。

 

勢いを増す紅葉に、開いた口が塞がらない風に呼吸を整える。

 

強烈!

国宝級ワンダフォーな色付き。

ハァハァゼェゼェ。

 

阿夫利神社下社は圧巻の紅葉天国

疲れたけど、なんとか紅葉で気持ちを紛らわすことができた。

阿夫利神社下社に到着だ。

 

ここがケーブルカーの終点だから大賑わいだ。一気に華やいだ。

 

下社の境内は紅葉がとても綺麗なところなので、辺りを不審者っぽくうろついて休憩しよう。

 

有名なルーメソ。

横から読んだらラーメン。

 

感動の景色と、ここまでの心地よい疲労が神聖な場所で混然一体となって訪れた感じだ。

ケーブルカーをケチるボンビーにもこの煽動的で圧巻の紅葉はブルジョワ達と平等に見ることが許される。

下山だってケーブルカーなんて使わないぞ。

浮いた金は次の山で使うんだ。

 

有名なラーメン店「AFURI」の期間限定の出張大山店が開店中で、店頭でスープの試飲サービスが敢行されているという奇跡的なタイミングで店の前を通った。

タダなら並ぶしかねぇ!と、でかいおっさんがウキウキしながら大山デートを楽しむカップルに背後霊の様に並ぶ。

試飲のコップを受け取る際「せっかくですから、お店の中でのお食事もどうぞ!」と店員さんが声を掛けてきたらしいが、ちょうどそのタイミングで難聴になるという不運が襲いかかり、しっかり試飲だけを楽しんで大山ブラを続けたのだった。

 

大山詣りで長蛇の列を作っているが、もちろんこの様なお賽銭なる小銭のばら撒きには参加しない。

身の程を知るボンビーはそんな場当たり的な大盤振る舞いはしないのだ。

しかし今年は白山、そして立山と、霊山ばかり選んでお祓い登山を敢行して初穂料をたらふく払った1年だったなー。

 

阿夫利神社下社の奥に進むと頂上に向けた登山口がある。

ここで「山頂までなんて簡単に登れんじゃね?」と勘違いした観光客が吸い込まれていく。

危ういわー、ほんと、危ういわー。

その場の勢いで登山を始めちゃうと、痛い目にあって山が嫌いになるから薦めないYo!

 

下社からはこの相模湾に浮かぶ伊豆大島の絶景。

この上に行けばもっと絶景が見られると思ったらそりゃ登りたくもなるのも分かる。

ここ下社は標高696m。山頂は1,252m。単純標高差はなんとまだ556mもあるということを忘れてはいけない。

登山をしてる人なら余裕に思うだろうけど、普段登山をしない人にとっては、東京スカイツリー1本分にちょっと満たないぐらい登らないといけないだなと想像してみてほしい。

迂闊に飛び込んだらぜっっったいに後悔する。

ちなみに、バス停は304mだから下社までは標高差392m。山頂までの標高差は948mもある。

それなりに疲れるわけだ。。

 

まだまだエンドレス階段と吸い込まれる観光客

一度ここをくぐれば、山頂までひたすら急峻な登りが待っているという大山パラダイス。

迂闊に飛び込んだら後悔すると言ったが、そんなの関係ない。望むところだ。

精一杯やせ我慢して進むぜぃ!

込み上げてくる嗚咽をひた隠せ!

 

おえぇぇぇ~っ!

 

いきなり猛烈な石段と嗚咽で登山再開だ。

この石段がずっと続くならそっこー引き返してAFURIのラーメン食べて帰るところだが、その心配は無用だ。さほど長くは続かない。

 

目の前の外人女性二人が激しく言い合いながら登っていく。

もしかすると普通に喋ってただけなのかもしれないが、感情表現が豊かすぎて喧嘩してる様にしか見えなかった。うん、やはりあれは喧嘩だったんだろうな。

そのやり取りを見て少し悲しい気持ちになっちまったじゃないか。

来年からホークス長谷川勇也のくねくねルーティンがもう見られないのと同じぐらい悲しくなったじゃないか。

もう、ばか!

 

観光でやって来たのになんで登らされてるんだと不満をあらわにする女性、親に無理やり連れてこられて泣き叫ぶ子供、彼女に励まされる肥満気味の汗だく彼氏など、悲しみの世界は続く。

そんな泣き叫ぶ子供も、周りのハイカーから頑張れー!と声援を送られると嬉しいらしく、再び歩き始めたものの、その直後につまずき、それまで以上にギャン泣きするというドラマを目の前で見て更に悲しくなった。

まさに地獄。

これが秋の大山か。

 

イケイケドンドンで登る学生の集団は見ていて気持ちが良い。自分が初めて大山に登った時も学生だった。

友達とならどんなところでも理屈抜きで楽しめる学生らしく、見てて眩しいぐらいに大山を満喫している。

彼ら彼女らを見てると、おしゃべりに夢中になり過ぎて景色なんて一切見てる様子なんて無い。

この完璧なまでに整備されたトレイルを「あたし今、道なき道を歩いてるぅー!」と実に初々しい喜びを爆発させ、底なしに楽しそうじゃないか。

はっきり言ってその感情が羨ましい。やはり今日は大山に来て正解だった。紅葉以上に得たものがあった気がする。

 

下社から大山山頂まで、距離は2.2キロ。 山の距離は平地の2倍と考えて良い(あくまで自分のイメージ)。

 

標高も1,000mを越えると木々の冬枯れが始まった。

ヒーヒー、ゼーゼー

なにこのペース。人が多すぎて完全に自分のペースを見失って、気付けばすべてのハイカーを抜きまくってる。やばい。

 

疲れた。なんでこんな急いでるのか謎だ。

山頂の阿夫利神社奥社までもう少しだ。ぶっ倒れて思いっきり休んでやる。

 

歩荷してる方にご苦労さまと伝え、ガンガン先へ行く。

下山後に見たYAMAPではコースタイムを半分以上巻いていた。最近のYAMAPは歩いたペースによって軌跡の色が変わり、速ければ赤く、遅ければ青く表示されるためすごく分かり易い。

今回は途中で頭がおかしくなったのか、動脈の様に真っ赤な軌跡だった(笑)。人が多すぎてペースを狂わされたなんて言い訳だ、まだまだ未熟だな。

 

大失敗だ、久々に大汗かいた。

何枚も写真を撮るために何度も立ち止まりながら歩いたというのに、この太ももを使い果たした感はやばい。完全に階段に負けた。明日から寝込むかもしれない。

公共交通機関で来といてこのダラダラかいた汗はいかんともしがたい。

汗臭さと加齢臭が渾然一体となった猛烈な悪臭で、さっきの泣き叫ぶ子供だって黙らせることができるだろう。

広沢寺温泉まで歩いて本厚木行きのバスで帰るか悩むところだ。

なんにしても次の登山ではいつも以上に鈍足ペースで歩かないと、自分の体内時計がおかしくなって早死にしてしまうかもしれない。こんな登山は2度としないぞ。

 

山頂からの眺めと富士山

12:00

ちょうど正午。へべれけになりながら、大山の山頂に来たという証拠写真をおさめる。

 

ひゃっはー。山頂からは東京が一望。

肉眼でスカイツリーも見える。

 

こっちは小田原と伊豆方面の景色。

 

山頂にトイレがあるのも観光地化された山ならでは。

それにしてもこの女性のトイレ待ちの長蛇の列はやばかった。女性ってこういうのが大変だよなーと思う。

 

相模湾と伊豆の島々。

表丹沢ならではの景色をゆっくり眺められる場所を陣取った。疲れた体を休ませながらのんびりお弁当タイムだ。

食べ始めてから気付いたが、陣取ったそこは丹沢らしく辺りは鹿の糞だらけだった。

本当にぶっ倒れて思いっきり休んでたら糞まみれになるところだった。

気をつけろ!

 

見晴台の方から周回ルートで下山しようか悩んだけど、登りは鼻息荒めに登ってうっかり見落とした富士山が見たくてピストンで下山することに決定。

なにやってんだか。急いで良いことはない。

 

奥社の狛犬は味があって実に良かった。

柴犬サイズで可愛いけど、歯を剥き出しにして怒ってるよ。

 

最後に富士山が見られてよかった。

ハイカー達の歓声が重なる。学生たちも大はしゃぎしてる。やはり何してても楽しそうだ。

この表丹沢からの海と富士山の眺めが醍醐味、みんな飛沫飛ばして喜んじゃうよね。

 

周りが富士山ばかり見てる隣で、地味に箱根の山々の眺めも爽快だ。

ポコンと2峰頭を出してるのが神山と駒ヶ岳。

紅葉も見られたし、大満足な旅となったよ。

 

男坂でゲッザーン

人混みに流されて変わっていくあたしを〜

人波に揉まれながら、えっちらおっちら下りてきた。

最後の階段、ちょっと前に押されたら一番下まで転げ落ちてしまうこの恐怖感。

ここが大山で最も危険なポイントだろうな。

 

手すりに掴まりながら、なんとか下社に到着。

ガチで怖かったズラ。

 

下社には十二支の銅像が立てられてた。阿夫利神社、相当儲けてるな。

戌年ではないけど犬が可愛いから撮っとくズラ。

 

灯籠には奉献した人の名前が赤い字でかでかと半永久的に刻まれるけど、こういうのって本人が望んでるのかなー。

それにしたって、まだまだ登ってくる。

下社の境内は相変わらずの混雑っぷり。

 

とろろ蕎麦でも食べたい気分だが、歩いてると脇腹が痛くなるぐらいお昼を食べてしまったから、これ以上食べたら男坂の下りで蕎麦を奉献してしまうことになる。

控えるでゴザルよ。

 

一本350円。

普段ならワンコインにはすぐ手を出してしまうところだが、うぐっ。が、我慢だ。

せっかくケーブルカーの運賃1,120円が浮いたというのに。

なんであんな食べてしまったのか。

ぬおー!

 

一応ここも山だというのに、こんな小綺麗なお店でホットドッグやジェラートが食べられるんだよ。

並んでる客にメニューを掲げて説明する店員の話をすぐ隣で傍受してたら激しく食べたくなった。

 

だが断るッ!

ぬおー!

 

まだお昼だと言うのに、もはや西日じゃないか。時間がすぎるのが異常に早い。

 

阿夫利神社の下社は歴史もあって、とても立派な造りだ。それに山の中腹だけあって自然豊かだし、背後には大きく大山がそびえる景色が他の神社とは全く異質な雰囲気を醸し出してる。

日光東照宮に行くより阿夫利神社の方がぜったいに楽しいと思う(あくまで個人的な意見ね)

 

11月下旬がベストシーズン。

麓から歩いてると、緑が交じる紅葉で始まり、下社でピークを迎え、山頂付近は冬枯れした木々へと変わり、そんな移ろいが楽しめる。

 

ボケーっと何も考えずに下ってたら、うっかり男坂を歩いてた。

女坂で大山寺を見て帰ればよかった。くそっ!

 

そしてダラダラ〜と、ピストンだから途中は端折って、最後の階段に突入。

 

冬桜が咲いてた。

冬桜は奥武蔵や群馬県藤岡市の桜山が名物だから、一度行ってみることをお薦めするよ!

 

賑やかなこま参道を、お土産も買うことなくふらふらバス停へ。太ももの張りが尋常じゃない。今日は疲れた。

ご褒美に伊勢原駅でたけのこの里でも買って食べよっと。

 

13:10

バスがやって来た。

ペース配分を間違えた代償は大きい。ぎりぎり座れたけど、座ってても体が痛かった。もはや廃人。

仮に泣く子が座らせてよー!と頼んできても

だが断るッ!

 

 

振り返って

何度か登ってる大山だけど、これまで一度もブログで書いたことがなかったから、いつかちゃんと書こうと思ってベストシーズンを狙ってた。

快晴にも恵まれ、なかなか素敵な弾丸登山となったわ…。もうヘトヘト。

累積標高差は上りで960mだけど、標高差の倍以上疲れた。ペースってほんと大事だと痛感させられた。

 

学生の頃に初めて大山に登った時は、真っ暗な中ライトも持たず、ひたすら目を凝らしながら下山した。

完全に山を舐めて、ほんで痛い目にあって、それでもめっちゃ楽しかった。最低だったけど最高だった。

学生の頃のアホな経験は理屈抜きで腹の底から笑えるんだぞ、Youフォートナイトばかりじゃなくてもっとアホしてちゃいな!(だれに言ってんだ?)

おっさんになってからアホな登山したって、獣の様な汗臭さしか残らないんだぞ!帰りの電車で周りの目が痛いんだぞ!酸っぱいんだぞ!

覚えておくんだな!!

やっぱ大山は楽しい山だった。秋がぜったいお薦め。

ではでは

 


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