飯縄山 雪山登山(南登山口) 雪に埋まる鳥居と明るい尾根道は長野市民熱愛の峰

飯縄山 雪山登山(南登山口) 雪に埋まる鳥居と明るい尾根道は長野市民熱愛の峰

長野県の北部にある山(いいづなやま)に雪山登山にやってきました。

善光寺の前を通り、長野市の市街地を抜けて飯綱高原に向けて移動していくと、車窓から飯縄山が見えてきます。久しぶりに山の姿を見てうっとりしてしまう程きれいな山だなぁというのが最初の印象。

すーっと伸びる尾根は実際に登ってて危険箇所が少なく、地元の小学校では学校行事で登られるというのも納得できます。それぐらい長野市民に密着した山です。

北信五岳の内の1座で、標高は1,917m、日本二百名山で、戸隠中社を挟んで戸隠山と対峙してます。長野県北部の山なだけに積雪量は豊富で、この時期だと山頂の鳥居はほとんど雪に埋まってしまってます。

今回は、雪山では定番とされている南登山口からのピストンを選択しました。

人が多く入ってるので踏み跡バッチリ、ワカンやピッケルは不要で、アイゼンとストックだけでラクラク行けちゃいました。

 

前評判通り登りやすい山でしたが、途中で少し急坂の区間がでてきます。

そこはかなり鋭角に登って行くし、雪で足も取られるし、少し手こずりましたなぁ~、ご覚悟を。小学生たちが登るのはもちろん夏山だろうけど、あれを登るんだから長野の子供は大したもんだわ(笑)。

まあ、慎重に登ればなんてことありません。ロープもあります。

 

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霊長類最高の跳躍力。冬靴+アイゼンでこれです。どうだ!

この写真の右上に少しだけ映ってるのが戸隠山。蟻の戸渡りで有名な山ですが、この戸隠山がとにかくギザギザで異様なまでの存在感を放ってました。そして、戸隠山と並んで存在感あったのが高妻山。

 

あ~あれもこれもまだ登ったことない山ばかりだよ!

 

たくさんお菓子持って早く登りに行きたいっ。まだまだ楽しみは尽きません。

 

そんな荒々しい戸隠山とは正反対の飯縄山、簡単ですが特徴を要約するとこんな感じです。

1.トレイルは開放的で明るく、とても登りやすい。

2.13体ある石仏を辿っていく石仏マニアにはたまらないルート。

3.大展望の山頂。真向いの戸隠山を始め、北信五岳と北アルプスの眺めが圧巻。

4.標高差は700m、2~3時間で山頂に立て、ちょうど良い登山が楽しめます。

 

 

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日差しが強く、気温がぐんぐん上がって春霞がでてきてしまったけど、晴れに恵まれました!

いざっ

 

■アクセス方法

・一の鳥居苑地(いちのとりいえんち)へのアクセスは、こちらをご参照ください。

 

 ■ルートとコースタイム

■2018年3月25日 ※カッコ内は標準コースタイム

一の鳥居登山口⇒(90分)⇒駒つなぎの場⇒(60分)⇒西登山道分岐⇒ (10分) ⇒飯縄神社(南峰)⇒ (15分) ⇒飯縄山山頂⇒ (25分) ⇒西登山道分岐⇒ (40分) ⇒駒つなぎの場⇒(70分)⇒一の鳥居登山口

標準コースタイム:5時間10分(休憩含まず)

 

 

はじまり

 

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高原までやってきました。

飯綱高原はなのに山になると。そこら辺が明確ではなくモヤっとしてます。

とりあえず50台収容できて、トイレもある一の鳥居苑地駐車場を目指します。

 

 

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間違えて飯縄山登山口前まで来てしまったけど、こんなところにも駐車場がありました!ラッキー!トイレはないけどね。

見るからに元ヤンのお母さん、もとい綺麗なお姉さんにここが登山口でいいんですよね?と、念のため聞いてみると、くわえタバコで「んぁ、すぐそこ」と素っ気なく教えて下さりました。

ヤキ入れられない内にとっとと行きましょう。

ここ登山口前駐車場は10台も停められないぐらいのスペースでした。

 

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大明神と書かれた鳥居をくぐって登山スタートです。

だいたい縄って「なわ」と「じょう」としか読まないんじゃないの?。。

だから縄だとみんな読み間違えるという事で、後から綱がでてきたのか?

まだモヤッとしてますが登山スタートです。

 

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白樺ぁ〜青空〜。

これ見たらモヤモヤした気持ちも晴れましたな。

きっと高原みたいに広域を指す場合は「綱」で、山や神社みたいなスポットでは「縄」が使われるんだ。

とりあえずそう思うことにして一件落着です。

 

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さあ読んでみて下さい。

「緑は友達国有林。ここは飯綱山国有林」だと!

なんなんだよ!

 

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綱縄問題が解決しませんが、登ることを忘れてしまいそうなので、とりあえず先を急ぎましょう。

ちなみに登り始めからアイゼンです。雪が豊富なのでアイゼンをドロドロに汚さないって嬉しいです。

 

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さあ、やって来ましたぜ。

石仏マニアの方々お待ちかね、

第一不動明王から幕を開ける、マニアにとって垂涎の石仏トレイルです。

 

この立て看板の説明だと13体出てくるみたいです。

石仏には全く興味ない自分ではありますが、折角なので追いかけてみたいと思います。

ナンマンダブ。

 

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第二釈迦如来です。

ふーん。

 

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第三ユキダルマ菩薩。

危うく見落とすところでした。

 

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第五地蔵菩薩。

「わー!石仏だよー!!ワクワクするぅ!」

やべぇ、つまらなくて死にそうです。

 

第四は見つけたけどもうええわと流しました。

不吉な番号だからそもそも存在しないのかな、と思ってから少し意外だったけどね。

 

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この時期の原生林の森は見通しが聞くから山頂もバッチリです。

山頂がすぐ近くに感じる。目標が見えるって素晴らしい。

 

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まだこの辺はなだらかに登っていく感じで楽勝です。

この日は風が強いと聞いてたからアルプスではなく飯縄山を選択しました。時折、樹林帯を吹き抜ける風が気持ち良いぐらいの風で、完璧な判断だったと自画自賛です。

 

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これが第六。

駄目です。石仏に興味を持とうと張り切りましたが無理がありました。

もうここら辺にしときましょう。。

 

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駒つなぎの場。駒とは馬のことですね。ここから上は馬じゃ登れないぐらい急だってことだぜ!

たまに山で駒止めとか見かけますが、それと同じ。

 

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そして出てくるのがこの急坂。

猫かぶってたな!あんな優しかったのに!!

女性的な山と紹介される事の多い飯縄山ですが、やはりバラの棘を隠してやがったぜ!

 

ロープが雪に埋まらない高さで木にくくられてるので、しがみついて登るべし。

 

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前方の熟女パーティが必死に登ってます。

雪山の急坂だってなんのそのって感じです。老若男女問わず親しまれる山の片鱗を見ることができます。

 

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天狗の硯石なるいかにもブロガーが欲しがるネタが転がってます。

 

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お約束通り、硯を研ぐスタイルで1枚撮っておきましょう。

これ以上のなにを求めてるっていうんだい?

 

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下山ですれ違った女性がなんとサンダルだった(笑)

そんなことってありますか?

夏道だっていないよ。

 

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さあ、ここら辺からがこの山の真骨頂!

広大で開放的な尾根道の始まりです。

 

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振り返れば北アルプス。長野市の山だけあってさすがに近い。

春霞の影響であまり遠望きかないコンディションだったけど、それでもこれだけ見えるのはめちゃ近いから。

豪雪地帯だけあって森林限界が低いから横から吹き抜ける風が気持ち良いです。

 

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今見えてる山頂が南峰ね。

この山のピークは二つ。山頂標識がある本ピークは奥にあります。

 

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ヒャハー!

気温高めで暑さに苦しめられたけど、

爽快だ!

爽快だよー!

 

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そしてバテる。

気持ち良いからね、こんな遊びをしながらゆっくり行きましょう。

 

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残雪期ならではの落とし穴が所々あるから気を付けろ!

 

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晴れてる内に山頂に滑り込みセーフ。

しつこい様ですが、最高に楽しい山です。3月の飯縄山は全員来るべし!

 

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南峰の山頂には飯縄大明神の奥社が雪に埋ってました。

反対側の入り口付近は雪が掘られてて中を覗くことができて、鏡も見ることができました。

 

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南峰から本峰へは約15分。山頂標識は向こうにしかないから是非行きましょう。

 

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会いたかったよっと。

山頂標識は飯山です。

標高1,917mは「ヒクイナ」で覚えといて下さい。

 

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さあまずはお昼にしましょう。撮影会はその後でゆっくりと。

今日のスイーツはLAWSONの白いたい焼きをチョイス。中はカスタード。もちもち感がたまらない一品です。

 

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眺望の良さはピカイチ。まずはこちら、戸隠山。蟻の戸渡ってどこら辺なんでしょうか?

なんにしても低い山なのにギザギザ感が半端ない。

 

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そして高妻山

楽しそうな山ばかりです。長野県民が羨ましい。

 

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そして北信を代表する山々。山名を書いてみました。有名な山がたくさんです。

 

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そして北アルプス。

この山からの眺望でアルプスの紹介を省くことなんてできません。後立山の山々です。

不帰ノ嶮の天狗からの激下りがよく分かる。それと五龍岳と鹿島槍ヶ岳。白馬は残念ながら写真から切れちゃいましたが、圧倒的な白さは流石でした。

 

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漫遊な旅となりましたよ、ほんと。

そろそろ下山しましょう。東京は遠いのだ。戸隠山とアルプスの大パノラマが名残惜しい。

 

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ふんぬっ!暖かくなって踏み抜き多発。

もうこれが疲れるんよ!

 

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そしてバテた。

 

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アップで。

背中がひんやりして気持ちえがったです。

楽しい残雪シーズンもこんなに暖かな日が続いたらすぐに終わっちゃうなー。

 

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無事に戻ってきました。

楽しかった1日が終わるのは早いなぁと思う、そんな登山となりました。

 

 

振り返って

 

長野市内を通過する車窓から、善光寺の屋根が見えました。自分にとって初めての善光寺は屋根だけ(笑)

下山後、桜が咲いてる様なら寄ってみよっかー、なんて話してたんだけど、さすがに桜には早すぎるため今回は諦めました。暖かくなってきたとは言え、3月下旬では登山口のすぐ近くの湖がまだ凍ってる季節。

東京と違って長野の春はまだまだ先なんです。

 

さて、飯縄は国土地理院の地図では飯縄山(飯綱山)と標記されてるので、どっちでもいいみたいです(^.^)

ふわっとした感じですね(要はテキトーでOK)。

山の名はテングノムギメシ、別名飯砂と呼ばれる希少な食べられる微生物の塊が多く取れた山だったことに由来しますが、残念ながら現在は絶滅に近いそうです。嬬恋や小諸などの火山帯でわずかに残ってるみたいですが、天然記念物なので採取はできません。詳しくは、wikiをご覧ください。

たまたま長野の地図を見て飯縄山を知りました。初耳だったし、しかも二百名山!

雪山登山にちょうど良い山と知り、企画を練ってると、ちょうどヤマレコでも3月のお薦めの山として紹介され、更に登頂意欲が掻き立てられました。

3月に入ると長野県の天気が格段に安定します。日照時間も増え、それでいて雪は豊富。山頂でお昼ごはんが食べられる気温になるってのもありがたい!

 

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だいたい毎度鼻歌まじりで登ってます。音痴なのでなるべく周りに聞こえないぐらい控えめに。

今日の鼻歌ソングは「3月9日」というレミオロメンの曲です。卒業シーズンですからね。

そう言えばレミオロメンのボーカルもかなり山に登ってるらしいです。

 

先日、長男の鼻歌を聞いてて爆笑しました。

「マイトラ~イ♩きゅーせんはっぴゃく円からぁ〜♫始めっらっれるぅーよぉ♫続けっやっすい〜よっお〜♫」

しかも音が取れててかなりうまかったわ。。

「3月9日」をふんふん鼻歌まじりで登っていくと、森林限界になって展望が一気に開ける。ほんと良い歌だなぁ、ほんと良い山だなぁ、としみじみ思いました。

 

ではでは

 

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