これは社会的弱者であるおっさんが、箱根ガイリーンを2日かけて一周するという挑戦を追った、汗と涙の感動ドキュメンタリーである。
平日、次から次へとその男に舞い込む仕事の数は致死量に達していた。
脱糞しかかりながら仕事をさばいていく男に向かって、さすがのパワハラ上司も話しかけにくかったのか、こんどはメールを使った無慈悲な仕事の依頼に切り替えた。
「16時までに赤字額と回収期間、確認しといて」
「それと、明日までに売上台数の推移まとめといて」
もう勘弁してくれ。
わずか1時間の打ち合わせから戻ってみれば、未読メールは50通オーバー。
ひでぶ。
そこに在宅勤務をしている部下からのんきなショートメールが届く。
「明日もテレワークしていいっすか?」
ブレーキランプ6回、コロシテヤルのサイン。
「いいよ。明日もよろしくね」と死んだ魚の目で返事を打ち直す。
致死量を超えてなお、まだまだ死ねる。
今週だけで既に何回死んだだろうか。
もう疲れ切った。。
こんな週末は、普通なら癒やしを求めて温泉旅行にでも行きたいところだが、男が選んだ先は箱根ガイリーン。
アホだ。
年甲斐もなく時計回りでガイリーンに挑み、1日目は箱根湯本駅から湖尻峠までなんとか歩ききった。
しかし、その道中は悲惨なまでの眺望ゼロ地獄。
100%の晴れ予報はまんまと裏切られ、夕方からまさかの雪に見舞われるという非常事態。
そして山中で日没を迎え、ナイトハイクに突入。
まさに世紀末。
くたくたになって桃源台にたどり着き、帰りのバスの中では死んだように眠った。
それが土曜日。昨日の出来事。
2日目の今日は日曜日。
再びバスに乗って、残りの乙女峠から箱根湯本駅までを歩く予定だ。
ん?
あれれ?
2日目は昨日の続きなんだから湖尻峠からスタートするんじゃなかったっけ?
違和感を持たれた方、鋭いですね。
でもそんなコマイこと言うんじゃない!
たった1日でおっさんの疲れが取れると思ったら大間違いだ。
乙女峠に行くぜ〜♫
ゴォーーール!!
ガイリーンは全長50kmのロングトレイル。
さすがトレランの定番コースなだけあってなだらかで歩きやすかった。
まあ、そんなわけで思う存分、箱根まみれになった旅の後編です。
前半はこちら
コースタイム
■2023年12月3日 ※カッコ内は標準コースタイム
乙女峠バス停⇒(45分)⇒乙女峠⇒(75分)⇒金時山⇒(185分)⇒明神ヶ岳⇒(95分)⇒明星ヶ岳⇒(95分)⇒塔ノ峰⇒(55分)⇒阿弥陀寺⇒(35分)⇒箱根湯本駅
コースタイム:9時間45分(休憩含まず)
総距離 19キロ、累積標高上り 1,370m
2日間合計:21時間(休憩含まず)
総距離 45.6キロ、累積標高上り 3,439m
箱根ガイリーン(時計回り)
箱根湯本駅前から乙女峠へ
さーて、2日目のスタートだ。
昨日下山した湖尻峠からリスタートすると見せかけて、清々しく乙女峠行きバスに乗り込んでやったぜ(笑)
湖尻峠〜乙女峠区間の短い距離を端折ろうが大して影響はないのだ。
そしてほんとに乙女峠バス停で降りてしまった(笑)
ここまで頑張ったんだからこそ湖尻峠から歩こう!という気概なんぞ微塵もないわ。たわけめ。
いいか、おっさんの体はな、毎日どこか痛いんじゃ!
ふんふん〜♫
最優先すべきなのは、箱根湯本駅前にある銘菓ちもとの営業時間17時までに下山し、湯もちを食らうことなのよ〜ん♡
浮かれながら歩く準備を進める。
ガイリーン2日目スタート
乙女峠までは30分、金時山まで80分。
左足ふくらはぎの肉離れがまだ完治してなくて踏ん張ると痛いから最初からトレッキングポールに頼りまくるショゾンでゴザル。
ここから山に入っていく。
15年ぐらい前に1回歩いてるんたけど、ぜんぶ忘れたな。
こんな地味な登山口だったっけ。
登り始めはどこの山でも暗いし寒い。
お腹がゆるゆるな自分はモンベルの腹巻きをしてるけど、これをしているのとしていないのとでは体幹の温まり方が格段に違う。
ペラペラなのがランニングにも使えてサイコーなのでおすすめでござる。
肉離れが完治していない左足は相変わらず痛いけど、それ以上に慢性的に痛い首の方が厄介で、今日は左に振り向くことができないほど。
中年の体は無理がきかないなと考えながら歩いてるとあっという間に乙女峠に到着。
そして、今日イチの絶景がコレだ。
すごい。
この大絶景はなんて表現すればいいんだ。
感極まってしょっぱいものが溢れて流れだす。
鼻水です。
今度は横アングルで、フィルムシミュレーションをVelviaにして撮ってみた。
雲があっても物ともしないデカさはさすが富士山。
反対側の神山と箱根駒ヶ岳は完全に雲の餌食。
霜が下りる寒さも腹巻きがあれば憂いなし。
数時間後、太陽さんが放つ光線によってトレイルはびちゃびちゃになるというストーリー。
乙女峠で富士山を眺めほくほくした。
なんせ昨日の箱根湯本駅〜湖尻峠まで10ピークちかく登ってその全てが眺望ゼロという嘘みたいないけず登山になったのだ。
初めての見れた景色がどでかい富士山なんて素晴らしい展開。
真上は青空なんだけど、箱根駒ヶ岳の方から雲がどんぶらどんぶらやって来てる。
ガスガスの金時山になるかもしれないな。
長尾山に到着。
長尾峠は巻いちゃったけど、長尾山なるピークがあったのなら巻いて正解だったな。
長尾山周辺はゴロゴロ転がりたくなるほどの開放感。
でも少し進むとこんなところもでてくる。
金時山が近付いてくると下っては登るというのを繰り返しながらちょっとずつ標高を上げていく。
樹林の隙間からはずっと富士山が見えてたんだけど、首が痛くて左を振り向けないというお預け状態。
昨日もこんな爽快なトレイルが続いてとても歩きやすかった。
ガイリーンがトレランする人に愛される理由がよく分かる。
自分のすね毛を撮ってる感覚。
とうとう始まった。霜が解け始めたのだ。
これが下山中にでてくることが何より怖い。
金時山が見えてきた時にはすでに遅し。
ガイリーンの最高峰といったって所詮は1,213m。
箱根駒ヶ岳からやってきたぷかぷか雲さんに簡単にのまれてしまった。
金時山ときのこ汁
山頂が見えた。
もうすぐ9時だけど名物のきのこ汁やってるかな。
カメラを構える直前まで左に富士山見えてたのに、まさに間一髪で間に合わなかった。
まあいいさ。
金時茶屋は準備中だったけど、
「もうすぐ9時ですけど、そろそろ大丈夫ですかね?」
(営業時間を知らずに聞いてみた)
「ああ、ごめんね!きのこ汁だけならもうすぐできるから、中で待ってて!」
と言ってくれたから、ストーブ近くの席をゲットして待つことにした。ラッキーだよ。
「待たせたから大盛りにしといたよ!!」
と言って登場した名物のきのこ汁。
きのこってこんな美味いんだな。もともと好きだったけど、超えてきたわ。
気軽に登れる山だから、番組の企画でも多くの芸能人が登りに来るそうだ。
体も温まったし、さあ行くぜ!と席を立ったんだけど、ご主人の話しが止まらなくてなかなか切れなかった(笑)
話しながら遠ざかる様に金時茶屋を出てきた。
そしてこちらは金時茶屋の隣にある金太郎茶屋で、マサカリーカレーが名物(らしい)。
明神ヶ岳へ
まるで東京みたいに次から次へと登ってくるから、人の流れがほんの少しでも途絶えたらすかさず下っていく。
せわしいのは東京近郊の観光地の宿命。
少しずつ雲が晴れてきて、下界の景色も開けてきた。
もう虫もいない12月だというのにアザミが咲いている。昨日は雪が降ったというのに、間違いなく地球が壊れてきてる。
ところで、アザミって山登りをして初めて知ったという人もいると思うけど、実は不思議な花で、一輪の花に見えて実はたくさんの花の集合体。もっと言えば、雄しべが花粉を出す時期と雌しべの受粉期をあえてずらして自家受粉を避ける仕組みがあったり、身近な花でありながらとても巧みな技を持つ花なんだそうだ。
これから向かう火打石山と、その奥に控える明神ヶ岳が見えてきた。
箱根竹を切り裂くトレイルが傍目には開放的なトレイルをイメージさせるけど、実際歩いてみるとだいぶ違うんだよね…。
日差しを浴びて花を開きだしたりんどう。
下山して振り返ると金時山も晴れてきた。
ふむ、そんなもんだ。
今日はきのこ汁が食べられただけラッキーだったと思わないと。
このうぐいす茶屋が明神ヶ岳への分岐の目印。
ここから矢倉沢峠へ向かって進む。
明神ヶ岳までは意外とアップダウンもあって歩きごたえがあるんだけど、ここからがガイリーン一番の見せ場、大展望の山歩きが待っている。
つか、トレランをやらない一般ハイカーならハッキリ言って乙女峠〜金時山〜明神ヶ岳だけ歩けばいいかも。
遠目からは草原が続く爽快なトレイルに見えた縦走路も実態はウォール・マリア。
ちなみにうぐいす茶屋から先はモノ好きハイカーしかいなくなる。
明神ヶ岳前衛の火打石山の登りに差し掛かった途端、後ろをついてきたおじさんもそそくさ引き返していった(笑)
振り返ると富士山の頭だけが見える。
定番の角度からの金時山。
ふむ、いい。これが醍醐味。
無駄に登っては無駄に下るという、とても建設的とは言えない遊びが登山だ。
実は登山をやらない人は勘違いしているが、あの「やっほー」という掛け声は、登ることに発狂したハイカーの怒りの叫びなのだ。
認めたくないものだな。
ちなみに漢字で書くと、嫌砲(やっほう)。
天津飯の気功砲のように怒りをぐーっと溜めて放つ必殺技だ。
覚えといてほしい。
通称「箱根竹」。
ただの細竹だろ?とか言うとせっかくのガイリーンが台無しになるからそこんとこよろしく。
そんな箱根竹のせいでうっすら暗いし、前後の景色しか見えないんだけど、首が痛くて横を向けない自分にはあまり影響はない。
箱根というイメージを昨日の1日でゴルフ場という最悪なものにしてしまったけど、この景色で上書きしないとマジでトラウマになりそう。
場違いな厚手の真っ白なダウンを着た女のコ3人組をここで追い抜いたら、おっさんなんぞに抜かれたのがよっぽど癪だったのか、一人が必死に追いついてきた。
たまに街をランニングしていると追いかけっこで競り合ってくる子供がいるが、いい大人な自分は決してムキになったりしない。
紳士らしく「うわぁ〜負けた!早いなぁ、将来はオリンピック選手だね!」と言ってあげてから抜き返し、さらに引き離し、これでもかと圧倒し、社会が決して甘くないことを背中で伝える。
世の中はハラスメントと理不尽に溢れているのだ。強くなって帰ってこいよ。
せっかく登ったのに、またも下ってから登り返す。
もう嫌っ砲!!
ああ、そうそう覚えてる。
ここを登り切ったら稜線だ、もう少し。
あともう少しと思ってしまうとそこからが長い。
つか、ここからがガイリーンの醍醐味とか言ってから文句しか言ってないな。
気分を変えよう。金時山〜明神ヶ岳を今日にしてほんとよかった。
やはり低山ハイクはスカっと晴れた日に歩きたい。
見よ、相変わらず癒やし系なトレイルが続くではないか。
いつか自分も癒やし系な人とか言われてみたいものよ。
ところがそんな癒やし系な山もとうとう牙剥き出しで斜度を上げてきた。
ひどいじゃないか。
こういう時は、再び富士山。
まだちょっと雲が多いけど、上出来だ。
稜線に出ると反対側に丹沢の景色が広がる。
身近な丹沢もこの角度から眺めることなんてないから新鮮。
稜線に出たというのに登ってばかりで、いい加減登ることに飽きてきた。
ゴルフ場のフェアウェイみたいなところで気持ち良さそうに見えるけど、実はこの日は強風で稜線に出てからは鼻水が真横に吹き飛んでいくほどだ。
立ち止まりたいけど寒くて登り続けるしかない。
稜線に出るとようやく樹林帯に突入するという不思議な展開。
ここでさすがにレインウエアを羽織った。
地すべりを起こしたところは風の通り道。
ガクガク震えながら、前向きになろうと「やっぱ山っていいよなー」と強がりを言ってみた。
低い位置に明神ヶ岳の山頂が見えるという謎のピーク。
みんな木々のすぐ近くに身を潜めているのはそれだけ風が強いから。
そんな強風の中、10人ほどの外国人パーティが記念撮影をしようしてたけど、この後ろの茂みに隠れて風を避けている日本人が陣取ってて、ちょっと気の毒だったな。
富士山が大きすぎて、金時山をただのイボにしか見せない。
金時山って愛嬌のある形をしてていいね。
悪く言ってから取り繕った。
さらば。
外国人パーティで賑わう山頂を後にした。
このあと、その元気な外国人たちにあっという間に抜かれる。
相模湾と明星ヶ岳
次なるピークは明星ヶ岳だ。
明神ヶ岳を過ぎると、目の前にあの光景が広がる。
相模湾だ。
そして足元には小田原市街地が広がる。いよいよゴールが近付いてきたということ。
そしていきなり話はそれるけど、小田原駅前には客を呼び込みする海鮮居酒屋のお店があるけど、そこはぼったくりなので気を付けるべし!
検索したらすぐにでてくるよ、入○。
自分は酒を飲まないから被害ないけど、知り合いがやられてね。一杯だけ飲んですぐ出てきたって言ってたから被害は少なかったみたいだけど。
SNSであっという間に情報が拡散される時代なのに、未だにそんな商売をしてる店があることに驚くよ。
ちなみに、自分はぐるなびの評価はあまり参考にせず、グーグルの口コミを参考にしている。
標高を下げても、箱根竹に覆われたトレイルはまだまだ続く。
途中、宮城野バス停へのエスケープがでてくる。
もはやなんのために歩いてるのかよく分からなくなってきている今の自分にとって、ハニートラップ以上に危険な誘惑。
明神ヶ岳から明星ヶ岳まではコースタイム100分。
この区間を明神ヶ岳にいた外国人たちと抜きつ抜かれつしている際に、
ああ、できることならこの外国人たちに小田原駅前のぼったくり海鮮居酒屋の情報を教えてあげたい!と思ったけど、英語力が中学レベルな自分にとって「ぼったくり」の英訳はハードルが高すぎて黙ることにした。
変な店に引っかかって日本を嫌いにならないでほしいと願うばかりだ。
ちなみにドラえもんのほんやくコンニャクが開発されても、こんにゃくを丸々一つその場で食べるというのは大人でもしんどい。
歩きながら、そんなことを考えていた。
藤の実、かな。
自然界の豆の多くは毒があるから、むやみに口にしないことだね。
そろそろ富士山も見納め。
明神ヶ岳〜明星ヶ岳は子供とのハイキングに丁度よいノンストレスなコース。
例の外国人パーティがたむろしてるのが見えた。
山頂かな?どうやらエスケープするか塔ノ峰まで行くかで悩んでるっぽい。
ここが明星ヶ岳の山頂かと思いきや、山頂は200mほど先らしい。
ここから宮城野営業所前バス停に下山することもできる。
ではフェアウェイど真ん中を歩いて山頂を踏みに行きましょう。
明星ヶ岳の山頂は眺望ゼロ。
しかも山頂の一番高いところでお昼を食べる方々がいてお邪魔しにくい感じだし、どうやっても写真にも映り込んでしまい悲しくなった。
でもまあ、もういいかな。
ラストピーク塔ノ峰
さあ、レッツ塔ノ峰。
箱根ガイリーン最後のピークだ。
標高を下げると紅葉がでてきた。
山登りをしていると今どのへんで紅葉のピークを迎えているかが分かって面白い。
右が神山、左が箱根駒ヶ岳。まとめて箱根山。
この景色もこれが見納め。
ほんと、最後の最後にスッキリ晴れた。
初日に歩いた湯坂山ほどの紅葉ではないけど、思いがけず紅葉登山になって気分もアゲアゲ。
どんどん下っていく。
箱根湯本駅はまだだいぶ遠いから、慌てずゆっくり歩いていく。
道路にでた。
そして再びトレイルへ。
全体的に歩きやすくて、距離を歩いてる割に足腰の負担はあまりない。
そんな油断発言しちゃうもんだから鬼畜な階段が現れるんだよ…。
ちなみにこの日は累積で1,367m登ってた。2日間合計で3,436mも登ったわけだけど、いよいよこれが本当にガイリーン最後の登り坂。
樹林の隙間から見える小田原の街がだいぶ近付いてきた。
昨日の日没デスマッチと違って、もう終わりが見えてきて、小さな景色をゆらゆら切り取っていく。
余裕があるっていいな。
最後のピーク、塔ノ峰に到着。
ここは眺望はないしあくまで通過点なんだけど、やっぱり最後だと感慨深い。
阿弥陀寺経由でゲッザーン
あとは阿弥陀寺経由で箱根湯本駅へとゲッザーンするのみ。
植生が変わり、常緑樹がきらきら輝く森。
下山になると踏ん張りが効かずに何度か足をひねりそうになってヒヤヒヤした。
歩きやすくて足腰は大丈夫とか言ったそばから、もう足が残ってないことを痛感。
大黒天様が出てくれば阿弥陀寺の入り口。
ベンベケべ〜ン♫
阿弥陀寺に到着すると、御堂の中からベンベン〜と琵琶の音色が聞こえてきて、それまで山まみれになっていた自分が脱力するほどの異世界に突入する。
初めて見たけど、これは転法輪という鐘なんだそうだ。
数珠を外さないようにゆっくり引いて音を鳴らすという不思議な鐘なんだけど、音を立てると今度は琵琶の練習を邪魔しちゃいそうで結局試せずじまい。
やはり、なかなか個性的なお寺。
おみくじだけで脱力するほどの異世界を感じさせる。
通称、つばき寺とも言われるらしく、つばきがたくさん植林されてるのもなかなか個性的。
そして湯もちへ
もはや下山は完了したわけだけど、ガイリーンは箱根湯本駅まで歩かないと完遂とは言わない。
長尾峠をスルーしといて今さら完遂にこだわるっていうのが意味不明だけど、とにかくここまで来たら歩くしかない。
お寺の参道がガイリーンのウイニングロード。
掃除中の住職と挨拶を交わしたんだけど、人柄良さそうな方で異世界な感じはしなかった(笑)
おいおい、嘘だろ。
ここの温泉1,900円だと!!
馬鹿クっソ高ぇ、マジ異世界!!
汗くさかろうが関係ない。自分の金銭感覚が「嫌っ砲!!」と叫ぶ。
立ち寄るのやめた(笑)
今は使われていない函嶺洞門の前に無料駐車場があって、ワンデイでガイリーンをやる人たちはそこに駐車する人が多いみたいだけど、長時間の駐車はご遠慮くださいっていう貼り紙もあったし、モラルある方は有料駐車場に止めてるみたいだよ。
なんかイヤらしい書き方になっちゃったけど。
ここが本日のお目当て、箱根名物ちもと。
そもそも長尾峠を端折ったのも、ちもとの営業時間に到着して湯もちを買うのが目的だったから。
これで一片の悔い無し!!
でも1個280円もするから1個しか買わない!
箱根湯本駅は大混雑で、ガイリーン完遂の達成感なんぞに浸っていられない。
熱海と箱根は気軽に立ち寄れる日帰り観光地として成功してるみたいで何よりだよ。
温泉にはぜったいに入らないけどな!!
温泉をケチったから帰りは小田原から東海道線に乗り換えてリッチにグリーン車で帰ったよ。
グリーンと言っても800円の追加料金だけだから1,900円の温泉の半額以下(笑)
振り返って
箱根ガイリーンは前半と後半でガラッと見せ場が変わる。
時計回りだと湯坂山から三国山までが前半戦で、ひたすら眺望ゼロのコースになるわけだけど、紅葉の湯坂路や芦ノ湖、それと箱根駅伝の名所を巡れるというのも実に箱根らしい登山が楽しめる。
後半は打って変わって大展望の山歩き。乙女峠からはガイリーンで一番大きな富士山がお出迎え。そして金時山〜明神ヶ岳は360度の大パノラマ。金時山で名物のきのこ汁と箱根湯本駅前のちもとの湯もちは外せない。
まあ実は、湯もちは小田原駅でも買えるんだけどね…。
最近、うつ病を再発させてしまった職場の後輩から、家庭の悩みとかいろいろ打ち明けられたわけです。めちゃくちゃ重たかったぞ。
そんな彼が登山でも料理でも形はなんでもいいから、自分の時間に没頭できる何かがあればいいのにと思う。
誰かと山に行ったら相手と話せばよいし、一人で登るなら自分と話せば良い。
妄想を膨らませたり、やり残した仕事の進め方をゆっくり考えたり、歳老いた親のことを考えたり、何も考えなかったり。
そういう時間って誰しもが必要だろうし、そういう時間で心が整ってくるから、自分は飽きずに山を歩いているんだろうなと。
ガイリーンを歩きながら考えました。
最後まで読んでくださり有難う御座いました。
ではでは