おっさんは旅に出た。
箱根の山は♪天下の険〜♫
滝廉太郎が作曲した「箱根八里」は、小田原から三島までの箱根の山越えを歌ったものだけど、それを日没のカウントダウンを始めた山の上で聞くことになるとは、、予想だにしてなかった。
16時を知らせる箱根八里が芦ノ湖周辺に響き渡る。
三国山の山頂まではあと少し。
もうすぐ、もうすぐで真っ暗になってしまう。
やべっ、とりあえず今のうちにヘッデンだしておかないとっ!
ええ、サバイバルになったわけです。。
箱根外輪山一周の旅。
トレランが10時間切りを目指して一周するコースだけど、山では決して走らない自分がのんびり2日かけて一周するというチャレンジ。
それってチャレンジなの?とか言わないでほしい。
全長50kmオーバー、
コースタイムは23時間オーバー(アホ?)なのだから。
反時計回りでチャレンジする人が多いけど、みんなと同じではつまらない。
自分は時計回りで歩いてきた。
1日目は、箱根湯本駅から湯坂山、浅間山、屏風山、三国山、湖尻峠を経て桃源台へと下る。
これがね、意外と良かった。
湯坂道の開放的なトレイルと紅葉。そして三国山に差し込む西日が森を赤く染めて死ぬほどきれいだった。
でもやっぱり長い。初日だけで総距離27km、累計上り2,100m。
なかなかだよ。
外輪山一周のコースから外れてバス停がある桃源台まで歩いた分、通常より少し長く歩くことになるしね。
まあ、果たしてチャレンジが成功したかどうかは置いといて(笑)、
どれだけぐだぐだなチャレンジになったのか包み隠さず報告させていだきます。
やはり、箱根の山からこの景色が見れなかったら登る意味が無い。
今年は谷川岳馬蹄形に始まり、裏岩手縦走、北ア赤牛岳と、長い距離をずいぶん歩いてきたけど、その締めくくりみたいな登山になったよ。
ルートとコースタイム
■2023年12月2日 ※カッコ内は標準コースタイム
箱根湯本駅⇒(90分)⇒湯坂山⇒(60分)⇒浅間山⇒(25分)⇒鷹巣山⇒(95分)⇒甘酒茶屋⇒(40分)⇒屏風山⇒(70分)⇒道の駅⇒(180分)⇒三国山⇒(55分)⇒湖尻峠⇒(50分)⇒桃源台
コースタイム:11時間10分(休憩含まず)
総距離 26.6キロ、累積標高上り 2,069m
箱根ガイリーン(時計回り)
箱根湯本駅前から鎌倉古道
8:13着の電車で箱根湯本駅にやってきた。
外輪山一周する人は車で来て早朝からチャレンジするもんだけど、道楽ハイカーらしくなんとものんびりしたスタート。
実はまだこのときは
「2日もあんだからワンチャン余裕っしょ」
と、今風に「たぶん」という意味でワンチャンを使いつつ、コースタイムを度外視した意味不明な余裕にほくそ笑んでいた。
チャレンジしない選択をしたハイカー達がこの箱根登山鉄道に乗り込んでいく。
箱根駒ヶ岳をハイキングして、大涌谷で黒たまごを食べて寿命を伸ばすという浮かれプランに心躍らせた浮かれハイカー達を眺め、
ワンチャンあっちもいいなと軽く迷ったことを白状する。
駅前に出てみると、さっきまであれだけいたハイカーが忽然と消えた。
ガイリーンをやる人が他に誰もいないことを悟った。。
誰もいない駅前の商店街をとぼとぼと進む。
肝っ玉が極小な自分は、無理そうなら芦ノ湖で帰ってこようと、エスケープの確認に余念がない。
ちなみに箱根湯本の駅前にはセブンやローソンがあったけど、どうせ芦ノ湖まで行けばコンビニぐらいあるだろうと、ここはスルー(芦ノ湖では見つけられなかった(泣))。
今日はてんくらでもヤフー天気でも快晴の予報だ。
12月初旬。この時期は芦ノ湖まで紅葉が見頃を迎えてるし、このタイミングで歩きに来て良かった。
箱根駅伝の中継でよく見かける橋を渡る。
今日このコースを歩いたら1ヶ月後の箱根駅伝がもっと面白く見れそう。
湯坂路と紅葉
国道1号線沿いを歩いていくと、湯坂路の入り口がでてくる。ここが浅間山への登山口。
Googleマップには鎌倉古道登山口って書かれてるところね。
歴史あるルートの登山口って立派な神社からスタートするところが多いけど、こんなシケたところから上がっていくのね。
最初は地味で暗いトレイルなんだけど、すぐ開放的なトレイルが待ってるから我慢して登るべし。
湯坂城址なんだそうだ。
そっかそっか山城だったなら何百年も前から多くの人に歩かれてるトレイルなのね。
昔の山城も今では逆さにしたペットボトルが謎の陳列をするのみ。
だんだん明るくなってきた。
今振り返ってみても、ここから浅間山まではすっごく気持ちの良いトレイルだった。
軽くハイキングをしに来る分にはほんとおすすめのコース。
湯坂路は山の紅葉が終わった12月初旬に紅葉の見頃を迎えるのがいい。
こっちは黄葉。
黄葉と紅葉が五月雨式に登場し、箱根湯本駅で箱根登山鉄道に乗ってしまうかこのままガイリーンを決行すべきか、そんな迷いも完全に吹き飛んだ。
歩きはじめたばかりでまだ元気ということも手伝ってどんどん足が前へ出る。
8時間後にどんなことになってるかも知らずに…。
これだけ広いのにこのプライベート感。
こんな開放的なところをトレランで走り抜けたらさぞ気持ち良いだろうなぁと、少しだけ山で走る人の気持ちが分かった気がする。
まだまだ快適な山歩きは続く。
最初にガツンと登れば、そこから先はこんななだらかなトレイルが長く続き、フォトウォークをする自分にとっては有難い。
湯坂城は室町時代後期に築城されたとさっき説明書きで読んだ。
何百年も多くの人の往来でこれだけならされたトレイルになったのね。苦しゅうないぞ。
優雅なひとときにガイリーンに挑んでることなんぞ忘れてしまいそうだ。
りんどう。
まず1座目、湯坂山の山頂ゲット。
今日は12月2日。
気付けばもう冬。箱根はぽかぽかしてて冬を感じさせないなぁと思いながら歩いてたけど、このあとで4℃と知って驚いた。
湯坂山を過ぎると浅間山との間に城山というピークがあるらしいんだけど、特に標識とかは何もなくて気付かずそのまま進む。
ずっとなだらかに登ってきたから、こんなとこなの?って感じで浅間山に到着。
カルガモ親子みたいな雲がぷかぷか浮いてる。
向こうの方に何人か休んでるのが見えるから、もしかしたら景色が開けてるのかもしれない。
ぜんぜん景色開けてないし。。
まあでも日向だし、ここで腰を下ろしておにぎりでも食べて一回目の休憩。
さて、次なるピーク、鷹巣山(たかのすやま)へ。
鷹巣山も山城だったのね。秀吉の小田原攻めに備えて築城したそうだ。
秀吉のヤロォ。
ちなみに福岡にも山城はいくつもあって、中でも基山や大野城なんかは白村江の戦いに敗れ、朝鮮からの追撃に備えて築いた山城で日本最古の山城と言われてる。
まあそんなわけで、ここ鷹巣城とはぜんぜん年代が違うんだけど、秀吉といい白村江といい、日本と朝鮮の付き合いの長さを感じた。
こんな箱根の山奥で(笑)
芦ノ湯まではあと45分。
芦ノ湯と芦ノ湖は別物なのでご注意を。
ちなみに今回は踏んだピークが多すぎて、それぞれがどんなだったかあんまり覚えてないんだよね(笑)
そんな中でも鷹巣山は山頂直下で結構登ったから、ここで足腰に疲れを感じ始めたのをよく覚えてる。
この先ひ達川のコンタクトを探すかの様に地面に這いつくばる2人が見える。
湯坂路(鎌倉古道)はこれにて終了。
国道1号と箱根旧街道
国道1号線にでる。
芦ノ湯に向かって国道1号線沿いを歩いていると、ドールハウス美術館観があったり、トイレもでてくる。
日向だと体感は温かいんだけどね、実際には4℃しかない。
どおりで、みんな半袖姿の自分を見て振り返るわけだ。
ここから再びトレイルに戻るとは言え国道1号線と並走するからあまり自然の中を歩いてる感じはしない。
観光地なので仕方ないところ。
むしろ観光地らしく旧街道の石畳で箱根らしさをしっかり味わえる。
相変わらず景色はゼロなんだけど、これはこれで他では味わえない。
ぶっちゃけ青空ならどこを歩いても気持ち良いんだよ。
この「ぶっちゃけ」でさえ最近の若い子は「ワンチャン」に置き換えて使っている。
もはや味塩コショウばりになんにでも使われる。
宝篋印塔。
筑波山の隣に宝篋山(ほうきょうさん)という山があるんだけど、そこに登ってなかったらこの漢字ワンチャン読めなかったわ。
曽我兄弟の墓だって。
調べてみると鎌倉時代に父親の仇討ちをして処罰された兄弟らしく、その逸話は歌舞伎の演目でも有名らしい。
ちなみに三大なんとかが大好きな日本人らしく、これも日本三大仇討ちの1つなんだそうだ。
日本三大○○のトップスリーで日本三大ビッグスリーみたいなのがあんじゃね?と思って調べてみたけど、それはさすがに無かった。
元箱根石仏群。
溶岩を切り出して作った磨崖仏なんだと。
こういうの怖いからあんま好きじゃないんだよ。
精進池に熊笹が反射してる。
正規ルートだと思って国道1号線の地下トンネルをくぐってみたらここにもデカい磨崖仏。
いやいや、怖いから。
しかもここで行き止まりで、また地下トンネルをくぐって戻るという騙し討ちに合う。
再びトレイルに戻った感じに見えるけど、油断すれば滑りそうな苔むした石段が延々と続くから一向にペースは上がらない。
ちなみに、実は肉離れがまだ完治してないし、トレッキングポールを使いながら左足に負担がかからない様に歩いている。
お玉ヶ池と紅葉。
ここはね、思わず足を止めて見ちゃうよね。
池の近くまでは行かなかったけど、なんだかんだで見どころが連続してでてくる。
こういう観光登山もたまにはいいもんだ。
箱根旧街道の前を通過。
こんなところを歩く外国人観光客がたくさんいて、観光地選びの渋さに脱帽。
そして旧街道と言えば甘酒茶屋は外せない。
いつものことだけど、何も注文せずに出てきたけど(笑)。
甘酒茶屋の前の国道1号線を屏風山の登山口に向けて移動。
律儀に屏風山にも登る
はい、ここが登山口。
もう屏風山は巻いてもいいかなと思ったけど、山頂から芦ノ湖の絶景が広がってることに期待して登ることにした。
なんせここまで眺望ゼロだったから、絶景に飢えてたんだな。
一歩入るなり杉林の洗礼。
これは、、眺望なんて期待できそうにないな…。
丹沢と箱根はとにかく階段が多くて疲れる。
整備してくださる方には感謝感謝なんだけど、、やっぱしんどい…。
少し明るくなってきた。そろそろ山頂か。
さーて、芦ノ湖は見えるかな。
わくわく
わくわく
分かってたよ!!くそっ!
こんなとこ巻けばよかった!
箱根が嫌いになりそうだ。。
右を向いても眺望なし。
左を向けば、もはや空すら見えないんだけど。
嫌い!屏風山嫌い!
せめて下りながら芦ノ湖が見えたらいいなと思ったけどそんな期待はもろくも崩れ去る。
恐ろしく急な下りでめちゃくちゃおっかなかった。
階段があってくれて助かった。
朝令暮改、階段サマサマです。
箱根の関所っぽい建物が見えてきた。
これはもしや、箱根の関所って有料だけど屏風山からだと覗き見ることができるってやつか?
ええ、全然違いました。
芦ノ湖と箱根駅伝
さあ芦ノ湖までもう少し。
箱根駅伝より累積標高ははるかに多く登ってるけど、、それでもこの高低差を走り抜ける学生はすごいよ、ほんと。
国道1号線にでた。
箱根駅伝のゴールまでもう少しだ。
そんなわけでここからは観光タイム。
箱根の関所を通過。
そしてすべてを出し切ってゴールする銅像。
この後、これ以上にぐだぐたになってゴールすることになることも知らずに浮かれまくる。
芦ノ湖といえば遊覧船でしょう。
ちょうど船が戻ってきたタイミングで、外国人達の波に飲まれた。
箱根駅伝ミュージアムにも立ち寄ってみたけど、有料だったからグッズコーナーだけ見て即引き返す。
そして道の駅を目指して再び箱根旧街道へ。
江戸時代の石畳だ。石自体は地球が誕生した頃に生まれとーやんとかつまらないことを言うでない。
箱根の有料道路に出る。
そこを通りすぎるブルジョワなGTRの群れ。
ここでやっと、やっと景色が開けた。
ここまで何時間も歩いてきて、景色が開けたと思えば曇り空といういけずぶり。
とにかくあれが箱根の山だ。
真ん中左が箱根駒ヶ岳と神山。
道の駅にもしっかり寄っておく。
やはり箱根はエヴァンゲリオン推し。
ガンダム派だからぜんぜん知らないんだけど。
山伏峠と三国山と夕暮れ
実は三国山は巻いて、芦ノ湖沿いを歩いて桃源台に行っちゃおうと思ってたんだけど、道の駅まで来てしまうと結構な距離を引き返さなくてはならないことが判明し、仕方なく三国山へ。
しかし、ここからが長いのなんのって…。
ぜったいに、ぜったいに戻るべきだったんだよ…。
まずは海ノ平、山伏峠へ。
もう疲れてたから山伏峠までもずいぶん長く感じる。
しかも箱根名物の天国への階段地獄。さっき階段に感謝したばかりだと言うのに、階段のクソ野郎と止まらぬ文句。
このじめじめした暗い中を30分ぐらい歩いただろうか。
やっと景色が開ける。
稜線に出るぞ!歓喜する準備はできてるぜ!
さあ
さあ
かもーん!!!
ファー!!!!
まさかのゴルフ場という漫談みたいなオチ。
しっかりラウンドしてる人たちも見えるし、車がびゅんびゅん通っていくというジラレヘン光景。
そして180cmの自分でさえ埋もれてしまいそうになるススキの藪こぎタイムに突入。
やっと刈払われたトレイルに出てみれば、とんでもない曇り空。
なんか、いつもの悪い流れに突入したな、こりは。
ゴルフ場の隣と芦ノ湖畔、どっちを歩きたかった?
そんなこと聞くんじゃない!
開き直れ!しばらく続くゴルフ場のOBハイキングを楽しめ!くそっ!
ブーーーン!!
すぐ近くの有料道路をレクサスがかっ飛ばしていくという公害ハイキング。車で上がってこれるところをなんでヒーヒー言いながら歩いてるのか、嫌になってきたぞ。
ところであのピークが山伏峠だろうか。
海ノ平とやらは気付かぬうちに通り過ぎてたみたいだ。フッ。
そんなことはもうどうでもいい。
そんなことより、
なんだこれ。
今日はてんくらでもヤフー天気でも天気.JPでも快晴の予報だったのにぃ!!
そして、なんとポツポツ野朗が空から落ちてきた。
嘘だろ。にわかには信じがたい。
しかしこれが現実。
ただ不幸中の幸いか。よくよく見れば雨ではなくて雪じゃないか。
これで濡れずに済む。
日差しがあるから分かりにくいけど、カチコチに凍った硬い雪がバチバチ落ちてくる。
猛烈に寒くなってきたところで、あそこに「うどん・そば」を掲げた竜宮城が見えるじゃないか。
そしてここで初めて海が見えた。
相模湾ではない。駿河湾だ。眼下に見える町並みは沼津市。
これは三国山を巻いてたら見れなかった景色。そう思ったら倍素敵だ。
ものすごい速度で西に日が傾く。
どうやら日が落ちるスピードは無情にもここにきてギアを上げたらしい。
そしてまだ自分がいるのが山伏峠というやばさ。
もう今さらエスケープするルートなんてないから、なんとしてでもこの先へ進むしかない。
そういう訳で食べたいけどそんな余裕なし!!
もう二度と来ないだろうけど、また今度!
もう少しで山伏峠のピークだ。
急げ!頑張れ!俺!
なんじゃこりゃー!!
山伏峠の山頂には富士山のジオラマがあったんだけど、、なんと行き止まり。
なぜ?
YAMAPの地図を見返して愕然とした。正規ルートは山伏峠を巻くコースだったのだ。
これはハッキリ言って劇的に凹んだ。
凹んで、下って元のルートに戻った。
無駄に富士山のジオラマを見せられた自分の意気消沈ぶりはハンパなかった。
そんな自分に待ち受けていた絶望的なまでの三国山の遠さ。
たたみかける無慈悲の嵐にたじたじだよ。
よく分からないところに山伏峠の標識が出てくる。
もうどこでも良いから立てた感じだけど、俺はちゃんと山伏峠のてっぺん踏んできたし!
ああ、曇り空も手伝って急速に暗くなってる。
あと1.8km。
よし、だいぶ近づいたぞ。
うれぴー(´;ω;`)ウゥゥ
ワンチャン雪はやんでくれた。
雪がやんで少し暖かくなるどころか、日が暮れてますます冷え込んできた。
なぜ下る?
山頂はすぐそこでしょうがー!
子供が食べてるでしょうがー!!
三国山ルートは2021年までは通行禁止だったと聞いてたけど、その迂回路だったのね。
そして下った分プラス三国山への残りを登る。
もう残りの体力を使い切るつもり。
ああ、きれいだ。
んなこと言ってる場合じゃないのに、しっかりファインダー覗いて写真におさめていく。
へとへとになりながら、案外体力ある方だよなと自画自賛しちゃってたりする。
さあ三国山はすぐそこだ。
箱根の山は天下の嶮~♬
16時を告げる箱根八里が流れている。まぎれもなく天下の嶮であることをこれでもかと痛感している自分にとって、笑っちゃうほど軽快で楽し気なリズム。
ああ、箱根駒ヶ岳と神山が赤く染まっていく。
山頂だよね?
夕日が眩しいじゃないか。どうしても言いたいことがあるんだけど、これだけ頑張ってだよ、これだけいくつものピークを越えてだよ、
ここも眺望ゼロですから!!!
今日登ったピーク、まさかの全滅だから。
そんなことある?
しょっぱいのは何?
鼻水です。
ここで粒あんがぎっしり詰まった1個200円もする高級どら焼きを投入。
甘いのは大好物。和菓子も洋菓子も大好き!一番好きなのはチョコだけどどら焼きも大好き!
とにかく元気出たからもう景色なんてどうでもいい!
西日で森が焼ける。
ここまで来ちゃえば次なる目的地「湖尻峠」までは目と鼻の先だと思ってたんだけど、まさかのコースタイム55分。我ながら詰めが甘かった。
四の五の言ってないで進まなくては芦ノ湖にエスケープできない。
真っ暗になるのは確実だからとりあえずヘッデンの準備OK!
なんてきれいなんだろう。
さあ、夜よ来い。急いで怪我するより安全に行こう。
初めての山でナイトハイクは心配ではあるけど、これまで何度だって経験あるんだ。大丈夫!
余裕がなくて明るく映しちゃったけど、暗い杉林に赤い夕日の線が差す光景が息をのむほどきれいだった。
湖尻峠から桃源台へゲッザーン
湖尻峠に着いた時にはまだライト無しで大丈夫だった。
「こじりとうげ」ではなくて、本来は「うみじりとうげ」って読むんだって!
でも大丈夫、もうたぶん来ることないから!
そして、
いよいよ夜の帳が下りた。
湖尻峠から芦ノ湖までは近い。
エスケープルートはほとんどが杉林の中の石畳だったし、ルートロスする心配はなかった。
芦ノ湖に着いたらあとは平坦な道で助かったけど、もしかしてあの明かりが桃源台なのかな?
ここにきてめっちゃ遠いやん(泣)
桃源台に着いたのは17時半。
桃源台から箱根湯本駅経由小田原駅行きのバスは18時ぐらいまでなら割と本数は多い。
ちょうど目の前でバスを逃してしまったんだけど10分ちょっとの待ち時間ですぐ次のバスが来てくれて、寒い中待たされなくて助かった。
いやぁ、ほんと長い1日になったけど、
ひとまずこの日はこれで終了。
残りの行程は、後半の2日目に続く
1日目を振り返って
芦ノ湖では箱根駅伝ミュージアムや道の駅に立ち寄ったり、湯坂道では紅葉の撮影に何度も足を止めたりして割りと遊んでしまったもんだから、最後に日没デスマッチに突入。
道の駅から引き返してでも芦ノ湖畔を歩けばよかったという思いもあるけど、結果的に無事で済んでほんと良かったよ。
急いだのは最後の三国山あたりだけだったんだけど、YAMAPのペースが150%〜170%になってたから、全体的にまあまあのペースで歩けてたみたい。
心配してた左足の肉離れはまだ少し痛むけど、変な角度で踏ん張らなければもう大丈夫。
明日もきっと最後まで持ってくれると思う。
この翌日、再び箱根へ。
今回エスケープした湖尻峠に戻って再開するか、ちよまっとズルして乙女峠からリスタートするか、帰りのバスで悩みながら帰ったよ。
ではでは
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