温泉に行きたい。
そんなことを言う割りには長湯できないんだけど、年々温泉が好きになっていくという不思議。
おっさんになるとこうなるのかな?
世の中には温泉ソムリエとかいう資格があるみたいだけど、そういうのにはまったく興味はなく、ただ温泉でのんびりして、美味いもん食って、だらだらしたい、ただそれだけ。
美味いもんって言ったって、ワンコインでいいのよ。焼き鳥とかおでんとか。
そういうのが喜び。
ナイフとフォークはいりません。
指でつまんで後でウェットティッシュで拭くぐらいのグルメが最高に贅沢なんだよ。
さて、ニセ温泉ソムリエの私が向かった先は2度目の本沢温泉、テント泊です。
八ヶ岳にある日本最高所の野天風呂として知られる本沢温泉。標高は2150mです。
前回は野天風呂だけを楽しんだけど、今回は内湯と野天風呂、どちらも欲張ってきました。
内湯やっぱいいわ。
脱衣所あるし(笑)
野天風呂はね、経験を買うって感じ。
くつろげないもんね。
そして自称晴れ男な私は硫黄岳にも登る。
晴れ男(自称)だから余裕で晴れるに決まっている。
では、2回目の本沢温泉なのでさくっと書きます。
本沢温泉登山口から登山開始
本沢温泉の登山口前駐車場です。
前回はがらがらで、テン場もたったの2張しかなかったんだけど、今回は車が路肩に溢れてるという目を疑う賑わいっぷり。
テレビにでも取り扱われたか?
宗像山道具店GRIPSのブログで本沢温泉に来てるのを見たぐらいだけど。。
GRIPS、福岡県人である以上は一度は行かなきゃなと思ってます!
ここが登山口。
ここから本沢温泉小屋までは単調な林道なので端折ります。
登山スタイルじゃない人も歩けちゃうロードです。
久々のテント泊。
テント装備ってこんなに重かったっけ?とビビったけど、それでも本沢温泉までなら楽勝でしょう。
今日はどこの山域も天気が悪くてね、こんな日は本沢温泉がベストな選択。
でも晴れ男なんでね、明日はきっとどぴーかんよ、間違いなく。
歩きに来ておきながら、歩く距離は少しでも短くしたいという人は、車高が高い4WDがあればここまで車で上がってこれます。
でも下山中にパンクしてJAFを呼んでる人を見かけたので、まあ歩いた方が身のためです。
何しに来たんだかね。
こちらが少しでも歩きたくない方々の3台。
それでいいのかい?
このゲート前までは意外と急な林道だったわけだけど、ここを越えちゃえば温泉ランドまで惰性で行けちゃう。
もうずっと単調な道なので特に書くこともありませぬ。
ちなみに、ここの板が抜けると崖下に真っ逆さまです。
下を覗くとこんな高さなんだもの。
山登りしてるくせに高所恐怖症なもんで、かなり腰引けてます。吊り橋とか超絶苦手です。
山の上はガッスガス。
だが晴れ男(自称)のあたしにかかれば明日は必ず晴れると断言しよう。
今日は明日に備えて温泉だけにしておこう。
大人の週末ってやつだ。
テント場に到着
テン場に到着。
天気が悪いっていうのにこんなにテントが多いとは!
完全に予想外だったな。
フラットな場所を確保できたよ。
ちなみに本沢温泉は女性専用のテン場もあります。
外湯に行く女性について行く痴漢がいるのかもしれないね。
ちなみにテン場のすぐ近くに2つ沢が流れてて、一つは水場、もう一つは毒沢です。
毒!!
稜線にある山びこ荘の汚水が混ざってたりするのだろうか。
本沢温泉小屋へ
テントを張り終わったら受付けをしに本沢温泉小屋へ。
テン場から歩いて約5分の距離です。
相変わらず、立派な山小屋だよ。
テントと温泉の受け付けを一緒に済ませてしまいましょう。テントは一人1000円と最近のテント相場からするとまあまあ良心的。
なんにしても北アルプスが高すぎるんだよなぁ。
はじめての内湯
そしてすかさず本日のメインイベントへ移りましょう。
内湯へレッツらゴーどんマエダ。
以前はこの奥のカウンターでテント泊の受け付けをしてたけど、コロナをきっかけに場所を変えたのかな。
はんてんお貸ししますって、風情ありますな。
宿泊者向けのサービスだろうけど。
俺は賞味期限なんて多少切れてたってまったく気にしないぜ!
でもアクエリとお茶ならいらない!
水に色を付けただけの飲み物を買うなんてもったいない!と感じる少年の心をあたしは忘れない!甘ったるいジュースが好き!
ナタデココ入りのジュースが好きっ!
海老天鍋焼きうどん1,200円に惹かれるけど、今日は大量に食事を持ってきたからパスします。
食い倒れ温泉旅行です。
初めての内湯が楽しみですな。
良い歳してルンルンさ。
のれんの先へ。
どこの温泉でもこの瞬間は
「空いてておくれー!」
と祈りながら進む。
ええ、混んでましたよ。
着いた時には合計7人のおっさんが湯船に肩を寄せあって我慢の時間。
何が楽しくて温泉に来たんだかなぁと思いながら小さくなってたけど、
それでも最後の1人になるまで粘って、
完全にのぼせ上がりました。。。
最後の一人だから写真も撮ったよ
内湯は赤い泉質で、鉄分が豊富なのか肌がパリッとする感覚。
こういう温泉って新潟に多いイメージだなぁと身も蓋もないことを思ったりもする。
ちなみにシャンプーとかはできません。
洗い場もないよ。
しこたまのぼせ、風呂上がりですかさず汗だくとなり、オヤジ臭を醸成するという不合理を実践しているところ、ヒカリゴケが見られるポイントを発見。
スマホのライトで照らすとたしかにテカってる。
テカりの成分は長い月日をかけてオヤジが流した油汗だそうです。
食い倒れに突入
長湯の汗も雨が降る外に出たら一瞬で冷えた。
なにも飲む気にならないよ。
小屋の前の屋根付きのベンチをゲットできたので晩餐といきます。
ハコネーゼ、ンドゥイヤの旨み!
これ絶品ですたい!
長湯で腹減ったし、200gのスパゲッティぐらいペロリッティだ。
食べ足りなくてテントに戻ってからも、ひたすら食い続けた。
登山しに来て太って帰る、これが大人の休日。
風呂に入って、飯を食って、のんびりしてたらあっという間に暗くなった。
日が短くなったもんだよ。
ペグがちゃんと刺さっていることを再確認し、食べかけのポテチを枕元に散乱させたまま寝落ちするという体たらく。
10時間は寝たかな。いくらでも眠れる。
晴れ男が硫黄岳を目指す
さて、翌朝です。
さすが晴れ男。しっかり雨も上がりました。
空模様は怪しいみたいだけど、そんなもんは見上げなければ分かりません。
知らぬが仏、張り切って硫黄岳まで行ってみよう。
硫黄岳にさくっと登って、帰りに野天風呂に入ってから下山するというプラン。
計画は計画通り進んでいる。
ここだけ火山性ガスで樹林帯がない。
左上へ登っていくけど、この先はしばらく樹林帯だよ。
ああ…、そんなバカな。。
見上げるまでもない。
やまびこ荘が見える頃にはまさかのザーザー。
レインウェアはモンベル最強のストームクルーザージャケットで安心。
だけどトレランシューズだから足がびちょ濡れになるのが超気持ち悪い。
やまびこ荘はひっそりとしてるし、中を覗いても暗いし、営業してないのかな。
さ、寒い。。
横殴りの雨にモチベーションは底辺。
山びこ荘の隣はヒュッテ夏沢。
ヒュッテ夏沢はコロナ以降、2025シーズンも営業をやめてます。
やまびこ荘の中は暗いけど、
「5年ぶりにオープンしました、安全登山のためにご利用ください」
ふむ。ならば…。
ええーい!!開けてくれぇーい!!
と引き戸をガタガタしても鍵がかかってて開かない。
ぬおー!開かない、寒い〜!晴れ男なのにー!と粘ってると、中からスタッフが出てきて、引き戸ではなく扉からお入りください〜、と開けてくれた。
どうもすみません。。
ひとまず助かりました。
山びこ荘には天然記念物のヤマネが住み着いていることで有名。
ヤマネは見れなかったけど、初めて潜入した山びこ荘の中は売店の品揃えが充実してた。
アルコールは1本600円。
あったかいココア500円に惹かれたけど、小屋の中で寒さを凌いでたらだいぶ暖まってきたのでもう出発します。
滞在は10分程度だったけど、ほんと助かりました。
森林限界に出てムリだと思ったら引き返すことにして、なまった体にムチ打って出発。
ここに落ちたらムチ打ちじゃ済まない。
そしてここから先は森林限界。
晴れ男の自分なら通常ここから絶景が広がり、浮かれモードに切り替わるというのが常。
だが勝手が違うようだ。
顔面に打ち付ける雨が強すぎてムチ打ちになりそう。
やべぇ。
この先に進んでみても、景色は絶望的なのだ。
そんな登山になんの意味がある?
おもんな!
雨痛い!
帰る!帰って温泉入ったほうが楽しい!
そう宣言して引き返しました。
途中ですれ違った小さな子を連れた家族は大丈夫だったのだろうか…。
締めの野天風呂へ
そんなわけで下山してきて、眼下に貸し切り状態の野天風呂が見えた。
やったぜ。
野天風呂ってゆっくり湯を楽しむなんてことはできないんだけどね、経験を買うってやつです。
あら、風情のある描き方。
ここね、油断してスマホ見てると滑落するよ。
見えてきた。
脱衣所なしのただの湯船。
6年前から何も変わってない。
日本最高所2,150mの野天風呂、「雲上の湯」です。
露天風呂とは違う、野天風呂。
野趣あふれる遊びなので、温まるとか良い湯とか、そんな次元の話ではないのてす。
でも湯が強すぎて顔を洗うと目が開かなくなるから、その点だけ要注意です。
いい歳したおっさんがパンツすら履かずに靴下から先に履く。
靴下を履くまでが勝負なのだ。
地面が濡れ、足を付けば砂がつくし、よたついたら滑落するし、バランスとりながら靴下だけなんとか履けちゃえばなんとかなるのだ。
ゲッザーン
テントも撤収完了。
撤収中に記念撮影をしてる方々のカメラマン役になってあげたら、なんと富士のX70だった。
GRに対抗するコンデジって実のところX70しかないと思うんだよね。
2016年の発売以来、後継機がでないからファインダー無しのコンデジはもう作らないのかもしれないなぁ。
遠くに晴れ間が見える。
雲の位置で自分が2000m近いところにいることを実感する。
カラマツの紅葉はまだまだ先。
アキノキリンソウ。
温泉でさっぱりしたはずなのに、野天風呂の硫黄臭を消したくて早く温泉に行って洗い流したいと、元も子もないことを考えながら歩く。
写真じゃ伝わりにくいけど、かなり凸凹があってね、1台パンクしてJAFを要請してたよ。
4WDでも厳しい。
単調な林道を歩くこと2時間、ゴールが見えた。
はい、駐車場に着きました。
振り返って
下山後はすぐ八峰の湯(やっほうの湯)へ行きました。
そこの露天風呂から見えた八ヶ岳はガスの中。
天気が悪かったので今回はさくっと流しましたが、硫黄岳はこれまで5回以上登ってると思うんだけど一度も晴れたことがない、鬼門です。
赤岳は曇ったことないんだけど、硫黄岳とはどうしても相性が悪いみたいです。
登山と温泉をセットにできると言えば、代表的なところだと、
那須の三斗小屋温泉、雲取山の三条の湯、清嵐荘の湯俣温泉、栗駒山の須川温泉、北アルプス高天原温泉、九重の法華院温泉、下ノ廊下の阿曽原温泉、などなど。
栗駒山の須川温泉はサイコーです。テン場は熊が出ると後で地元の方から聞いて恐怖に震えたけど、とにかく温泉が最高でした。
まだまだ行ってないところ多いなぁ。
ではでは