華麗に鹿の糞を避けて足を激しく捻挫してしまったあたくし。
登り始めた時はどんよりしていた空も、みるみる青空が広がっていく最高の条件の下、捻挫による痛みによってみるみる青ざめていくおっさん。
それでも日頃のパワハラに耐えてきたド根性を発揮し、トレッキングポールに全体重を預けながらなんとか三倉山を登頂。
サラリーマンなめんじゃねぇぞと、額に脂汗を浮かべつつニヒルに笑う。
すかさず山頂で景色を楽しむより先にロキソニンの湿布を取り出し治療に取り掛かる。
しかし、この足でここまで歩いてきた三山を再び越えて帰らなねばならない。
三倉山から駐車場まで、地獄の下山の幕開けだ!
↓ 前回はこちら
裏那須縦走その③は三倉山から一気に駐車場まで。
晴れ渡る空の下、本来なら爽快な登山が楽しめたのになー。
三倉山の山頂から痛いと叫ぶ
山頂標識のすぐ隣で柿食って捨てたの誰!
ウッキーの仕業か?
相変わらずこの世の景色とは思えない絶景。
足を引きずりながら、涙の撮影タイムに突入。
男体山が雲に隠れて分かりにくいけど、おそらく日光方面。
これは銅ですか?
足元の南会津の村がすべて錆びてしまった。
まあだいぶカメラの彩度を上げて撮ってるんだけど、それでも目にも鮮やかだった。
こちらも会津の集落。
ほんと良いところだよなぁ。
とにかく山ばかりで冬は寒いだろうけど。
裾野が雲に隠れてても男体山だって分かるんだからその存在感はさすが。
とか言っておきながらいい加減なあたしはたまに赤城山や浅間山すらも「あ、男体山見えた♥️」とか言ってたりする。
でっかい山で迷ったら男体山って言えば大体当たる的な雑な思考。
そして定番の男体山サイズのおにぎりシリーズ。
今回はのり弁当とアジフライ。
これでも全然足りないぐらいなんだけど、実は熊本城マラソンに向けて少しずつ体重を落とさなきゃいけないから軽く自制している、これでも。
ちなみに12月13日に健康診断だからそこに向けて体重をマックスに増やし、そこから一気に落としにかかって頑張った感を楽しむのもいいなと思っている。
再び雲に覆われていくおたんこ那須岳。
昼に晴れて午後からまた曇るという予報だったけど少し早まったのかな。
目を凝らすと遠くに大きな湖が見えたけど猪苗代湖だろうか。
こういう風に山肌に根を張る木々をアップで切り取るだけで絵になる。
すべてが素晴らしい景色。
実はこのブログを書いている今がまさに1年で一番仕事が忙しい時期で病みそう。
予算策定という悪魔の作業に立ち向かい、まんまと数字の神さまに弄ばれ、毎晩なんで数字が合わないんだ?という迷宮に迷い込んで夜中までぐちゃぐちゃになっている。
こんなに苦労して作っても経営側から「うん、あと10億円オンして」の一言でこれまでの理屈がすべて破綻するという不毛な作業ではあるんだけど。
毎朝マックでこのブログを書くのを日課にしてるけど、まあほんと、こんな写真を見てると仕事なんてやってらんねーわ、と思えてくる。
あーあ、すごく曇ってきた。
那須岳はもう店じまいかな。
三倉山から下山開始
さて、この足だと下山に時間が掛かるし、トレッキングポールに頼りながらゆっくり帰ろう。
まずは大倉山から鬼畜な登り返しのご贈呈。
ぐふっ!うっ!
捻挫した足首がかなり腫れ上がってきて曲がらないから歩きにくいったらない。
だけど、折れてたらその時点で終わってたからね、そう考えればこれきしの痛みちゃんちゃら余裕なのだ。
とにかくいかなる時もトレッキングポールだけは忘れちゃいけないマストアイテムだと改めて思い知った。
あー!
ちんたら歩いてたらとうとう稜線にも悪い雲が襲ってきたやーん。
往復でこの絶景を堪能しようと思ってたのにぃ!
こういう時は自己催眠をかける。
「ガスが迫りくる時こそシャッターチャンス」なのだと、
「おっさんのカサカサ肌にもっと潤いをー!」と。
自己暗示完了。
もっとガスっちまえ。
大倉山に到着。
大倉山〜三倉山区間はとにかく鹿の糞だらけだった。
痛む足でいちいち避けてなんていられないからクソまみれになったぜ。
大倉山から約0.5キロはこの鬼畜な藪漕ぎ区間。
ふん、たわけめ。これしきの藪漕ぎ、これまで星の数ほど経験してきたわ!
藪漕ぎが終わって顔を上げる余裕がでてくるとナイスなタイミングでガスが切れてきた。
代償は支払ったんだから、晴れてくれないとね。
まあほんと、こんな絶景が見られる山って少ないよ。
手放しで裏那須サイコーです。
さて、自己暗示を解く時が来たようだ。
ガスってきた光景もそれなりに絶景だと?
バカこくでねぇ!
晴れたほうかいいに決まってるべ(草太兄ちゃん風に)。
飛行機で窓側の席に座ると知ってそうな山を探しちゃうけど、富士山や北アルプスみたいにかなり特徴的な山じゃないと絶対に探せない。
裏那須を探せる乗客なんて皆無だろうな。
何度も足が痛くて歩みを止める。
こんな鈍ペースだから晴れてくれたのだから、これも怪我の功名と言って良いだろう。
ただ怪我さえしていなければ山頂で昼寝もできちゃうぐらいだったのにな、とも思う。
時期的にそんなことができるのも今日が最後だろうし、山頂で昼寝なんて山登りにおける究極の楽しみ方だと思う。
ふむ、考えるのはやめよう。足が痛いのだ。
涙目で歩く自分の前にあらわになったこの美しい稜線。
辛い時こそ笑顔を絶やしてはならない。
そんなわけで先日食べた海鮮丼のことを思い出した。
メニュー表の写真ではどんぶりから激しく洪水したお刺身たちに生唾をのんだ。
「これ下さい!ご飯の量は並で!」
と注文して出てきたどんぶりがまさかの子供サイズ。
そこから溢れるお刺身の海鮮丼はもはや詐欺レベル。
写真を撮らなかったのが今更ながら悔やまれるところだけど、まあ笑えたし、メニュー表の写真に騙されてはいけないなと学んだ次第です。
その昔、人生の楽しみを風俗に見いだした会社の先輩が「女の上目遣いの画像には騙されちゃいけない」とか誇らしげに言ってたのを思い出したわ😆
再び那須岳も姿を現す。
今回のルートは駐車場は狭いし、林道歩きも長い。
そんな残念なところはあるけどそれを差し引いてもこの縦走路は歩く価値が間違いなくあるよ。
この光景なんて登山というより公園内の散歩に近い。
それでいてすぐ近くを雲がぷかぷか漂ってき、まぎれもなく標高1.800mオーバーなんだと知る。
最大の難所大峠への下り
流石山(ながれいし山)に到着。
今自分の足首は、立っているだけで靴が窮屈になってきたのが分かるぐらい腫れ上がっている。
見るな!
ビビりな自分は見てしまうと怖くて歩けなくなってしまうぞ!
そう自分に言い聞かす。
いや、マジでロキソニンの湿布がなかったら歩けなかったな。
きっと今の自分はすごく優しい人間だ。
人は痛みを知った分だけ優しくなると言うからね。
ちょっと意味が違うかもしれないけど。
こりゃ今シーズンは捻挫の完治を待ってるうちに秋が終わっちゃうな、ったく。
とうとう冬が来る。
雪山は嫌いではないけど、夕方下山してくる頃には気温が上がってびちゃびちゃになるのが嫌なんだよね。
だから怪我したのが夏山じゃなくてまだ良かったのかもしれない。
話は全然変わるけど、
淡路島にドラクエの森とやらがあると聞いた。
なにそれ、めっちゃ行きたい!!
興味津々で調べてみると、ただ単に森にモンスターを配置してるだけではなく、ストーリー展開も楽しめる疑似体験型アミューズメントパークらしい。
なんそれ、ますます行きたい。
こんど関西に出張があれば氷ノ山に行こうと思ってたけど、こりゃドラクエも捨てがたいなと迷っている。
関東でも高尾山みたいにほぼ観光地化された山を丸々ドラクエの山にしちゃってもいいと思うんだけどね。
高尾山が今より混むと思ったら恐ろしいけど。。
まあそんな話は良いとして、ホイミ代わりのロキソニンが相変わらず素晴らしい仕事をしている。
貼った瞬間からじわじわ効いてるのが分かる湿布ってほんとすごいよ。
ここにはニッコウキスゲの時期にまた来てみたい。
次はほんとに足が折れるかもしれないけど。
いよいよ大峠への下山が始まった。
買ったばかりのモンベルのトレッキングポールに全体重をかけたいところだけど、極細のULポールなだけに心許ない。
折らないように、それでいて足をかばいつつ、えっちらおっちら必死だ。
見えてきた。
あそこまで下れたらもう俺の勝ちだ。
今日はハイキングコースだし余裕かましてココヘリに登録しなかったもんだから救助要請なんてしたら全額自己負担になってしまう。
絶対に諦めるわけにはいかない。
つかここの山、そもそも駐車場からずーっとスマホの電波入らないし。
やった…俺は勝ったぞ。
大峠のお地蔵さんのお出迎えどえす。
そうそう、思い出したけど大阪に出張があればあれもやってみたい。
通天閣の滑り台!
でも高所恐怖症だから見るだけにするかも!
なんにせよ一度しっかり関西を楽しんでみたい。
駐車場までもう少し
以前、下山して気が抜けたのか林道で足をひねって動けなくなったことがある。
あの時の教訓がまさに生きている。
最後まで油断してはいけない。
人は痛みを知って学ぶのだ。
とにかく今の自分は最後まで油断しない最強の男😎
自分は痛みに弱いし、おまけにビビりだ。
いい歳して献血の注射が怖かったりする。
ここまで捻挫の痛みをずいぶん大げさに書いてきたけど常人なら余裕だったのかもしれない。
死にかけるとより強くなるのがサイヤ人。
じゃあ前より確実に弱くなるのってなーんだ。
答えはね、
それはおじさんです。
おじさんはいつもどこか痛いのだよ。怪我するとその箇所が確実に増加する。
なんかおじさんの自虐ネタと足が痛いってことしか書けてないけど、とにかく通行止めポイントまで帰ってきてしまった。
林道が崩落した工事だろうか?
すっかり綺麗に整備してくれてたから、このブログを読んで裏那須に興味を持たれた方は、2025年以降に訪れたらきっと通行止めも解除されていると思うよ。
駐車場が見えてきた。
この手前でテント泊装備の2人を抜いたけど三斗小屋は一度は泊まってみたい憧れの小屋の一つ。羨ましいぞ。
下山後の楽しみ
麓に近いところまで戻って来ると黄金色に輝くカラマツの紅葉に脱糞。
この時期の公園は渋滞するというのも納得。山より絶景で嫉妬するわ。
どうしても新蕎麦が食べたくて道の駅しもごうに立ち寄ってみると、なんと!なんと!かけ蕎麦850円!!
ここにいる客は全員富豪ですか?
ボンビーはきびすを返した。
くそーバカにしやがってー😭
キッチンカーを見つけて近づいていくと
「おでんはもう残りわずかだから400円のところ300円にするよー」と言うのですかさず購入。
蕎麦すら食べさせてもらえず傷ついた心におでんの温かさがしみるぜ。
とは言え蕎麦は諦めたくなかったのでググって高速のインター手前にあった蕎麦屋に突入。
ざるの鴨南蛮蕎麦が美味すぎてガン泣き。
振り返って
ファーストエイドでいつも持ち歩いてるのはバンソーコー、風邪薬、胃腸薬、頭痛薬、テーピング、ロキソニンの湿布とサロンパス。
ちなみに錠剤は潰れやすいから自分はルルの小瓶にいろんな薬を突っ込んでるよ。
登山してて怪我はつきものだけど、まあ最低限これぐらいあればこれまでなんとかなったので大丈夫。
それとトレッキングポールは必須だよなーと。
それにしてもモンベルのULフォールディングポールの軽さは素晴らしい。扱いやすさも秀逸。
これだけ軽いと携帯するのが苦ではないからね、軽さはやっぱり正義だな。
これまでいろんなポール使ってきてコレに出会うまでずいぶん遠回りしたな。
ちなみにスノーバスケットの取り付けができないから完全に無雪用です。
まあ冬は元々太くて丈夫なブラックダイヤモンドを使ってたから、特に困ることはないけどね。
なんにしても怪我には気をつけなきゃな。
ではでは