栃木県の高原山(たかはらやま)に登ってきました。
戦場ヶ原、美ヶ原、芦ノ湖周辺と、これまで続けてきた高原ハイキングのフィナーレに相応しい場所。
そう、それが「こうげん山だ!!(高原山)」
わざわざ恥を晒す必要もないんだけど。。実は何年も「こうげんやま」と読むものと勘違いしてたから、今回の登山直前に「たかはらやま」と読むことを知り、自分が立てたシナリオの崩壊していく音が聞こえた。。
ちっくしょー!こうげん山じゃないのかー!!
と、小梅太夫ばりに無実な高原山に向かって叫んだツケが返ってきたのか、冒頭の写真の通り、山頂はガスりまくりでどんな山かも分からない脱糞状態。
天気予報は完全な晴れだったのに。。
久しぶりにガスリ菌シロタ株にやられた旅となりました。
登山口周辺の八方ヶ原のレンゲツツジはちょうど見頃だったよ!
外出自粛中にアカヤシオの時期は光の速さで過ぎ去ってしまったから、
おいおい、せめてシロヤシオぐらい見せてくれよー!
と、これから見頃を迎えるであろう高原山へGO TOキャンペーンしてきました。
ふっ、結果はいかに?
山頂からほんの一部だけ晴れ渡る景色が見られたのがせめてもの救い。
高原山の最高峰は釈迦ヶ岳で標高1,795m。日本三百名山、関東百名山。
ルートとコースタイム
■2020年5月31日 ※カッコ内は今回のタイム
大間々駐車場⇒(60分)⇒八海山神社⇒(20分)⇒剣ヶ峰⇒(90分)⇒釈迦ヶ岳⇒(60分)⇒剣ヶ峰⇒(20分)⇒八海山神社⇒(55分)⇒大間々駐車場
コースタイム:7時間15分(休憩含まず)
総距離 12キロ
単純標高差 540m
累積標高上り 920m
高原山登山 本編
大間々駐車場から登山開始
ツツジの季節ともなると、大間々駐車場に止めるには前夜から車中泊しなくては無理みたいです。
今年に限って言えば(2020年)、コロナの影響で駐車場のトイレは閉鎖中だから車中泊は実質無理。のんびりやって来て誘導員の指示に従って路肩に止めました。
大間々駐車場までの道路沿い東京アラートばりに赤いレンゲツツジ満開。
期待できるね、これは。
大間々駐車場のトイレはコロナで閉鎖中のため、トイレの裏側には野糞した跡が散乱しててこの世の地獄を見た。
サイアクなスタートです。
八方ヶ原からの眺めは雲が多めとは言え、それなりに晴れてたから楽しい山旅になることに期待。
さっきの嫌な気分を吹き飛ばして、レッツスターティン♪
ところが、胸を踊らせて進んだ先は全然違う方向のミツモチ山で、500mほど進んたところで間違いに気付いて、慌ててここに戻ってきたけど息が上がって白目状態。
そして息を整えつつ、再び八方ヶ原のレンゲツツジを鑑賞。
ちなみに熊本県には八方ヶ岳と描いて「やほうがたけ」と読ませる山があります。九州ではそこそこ有名な山なんだけどね、だからここでは当然の様に「やほうがはら」と読むものとばかり思ってた。
つか、最後の最後まで気づかなかったし。
八方ヶ原の周辺案内をもう一度きちんと確認。
無駄に体力を消費したけど、なんて言っても自粛明け初の本格登山。まだ戦意喪失した訳ではないぜ!
八海山神社に向けてやっと登山開始
まずは八海山神社を目指す。右に行けば林間コース、左は見晴コース。どっちから登っても八海山神社に行くんだけど、ツツジが咲いてる事を期待して林間コースを歩くことに。
今思えば・・、午後になると天気が崩れるかもしれないと予想して、今のうちに見晴らしコースを歩いといた方が良いよ!と、この時の自分に教えてあげたい。
八方ヶ原は昔は放牧場であったため、レンゲツツジは牛や馬が食べないため群生としてたくさん残ったという説明です。
毒があるからね。
小学生の頃、ツツジの蜜を吸いながら学校に通ってたけどレンゲツツジだったらえらいこっちゃ訳ね。
ちなみに中毒症状としては嘔吐、ふらつき、最悪は呼吸停止するみたいです。おぞろじい。
林間コースというその名に恥じぬ林間を貫くルート。ツツジのトンネルをくぐって行くところを想像してたんだけど、全くもってツツジが出てくる気配がないのは予想外。
そんなはずでは…
しばらく平坦な道だったけど、この岩がガレ場から登りがスタート。
原生林の豊かな森を登っていく。
やっと久しぶりの登山が始まった。そんな感じ。
このコシアブラの新芽を具に使ったおにぎりがあるなんて自分は知りませんでした。
そのコシアブラのおにぎりは高原山ではテッパンらしいです。
登りが少し緩んできたら八海山神社はすぐ近く。
ほい、八海山神社に到着。
「古の八海山神社」と書かれたフォントに古感がまるで無い。
それはともかく、八海山のワンカップがお供えされてるのも大事なボイントです。
剣ヶ峰で年寄りパーティにまみれる
さて、参ろうぞ。
先は長い。腹も減ったしのぉ。
ミツバツツジです。
やっと、ちらほらツツジを見かける様になってきたから、この先どっと咲き乱れる景色になってくれることに期待。
八海山神社から地味に登っていくと、
矢板市の最高点に到着。
ふむふむ。矢板市民よ、よく聞け。ここが矢板市の最高点であるぞ!
自分が住んでる市の最高点がどこかなんて、知ってる人はなかなかおらんよね…。県ならまだしも。福岡市なら福岡タワーですか?東京23区ならスカイツリーけ?
矢板市の最高点を過ぎてから下っていく途中ですれ違った栃木マダムから衝撃の告白を受けた。
「今年のツツジはハズレよね。ハ、ズ、レ。」
ぎょえええー!!
やっほっほ亭
「えーー!この先咲いてないんですか?」
「ちょっとは咲いてるけどね。ハズレ」
ツツジを目的に必死に登ってるハイカーをたった一言で殺すセリフがあるとすれば、このマダムは的確に急所をとらえたハンターだ!
がっつり意気消沈したぜぇ…。
ツツジが外れなら、何を目的に高原山までやって来たのかもはや分からない。「こうげん」でも無かったし。
ルンルンで考えた企画が音を立てて崩れ去ったわ。。
悲しみに打ちひしがれてると、それまでリバウンド王のごとくガスによる鉄壁のガードにより守られていた山頂が少しずつ姿を現してきた。
悲しみを1つ背負った分、逆に1つ良いことが起こるのかもしれない。
悲しみを経験すると速くなる「F」の赤城軍馬と同じ理論たったのか。。知らない人は、何人たりとも置いてくぜ。
ツツジを失った悲しみを山頂での快晴とバーターできるならいくらでも悲しんでやる!
折角なので剣ヶ峰へ立ち寄っておきましょう。
こちらが剣ヶ峰。眺望は決して良いとは言えない、ただの通過点だけどね。
ここでひたすら樹林帯を眺めながら飯にでもしよーや。
空腹の限界を超えてたんでね。
久しぶりにゲットできたセブンイレブンの「もちもちお好み焼きパン」がすっごく楽しみだった♪
何度も書いてる気がするけど、こんな美味しいパンが、なぜ多くのセブンで見かけないのか不思議で仕方ない。
行きつけのセブンのおばちゃんに聞いたら、陳列する商品は各お店の店長が決めてるって言うから、ぜひレギュラー商品として並べてほしい!とお願いしたこともあります。
ちなみにその時は「他のお客さんからも同じこと言われてるから伝えておくねー」って言ってくれて、そこのセブンではタイミングが良ければゲットできる。今回はそれです。
食べてる間に、ご老人ばかりの20人以上の大所帯がやってきたから、「先に行かれるとやべぇ!(抜けない)」と慌てて荷物をまとめて出発する登山あるある。
おばあちゃんは優しい人が多いんだけど、集団を取り仕切る爺さんには我がモノ顔って輩が多くてなるべくなら関わり合いを持ちたくない。これも登山あるある。
シロヤシオの撮影会
大所帯の占拠によって剣ヶ峰を追い出され、悲しみが増したことで山頂のガスは更に晴れていく。
やったぜ、悲しみに期待がふくらむぜ!
あともう一息で晴れてくれる。
もうツツジはいいからガスよ無くなれー!
おっ。シロヤシオちゃんではないですかー!
やっとお目当ての品を見つけてテンションアップ。
自粛にも耐えてきた甲斐があった!
自粛中にきちんとF値を調整して撮るやり方も学んだし、しっかり撮れてる。
1年ぶりのシロヤシオとの触れ合いタイムを楽しめたし、ルンルンで尾根を行く。
剣ヶ峰を過ぎてからはシロヤシオがちらほらと姿を見せ始める。
ハズレだろうとこれだけ見られてラッキー。
高原山は九重山や八ヶ岳と同じく複数のピークを包括した山名のため、高原山というピークはありません。
そんな訳で高原山の最高峰「釈迦ヶ岳」を目指すのが一般的です。
八海山神社を過ぎてから釈迦ヶ岳までは、意外とアップダウンが続くから、自粛でたるみきった体には相当しんどい。しかも帰りにまた登り返す事を考えるとなんで好き好んで山に登ってるのか分からなくなる。
晴れ渡っていれば超気持ちよかったんだろうけどね、この尾根は。
ミツバツツジを可愛らしく撮ってみました。
こういうハイキーでの撮り方は自粛中にちょいと勉強したんだよね。まだまだ下手くそだけど少しずつテクニックを開拓できてるのが楽しい。
向こうに見えるのはなんて山だろうか。
こっち方面の景色だけ晴れてたから、最後まであの山ばかり気にして登ってた。
鹿にやられたのね…。きっとあの木、立ち枯れちゃうよ。
すごい所にルートを見出したもんだ…。
切り株の真ん中を貫いて進んでいく。
この時期定番のスミレ。
突然牙を剥く釈迦ヶ岳
釈迦ヶ岳の山頂と思わせといて、あれはニセピーク。地図を見て、本ピークはもう少し先だと確認。
危うく本峰ならガス晴れとーやん!ってぬか喜びするとこだった。
終盤に差し掛かると急峻な登りになるのね…。
高原だからハイキング気分でやって来たっていうのに、なかなかハードな斜面。
急だ…。苦しい、息が続かない。
先程、懐かしの「F」の話題を出したので、何人たりともオラの前を走らせねえー!とお決まりのセリフを吐きたいところなんだけど、手を膝について皆さんどうぞお先に状態。
花の撮影をしつつ激しく呼吸を整える。
さっきからあっちだけは晴れてんだよな。
(涼しい顔を作りつつ、激しくゼーゼーハーハー!)
尚もロープが設置されたゾーンが続く。
自粛明けなので、しばらくは怪我する心配のない山でおとなしく登山するつもりだったんだけどね、まんまと狙いが外れたな。
とは言え、ご年配の方々もたくさん登ってる山なので、慎重に行けば大丈夫です。
鶏頂山との分岐が出てくれば、いよいよ釈迦ヶ岳の山頂はもうすぐ。
ああ、見えた。間違いない、山頂でっせ!
山頂ではまず律儀に安全登山祈願をする
着いたー!
いや、だからさっきからこっちの景色だけは良いんだよね。
威厳のない山頂標識。
山頂の神社に安全に登れたことをお礼しときます。
そんな律儀なところがあちきにはあるでござりんすよ。
でもね、今日の俺の律儀ぶりはこんなものではないぜ!!
ナンマンダブナンマンダブー!
ダブダブダブダブダブー!!!!
ああ…
ふざけてお辞儀しまくったバチが当たったのか?
いや、ツツジを失う悲しみを捨てきれず、途中から現れたシロヤシオに目一杯の喜びを爆発させたツケを払うことになったのか。
とにかく山頂で最大級の悲しみとして返ってきた。
し〜ん…。。
ガスってるからか、ついさっきまで賑わってたのに、振り返れば急に誰もいなくなった。ほんと急に。
相変わらずこっち方面だけ晴れてるんだけどね。さて、下山します。
下山では登り返しに苦しみガスに呑まれる
左の剣ヶ峰、右の矢板市最高峰。
自粛期間にだらけきった体は既に悲鳴をあげてるっていうのに、目の前の登り返しにチックショー連発の小梅状態。
シロヤシオを撮影しつつ、登り返しで疲弊した息を整える。
お花をキラキラ撮るのも自粛中に覚えた技。
自粛中は部屋の模様替えもできたし、悪い事ばかりではなかったな。
写真だと大したことの無い登りに見えるんだけどね、これが意外としんどいのよ、マジで。
下山中の登り返しの瞬間はいつも「俺、なんで山に登ってんだろ」って思いがち。
ミツバツツジはたまにわっと咲いててくれる。
今年がツツジのハズレ年だろうが、それ以前にコロナで大ハズレな1年になってしまったんだからこれだけ見られただけ感謝ですわ。
ちなみに、ツツジを漢字で書くと「躑躅」で、薔薇と並ぶ難しい漢字。むろん、書けましぇんよ。
八海山神社に着くと、山頂での感謝が足りなかった罪を引きずっているのか、更にガスが垂れ込めてきた。
お釈迦様、意外と根に持つタイプだったのね。。
よりによって、これから見晴らしコースで帰ろうというタイミングでガスに呑み込まれるというグッドタイミング。。
馬頭と書かれた石碑。
罵倒ではない。
ガスと言うブラックホールから無事脱出し、樹林帯に戻ってきました。
途中でラブラドールレトリバーと散歩する人とすれ違ったけど、「うわーー!ラブだー!」と走り寄って犬と戯れたい。戯れたい!!という気持ちをぐっと堪えて先を進む。
そういうことできないんですよ、あたしゃ。こう見えて人見知りなんで。
でもストーカーも顔負けのガン見で通り過ぎたよ。
さっきまで高いところにいたというのに、大間々駐車場に戻ってきて展望台に上ってみた。
ここならガスってないし、八方ヶ原をぐるっと見渡すことができる。
山の道たかはら
大間々駐車場のすぐ近くにある、「山の駅たかはら」にやって来ました。
いつも何も買わないくせに性懲りもなく道の駅に立ち寄ってしまうのはもはや使命感みたいなものです。
花豆の甘納豆が売られてたら買ってたんだけどな…。
花豆煮ならいらなーい。くるみの甘納豆ならいらなーい。う~ん、惜しい!
花豆の甘納豆が食べたいから尾瀬に行きたくなってきたなぁ。ちなみに尾瀬に3ヵ所あるテント場の内、至仏山荘にある山ノ鼻キャンプ場はこのコロナによる緊急事態宣言が解除されて真っ先に営業再開してくれてるからね。
振り返って
久しぶりの登山。クタクタになりました。
でもやっぱり登ってる時は頭を真っ白にできるから登山はいいです。新緑、花々、四季の移ろいがはっきり分かる楽しみもあるし。
大間々駐車場からいきなり始まる原生林の森。
穏やかな森林を緩やかな上り坂を登っていくのは、自粛でだらけきった体に、久しぶりに登る感覚をすり込ませるのにちょうど良かったです。
高原山はザ・栃木の山って言う植生を持った山でした。
ツツジが見たいといった時に、袈裟丸山や鳴虫山といった栃木の山が頭に浮かぶのは、栃木にとって大事な遺物だと思います。
って実は袈裟丸山にも登ったことないんだけど・・。他人のレコばかり読んですっかり登った気になってた。
これまで高原山に登ってこなかったのも不思議なぐらいです。
きっとツツジ以外にも四季の度に訪れる価値があると思いますが、
なんとしても次はツツジの当たり年に再訪したいです。
ではでは