【新潟】坂戸山 脇汗を乾かせ! 満開の桜とカタクリとタムシバの豊穣祭 花見登山

【新潟】坂戸山 脇汗を乾かせ! 満開の桜とカタクリとタムシバの豊穣祭 花見登山

さあ、今週は新潟に〜

 

イートイン!!!

(ズームイン!!風に)

 

 

4月中旬。桜の季節はすっかり終わり、

くっそー、今年は桜もち食べ損なったわーと言うのは、まだ早い!

ダンゼン早い!!

 

今まさに、ここに全盛期を迎えた山があった。

 

ここは新潟の坂戸山(さかどやま)

カタクリで有名な山だと聞いてたけど、桜とタムシバが満開フェスティバル。こんな山があったなんて知らなかったZo!

 

そして下山後は新潟名物「へぎそば」を喰らう!

これ食わずして新潟を語るなかれDA!

花見とへぎそばにたわむれる旅。

 

 

側溝に反射する満開の桜。

しゃがみこんでドブをひたすら撮影してるおっさんを見た!という方、それはあちきだ!

 

城坂コースのカタクリ、薬師尾根の桜とタムシバ。おまけに起点にした銭淵公園では観桜会が開催されているという、すべてが満開のタイミング。

例年より桜の開花が遅く、たまたま開花時期が重なったという幸運に恵まれたっス。

 

 

坂戸山の標高はスカイツリーと同じ634m。

直江兼続の山城があった山で、今でも石垣や土塁が残されてて国の指定史跡になっている。

いざ、春山定番の山へ。

 

ルートとコースタイム

■2022年4月23日 ※カッコ内は標準コースタイム

銭淵公園⇒(20分)⇒登山口⇒(100分)⇒坂戸山⇒(10分)⇒大城⇒(10分)⇒坂戸山⇒(70分)⇒登山口⇒(20分)⇒銭淵公園

コースタイム:3時間50分(休憩含まず)

総距離 5.3キロ
累積標高上り 550m

坂戸山登山 本編

銭淵公園から始まる春爛漫

新潟県魚沼市の坂戸山にやってきてみたら、予期していなかった桜満開。

登山者用の駐車場は桜の時期になると早朝から満車と聞いて、銭淵公園の駐車場に来たわけではない。

単純に、登山者向けの駐車場の存在を知らなかっただけなのよん。

でも登山口からそんな離れてる訳ではないからここでOK。

 

ちょうど観桜会が開催されるというタイミングだったから、むしろここの駐車場に停められてラッキーだった。

強力すぎるソメイパワーに登る前から召されてしまいそう。

春になったら必ずここには来るべし。

 

公園なだけにトイレもしっかりあるし、車を停めるなら銭淵公園の方がお薦めな理由の一つ。

めちゃ綺麗だったよ。

 

「将来を見つめる二人」と題された長尾顕景と與六さんの銅像。長尾顕景は5代目城主らしい。

ふむ、この二人のこと知らなかったけど、きっと魚沼では有名人なのだろう。

拙者、歴史はさっぱり分からぬからのぉ。

古墳時代と明治維新以外はさっぱり興味が無くてね。上杉謙信ぐらいならなんとか知ってるレベル。

敵に塩を送った人だよね。

そんな命の恩人に向かって戦を仕掛けるなんて、武田信玄ってマジ塩対応。

 

銭淵公園から城坂コースの入口へはすぐなんだけど、なんとなく薬師尾根から登りたかったので、登山口まで500mほど歩く。

なんとなく、というのが肝。

等高線を見たり、YAMAPでどういったルートが多く歩かれているのかを見てから決めることが多いけど、たまにこうやって勘で決めることもしばしば。

その多くは、「ふむふむ、これが世に聞く、勘違いしてたってやつか…」と後悔することも多いんだけど。

 

あそこが山城があった坂戸山。

ゆっくり登らないとあっという間に着いてしまう距離でゴザルな。

戦国時代に興味はないけど、拙者、影響受けやすい達でござるから、武士モードで登るでがんす。

 

薬師尾根は墓地とカタクリと桜

見落としそうになったけど、ここが薬師尾根登山口。

前回の「富岡アルプス」では登る前に下仁田カツ丼を頬張り、終始リバースしそうになりながら歩くという失態をおかした。

今回は大丈夫。下山後のへぎそばを楽しみにしっかり歩こう。

カタクリが待っている。

 

そして、いきなり現れる。

かたくり、バックグラウンド墓地。

 

ここにも。

かたくり、バックグラウンド墓地。

 

墓地の間を登っていく。

ぼちぼちでんな。

 

薬師堂に到着。歩き始めてまだ3分だけど、息が上がった。

歩き始めは疲れるんだよね。

 

こんなくつろぎ方したら、全身ガチガチ野郎の自分なら股関節へし折れるよ。

最近は毎日、寝る前に柔軟体操と言う名の正座を1分ほどするようになった。

傍から見てるとただ正座してるだけだ。なのに、太ももの筋肉と足首が伸びる痛みに耐えて1分が限界。

前回のきよしやのカツ丼で、さすがに自分の体の硬さに懲りた次第っす。

 

ぼちぼち墓を抜けると、そこは桜木花道。

坂戸山はカタクリだとばかり思ってたから、ここでも良い意味で裏切られ喜ぶどころか、精神崩壊を起こし失語症になった。

銭淵公園の桜を見ただけで「天は我に味方した!」ときゃっきゃっ言ってたというのに。

 

桜吹雪まで舞ってる。

ぎりぎりだったんだな。

 

坂戸城を攻撃する敵の足軽たちも、どうせ攻めるなら4月にしてほしいよなと言ってたに違いない。

振り返れば、こんなに華やかだ。

春山はこうじゃないとね。

 

でも、どーせ桜があるのって最初の辺りだけでしょ??

と思いきやまだこの先も咲いている。

ボルテージが上がりまくり。

登りのコースを薬師尾根にして正解だった。

 

カタクリの絨毯と桜がまばゆい。

昔、こんな天国みたいなところで殺し合ったなんて、ジラレヘン。

 

坂戸山は樹林が切れてるから、眺めがとにかく良い。

ずっとこんな魚沼市の景色を見ながら登れるよ。

 

足元のトレイルは散った桜でいっぱい。

 

トレイルの外はカタクリでいっぱい。

なんとも憎らしい演出じゃあないか。

新潟の実力を遺憾なく発揮。

 

その余してる手で、あちきの仕事を手伝っておくれ。

 

タムシバとパーカー

桜の花道を過ぎた頃、足元に咲く花がカタクリからイワウチワへとがらっと変わる。

激太りした沢田研二の如き七変化。

 

そして登山客が泣いて喜ぶ階段。

この階段が山頂まで延々と続く演出がサディスティック。

自虐的な登山客が嬉々と登っていくが、自分はそうではないのですっかり戦意喪失。

ここからコースタイムの倍の時間をかけて歩くことになる。

 

山頂は見えているのに階段でやられてなかなか近づいてこない。

まあ焦らず行こう。

 

不吉な四合目。

 

ふあっ!

タムシバがたくさん咲いてるでゴザル!

 

ユキグニミツバツツジ。

不吉な四合目で再び植生の変化が始まった。

 

生き地獄のエンドレスな階段を忘れるがために、タムシバやイワウチワを見て無理にテンションを上げにかかって、なんとか五合目に到着。

薬師尾根から登ったのは失敗だったかもしれぬわ。。

 

タムシバがべろーん。

 

五合目を過ぎた辺りから、ショウジョウバカマも多く見かける様になった。

 

少なかったけどイワナシ。

現実逃避をするが如く、花の写真をおさめていく。

 

向かい側に見える山にはまだまだ残雪がたくさん。

標高は坂戸山とあまり変わらない様に見えるけど。

 

こっちは残雪ではなく、山がタムシバで白くなると言うと大袈裟だけど、なかなか見応えあり。

 

五合目を過ぎると、突然山頂がこっちにやって来た。

汗をなるべくかかないように、お年寄りにも抜かれるペースだったというのに。

 

 

ぎゅぎゅぎゅ〜

 

 

 

もこもこもこもこ〜っ

 

 

 

 

BOMBっ!

 

 

 

中腹から上は山桜もちらほら。

 

 

山頂が近づくにつれて、急になってくる。

尚も続く階段。

ここで分厚いパーカーを片手に、大汗をかいたおっちゃんに勢いよく抜かれたが、痛くも痒くもないわ。

 

気付けば9合目まで来ていた。

 

キジムシロとタチツボスミレ。

 

山頂直下が一番の急登。

低山だし、いつも以上に時間をかけて登っても余裕なのだ。

 

山頂から大城へ

到着。

山頂に着いたらとりあえず奥社にお邪魔します。

下山の安全祈願のついでにサッカーくじの当選を祈願しておく。

毎週100円しか買ってないから当たる気配ゼロだ。

最初から期待はあまりしていない、ただの運試しだよ。

 

奥社の中に、なんか落書きがあるぞと思いきや、初穂料の料金が書かれてた(笑)

 

山頂のショウジョウバカマの群生の前で、さっき勢いよく抜いていったパーカーのおっちゃんがぶっ倒れていた。

風邪ひくんじゃね?

というぐらいの大汗にまみれていたが、自分の姿を見つけ、「とうだ、勝ったぜ。へっ」と、目で語りかけてきた。

完敗だよ。

 

坂戸山の標高はスカイツリーと同じ634mなんだな。

 

さて、山頂から先の大城へ行ってみよう。

大城へのトレイルは傍から見てもタムシバがめちゃ咲いてるトレイル。

ここで汗まみれのおっちゃんに向かって、

「俺はまだ先に行くぜ?」と目で語りかける。

目をひん剥くおっちゃん。

「そんなまさか、無謀だ」と目が語っている。

その後、明らかな敗北感に満ちた苦悶の表情を浮かべ、すべてを悟ったように再びバタッと倒れ込んだ。

ふっ、敗北者よ、さらばじゃ。

「そのパーカーの差だよ。あたしゃアディダスのパーカーなんて買ったりしない。しまむらさ」

敗者に背を向け、いざ大城へ。

 

 

雪を見つけてまっしぐらに向かうわんこ発見。

こっちは残雪多めなんだな。

 

そして、タムシバの豊穣祭。

多くのハイカーが大城へ歩いてたから、なんでだろうと思ってたけど、みんなこれが目当てだったんだね。

 

大城はまだ雪の下。

なんか、恐ろしく曇ってるぞ。

 

大城から眺める金城山。

さっきより天気悪いのは明らかだと思っていると、やって来た。

 

脇の下の民

山桜を眺めていたら、アレが肩を叩く。

 

ぽつん。

 

ぽつぽつぽつ。

 

ぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつ。

 

うあ〜、やべぇ!!降ってきた。

ついさっきまで「天は我に味方した!」と浮かれていた側からの急転直下。

あまりのペースの遅さが祟って、山頂で雨に降られるという最悪のタイミングを招いてしまった。

 

大城山頂のカタクリを楽しんでる場合じゃなくなった。

周りはレインウェアを着だす。

いや、これぐらいの雨なら着た方が中がムレムレのビチョビチョになる。

とにかく、ここはすぐに退散だ!

滞在時間10秒。

 

雨はあっという間にやんだ。

坂戸山への登り返しは見た目ほどキツくはないけど、慌てて引き換えしたから、ここで本日始めて汗をかいてしまったぞ。

 

余の名は、脇の下の汗まろ。

余がいま何をしているか、分かるでおじゃるか?

右から吹き上げる風で脇汗を乾かし、左へと風を通しているのだ。

余の脇の香りが、左側の魚沼市へと降り注ぐ。

ほれ、嗅ぐがよいぞ。

 

いま、あそこの民たちが、余の脇汗によって、もがき苦しんでいるはずじゃ。

がーはっはっはつ。

全滅じゃ。

 

風上のこっちの民は命拾いしたの。

だが油断するでないぞ。

いつ風向きが変わるともしれんでな。

 

脇汗が乾ききって、余はとても気分がいい。

海老名サービスエリアのメロンパンでも食べるぞよ。

 

城坂コースはカタクリがいっぱい

山頂は多くの登山客でひしめいてたから、さっきのおっちゃんが気になったけど、もう寄らずに城坂コースで下山する。

ちなみにこの先、見かけることはなかった。

そのまま死んでるなんてことはないだろう。

せっかく山で知り合ったのだ、またどこかの山でアディダスのパーカーを無駄な荷物として背負う姿を見せておくり。

 

城坂コースはまさにカタクリのカミソリシュート。

下山を始めた直後は、杉林を歩かされて、薬師尾根のピストンにすりゃよかったよ…、なんてガッカリしたけど全然そんなことなかった。

 

ずーーーっと、九十九折のトレイルの道端にはカタクリが咲き続ける。

こんな登山道、初めて歩いた。

しかも階段じゃないから足に優しい。

 

たまにつくしも混ざる。

残念ながら、他の登山客からは見向きもされない存在。

 

そんなつくしなんぞには目もくれず、前方を歩くおばちゃんたち。

おばちゃんたち、もとい。年上のちゃんねえたちはカタクリに目を奪われ歩みが遅くなったタイミングで、アウトから差そうとした途端に急にペースを上げ、一気に引き離された。

まさかの出来事に呆気にとられる。

新潟の年上のちゃんねえたちのポテンシャル、侮れない。

 

アズマイチゲとカタクリ。

 

そこら辺の公園に咲くシロツメクサの様にどこにでもある花と錯覚してしまいそうだ。

 

ワスレナグサ、かな?

 

雪渓はそろそろ崩壊しそう。

乗って、もし崩れたら最後。

残雪期ってほんと怖い。

 

だらだら下っていくとは言え、コースタイムよりちょい速いぐらいのペース。

さっきのおばちゃんたちの後ろ姿さえ見えない。

そんなことってあるかいな。

 

城坂コースの入り口に着いた。

 

楽しかった登山もこれでおしまいと思いきや、青いキクザキイチゲ。

これが見納めね。

銭淵公園へ最大級にやる気ないオーラを出して帰ろう。

 

坂戸城址とドブは満開の桜

と思いきや、坂戸城跡の石垣は桜が満開で、再びテンションアップ。

お気楽なハイキングコースだと思ってたけど、自分の陳腐な想像力なんかでは及ばない見どころ満載な山だ。

ちっともゆっくりさせてくれないじゃないの。

 

坂戸城跡から銭淵公園までずーっと桜。

激太りした沢田研二の七変化以上に驚かされた山だった。

ちなみに沢田研二は、親が車で良く聞いてたのでほぼ全曲歌える。

 

足元の側溝を見てみると、ここにも桜並木が続いているじゃないか!

花の山と言われる坂戸山、噂通りの山だった。

 

田畑屋のへぎ蕎麦

下山後はへぎそばを食べに、魚沼の有名店「田畑屋」さんにやって来た。

 

このそばのつや。こんなの見たことない!これぞまさにへぎ蕎麦!

しかし、へぎそばらしくからしで食べたかったんだけど、お店の人に聞くと「うちはからしはやってないんですよ」との事でがっかり。

それは仕方ない。

食後にお茶を頼むと、なぜかキレ気味に、無言でお茶をガンッと置かれ、数滴こぼされるという、なかなかの神対応に遭遇。

せっかく楽しみにしてたへぎ蕎麦だったのに台無しじゃないかぁ!

もう田畑屋に2度と来ることは無い。

お店のチョイスに失敗した。

残念無念(´;ω;`)ウゥゥ

 

振り返って

坂戸山は、桜の開花が遅い年だと、幸運なことにカタクリとタムシバと桜をいっぺんに楽しめる。

その幸運を使い切ったのか、山頂ではまんまと雨に降られ、へぎそばでは過去最悪な接客に遭遇するあたり、やはりというべきか。

浮かれた門に災い来たる。

どんなに満開だろうと、決して浮かれてはいけない。

もう、分かっていたはずなのに。

つい、浮かれた。

反省。

 

パーカーのおっちゃんだけではなく、パッと見で観光客と分かる人もちらほら見かけた。

危ないところはないし、累積標高差はたったの550mしかなかったから、普段から体を動かしてる人にとっては二往復は軽くいけるぐらいの山です。そんな登山しないけど。

ニュースで見る山は怖いことしか言わない。

特に残雪期は事故も多いから、ハイカーはバッシングを受けやすい。

だからこそ、俺は楽しいことしか書かないぜ!

と思ってる次第です!

ではでは


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