前回までのあらすじ
一合目ですでに丸出ダメ男となったあたくし。
しかし一合目から上は紅葉の最盛期を迎えてて、その絶景にひたすら感動しながらダメ男の意地を見せて先へと進む。
前回の内容はこちら↓
そしてとうとう山頂を照準にとらえ、ふらふらになりながらも山頂に辿り着いたそこで待っていたのは果たして。
驚きと感動と試練の中ノ岳登山、その②です。
まさかの日向山
ひ、ひ、
日向山(ひなたやま)!ってなに?
山頂だと思って最後の気力を振り絞って頑張ったここはまさかの日向山の山頂。
つか、マジで日向山ってなに?(下調べゼロ)
ええ、そうです。
ここは五合目なのです。
そして自分が中ノ岳避難小屋だと信じて疑わなかったアレはなに?
後で調べてみたらまさかの雨量観測所だと。
もう絶望で目の前が暗くなったもんね。
見たくない信じたくない。
信じられへんジラレヘン。
この右側に見えているのが中ノ岳だなんてぜったいにジラレヘン(ToT)
しかも無情にも日向山から一旦下るし。
表情を無くしたおっさんが無言で歩く。
それでも前進してるのはもはや本能か?
さすがに霜は降りてるのね。
強烈な存在感の中ノ岳
ああ…
こわい。
中ノ岳がデカすぎてハラスメント。
普通ならここから登山開始って感じだと思うんだけど。2回登る感覚。
目を背けても池塘に映る中ノ岳。
あなたの顔なんてみたくないっ。
突然、生姜畑という原っぱに出る。
ここは残雪が夏の終わりまで残るポイントなんだそうだ。
こういう情報は実のところ下山後に知る。
実は直前で中ノ岳に決めたもんで、下調べほぼゼロです、ええ。
草紅葉。
きっと多くのハイカーがここで用を足してるんだろうなと、我がトイレセンサーがビビッと反応し近付くなと警告する。
ああ…、向き合うとほんとこわい。
この遠さとデカさ、絶望しかない。
この先ガツンと急登が待ち構えてるに決まってるんだ。
六合目。
なんだかんだでここまで来れたな。
7合目まで行けたらなんとなく山頂までは行ける気がする。
大きく曲がった木々が豪雪地帯であることを物語る。
写真だと登ってるのか下ってるのか分かりにくいけどしっかり登ってますがな。
鬼畜な直登
縦アングルだと分かりやすい。
ずーっと日なたの直登だわー、何も言えねー。
口からついてでてくるのはあべしとひでぶだけ。
振り返る日向山。
文字通り日向山からずーっと日なたの道。
今年の夏の猛暑を引きずって、11月になってもまだ暑い。
寒いのが苦手な自分には朝の冷え込みが緩むのはほんと有難いんだけど、気温が上がることによって遠望が効かなくなるのは山登りをしてる身としてはやはり悲しい。
都合の良い話ではあるんだけど。
今、気温はぐんぐん上がって標高2000m近いというのにおそらく10℃はあると思う。
冬でも登ってる間は半袖になることもある自分にとって、10℃はもはや南国。
熊本城マラソンのエントリーが決まったから足を鍛えなくてはいけないと思って中ノ岳に挑んではいるけど相手が悪く、すでに左の太ももはプルプル震えている。
痙攣して動けなくなる3秒前。
ったく登りごたえのある山だ(もうこりごり)。
ほんと平凡な山名がもったいないほど立派な姿ではある。
一応これまでたくさん山に登って目は肥えてるつもりなんだけど、百名山でもおかしくない風格をたたえているのは間違いない。
すでに体力の限界に達したことを悟り、マグオン様を注入。
薬とかドーピングとかなんでもいい。足にベホイミだ。
これでなんとか行ける。
まあしかし、ほんと静かな山だよ。
YAMAPの活動日記も少ないけど、たまたま自分が見たのがおばちゃんハイカーが丹後山まで軽く周回してたやつだった。
それを思い返して、自分には確実に無理だなとそのお方を称賛しながら登っている。
あの山は八海山だったのか。
ちょうど入道岳が手前にあって八ツ峰が隠れてたからぜんぜん分からなかったよ。
そして右手には丹後山へと続く稜線。
とか言っておきながら実のところどれが丹後山か分かっていない。
まあ自分は一生行くことはないから周回しなくても一片の悔いなし。
なんせ目の前の中ノ岳に登れるかどうかさえ、最大の問題なんだよ。
まだまだ長い。。へとへとだって。
真っ赤に染まるドウダンツツジの紅葉。
ちなみに九重山の大船山はこのドウダンツツジが紅葉の絨毯化してこの世のものとは思えないほど綺麗になる。
でも一瞬で枯れるからタイミングがとても難しい。
10月2週目頃に九州出張があるハイカーはなんとしてでも大分まで足を延ばすことをお薦めする。
ぷっちょとハイチュウを交互に食べながら、甘い息でゼーハー登っている。
ぷっちょとハイチュウを交互に食べながら中ノ岳に登るのは世界初の快挙だと思う。
甘いものを食べてるときだけが苦しみを忘れさせてくれると、間違えた考えを持っている。
丹後山への縦走路も目視で確認できるようになってきた。
周りの山より高いところまで登ってきたとは言え、さすが越後三山の最高峰、まだ鬼畜的に長い。
今後、この山にこのルートで登りに来ることってあるのだろうか。
断言できる、無い😂
越後三山縦走はいつかしてみたいと思ってるけど、それもムリかもしれないなぁ(弱気)
谷から涼しい風が吹き上げてくる。
ええーい、もっと吹け。
ここから熊笹が生い茂るトレイルへ。
藪漕ぎっぽく見えるけど、実際には1人通れるだけのトレイルがしっかり作られてるよ。
さすが越後。眺めの良さは裏切らない。
はるか遠くに薄っすら富士山も見える。
気温が高いのにこれは意外だったな。
豪雪地帯ならではの低い森林限界を越えると、稜線に向けて一直線の鬼畜な登りが始まる。
これが遠目にもやべぇ登りだなと思ってた区間。
気分良く登るというのとは程遠い。
周りの風景は一気に開け、360度の大パノラマが広がる。
よくここまで登ってきた。
山頂からの景色が楽しみだ。
いよいよフィナーレ
ああ、抜ける。
確実に撤退すると思ったけど、よく頑張った。
ファイナルカウントダウン。
実はこの手前のピークはニセ。
でもここまで来ちゃえばニセだろうがゴールに突き進むのみ。
振り返ると今日唯一出会ったハイカーがこの山並みの広がる光景に佇む姿がこれまた絵になる。
ペースはゆっくりだったけど、トレッキングポールも使わずにここまで来るなんて足腰がウマ並み。
最後の上り1ハロン。
ウマ親父プリチーダービー。
ウマ娘にハマる人が理解できない中年があともう少しで山頂に立つよ。
その③、山頂からの絶景と下山の紅葉編へ続く。
最後に蛇足
いつも盛ってると思われてるかもしれないけど、いつももりもりバテてます。
マラソンしてるのにそんなわけなかろ?
いつも山に登ってんだからそんなに疲れないだろ?
そう思われてたとしても、事実バテるんだから仕方ない。登山とマラソンは別物なわけです。つかマラソンでもバテてるけど。
でも今回の中ノ岳はほんと日向山でガッカリきてしまい、モチベ的にも再び歩き始めるまでかなりきつかったな。
そういう事があったから九合目にたどり着いて反対側の景色がパーッと広がった時の達成感は半端なかった。
このやりきった感はマラソンに通じる。これがあるからやっぱ山はいい。
ではでは
③へ続く