栗駒山に、岩手県側の須川温泉から登ってきました。
標高は1,626m、日本二百名山です。
須川高原温泉は日本秘湯を守る会にも登録されている強酸性の温泉で、栗駒山登山口の目の前にあるため、下山後は温泉へ直行できるとても恵まれたロケーションです。
これまであまり意識してなかったのですが、会社に秘湯巡りを趣味にする人がいて、その影響もあって山登りと秘湯が身近な存在だということに気付きました。
例えば、九重の法華院温泉や今回の須川温泉、それと近々登る予定の白峰三山の玄関口、奈良田温泉。
秘湯めぐりは、山登りの副産物として旅を一層楽しくしてくれるアクセントになります。むしろ、いつしか秘湯めぐりがメインにならないか、心配です。。
さて、この日は生憎の雨となってしまいましたが、体が冷えても登山口の温泉ですぐにぽっかぽか~♪ってんで、雨をものともせず登ってきました。
さすが本州で紅葉が一番早い山と言われるだけあって、山頂付近は既に色づき始めてました。
でも全体的にまだ少し早かったかなぁ。
本格的に紅葉シーズンを迎えるのは9月下旬~10月上旬。赤とオレンジに染まる栗駒山を期待してましたが、中腹はまだまだでした。
まあ、個人的には蔵王以来の強酸性の温泉を楽しめたので、十分満足できる東北登山紀行となりました。
温泉の話ばかりでしたね・・
栗駒山は岩手県では須川岳、秋田県では大日岳とよばれ、各県で呼び名が異なる珍しい山です。栗駒山というのは宮城県側の呼称です。
ちなみに、宮城県=”伊達政宗”と思い込んでいた自分は、今回の旅を”伊達な旅”と銘打ってましたが、帰宅後調べてみると宮城県北部は大崎氏の領地で、栗駒山はそんな大崎氏と岩手県の葛西氏の領地争いの瀬戸際に位置してたそうです。
伊達とは縁もゆかりもなかったのねん
w( ̄▽ ̄;)wワオッ!!
だいぶ脱線してしまいましたが、東北の旅の楽しみは山だけではありませんよ、ということで。
いざっ
アクセス方法
・須川高原温泉までは、こちら
・栗駒山荘までの住所 秋田県雄勝郡東成瀬村椿川字仁郷山国有林(栗駒国定公園内)
・ 〃 TEL 0182-47-5111
■ルート
■全行程スケジュール 2016年9月18日
■9月18日
6:40 須川登山口 ⇒ 7:00 名残ヶ原 ⇒ 7:20 苔花台 ⇒ 7:40 昭和湖 ⇒ 8:18 天狗平 ⇒ 8:40 山頂 ⇒ 9:05 下山開始 ⇒ 9:30 産沼 ⇒ 10:00 三途の川 ⇒ 10:40 須川登山口
おはよーございます。
前日鳥海山に登って、その日のうちに栗駒山まで移動して、須川温泉の野営場にテントを張りました。
同行者と朝5時に起きよう、と約束してましたが、5時になっても隣のテントが静かだったので、まだ気持ちよく寝てるんだろうなぁ~と起こすのをためらってたら、実は1時間以上も前に起きてテントの中の荷物を車に運び終わって静かにヤマレコ見てたとのことでした。
時間ギリギリまでぐっすり寝てたのは俺の方だったかー、あいたー
( ̄▽ ̄)ゞワルイワルイ
毎度かたじけないっすー。
夜はずっと雨が降り続き、しかも床が板ばりでペグを打てなかったからフライシートが内側のテントとべったり接っしてしまい、中に少し染みてました。
自分は大きな被害はなかったのですが、同行者はシュラフの足先が濡れてしまったそうです。
oh~
須川駐車場はこんな感じで広々。300台以上の収容力を誇ります。
須川高原温泉と栗駒山荘が隣り合ってますが、須川高原温泉は岩手県、栗駒山荘は秋田県となります。登山口がちょうど両県の県境にあって、剱岳あたりまでは県境の上を辿っていきます。
天狗原平からは宮城県と岩手県の県境をなぞる様にして山頂を目指す、各県をまたぎ続ける登山です。
登山口にある足湯。昨夜はここの露天風呂に浸かりました。なので今日下山してからの風呂は内湯にしようと思います。
登山口の標高は約1,120m。山頂までの標高差は約510mで危険箇所もないから子供でも登れます。
登り始めはドボドボと温泉が流れる脇を歩きます。こんな登山は珍しいですね。
自分が知ってるのは箱根駒ヶ岳・神山登山の時の大涌谷ぐらいかな。
そういえばここで温泉たまごを見かけなかったなぁ。
ふむふむ、まぎれもなく温泉ですな。
温泉の成分が付着して岩が真っ白です。
振り返って須川温泉。
赤い屋根の建物が須川高原温泉、その奥の黒い屋根が栗駒山荘。写真左の奇岩が大日岩です。
夜の露天風呂では、ライトアップされた大日岩がとてもきれいでした。
アスファルトの舗装路がでてきました。観光地なだけに予想通り。ただ、アスファルトは最初の2〜3百メートルだけなのでご安心ください。
ここでガラッと景色が変わります。なんとなく道なりに進んでたら、地獄釜コースを進んでました。
登り始めてすぐにゼッタ沢コースとの分岐があったみたいですが、まったく気づきませんでした。
賽の磧(さいのかわら)までは、ゼッタ沢コースと比べてもたぶん10分ほど遠回りになるぐらいなので問題ないレベルです。
剣岳の旧噴火口が見えてきました。
地獄谷コースだと旧火口が見れるので、登りか下りのどちらかはこのルートを歩くことを強くお薦めします。
振り返るとここを取り囲む山肌からも煙が上がってて地熱の高さがうかがえる。
先ほどの荒涼とした火山らしさは鳴りを潜め、尾瀬の様な名残ヶ原にでます。
この景観が目まぐるしく変化するあたり、この山の良さを感じずにはいられません。見所は紅葉だけではなさそうです。
今更ですが、地図が出てきました。
おいおい、登山口近くのおいらんコースって何だ!?
おいらん風呂ってのもあるじゃないか!! o(*^▽^*)oエヘヘ!
気づかんかったー、あちき痛恨のミスでありんす〜。
ここ苔花台は産沼経由の自然観察路コースと、昭和湖経由の須川コースの分岐。
あちき達は登りは須川コースを進みます。地獄谷、昭和湖、如来稜線とバリエーションの変化を楽しめるルートです。
産沼コースは下山で使う予定。
地獄谷が始まるぜぇ~
眺望の良い天国の様な地獄。
ふと思ったのですが、天国のゴクは国なのに、地獄は獄なんですね。
どうでも良い話でしたね、すみません。
地獄からもくもくと硫化水素が発生してるため、風向き次第では立ち止まることは避けた方が良いでしょうね。
特に喘息持ちの自分はこういうのを見るとおののきます。
この標識を撮影していたら
わーー!!
と、同行者から歓声が上がる。
うん?なん??
おお〜!!たしかにたしかに。
コバルトブルーの湖に目を奪われます。晴れてたらどれだけ爽快な景色だっただろうか!
なのに、「青潮の東京湾みたいだ」と、せっかくの絶景を台無しにする感想しか言えない自分。
今更ですが猛省します。
雨が降ったり止んだり。火山なのにトレイルが泥濘状態にはならないのはよく踏み固められてるからでしょうか。
とにかく歩きやすかったです。
栗駒山は奥羽山脈のちょうど真ん中に位置してます。東北地方の地図を見ればよく分かると思います。
そんな奥羽山脈を見渡して元気をもらいながら標高を上げていきます。
栗駒山の山頂を左に捉えながら天狗平に向けて登っていきます。
天狗平に着きました。
ここから左に折れ、山頂に向けて開放的な緩斜面を一直線に登っていきます。
その山頂までの稜線は宮城県と岩手県の県境をなぞっていきます。県またぎ好きにはたまらない稜線です。
うさぎ岩だ!・・ならぬ天狗岩。
近くで見ると全然うさぎじゃなかった。天狗でもないけど。
子供へのお土産に火山の噴石を2、3個回収。安上がりだぜ。
山頂付近は紅葉が始まってると聞いてたのですが、どうなんでしょうね。
おお~っ、始まっとーやん!
全く期待してなかったから(本音)、こんな早い時期に見られるなんてラッキーやん!
さすがです。東北の紅葉の早さを侮ってました。
様々な見どころに目を奪われていると、いつしか山頂は大きく迫ってました。
栗駒山、山頂。踏破!
あちき山頂のそのまた一番高いところに登れて満足でありんす。
あれ、ちゃっかり山形の名もあるよ。なんでだべ?
こっちは宮城県側のいわかがみ平方面。
次回はこっちから赤一色に染まる東栗駒山経由で黄色い栗駒山を登ってみたい。
完全にガスの世界にならなかっただけありがたいと思わなきゃですね。
今日の天候でこれだけ視界がきけばラッキーです。
さーって、下山しますよ。下りは自然観察路を産沼方面へ。
ご覧の通り、草がトレイルに向かって伸びてるからズボンの裾が水滴を吸い取ってしまい、びちょびちょ。レイン履けばよかった。
ズボンが重いし、体は冷えるし、早く温泉入りたい〜
振り返って栗駒山。レンズの水滴はご容赦ください。
山の中腹の紅葉はまだまだこれからって感じ。
ハイシーズンだったらこの山の圧倒的な紅葉の中を突き進んでいく感じのルートなんだろうな。
産沼に到着。
おたまじゃくしがいないかと近づいたら軽く地滑りを起こして、あやうく沼にダイブしそうになりました。
この川を徒渉します。
落ちたら大変、
なんつったって三途の川ですからね。
誰かがシャレで二途の川にしたみたいですけど。
須川ルートとの分岐、苔花台が見えてきた。
こんな天気ですが結構登山客がいて驚きます。
左を見やれば地獄釜ルートで見上げた剣岳。
下山は名残ヶ原を抜けるゼッタ沢ルートを歩きます。
素晴らしい!
一面に広がる湿原の中を漫遊闊歩。こういうの大好きです。
雨で濡れた木道を助走をつけて滑って遊ぶ。
さあ戻ってきました。登山口付近が一番ガスってました。
草木からたっぷりの水滴を吸い取ったズボンのせいで下半身が冷たい。
温泉温泉〜♪
温泉の後、お土産屋さんで大好きなスイートポテトを買おうかしばらく悩みました。
もうお芋が美味しい季節ですね。
去年、子供の芋掘り行事が続いて食べきれないほど大量に積まれたサツマイモの消化に苦しんだことを思い出し、買うのがためらわれました。。
振り返って
行くぜ、東北!
今回の弾丸ツアー2日目の栗駒山は、天気こそイマイチでしたが、全国的に雨予報の中、東北はまだマシな方だったと思います。
事前のリサーチ不足の甲斐あって、栗駒山の見所の多さは意表をつく嬉しい誤算。
昭和湖を見たときの同行者の歓声が今も耳に残ってます。自分はやはり名残ヶ原と、露天風呂ですね。
人気が高い理由がよく分かりました。
栗駒山で最もメジャーなルートは宮城県側のいわかがみ平から東栗駒山を登って中央コースで下山するルートか、今回自分たちが歩いた須川ルートだと思います。
ルートを変えると全く違う山に登ってる感じになるので、次回は是非、宮城県側から登ってみたいです。
帰りの高速では宮城県内のサービスエリアで買った、ご飯を豚バラで巻いた”ばくだん”が美味かったです。
カロリーが高い食べ物ってやっぱ美味い。何かのCMで言ってた、美味い食べ物は脂肪と糖でできているって本当名言だと思う。
もっと食べ歩きをして東北の旅に色を添えたかったけど、大きなサービスエリアが少なく、楽しみにしてた牛タンはお預け。次回の東北の旅に楽しみはとっておきます。
突然ですが、池と湖と沼の違い分かりますか?
自分は、川につながっているのが沼。火口湖とか川につながってないのが湖と予想しました。
答えは、曖昧なところはありますが、人工かどうかと透明度、それと深さが関係してる様です。
透明度が低く水深5m以内が沼。透明度が高く水深5m以上が湖、人工的に作られた貯水池やダムが池なんだそうです。
透明度に基準はなく、あくまで目安なんだそうです。ふーん。。知らんかった。
じゃあ泉は? Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
この歳になったからこそ覚えられることがあります。自分の場合、特に地理。
子供の頃はあんな嫌いだったのに、子供の教科書を読んでると面白くて止まりません。
帰りの車では、そんな取りとめもない話で終始盛り上がり、関東までの道のりが短く感じられました。
やっぱ旅はいいなぁ〜。
ではでは