【福井】荒島岳(後編) 坂の上のガス 冬の終わりの高速コマネチ

【福井】荒島岳(後編) 坂の上のガス 冬の終わりの高速コマネチ

登山にどっぷりハマったのは30代前半の時にニコンから富士フイルムのカメラに変えてから。

 

JPEG撮って出しで満足のいく絵がでてくるし、何より小型軽量というのがさらに山へと背中を押した。

もちろんカメラを買う前から登山はしてたけど、もっと綺麗な絵を残したい、絶景を切り取りたい、それも手軽に!という思いが増したわけです、はい。

 

平日になれば次はどこに登ろうかってことばかり考えて、毎週のように山へ出かけ、もう自分の日常が変わりました。

 

まあね、ほんと夢中になれる趣味がある人生って有り難いなと思うわけです。

 

 

さてさて、久々に良い山に出会えた荒島岳登山の後編です。

北陸のどこまでも続く雪景色と白山の絶景に酔いしれた登山となりました。

 

前編はこちらからご覧ください

【福井】荒島岳(前編) 霧氷と白山の絶景 冬の終わりの雪山登山

 

もちが壁

疲れも吹っ飛ぶ。

山の絶景に心を弾ませるというのは、ストレス社会で生きているおっさんにとって、精神のバランスを取るという意味でもとても重要なことなのだよ。

 

しかし残念なことに山頂のガスは晴れそうにない。

でもここまでが失語症になるぐらいの絶景だったから十分満足しちゃっている。

 

 

相変わらず急登が続く。

いつもは鬼畜な登りだ!とか言って苦しみのコメントで埋め尽くすところなんだけど、この日は調子が良くてほんと気持ちよく歩けた。

前回が将棊頭山で1,700mも登ったというのもあるし、冬は普段から長い距離をランニングしてるというのもあるからかな。

冬が1年を通して一番体力があるのかもしれない。

 

 

ほえー、さっきの急登がもちが壁だったのね。

話に聞いてたのとは違って大したことなかったな。写真を撮り忘れるぐらいだし。

 

ほんと珍しく絶好調です。

 

このもちが壁を登りきったところからの景色がこれまた至福の光景。

仕事も山登りも振り返りが大事。

 

360度の大絶景

気付けばずいぶん高いところまで登ってきたもんだ。

折り重なる山々がどこまでも白い。

この景色が見たかった。北陸はやっぱりレベチだ。

 

 

ところどころ雪が割れてる。

わかんなら大丈夫だろうけどアイゼンだとズボッといきそう。

 

雪山の撮影は実のところあまり変わり映えしない景色が続くから変化を見せるのが難しい。

絶景ではあるんだけどね。

撮りかたを工夫すれば良いんだけど、そんなテクニックも引き出しも持ちあわせてないから、デジカメの強みを生かしてひたすら撮りまくるスタイルです。

その中に1枚でも光る物があれば、次からこういう撮り方をすればいいんだなって少しずつレパートリーが広がっていく。

カメラ雑誌を見て勉強することもあるけど、雪山特集なんてないからね、基本ぜんぶ手探りです。

 

世界のあり得ない映像大賞とか、YouTubeをただ垂れ流すだけの番組とか、そういうのもう飽き飽きなんだよ。

そんなのじゃ満足できない人たちがこんなにもいる。

 

「坂の上の雲」の再放送にどっぷりハマった。

 

「まことに小さな国が開花期を迎えようとしている」

 

この冒頭で流れるお決まりの前説を最初はワクワクして見てたんたけど、いい加減しつこかった(笑)

 

考えてみれば本木雅弘と阿部寛が兄弟というね、そんな血縁いるか?って突っ込みたくなるイケメン揃いのキャスティングも光ったけど、やっぱり自分のイチオシは渡哲也の鹿児島弁でしょう。

「敵がここを通るっちゅうて通る」。

このシーン、痺れましたわぁ。

間と表情としぐさ。あのシーンだけでも観る価値は十分にあったな。

高橋英樹なんてバラエティで真麻との共演しか見たことなかったけど、演技の上手さにマジで惚れ惚れしたわけです。

 

坂の上の雲。

ええ、ええ。

 

崖の上の雲。

ん?

 

崖の上のポニョ。

 

むむっ、そこで繋がってたのか。。知らんかった。

 

そんな話は置いといて、いよいよ夢の中へ。

夢ってのはなぁ…、白く儚いものなのだよ。

 

 

上ばっか見てるとたまに落とし穴があったりするから気を付けて。

 

ガスり菌白タ株

山頂です。

修羅の国へようこそ。

 

みんな徘徊しておりますがな。

 

 

気が触れたあたしは

「ほわちゃーあたたたたたー!!!」と雄たけびをあげ高速コマネチを繰り出す。

間違いなく、この山頂で一番我を見失っていた。

 

2度と日の目見れなくしてやろか?

と、脅されたわけではない。

みんな自ら好き好んでこの暗黒の世界に突入してきたあんぽんたん達です。

 

 

諦めの悪い自分はダメ元で神様に晴れを祈願する。

土下座をする時のただ一つの注意点は、アイゼンがケツに刺さらない様にすることだ。

 

そんな願いも虚しく、果てしなく広がる白の世界。

さあ、心の目で白山を探せ。

開眼だ。

心が清らかなら見える。

 

教官、あたしにはなんも見えねぇっす!

そう言って膝から崩れ落ちていると、

こんなガスの中でおにぎりを頬張る中年オヤジから

「そんな悲しまないで、ほら、あそこに祠があるよ」

と優しく教えてもらったので行ってみることに。

 

 

おお、神様はこんなところに埋まってたのね。

ねえ神さま、山頂のガス取ってくれませんかね?

直談判してみました。

 

なんとなくさっきよりガスが濃くなった気がする。

 

ふむ、

さらば、てんくらA予報!

 

下山します!!

 

下山開始

標高を下げてガスの層を抜けていくと下界が薄っすら見えてきた。

 

 

晴れてたら山頂からはどんな景色が広がってたんだろうなぁ。

ビッグカツの中身が豚肉ではなく魚のすり身だと知った時以上のショックを引きずって下山している。

 

 

ツアー客が登ってくる。

冬山でツアー客を見たのは雲竜渓谷以来かもしれない。

危険箇所がないとは言え、累積1,200m以上登る山でツアーを組むなんて、企画する側は相当な準備がいると思う。

なんにしても賑やかな山だな。

 

雪庇も大きい。

ヘビー級の自分が乗ったら一瞬で崩れちゃうね。

 

絶景で証拠写真

ガスの層を抜ければそこはてんくらAの世界。

くそっ。

 

 

ボス感を放つ白山。

おにぎりを食べるなら間違いなくここだろう。

ガスの中で食べていた人を見て、なんで?って全員がそう思ったはず。

 

証拠写真を撮るのももちろんここでしょう。

すみません、1枚お願いします、白山と一緒に。

 

 

こわいこわい。

 

 

なおも絶景は続く。

坂の上の雲の前説とは違って全く飽きさせないのだ。

 

ちなみに司馬遼太郎は一時期どっぷりハマって馬鹿みたいに読みあさったことがある。

 

しかしながら根っからミーハーな自分はそこから歴史小説に行くのではなく、東野圭吾を読みあさり、さらに本屋大賞のノミネート作品ばかりを狙い撃ちしている。

 

人に話すのが恥ずかしくなる本ばかりだけど、やっぱり読みやすいからね、当たり前だけどこの人たちすげぇ文才あるなぁと改めて感心するわけです。

 

ドジャースが来日して巨人と阪神とそれぞれ練習試合をしたけど、内容なんかより「おいおい、ドジャースにウィル・スミスいるよ!」って思った1人です。

外国人ってあまり名前に意味がないらしいです。

 

前回の将棊頭山は意地で登ったから、うっかりカメラのフィルターにゴミを付けた状態のまま写真を撮りまくってしまった。

後で激しく後悔するんだけど、まあほんと、雑すぎたな。

 

で、荒島岳は特別な1日になると思って、しっかりフィルターの汚れも拭って、アクションカメラの予備バッテリーも持ってきたし、抜かりはないのだ。

 

 

霧氷エリアまで戻ってきた。

登ってた時より晴れる時間が長くなってきて光り輝く霧氷に感激している。

 

霧氷ではなくもはや樹氷。

 

 

潰瘍性大腸炎の治療中の自分は、先日ドクターからショックな宣告を受けたよ。

 

「もし寛解してもね、この薬はずっと飲み続けてください。一生ですよ、いいですね」

「え・・・。」

 

「もし会社で異動があったら私が紹介状を書きますから、この薬だけは必ず続けてください」

「え・・・。」

 

ショックだった。

一生飲み続けなくてはいけない薬ができてしまった。

中年になるというのはそういうことなんだな。

 

つか、中年だから諦めもつく。

潰瘍性大腸炎は20代に多いと聞く。若いうちに一生飲み続けなきゃいけない薬があるなんてさすがに可愛そうだよ。

 

中年でよかったぜぇぃ。。

 

左奥が白山。右が別山。

これと同じ写真を10枚以上撮影した。

サングラスかけてるとちゃんと撮れてるか分からないからね。

 

時代は刻々と変化するけど、変えること以上に変えない事を選別することの方が未来には大事なことなのかもしれないよ。

 

自然という物は不便で不自由で理不尽で正直なものだから、それを人間の都合で簡単な物にしてはいけない。

 

壊したものは2度と元には戻らないのだから、山を杉林だらけにしてはいけないと思うわけです。

 

 

雑なアングルだなと思いつつ、最近は何を撮りたいかが明確に分かるダイナミックな構図が気に入っている。

 

 

こんな素晴らしい景色を前にしておいてなんですが、

先日、中年男性の悩み「残尿」を一発で解決する魔法のツボを見つけたというネタを探偵ナイトスクープで見た。

 

世界中、多くの中年オヤジが残尿で悩んでいて、

チノパンはおっさんの敵だと言っていた(笑)

 

自慢じゃないが、いや、思いっきり自慢になってしまうが、自分は残尿ナシ男です。

 

つかあるかもだけど、以前よりトイレに立つ時間を長くして、残尿ゼロを実現している(つもり)。

自宅のトイレではおしっこも座ってしてるから、より長くトイレに籠もっていられる。

ほぼこれで解決です。ツボなんて押す必要ないよ。

 

男っつーのは立ってする分、早く終わらせようとしがち。それを焦らず長くするだけでほぼ解決すると思うんだけどなぁ。

 

この美しい景色を見ながらでしかできない話でした。

 

残尿で悩んでる方は「探偵ナイトスクープ 残尿」で調べてみてください。

 

残尿の悩みのない男の目には空がより青く見える。

さらさらで快適です。

 

こうやって見ると冗談みたいな急坂を下るんだな。

登ってる時はなんとも思わなかったけど。

 

 

急坂の前に、北陸名物その2 笹寿司。

北アルプスの朝日小屋でも名物になっているこの北陸名物は裏切らない美味さ。

 

絶景も見納め

ASTIAの抜けの良い青に残尿しちゃいそうだ。

 

 

急な下りを振り返って。

これは久しぶりのVelvia。

 

ここから本格的に樹林帯へと突入する。

この瞬間がね、寂しいひとときなんだよね。

 

 

この景色も見納め。

 

人を駄目にする景色。

荒島岳は人を駄目にする山だったのね。

 

 

樹林帯は尿もれしちゃうほどの美しさ。

ここでランチタイムにしてる人たちはアテントを装着しているに違いない。

 

 

あぁ…。。なんてことだ。

 

荒島岳はあれだけしつこかった雲が取れてるじゃないかぁ〜。。

 

くそ〜

今山頂にいる奴、全員風邪ひけ!

 

もう先に書くけど、この2週間後に登った新潟の粟ヶ岳も8合目で完全に真っ白になり、そんな中どこからともなく聞こえる「どーーん!!」という雪崩の爆音が鳴り響いて気持ちが完全に萎えて撤退したんだけど、下山後めっちゃ晴れてた。

今シーズンはツイてない。

 

きっと次に良いことがあると思うしかないか。

くそー

 

 

 

標高を下げるともうだいぶ雪が腐ってて何度も踏み抜く。

気温も5℃ぐらいあったと思う。

 

雪だらけの北陸にも春が来たんだなぁと感じさせる。

これからも多くの山に登っていくという意味でも、こういう肩に力が入らない雪山をチョイスしていきたい。

2週間後の粟ヶ岳では登り始めに難しいへつりがあって(へつりという言葉を覚えた)、ナイフリッジがあったりなかなかスリリングだったからね、荒島岳ぐらいがちょうど良いよ。

 

7:30に登り始めて12時に下山。

あぁ…終わってしまったなと思えてしまうぐらい楽しかったし、良い山だった。

これで今シーズンの自分の雪山は終わりだろうなという一抹の寂しさはあるけど、最後がこの山で良かったなと思う。

 

ヨーロッパ旅行

そして福井と言えば。

パンパカパーン。

 

文句無しでヨーロッパ軒でしょう。

海鮮を楽しみにしてたんだけど、長く北陸営業所に勤務してた人に福井で絶対に立ち寄るべき場所を聞いたら、

「ヨーロッパ軒!フタを右に置いてカツを2枚フタの上に乗せてね。あぁー食いてぇーなー、福井行きてぇーなー」

と真っ先にでてきたコイツをいただく。

 

ちなみに、海鮮は?と聞くと

「セイコガニはもう終わっちゃったからなぁ。ガスエビかなぁ。いや、でも福井市って海から離れてるからね、やっぱり越前そばと黒龍(日本酒)だね」

 

そんなわけで下戸な自分は越前そばとヨーロッパ軒はしっかり押さえてきましたYo!

 

振り返って

毎度のことですがご当地スーパーにもしっかり立ち寄りまして(しかも2軒はしご)、しっかりボンビーらしいお土産をゲットしてきたよ。

その戦利品がこちら。

あべ川餅、ます寿司、越前そば。

これ帰ってきた日の夜にぜんぶ食べました(笑)

潰瘍性大腸炎でステロイドの座薬をしているから食欲旺盛なんだよね。

Teams会議でも相手から顔パンパンになってないか?って言われたり、ステロイド恐るべし。

パンパンなのはその日の体調にもよると思うんだけど。。

 

なんにしても座薬するときだけ猫の手を借りたい(これ何度も言ってます)。

 

荒島岳、すごく良かった。

霧氷、急登、森林限界からの絶景、そして白山。

コンパクトな行程に見どころをぎゅぎゅっと詰め込んだ感じで最初から最後まで飽きさせない。

日本百名山の中では評価は高くない方だと思うんだけど、いえいえ、何言っちゃってるの。

山頂がガスってても大満足。

人の評価なんて登ってみないと分からないもんだよね。祖母山もすごく良かったし。

 

そしてやっぱり北陸は白かった。

このどこまでも続く白い峰々の景色は日本の宝だよ。

 

それと北陸道から見える北アルプスの景色。

雪をかぶった剣岳を見て脇見運転しない人っておるんかね?

冬の剣岳に登るなんて自分には一生ないと思うけど、北陸道から見上げるとさすがにそそられる。

いや、絶対に登らないけど。

 

やっぱり自分には荒島岳ぐらいがちょうど良い。

 

ではでは


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