金峰山に登ってきました。
「きんぷさん」とか「きんぽうさん」とか、場所によって呼び名が異なる百名山です。ジャッキーチェンの映画をたくさん見てきたからなのか、無性に言いたい。あたい言いたい!
「サモハンキンポーさん!」
すみません、よくあるおっさんの発作です。
東京からのアクセスが良いので、これまで何度も訪れる機会はあったのですが、不思議とタイミングを逃してきた山です。
そして今、3月決算に向けて業務に忙殺されてます!
休日出勤をしなきゃいけなかったりして、実は今回も金峰山に来れるか危うかった。
決算、決算〜🎵
ケ・ツ・サ・ン〜🎵
ケツが3つで、決算〜🎵
ケツサン ケツサン
ケ・ツ・サ・ン~
おけつ🎵
仕事のストレスなんてブッ飛ばしに山へ行くべし!それぐらいの時間はなんとか確保したいものだす。
さて、サモハン金峰山は山梨県と長野県の県境にある標高2,599mの山で、日本百名山、花の百名山、新日本百名山、山梨百名山と数々のタイトルに輝く名峰です。奥秩父エリアでは最高峰の山です。
去年、真冬の瑞牆山に登って、すぐ隣にそびえる金峰山を眺め、アイツも登るなら冬だなと思いました。
夏の奥秩父のうだる暑さを考えたら、冬の方がウエルカムだぜ!ってのが最大の理由です。単純です。
さて、冬の金峰山の特徴はざっとこんな感じでした。
1.稜線は強風なので顔面凍傷に気を付けて!
2.雪は豊富です。奥秩父でしょ?と甘く見ずにきちんと雪山登山装備で挑みましょう。
3.登山口は瑞牆山荘。標高差は約1,200m、距離11キロとそこそこの体力と経験が必要です。
4.富士見平小屋は予約がなければ小屋番さんが不在にしてることが多く、あてにしちゃいけないぜ!
奥秩父エリアは冬の晴天率が高く、この時期は大変貴重な存在です。ただ金峰山は森林限界を越えるため、厳冬期の強風に耐えられる、きちんとした準備が必要です。
最上段の写真は稜線に出た所の定番のショットですが、強風で雪は吹き飛んでしまってます。この日も稜線では強風が吹き荒れてました。コーラが少し凍るぐらいの冷たい風です。
てんきとくらすでは風速15m予報。
「顔面凍傷になるか、バラクラバで窒息するか、どっちか選びな!」
って感じですが、BUFFとハードシェルで顔を隠すだけで全然オッケーでした。
ちなみに職場の人に教えてもらいましたが、顔面凍傷の予防にはヒルドイドを塗るのが効果的らしいです。保湿に優れてるから女性に大人気の軟膏です。
とまあ難しい天気でしたが、たまに晴れてくれたし、やっぱ今日は金峰山にして良かったです。
いざっ
■アクセス方法
・瑞牆山荘前の無料の市営駐車場。
・住所/TEL:山梨県北杜市須玉町小尾8861/0551-45-0521
・トイレは瑞牆山荘の隣にありますが、水洗のため冬は使用できません。
■ルートとコースタイム
■2018年2月24日 ※カッコ内は標準コースタイム
瑞牆山荘前駐車場⇒(50分)⇒富士見平小屋⇒(65分)⇒大日小屋⇒(140分)⇒山頂⇒(110分)⇒大日小屋⇒(55分)⇒富士見平小屋⇒(40分)⇒瑞牆山荘前駐車場
標準コースタイム:7時間40分(休憩含まず)
2/24 瑞牆山荘前駐車場~金峰山(ピストン)
活動距離:11.2km
高低差:1,177m
累積標高上り/下り:1,396m/1,396m
消費カロリー:3,427kcal(目安 身長180cm/73kg 男性)
はじまり
2月24日 8:50。梅が咲き始めたってのに、今回も懲りずに雪山登山です。
梅が見頃を迎えた幕山か、雪山の金峰山か。その両極端な二つの山で悩みましたが、厳冬期なら厳冬期らしく雪山しようぜ!とシンプルなノリでやって来ました。
で、ここは瑞牆山荘前の駐車場です。2月だって言うのに物好きな山屋どもでそこそこ賑わってるぜ!さっさと準備終わらせて行くよ!
毎度、準備が遅くて同行者を待たせるのは自分の方なんですが、勢いだけは負けちゃいません。
トイレを借りようと瑞牆山荘に寄りましたが、予約がなければ普段は閉めてるそうです。
富士見平山荘まではトイレガマンです。
というわけで、膀胱ちゃぽちゃぽの状態で登山開始。
富士見平まで50分。金峰山の山頂へは4時間10分の行程です。
意外と長丁場です。
頭に枝が突き刺さった雪だるまがなんともエキセントリックです。
富士見平小屋までの道のりは、最初からブナの原生林が広がり木漏れ日がとても気持ちいい。
雪も豊富です。アイゼンはどうしようか悩みましたが、凍結してるところはなかったので、とりあえず装着せずに行けるとこまで行きます。
尾根に出るみたいです。向こう側の景色が楽しみです。
ズドンと瑞牆山。
ほんと特徴的な山。堂々たる百名山です。
9:35 富士見平小屋に着きました。
行動食用にコンビニで買っておいたおにぎりとホイップメロンパンを車に忘れ、途中でシャリバテを起こして倒れそうになりました。
「さっさと準備終わらせて行くぜ!」とか言っててこのザマです。はい、いつも通りです。
とりあえず小屋でチョコレートとパンでも買います。
どぼぼーん。
「荷揚げのため下山しますかよー!」。そう書いてあるけど、ここも予約がなければ冬は閉めてるんじゃないのー?
たまたまですが、小田原名物の「守谷のあんぱん」を持ってきてました。助かりました。
あんこぎっしりで腹にたまるし、めちゃ美味い。小田原駅前にあるので一度ご賞味あれ。1個160円です!
とにかくコイツのお陰で生き返りました。お昼はちゃんとカップラーメン持ってきてるからこれで大丈夫、もちそうです。
ほいだば、トイレも済ませて出発です。まだアイゼンは着けません。
大日小屋方面へ進みます。ここら辺でブナからシラビソの林へ変わります。
横移動ですが、長〜い下り坂が出てきたり、今から帰りの登り返しが心配です。
そして登りが始まると一面シャクナゲの森が待ってました。
ここのシャクナゲはほんとすごい数です。5月に来たらきっとすごい風景に出会えるでしょう。
大日岩が見えました。むむむ、途中にあったはずの大日小屋は気付かぬうちに通り過ぎてました。まさか、小屋を見落とすなんてことある?って感じです。
もしかして取り壊されたんじゃないか?と疑いながら先へ進みます。
たまに後ろの景色が開けて瑞牆山が姿をのぞかせる。
登る前は富士山と南アルプスが見えてたんだけど、残念ながらすっかり霞んで見えなくなってしまいました。
金峰山頂まで1時間50分。
結構長いです。出だしからシャリバテになりかけたから今日は長く感じます。
やべぇ、俺のガラスの胃袋が悲鳴を上げてきたぜ。とかブツブツ言ってたら、同行者がスモール玄米ブランを恵んでくれました。神対応とはこの事です。
そんな同行者のトレッキングポールが半分スポッと抜けて、どこかに落としてきたという、ありそうで無い珍事が起こりました。
スモール玄米ブランの借りを返す絶好の機会が巡ってきたわけです。下山の時に、最近見たちはやふるっぽく見つけてやります。
ちなみに勉強はあまりしてこなかったので裸眼で視力1.2です。
視力1.2ですが、以前登った乗鞍岳で雪目になってから少し視力が下がった様な気がする。視力検査では数値は落ちてなかったけど、なんとなく見えにくくなったと感じます。ほんと、雪山での目のケアはぬかっちゃいかんです!
稜線まですぐ近くになってきたっつー訳でアイゼン装着。
稜線には何ヵ所か滑落したら即死しそうなダイブポイントがあったので、少し気を引き締めましょう。
11:50 稜線に出ました。
山頂までは1時間。へぇー、長い稜線歩きができるんだなぁと少し意外でした。
森林限界を越えます。
五丈岩へと続く稜線。絶景が待ってました。こんな気持ちのよいとこだったんだね、金峰山!と手放しで賛辞。
曇ったり晴れたりを繰り返す微妙な天気だけど、これだけ日差しがあればラッキーな方でしょ!
風速15mだけどね!
時々吹く強風に気を付けながらアップダウンを繰り返して五丈岩へ向かう。
目標地点が分かりやすくて歩きやすい。
山登りやってなかったら決して見ることができなかった景色だなぁと、今ブログを書きながらつくづく思います。
初めての金峰山ですが、まさかこんな稜線歩きを楽しめるとは思ってませんでした。これは嬉しい誤算。夏に大弛峠から登らずにほんと良かった。
徐々に近づいてきた五丈岩。八ヶ岳からも確認できる奥秩父のシンボルです。
今日は風が強いから五丈岩によじ登るのはちょっと無理かな。
標高が高い中、ずっと行動してるけど息苦しさは感じません。ペースもゆっくりっていうのもあるけど、景色が良いから疲れなんて吹き飛んでました。
確かに風は強いけど、これよりもっとひどい強風を西穂と武尊山で経験してるからなんてことないなぁと余裕を感じる。やはり経験って生きてくるもんだなと実感します。
12:35 五丈岩の前で立ってみる。
どれだけ大きいか分かります。
五丈岩から山頂までは3分。
さて、それでは始めましょう。
決算、決算〜🎵
ケツサン〜🎵
ケツが3つでケ・ツ・サ・ン〜🎵
ケツサン ケツサン〜🎵
決算、決算〜🎵
ケツサン〜🎵
ケツケツ決算~♪
はい、いつもの発作です。
山頂からの眺めは何と言っても瑞牆山に尽きます。
この山深い奥秩父の森を見てると、今度金峰山に登るなら秋が良さそうだなぁと思いました。
つか暴風であまり景色を楽しんでる余裕があまりなかった。
山頂でサモハンキンポーばりのカンフー見せようと思ってたけどすっかり忘れる失態も暴風のせい。下山しまひょ。
手を広げて、羽ばたいてみたら飛べんじゃね?って下りながら風を捕まえようとしてるアホがいたら、そいつは俺だ!
樹林帯に戻ってくるとあたかも別世界にいるかの様な無風状態。
大日岩でお昼にしました。
今日はカップヌードルチーズカレー味だったけど、気温が低すぎてかやくが口の中でジャリジャリ言って美味くなかった。チーズも全く溶けなかったし、カップラーメンで失敗するの久しぶりだわ。
まあそれでもね、序盤に守谷のあんぱんが食べられたからほんと救われたよ。
登りでは存在に気付かなかった大日小屋が下の方にありました。なんであれを見落としたのか不思議だわ。
15:10 途中から1週間前に走ったフルマラソンで酷使した足が激しく痛み出して、一気にペースダウン。
やっとの思いで富士見平小屋まで下りてきました。
少し休憩します。
来た時より3張テントが増えてました。車中泊でさえ寒さに備える勇気が必要なのに、すごいです。
足が痛くてまともに歩けない。
富士見平小屋から駐車場までの1時間の道のりが長く感じますが、ゆっくり歩いてるとブナの原生林の美しさに改めて気付かせてくれます。
山頂では太陽と雲の攻防が目まぐるしかったけど、太陽の圧勝で勝負ついた様です。
今回もいろいろあった登山となりました。
振り返って
稜線に出た時の金峰山のスケールの大きさには驚きました。
残念ながら八ヶ岳や南アルプスは霞の影響で見えなかったけど、稜線歩きと瑞牆山の眺めだけでも十分満足できる山です。考えてみると、百名山に登ったのは久しぶりな気がします。
いつ以来だろうか?と過去の記事を見てみると、「ああ、ついこないだ、2ヶ月前に丹沢山登ったわ」と呆気ないほどすぐ最近登ってたことを思い出してずっこけました。
やばい、マジ卍。いや違った、マジアルツ。
1つ覚えて2つ忘れていきます。光の速度で老化が進行してます。
もう止まりません。誰かなんとかしてください。
これよこれ。このアングルからの山頂が良かったんだわ〜。
最近購入した5年ほど型落ちのミラーレスカメラで撮りました。
近々このカメラのレビューもアップしようと思ってます!
ところで、小田原名物と言えばかまぼこを挙げる人が多いと思いますが、自分は断然、守谷のあんぱんがイチオシです!あんこがぎっしり詰まってて、持った時の重量感がハンパない!
そんな守谷のパンですが、夕方に行くと売り切れてしまうので、昼頃までに行って下さい。金時山にでも登って、急いで下山してわざわざアンパン食べるためだけに小田原に立ち寄るってのもなかなか面白い山旅になるのではないでしょうか。
稜線に出ると、山頂まで1時間という道標がでてきますが、そのコースタイムが短く感じられる。ちょっとしたアップダウンも出てきますがそれも苦にならない。最後のひと踏ん張りは景色に背中を押してもらってる感覚です。
久しぶりに「おおっ!」と感動できる山旅でした。
金峰山は夏なら大弛峠から標高差わずか250mほどで登れちゃいますが、それだとここの稜線歩きが楽しめない。五丈岩と山頂からの景色だけを楽しむなんて無粋です!
しかし、、「おおっ!」と感じた山旅はいつ以来だったかな?
むむぅ~。。
ではでは