【青森】八甲田山 紅葉の帝国! 西日に輝く毛無岱の草紅葉と燃える闘魂登山

【青森】八甲田山 紅葉の帝国! 西日に輝く毛無岱の草紅葉と燃える闘魂登山

まばゆいばかりに輝く黄金の草紅葉。

 

そこに目を細めるおっさん一匹。

直視すると目が火傷してしまいそうだ。

 

もう何も見えない。

特に、近い字がね。

 

老眼かよっ!!

にゃはは。

 

 

 

「おめだの爺(じ)コ婆々(ばば)どしてらば?

俺(オラ)えの爺(じ)コ婆々(ばば)きょね死だね♫」

イエ〜イ、YoYoYo!

 

吉幾三の津軽弁ラップ「TSUGARU」を聴きながら気分アゲアゲでやって来たのは本州最北端の青森県。

 

ちなみにこれが人生初の青森県。

 

青森と言えばそりゃやっぱ吉幾三だけど、りんごやほたてなんかも有名。それとキリストの墓。

ちなみにお釈迦様の墓だってあるし、それになんとあのアントニオ猪木の墓まであるのだ。

 

そうか、納得。

 

この紅葉は「燃える闘魂」を宿しているわけね。

猪木の名勝負「巌流島の決闘」を小学生のころに見て、思い出しただけで胸が熱くなる自分。

この紅葉に猪木の面影を見てしまったのかもしれない。

んなわけなかろーもん(笑)

 

ニコニコレンタカーで激安小型車をゲットし、とにかく縦横無尽に青森を満喫してやるんだ。

 

りんご、のっけ丼、十和田バラ焼き、貝焼き味噌、弘前アップルパイ、黒石つゆやきそば、津軽ラーメンに味噌カレー牛乳ラーメン。

大間のマグロ丼にも惹かれるけど、ボッ班(ボンビー班)は手を出さない。

 

とにかく安く観光できそうなところは目いっぱい調べてきた。

時間制限あり、全力で遊び尽くす。

ボンビーなめんな。

 

メインは八甲田山の登山。岩木山はおまけ。

そんなこと言ってるとはうっかり忘れちゃいそうだな(笑)

 

 

この紅葉やんちゃ過ぎちゃうんかーい。

 

久々に想像を超えてくる絶景。毎年秋になると楽天地方の紅葉には心底驚かされてきたけど、これは期待以上だったよ。

ちなみに楽天イーグルスのマークが「毛」にしか見えないのは自分だけかいな?

 

とにかくこれ見て9時間の夜行バスの旅で壊れかけたおけつの痛みも全て吹っ飛んだ。

 

登り始めから下山まで紅葉まみれになった後は、酸ヶ湯温泉で闘魂を注入。

元気ですかー!!

 

八甲田山と言えば軍隊の雪中行軍による大量遭難死が頭をよぎるけど、実は難所って特に無くて、誰でも安心して楽しめちゃう素敵な山。

 

そしてこの紅葉の美しさ。来たれ、楽天地方。

青森へ、よし行くぞう!だ。

 

初めての青森にはぜったいに出張でなんかで来ないぞ!そう決めていた。

八甲田山は標高1.585mの日本百名山。

 

 

ルートとコースタイム

■2023年10月14日 ※カッコ内は標準コースタイム

酸ヶ湯温泉⇒(80分)⇒仙人岱ヒュッテ⇒(55分)⇒大岳⇒(20分)⇒大岳鞍部避難小屋⇒(55分)⇒毛無岱⇒(60分)⇒酸ヶ湯温泉

コースタイム:4時間30分(休憩含まず)

総距離 9.1キロ、累積標高上り 735m

 

八甲田山大岳登山

高速バスで9時間

安いバスは大宮駅から出ている。

23:00発で青森駅着が8:30なんだからいかに青森が遠いかが分かる。

 

初めて降り立った青森の地。予定通り8:30到着。

人々の足は路線バスが支えているんだろうか、青森駅前のバス停には長蛇の列。

 

青森駅の北側はすぐ海。

ここの車輌止めが本州最北端なんだなぁと思って撮影したけど、もっと北の下北半島にも電車が走ってることを帰ってきてから知った。

 

 

青森駅から新青森駅へは特急陸奥に普通乗車券だけで移動することができる。

新青森駅前のニコニコレンタカーを予約してるんだよね。

 

酸ヶ湯温泉へ移動としょうが味噌おでん

天気が良いから車を借りてすぐ八甲田山へ向けて移動。

でも急いでるようで急いでない。

道すがらにあったお土産屋さんにすかさず立ち寄る。

 

 

青森名物の「しょうか味噌おでん」を食らう。

こんなに盛られてなんと550円。

観光客の足元を見た価格設定にしてるかと思いきや、コンビニより安い。

青森県民、優しい!!

 

 

八甲田山登山者駐車場は酸ヶ湯温泉の少し上にあるよ。

紅葉シーズンは朝の7時には満車になるという人気の山だけど、ラッキーなことにちょうど目の前で1台空いてくれた。

ちょっと寄り道しながら遅く来たのも良かったんだな。

 

トイレの前で身支度を整える。

コースタイムは短いから慌てない慌てない。

 

どひゃー。

駐車場から既に完璧な紅葉を見せる八甲田山に焦る気持ちを抑えられない。

一年で一番良いタイミングで来れたな。

最初は10月アタマで企画したんだけど、虫の知らせってやつで10月中旬にずらしたんだよね。

高速バスの予約が取れなかったからとか野暮なこと口が裂けても言わない。

 

仙人岱ルートで登山開始

八甲田山神社登山口から登る。

歩くルートは定番だけど、仙人岱ルートで大岳に登って、上毛無岱〜下毛無岱〜酸ヶ湯温泉へと戻ってくる反時計回りの周回ルート。

 

木の影で見えないけど、「日本山脈縦走起点」と書かれてある。

ここから山口県秋吉台まで5千キロ踏破だって。

なんかなぁ。九州だって北海道だって日本山脈やろもんって言いたくなる(九州出身)。

 

 

歩き始めてみると、あんまり紅葉してないやーんと思わせといて、

 

見上げればこれ。

すでに緑色を探せないほどの納豆色の世界へ突入し、気付けば体はネバネバだ。

 

とは言え、登山道にはまだ緑に紅葉が少し混ざった程度の樹林帯で、これはこれで自分の大好物。

杉が一本も生えてないなんて素敵過ぎ。

 

いろんな色が混ざった森。

標高を上げながらこうした色合いの変化を楽しみながら歩くのがこの時期の醍醐味。

 

歳を重ねれば重ねるほど、四季の巡りに感動できている気がする。若い頃はそんなところに目が行かなかっただけかもだけど。

歳を取ることにあらがっちゃいないけど、人生の折返しは過ぎてるわけだから、少しでも楽しまなきゃ。

 

まっすぐになだらかに登っていくから奥がぽっかり空いてて、ほんとトンネルの中を歩いてる感覚。

青森の人はいつもこんな清々しい山に登れるなんて羨ましい。

 

清々しいと言った途端にでてくる有毒ガスの注意喚起。

ここも全国にいくつかある活火山の内の一つ。

直近でも火山性ガスが原因で2010年に1人、そのちょっと前にも3人亡くなってるんだね、舐めちゃいかんぜよ。

 

開けて清々しいわ〜と思いきや、これもガスで立ち枯れちゃってるのね。

 

そこを過ぎれば再び紅葉の美しい森が続く。

奥穂高岳みたいな岩稜、阿蘇山や浅間山みたいな火山もそうだけど、そもそも緑が少ない山はあまり好きになれない。

こういう森の中をハイキングできる方がはるかに山歩きの魅力を感じるんだよね。

 

 

ゆっくりだけど標高を上げてきてもう1段紅葉のレベルが上がった。

いよいよ真っ黄色のブナと真っ赤なカエデが混ざって紅葉ワールドも本気モード突入。

 

黄色のカエデ

 

 

真っ赤なカエデ。

これはもうパワハラですな。

 

 

気温は10℃ぐらいかな。

樹林帯だと風も当たらないし、こんな山なら毎週でも同じコースを歩いていいよ。

 

最初はあの見えてるピークに登るもんだと思ってたらあれは小岳。

目指す大岳は左奥に隠れててここからだとまだ見えない。

 

 

遠くに見えるのは南八甲田山の櫛ヶ峰。

平ヶ岳登山の時に頑張って尾根をのぼって、ようやく見えた平ヶ岳の遠さに愕然とした時の絵に少し似ている。

まあ今日は当たり前だけどあんなところまで足を伸ばすつもりは無いので安心して楽しめる。

ちなみに断言するけど、秋の平ヶ岳は確実に期待を裏切らないからぜひ紅葉狙いで訪れてほしい山の一つだよ。

 

足もとの樹林帯は紅葉のバッチワーク。

外苑のイチョウ並木とかの紅葉の名所と違って、山の紅葉はイナゴの大群が襲いかかってくる圧倒感がある。

つか、たとえが悪かったな。

 

紅葉は青空の下で見ないとね。

余は満足じゃ。

 

植生が変化して熊笹が混ざる様になってきた。

 

酸ヶ湯温泉から八甲田大岳までは4.2km。

あっという間に半分まで来てしまったな。

 

最近、メールを読んでて「えっ!」と驚いてつい顔をモニターに近付けてしまうと余計見えなくて、慌てて離れるということがよくあるんだよね。

老眼初心者によくあるらしい。

まあ元々視力が異常に良いから、老眼の進行も早いのかもしれないな。

 

 

ここからは地獄の湯の沢という場所を上っていくんだけど、ここは火山性ガスが噴出しててそれに耐えられる植物のみが生き残れるという修羅の地らしい。

 

そんなガス噴出地帯だというのに、後ろのことを気にかけてくれないご年配グループによって渋滞発生。

そのグループの真後ろには屈強な米兵3人が付いているが、どうやらトゥーシャイボーイらしく声をかけられずにいて、渋滞はどんどん伸びるもんだから後続はふんだんにガスを吸い込んでいく。

 

それからしばらく広いところが度々出てきても、頑なに先を譲ろうとしないから一気に体が冷えた。

米兵は半袖。人種という超えられない壁を感じるな。

 

左側に目指す大岳が見えてきた。

 

老人グループによるブロックをやっと脱し、多くのハイカーが糞詰まりから開放された下痢のごとく流れていく。

 

火山性の地質は水はけが悪いから雨の日が続いたら登山道はぐちゃぐちゃになっちゃうだろうな。

仙人岱ヒュッテ周辺は池塘が点在してるから木道がしっかり整備されている。

 

 

大岳は豪雪地帯の山らしく森林限界で熊笹に覆われた山。

 

そんなことより気になるのがコレ。

なにこの不気味な奴。

さっきまでの快晴はどこぞへ行った?

 

水場に到着。

この日の気温はYAMAPを見てたら山頂は5℃とアップしてた人がいたから、ハイペースで登ってたら薄い長袖でちょうど良いぐらい。

立ち止まるたびに上着を羽織って調整しつつ、喉はあまり乾かないけど飲まないと足がつっちゃうから意識してちびちびやる感じ。

 

ベンチでおにぎり1個食べて、その間に雲がどこかへ吹き飛んでくれるのを待つ。

でも休んでたら例のグループの姿が見えて慌てて出発。

 

ちなみに右へ行けば北八甲田の高田大岳へ行ける。高田大岳と大岳は別物ね。

体力が有り余っている方はいろいろ立ち寄ってみるのもよいと思うけど、自分は欲張るつもりはないのでここは予定通り王道の大岳へ。

 

 

大岳山頂に向けて登っていく。

風を防いでくれていた樹林帯が無くなり、立ち止まるとたちまち寒いからゆっくりだけど歩みは止められない。

 

シラタマノキ。

 

 

足元にはチングルマの紅葉。

 

 

針葉樹林がでてきた。

これはアオモリトドマツというらしい。

 

あそこに見えるのは硫黄岳で、右側は山頂までアオモリトドマツの樹林が続いてるけど、左側の方は残雪が多いため生えないという説明プレートの内容をそのまま転用。

 

 

アオモリトドマツからハイマツに変わった。

さすが東北の山、たかだか1,500mの山なのにこの開放感。

猛烈な風が遮られずに吹きすさぶ。鼻水が止まらないでございます。

 

ハイマツ帯になったお陰で登山口のあった酸ヶ湯温泉の方まで一気に景色が広がった。

写真を撮ってるだけで一瞬で体が冷える。

 

ご覧の通り、またもや山頂は厚い雲に覆われてしまった。

難所のない八甲田山だけあってハイカーは多いんだけど、心なしかみんな足取りは重い。

 

ここは鏡池というところなんだけど、水中植物が多くて鏡と言うには程遠い。

ちなみにここが青森県では最も標高の高い両生類の産卵場とのこと。

 

さあ、もう少しで山頂だ。

風がなんだ。スマイル、スマイルアップだ。

先日、看板が取り外されたジャニーズ事務所の前を通りかかって、報道陣に混ざってどミーハーらしく写真撮った(笑)

 

暴風の大岳山頂からの大絶景

もはや暴風と言っていい山頂。

急いで防寒着に見を包む。

気温が5℃なら体感だと友達以上0℃以下。もう口から適当なことしかでてきません、ごめんあそばせ。

 

防寒着さえ着ちゃえばこっちのもん。

気温が低くて空気が澄んでるから遠くまでよーく見渡せる。

手前の山々は北八甲田山の小岳と高田大岳。

あそこに寄り道しなくてほんと良かった。。

 

 

遠くに薄っすら見えるのは岩木山。

小学生の頃に読んだマンガ「銀牙 流れ星銀」で奥羽山脈という山を知り、東北は熊だらけという先入観が植え付けられた。

あんま間違っちゃいないけど。

八甲田山ではあまり熊のことは聞かないけど、岩木山では頻繁に目撃情報が寄せられてるしね。

 

南八甲田の山々はなだらかな山脈。

池塘が多く、自然保護の観点で北八甲田山ほど登山道の整備がされていないらしい。

きっと熊はあっちにいるんだ。

 

 

こっちの八甲田山はロープウェイで上がってこれるしね。熊も近寄らないんだろうな。

ロープウェイの山頂駅の奥に広がるのが青森市街地と津軽海峡。

 

ロープウェイ駅方面の赤倉岳の方まで縦走すれば大きな火口を見ることができると聞いたけど、ここ大岳からもよーく見えるから縦走はする必要ないね。

なるべく体力に余裕を残したまま楽しく下山したい。気分は100%観光。

 

ゴリラスタンプで顔を隠してるけど、元より顔も体型もゴリラだからスタンプを貼る意味はあまり無い。

 

 

手袋しても指先が冷たくてこれ以上は長居はできない。

なんだかんだ言ってタイミングよく頭上の雲も晴れて思い残すこともないし、八甲田山の最大の見どころ毛無岱へ向けて移動開始。

 

こりゃ防寒テムレスでも良かったなと思いつつ、トレッキングポールを握ってればそのうち指は暖かくなるだろう。

もう冬がすぐそこまで来てることを実感するし、年々秋が短くなってきてる気がする。

 

さらばじゃ。

 

毛無岱へ移動開始

下山途中、風を避けるようにしてハイマツに隠れてお昼を食べる山ガールがいた。雷鳥か?

だいたいそこも風が当たって寒かろ。

 

大岳鞍部避難小屋が近づいてきた。

休むならあそこ。

 

毛無岱方面へ。

 

 

大岳鞍部避難小屋に到着。

東北の避難小屋は豪雪地帯なだけにしっかりした造りのものが多くて、ここに泊まっても良かったなと思わせる。

小屋の中を覗いてみると、昼ごはんを食べてる方々が振り返るのがね、いつも気まずい。

 

 

小屋から大岳の山頂まではこんな近さ。

小屋に泊まって山頂でご来光を見るという遊びも楽しそう。

 

 

小屋の前はベンチがたくさん設置されてて、やはりロープウェイが通ってるし多くのハイカーで賑わうのが伺い知れる。

 

 

毛無岱は「けなしたい」と読む。

その毛無岱は上毛無岱(かみけなしたい)と下毛無岱(しもけなしたい)の2段構えになってて、今回のルートはその両方を通りながら下っていく。

最大の見所は多くの人が紹介している通り、階段を下っていきながら眼下に広がる下毛無岱の草紅葉。

八甲田に来たらそこだけは外せない。

 

 

1人しか通れないほどの狭い熊笹のトレイルから、ちらほらブナが混ざる様になったけど狭いのは変わらない。

登りで歩いた快適なトレイルとはえらい違うなと、枝を避けながらヒーヒー下っていく。

 

振り返ればもうあんなに離れてしまった。

右が大岳ね。

 

今週は雨は降ってないはずなんだけど、こういう水たまりがでてくるところを見ると、雨が降った後は相当悪路になることが分かる。

 

狭さと水たまりを避けながらの歩行に辟易してくるのがここら辺。

でもこの酸ヶ湯温泉まで残り3.8kmの標識を過ぎてから世界が変わるのよん。

 

突然開けた。

みんな立ち止まって写真撮っちゃうよね、こりは。

 

上毛無岱の草紅葉

ここがお目当ての1つ、上毛無岱(かみけなしたい)の草紅葉。

ところで、「岱」って一発で変換されないから書いててめんどくさいんだよね。

 

そこでどうだろう。毛無岱をパイパンと呼んでみるのは。

以下、上毛無岱は上パイパン。

息をのむ絶景だというのにアホなことを言ってほんとごめんなさい。

 

ここに来てとんでもなく晴れた。

猪木の闘魂エネルギーを注入されたかの様な燃える紅葉。青森まで山旅に来た甲斐があった。そう闘魂は自然界へも連鎖するのだ。

 

なんの話かって?

 

何を隠そう下山後は猪木の墓に立ち寄る予定なのだ。

なんと酸ヶ湯温泉にあるらしいからね、立ち寄らない手はないでしょ。

 

 

すでに日は西に傾いてるというのにたまに登ってくるハイカーが何人かいる。

土曜だから避難小屋泊で山の夜を楽しむのかもしれない。良いセンスだ!

 

この異様な静けさがこんなにも心地よい。

さっきまでの強風はどこ吹く風で、完全に無風。

逆風にあらがい挑戦し続けた猪木には悪いが、やっぱり無風が一番だ。ボンバイエ。

 

自分みたいにいつまで経ってもカメラの腕が上がらないど素人は手当たり次第に写真を撮る。

まさにアホみたいに撮りまくる。

これは今日だけで300枚はいってしまうなと、整理するのが大変になるから少し冷静にならねばと思っていたところにちょうど休憩できそうなベンチを発見。

そこで頭を冷やそう。八甲田と猪木の闘魂に完全に飲まれてしまった。

 

こんなだよ。そりゃ何枚も撮っちゃうよね。

なにもかもがきれいだ。

 

カメラは機能より見た目が命。お気に入りのカメラじゃないとそもそも外に連れ出そうって気にならないからね。

そういう意味では撮る気まんまんにさせる山選びというのもとても大事。

 

そんな訳で似た様な写真ばかり、最終的に500枚にのぼりまひた。

 

大岳の山頂直下にあった鏡池よりよっぽどこっちの方が鏡だな。

 

やっぱり東北の紅葉はレベチ。関東や九州とは何もかもが1段上の世界を見せてくれる。

 

日本縦走路の起点の八甲田山から、終点は山口の秋吉台。

秋吉台も広大な草原が広がるわけだけど、カルスト台地で野焼きしてるからね、こことは似て非なるもの。

 

秋吉台や九州の阿蘇や九重なんかもそうだけど、野焼きそのものが何百年と続けてきた文化。

あの景色を見たくてたくさん観光客が押し寄せるし自分もその内の1人なんだけど、決して観光客を集めることを目的に景観を維持してるわけではないんだよね。

 

 

上パイパンの終わりを告げる様に湿地帯から樹林帯へ突入。

 

最大の見せ場下毛無岱

そして樹林が開けたら本日のメインイベント、下パイパンの幕開け。

下で使うのはやっぱアウト。

 

 

これが大本命の景色。

 

縦構図だとより圧縮効果を感じられる。

実際にここを歩いてると視界に入り切らないほど広大な景色がバーンと広がるから、話に聞いてた通り、八甲田山でここだけは外せないポイント。

 

下りてきた階段を振り返る。

時計回りで登ってきたハイカーとすれ違ったけど、このコースは今回の自分と同じく、反時計回りで下パイへ向けて下りるルートが超絶お薦め。

 

周囲の紅葉も豪快に黄色い。

1ヶ月前まで緑色だった森が、何かの神隠しにあったみたいにみんな紅葉してしまった。

自然が当たり前にやってのける七変化ぶりにただただ驚き。

 

知り合いが青森に転勤になった時、その奥さんが

「あの人ぜったいに何かやったんだ、でなきゃ青森に異動になるはずない!」

とまるで島流しにでもあったかの様に言ってたな。

こんな天国みたいなところなのに。

 

 

ただただ、青空が気持ち良い。

あの避難小屋に本でも持ち込んでゆっくりしたいもんだ。

 

 

階段もだいぶ下りてくると樹林が邪魔して下毛無岱が見えにくい。

今日は遅めのスタートが功を奏してゆっくり見れたけど、お昼にここを通過しようとすると激混みであまり立ち止まってもいられないと思う。

 

カエデのギザギザ感が鳥山明の描くキャラの髪型。

 

 

毛無岱って言うけど、実のところかなりふさふさ。

木無岱が正しいんだな。

 

あの真ん中の黒くなってるところを下りてきた。

階段いい仕事するわ。

 

 

下パイからは北八甲田の山々が丸見え。

ちなみに草紅葉って人によってクサコウヨウだったりクサモミジって言ったりするけど、モミジってそもそもカエデのことだから、クサコウヨウが正しいと思うんだよね。

そんなこと毛無岱をパイパンと読む人が気にするか?

 

少し歩くとまた休憩できるスポットがでてきた。

さすがに下山後の温泉にも早く行きたいし、ゆっくり歩く方が気持ち良いし、ここはスルー。

 

 

良い空気を吸っている。

のんびりのんびり。

 

この山のすごいところは展開がほんと目まぐるしくてまったく飽きさせない。

行程が短いと言っても全体で10km近くあるからね、一切ダレさせないというのは凄いよ。

 

さあ見納めだ。

ここから樹林に突入する。

 

最後に大岳をアップで。

こんなに晴れてくれて、最後は風もやんでくれて、感謝しかない。

 

最後まで紅葉の絶景

樹林帯に入ると、途端にクライマックス感のある闇の世界へ。

 

 

たまにブナの紅葉がこんちわ。

もう思う存分堪能したと思ってたけど、まだ欲しがってしまう自分がおりマッスル。

 

 

光の帝国やーん。

目がやられてもう何も見えない。

かつてホークスで強烈な光を放った上林がまだ28歳という若さで戦力外通告を受けたけど、自分のような中年なんていつ会社から戦力外を言い渡されるか分かったもんではない。

今のうちに遊ばなきゃ。

サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ〜

 

 

最後に西日が当たって息を呑む絶景を見せる酸ヶ湯温泉。

これが今日イチの紅葉かも。。

 

猪木の墓

さーて戻ってきた。駐車場も少し空いてきたかな。

 

 

酸ヶ湯温泉のスタッフに

「アントニオ猪木の墓が酸ヶ湯温泉にあると聞いて来たんですけど、どこですかね?」と尋ねると、

「ああ、あれは蔦温泉だよ」。

 

 

え!?

 

 

まさかのここにきて勘違い発覚。

 

蔦温泉なら八甲田山から行ける距離ではあるけど、

なんか、もういっかな。。

 

自分の闘魂なんて、そんな薄っぺらなもんだったよ。

 

しかもここで見納めだと思っていたアイツが見える。

何枚も何枚も撮った大岳が、まさか駐車場からバッチリ見えるなんて。

あんなに名残惜しかったのに。

ふっ。

 

そいじゃ最後にやりますかな。

 

いーち、

 

にー、

 

サンダー!!

 

ゴリけんかよ!

 

マイナー過ぎて誰も分かんないだろうなぁ。

 

 

最後に

青森遠征1日目はこれ以上ない好スタート。

こんなにツキ過ぎててもう怖い。これは間違いない、明日は豪雨確定だ。

もしくはりんごで喉を詰まらせるか、熊に襲われるてうんこ踏んで浅虫温泉で溺れるかもしれない。

もう満足したから岩木山には登らずとっとと帰ってもいいぐらいだよ。

 

それにしても、最初から決めてたけど、頑張って歩かないというマインドをここでもいかんなく発揮できた。普段から頑張らずに歩いてきた努力の成果だ。もう意識せずとも頑張らずに歩ける。

 

もはや北斗神拳無双転生の境地。

 

あちきはもう死んでいる。

 

いやぁ、なんせ高速バスが長すぎて、ずっと座ってただけなんだけどそれなりに体に負担がかかるんだよね。

肩の力を抜けるハイキングはやっぱりいい。秋はこれに限る。

 

この時期の八甲田山に登れてほんとよかった。

アントニオ猪木は墓参りではなく、生前に会っておきたかった。

 

ではでは


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