不忘山めっちゃエエねん。
風呂場で雑巾を洗おうとして、誤ってシャワーを出してしまってびしょ濡れになりました。
まあ、よく聞く話ですね。
でもほんとよくやります。
冬だと心臓止まりますから、マジで。
そんな悲しいことがあってもね、
不忘山めっちゃエエねん。
前編では噂に違わぬハクサンイチゲの群生に魚魚魚!と吠えまくった。
しかし本当にすごいのは不忘山から南屏風岳の区間らしいよ。
ふむ、さすれば南屏風岳とやらへ参ろうではないか。
いざ、出陣じゃー!!
前編はこちらからどうぞ
というわけで後編です。
南屏風岳へ向けて出発
不忘山の山頂から眺める屏風岳へと続く縦走路。
とにかく最大の群生地ガンダーラを求めて南屏風岳までは行ってみたい。
あまり長く休むと動けなくなっちゃうからね、軽く食べたら出発するでゴザル。
山にフラットな縦走路なんてものはない。
不忘山までなら1,000mも登ってないんでね、まだ気持ち的にも体力的にも余裕がある。
さあ、張り切っていくぜベイベー!!
とは言え、こうして縦アングルにするとチビっちゃうほど登るのよね…。
お花畑のガンダーラ
おっとー!ここでハクサンコザクラが参戦だ!
試合開始のゴングが慌てて鳴らされる。
ハクサンイチゲとハクサンコザクラのコラボはあたかも人間山脈アンドレと対峙するアントニオ猪木。
これだよ、見たかったのは。
長く登山をしていると、普通に登ってるだけだとつまらないと思うことがある、正直。
恐るべきことに、不忘の碑から南屏風岳の手前までハクサンイチゲとハクサンコザクラの群生が続く。
今日このタイミングでここに来れたことに感謝しなきゃ。
振り返った不忘山をカメラの露出をぐいっと上げて色鉛筆で描いた様な絵にしてみる。
南屏風岳までもう少し。
ハクサンイチゲが姿を消したら山頂まではもう少し。
ふむ、さすがに疲れた。
実のところ途中で引き返してよかったかもしれない。
今日みたいな登山の場合、山頂を目指す必要はないもんね。
南蔵王コンプリートへの道
明るい設定で写真を撮ることが楽しかったということもあって、なんだかんだ南屏風岳まで来てしまった。
ここまで来ると左前方に巨大な蔵王山が姿を見せる。
さすが百名山という貫禄ではあるけど、この時期は山頂近くまで車で上がれてしまうという観光名所。
ん?ちょっと待てよ(YAMAPとにらめっこ)。
屏風岳まで行けば、水引入道経由で白石スキー場に戻れるじゃーん!
そっかそっか。
だったらわざわざ宮城まで来たんだし、屏風岳まで歩いて南蔵王コンプリートしちゃった方が良くね?
ぜったいにそうすべきだよね!!
そんなアホな考えがよぎってしまったわけです…。
アホではあったけど、この景色がね、判断を誤らせたわけです。
蔵王は雄大だなぁ。
途中で南屏風岳を振り返った1枚だけど、この縦走路はアップダウンが激しくないから気持ちよく歩ける。
屏風岳を登っちまえば南蔵王はコンプリートだ、ガーハッハッハ。
制覇することにどんな意味があんの?とか考えてはいけない。
男のロマン、ハイカーの性、ゴリラの本能、すべてが詰まっている。理屈ではないのだよ。
宮城県最高峰とゴリラ
そんなわけで屏風岳に到着。
標高は1,817m。
実はここ、宮城県の最高峰であることを今ブログを書いてて初めて知りました。
宮城県最高地点から下界を見下ろす。
これが男のロマンだぜ(知らなかったけど)。。
実のところ足がぷるぷるしてる。
これがゴリラの本能。
意識せずとも前かがみが基本姿勢。
そしてこれがアホの性。
無意識に高速コマネチを繰り出すという無双状態。
先日落ち着き払った若い部下から、歳を重ねると性格って変わるんですか?と馬鹿にされました。
右手前のピークが水引入道かな?
ふっ。笑止。
低いわ低いわー。朕が立つこここそが宮城県最高地点なるぞ、がーっはっはっ。
見よ、このやり切った表情を。
宮城県最高地点から遠くを見つめる武人くんのつぶらな目には達成感と哀愁が宿っているではないか。
プラン変更の代償
さあ水引入道を経由してえっちらおっちら帰ろうではないか。
朕は南蔵王の覇者なるぞ。がーはっはっ。
ふえっ!
おいおい、うそだろ。
白石スキー場まで、、
7.8kmもあるじゃん!!!
今さらだけど、勝手にこっちのルートの方が近道だと思い込んでた。。
こんなに歩いてられっか!
長く登山をしてて何度も同じことを思うことがある。
計画は途中で変えるものではない。
第1のプラン、第2のプランといった具合に最初からいくつかプランを持っていれば良いんだけど、今回みたいになりゆき任せはいかんのよ。
そんな初歩的な鉄則を曲げてしまった己の無計画さを呪う。
さて、どうするか。
南屏風岳へ引き返すなり!!
さすがに足は重いけど一度歩いたルートなら勝手も知ってるし、もう一度ハクサンイチゲを楽しめる。
しかし、、マジでこんなに歩いてきたっけ?ってぐらい南屏風岳が遠い。。
タカネザクラ。
ショウジョウバカマ。
まあしかし、水引入道コースが南屏風岳経由のピストンで帰るのとほぼ同じ距離だと分かった以上、どうせならハクサンイチゲを観ながら下山した方が楽しいに決まってる。
そうさ。
間違いじゃないんだ。
登り返しやがな。
頭を抱えちゃうほど疲れた。
なんでいま南屏風岳にいるんだろ。
はたして正しい判断だったのだろうか。。
はるかな蔵王山。
蔵王山へと続く道路「蔵王ハイライン」の最高地点は1,750m。
この南屏風岳は1,810m。
かろうじてこっちの方が高い程度なのかと思うと、こんなに苦労して登る意味ってあるのか?
ますます頭を抱える。
まあなんにしても、南蔵王を満喫してるぜ(強がり)。
ミツバオウレン。
ああああぁぁぁ。
下り基調とは言え、不忘山へと続くこのアップダウンが恨めしい。
チングルマ見っけ。
あの小ピークを越えていくのか。
考えただけでオラわくわくすっぞ!(爆死)
そんな小ピークも泣きながらクリアして振り返ったところ。
ずいぶん下ってきた。
つまり、これから不忘山に向けて登るということ。
再びお花畑
そして始まるハクサンイチゲ祭り。
これを見たくてピストンしたわけだからね、全力で楽しまなきゃ。
西日の方が花も生き生きしてるように見える。
東京から弾丸でやって来たということもあって、歩き始めたのは10:20。
そして不忘山の手前ですでに時刻は15時を回っている。
ハクサンイチゲの白い花びらは、実際には花びらではなくガクなんだそうです。
花びらどこ行った?
屏風岳よ、さらば。
ほんとどうでもいい話をぶっこみますが、
モイネロが日本人になりました!おめでとー!
正確には国内FA権を取得したわけだけど、育成から這い上がってホークス一筋9年、とうとう日本人選手扱いになったということデス。
すさまじい貢献度だよ。ありがとう!
ちなみについ最近モイネロのハンカチを買ったばかりだったので、このニュースは超うれしかったな。
末永くホークスにいてください。
巨人に移籍したら許さんよ。
モイネロはさておき、とうとう始まりました。
不忘山への最後の登り。
すかさず現実逃避。
今日のカメラX100Vの素晴らしいところは、コンデジだからこうして花の下にもぐりこませて、スマホみたいに撮影することだってできちゃうところ。
最短距離が10cmと驚異的に短いっていうのも利点。
これがレンズ交換式のカメラだとまず不可能だもんね。
マジでこのカメラだけで他はいらないかもです。
ファインダー越しに素晴らしい世界が広がる。
心なしかハクサンコザクラもいつも以上に可愛らしく撮れちゃうのだ。
自分が影になって失敗するという凡ミスも炸裂。
つか、疲れて気が回らなくなってきた。
青い空に向かってぐんぐん伸びろー。
ハクサンコザクラみたいな小さな花でさえ下からのアングルで狙えるという奇跡。
何年も花を撮り続けてるからこそ分かるけど画期的なことだよ、ほんと。
そして現実に戻ろう。
モイネロよ、俺は疲れ切ったぜ。。
やっと戻ってきた不忘山。
そして誠に恐ろしいことだが、白石スキー場の駐車場は17時に閉鎖するという情け容赦ない情報を知ってかなり焦っている。
休んでいる暇なんぞないのだ。
歩け。
歩き続けなきゃ。
迫るタイムリミット
ああ、
下界のなんて遠いこと。。
駐車場の標高は800m。不忘山は1705mだからね、単純標高差900mってとこ。
そして今は15:15。
あと5キロあるとしても、まあ一度歩いたルートだし1時間もあれば帰れるだろう。
とりあえず一安心。
ハクサンイチゲもこれが見納め。
またどこか違う山でお会いしましょう。
あれだけハイカーで賑わっていた不忘の碑も人っ子一人いない。
時間は間に合うから、怪我しないことだけ最優先にしなきゃ。
16:18 白石女子校小屋跡まで来た。
女子校が山小屋を所有していたことに驚くけど、山岳部とは限らないもんね。スキー部かもしれないし。
あとはスキー場を抜けて眼下に見えるレストハウスへ向かうだけ。
まだ30分以上余裕があるから、樹林帯で抜いたご夫婦もきっと大丈夫だろう。
はい、無事下山完了。
なんにしても途中で飲み物を切らしたのが辛かった。
途中に水場のない山に登るなら2リットルは必要だなと痛感したよ。
振り返って
都内を朝の5時に出発して、10:18から登山することができたからね、日帰り圏内の幅が広がったな😂
ちなみに、駐車場は17時を過ぎてしまうとどうなるのか。チェーンで入出場できないようになるのか、そこまでは調べられませんでした。
でも気をつけましょう。
もしここで締め出されたら周囲になにもありませんので。
先日テレビで見たんだけど、昔ながらの中山道を歩くことが外国人観光客に人気なんだそうだよ。
区間は岐阜県の馬籠宿から長野県の妻籠宿までの約9キロ。
そこを「サムライロード」と呼んでいるらしい。
日本人でさえ知らないのに、外国人観光客はどこからそんな情報を知り得るのか、謎です。
そんな外国人観光客の中から77歳のお婆ちゃんにインタビューすると、先を急ぐ他の観光客に対して、
「彼らは何も見ていない、ただ目的地に着くために歩いてるだけ。ゆっくり歩いてもっといろいろなことを感じないといけない」。
んだんだ。
今日は下山中ひたすら必死で途中からなんも感じなかったもんね。
屏風岳まで縦走して周りを見る余裕も無いほど疲れ切ったもんね。
でも、それでも不忘山エエねん。
ではでは