佐賀県の天山(てんざん)に登ってきました。今回は家族登山です。
標高は1,046m。山頂は東西4kmにわたって草原が広がる平頂峰で、わずか1,000mほどの標高にもかかわらず、森林限界を超えた時の様な爽快感を味わえる山で、九州百名山に選定されてます。
九州では珍しくスキー場があることでも有名な山です。
登山ルートは天川ルート、上宮ルート、そして今回利用した七曲峠ルートの3ルートあり、恐らく一番利用者が多いのは上宮ルートだと思いますが、そのコースタイムはわずか35分。
天川ルートだとたったの20分でどちらも山登りと言うには短すぎるため、今回はコースタイム1時間40分の七曲峠ルートをチョイス。
それでも他の山に比べれば短めですね。
こんな感じで散歩感覚の超入門ルートから一般的な初級レベルのルートを選択できるため、山頂は老若男女、多くの登山客で賑わってました。
山頂には南北朝時代の武将、阿蘇惟直(あそこれなお)のお墓があります。倒幕を掲げて足利尊氏と戦ったものの敗戦し、天山の麓の佐賀県小城市で自害した武将です。
そんな南北朝時代の風に吹かれつつ、のんびり開放感あふれる爽快なトレッキングを楽しんできました。
いざっ。
■アクセス方法
・福岡市方面からは、古湯温泉から県道37号線で天山方面へ。途中で左折し県道290号線で小城方面へ行くこと約20分で七曲峠に着きます。県道290号線に入ってからは道幅の狭い箇所がありますが、離合箇所がいくつか用意されているため、徐行しながら進んでください。
■ルート
※最初の500mほど記録が録れてません。
■スケジュール 2016年5月1日
10:00 七曲峠登山口 ⇒ 11:24 残り1.1kmの標識 ⇒ 11:45 山頂 ~お昼~ ⇒ 12:50 下山開始 ⇒ 14:40 登山口 ⇒ 15:10 古湯温泉ONCRI(オンクリ)
ネットで七曲峠へのアクセス方法を散々調べましたが、小城市側からの行き方しか見つけられなかったので、福岡市側からだと道幅が極端に狭かったり、交通規制があるんじゃないかと心配になりましたが、カーナビ通りに三瀬→古湯温泉→七曲峠に進んで無事、着けました。
県道290号線に入ってからところどころ道幅の狭い箇所もありましたが、離合できるポイントも用意されてるため徐行しながら進めば問題なしです。
駐車場は10台ほどしか停められず、ほとんどの車が路肩に駐車してました。
今日は久しぶりの家族登山です。
野郎ども、行くぜ!
最高の笑顔で走り回るこの子たちと登山を楽しめるのも今のうちでしょう。
つか、最近の風当たりはかなりきつく、山登り行かない?と誘おうものなら
「ヤダ!山には行きたくない!ぜっったいに山にだけは行きたくない!!」と激しく抵抗されます。
ここに連れてくるだけでもどれだけ大変だったか・・。来たら来たでこうやって楽しめるのになぁ。
ゲームにはかないませんわ。
天山登山口です。
この山のことを調べてるとよく目にする「草原が広がる山頂」というのがどんなものか、前からずっと気になってましたが、今回やっと念願が叶いました。期待が膨らみます。
ちなみに天山と聞いて、
勘違いなさってる方がいらっしゃいますが、
こちらは天龍ですね。
天山はこちらです ↓
本来、こっちでもないのですが、平頂峰な髪型は同じ。
失礼しました。
話を戻します。
登り始めは元気いっぱい。というか、彼らは写真に映りたくないという理由で急いで逃げていきます。
あとあとバテるから走るなと言っても逃げていく。
たまに字が消えた古い標識を見かけますが、背振山地の山々ではそういった標識は見かけませんね。
ここの案内標識も新しくて見やすかったです。いつもメンテナンスしてくれてる方に感謝です。
春らしく、登り初めから花がいたるところに咲いてます。
本日は乙女っぽく花のレポートを織り交ぜていこうと思います。ごっつぁんです。
こちらはアオイスミレ。
調べるのに2時間かかりましたが、まだ序盤戦(汗)
サナギイチゴの花。
調査にかかった時間、約2時間(疲労困憊)
元々、花に関する知識は皆無です。しかも白い花なんて腐るほどあるから調べるのほんと大変だった。。
背振山地には野いちごが多いっていう印象があったのと、葉の形が苺っぽいなというところから当たりを付けて調べてみたら、見つかった次第です。
4月、5月の低山の楽しみはこれですよ、新緑のトンネル。
一年前、ちょうどこの時期に登った普賢岳の新緑が気持ちよくて、この時期の低山登山が好きになりました。
若葉の黄緑はこの時期にしか見られないですからね。
天山はなだらかな上り坂が続くから、緑を楽しみながら歩けます。
天気にも恵まれ、このゴールデンウィークで一番の快晴日に当たった。
若葉からこぼれ落ちてくる日差しがたまりませんな。
これは調べるまでもなく、スミレですね。
過労のため何スミレかは調査放棄しますだ。
ホウチャクソウ(宝鐸草)。
調査時間、30分。もう限界。
標高の低いところのミツバツツジは既に枯れてますが、標高を上げていくとまだまだ元気に咲いてました。
この九州自然歩道は、総距離2,936キロにもわたって九州7県をぐるっと一周する自然歩道です。
少なくとも自分がこれまで歩いてきた中で難しいトレイルはなく、家族登山向きの安全な山歩きができます。
登山口から山頂までは約3.6キロなので、ここまで約1キロほど歩いたことになりますから、2,936分の1ということか。
ちなみに九州自然歩道の北の起点は北九州の皿倉山で、南の起点は佐多岬なんだそうです。
皿倉山はロープウェイもあるから次、子供と登るにはちょうど良いかもしれない。
徐々に景色が開けていき、ミツバツツジも満開になっていく。
樹林帯を抜け、熊笹の草原が広がる道にでる。
ここから先は開放的な反面、日陰が少なく強い日差しにさらされるので要注意です。
山藤です。
藤の花も下界のものと山のものとでは全然違うんですね〜。
これはもう調査ギブアップ。
花の写真ばっか撮りすぎだな、と軽く後悔。
景色がどんどん開けていく。
この先に見えるのはニセピークですが、あそこを超えると平頂峰ならではっていう景色が広がります。
先ほどの小ピークを超えると、
山頂まで残り1.1キロ。
さって、ここからがこの山の真骨頂。
噂どおりの爽快な山歩きの幕開けってやつです。
先を歩いていた母親と長男を見つけ、「おにいちゃーーん」と呼びながら走り出す次男坊。
ゲームがないとほんと兄弟で仲良くできるんですけどね。。
なんだこれは、佐賀労山 頂上、とな。
ここだけ小高い丘ってわけでもないし、意味不明な標識がありました。。
ヤブヘビイチゴの花。
ヘビイチゴの花は黄色いとのことです。
先に書いたサナギイチゴの花を調べてたらたまたま見つけた賜物。
山頂を遠くに確認できました。
あそこまずっと続くすこぶる爽快なトレイル。
全体像を映すとこんな感じ。
山頂までなだらかで平らなトレイルが続きます。さすがにここまで広大な山頂は経験した事ないな。
まだ登ったことないけど、きっと苗場山はこんな感じの山頂で湿地帯が広がってるんだろうなぁと思う。
山頂が近づいてきた。
ミヤマキリシマのツボミ。
ミツバツツジに比べて開花は5月下旬〜6月と遅いため、この時は一輪も咲いてませんでした。
長男が一足先に山頂に到達。
続いて自分も、
フゥー、疲れたー
感無量っす。
阿蘇惟直のお墓が山頂標識代わりってのが味がありますね。
山頂はゴザを敷いて昼寝してる家族連れだったり、男女10名ほどの団体が簡易テントでくつろいでたり、なんともまあのんびりした空気が流れてます。
春霞で遠くの山はよく見えませんが、それでも十分景色を堪能できます。
お昼は我が家の定番になりつつあるチーズカレーヌードルと、ネスカフェゴールドブレンド。
いっぺんに四人分のお湯を作れないから子供たちの分から先に作ってあげます。
食べ終わるやいなや、向かい側に見える天山スキー場に触発され、お尻の敷物の上に乗って草スキーを始める次男坊。
10センチとして前に進んでなかったけど、面白いことを思いつくもんだわ。
上宮ルート(コースタイム35分)から来たであろう子供達と白い犬。
下界の公園と変わらぬ風景ですな。
ここで天孫降臨。
給料上げたまえー、ボーナス増やしたまえー
そりは無理じゃ。
ほいじゃ下山するでちゅー
神に春闘を挑みましたがあえなく却下され、今年も財布に厳しい年になりそうな予感を引きずりつつ下山します。
登ってきたルートをピストンで引き返します。
下山は自分と長男のペアです。
下山が苦手の長男と手をつないでゆっくり、集中が切れない様に声を掛けながら歩いてきたので疲れます。
途中、人なつっこい登山犬と軽くたわむれ癒されましたな。
金山ではずいぶん下りが上手くなったな〜と思ったんだけど、それから時間が空いてしまったからまた元に戻った感じ。
もともとこうなるのは予想できたから、時間に余裕を持ってスケジュール組んでたので大丈夫です。
蛇が慌てて逃げていきます。
毒を持つ蛇は自分からは逃げないと聞きますが本当でしょうか?
このそそくさと逃げていく写真の蛇はジムグリでした。日本固有種で毒はなく、よく地中にもぐることから「地もぐり」に由来します。
下山しました。長男もよく頑張りました〜。
ここの駐車場は電波が悪く、先に下山した妻と次男とLINEで連絡が取り合えませんでした。
どこにもおらんなーと、駐車場に行ってみると車の影で暑さでへたり込んでおりましたな。
さて、ご褒美の温泉です。
ぬる湯と聞いて敬遠してた古湯温泉に初入湯です。
ここONCRIは入浴料1,200円と高めですが、地震の影響でゴールデンウイークの宮崎遠征をキャンセルしたし、ここはケチりません。
外観で分かる通り、中は清潔だし立派。
休憩室が狭くて休めなかったのが残念でしたけど。。
湯は話に聞いてた通りぬるま湯で、38度ぐらいでした。子供と長く入るにはちょうど良かったかも。
振り返って
子供達にとって前回の金山登山が距離も長く大変な山行となったため、その反省を生かして前から気になっていた立花山と天山のどちらかにしようと考えてました。
決め手になったのは温泉です。
立花山近辺だとめぼしい立ち寄り温泉がなかったため、古湯温泉とのセットで今回の天山を企画しました。
天山の名の由来を調べてみましたが、神話に出てきそうな逸話しか見つからず、いまいち分かりませんでした。
ちなみに、先ほどから登場してるプロレスラーの天山のニックネームは「猛牛」ですが、IWGPヘビー級王座と同時に気の毒な夫王座にも輝くほど奥さんが恐妻なことで有名です。
今では嘆きのバッファローと呼ばれてるみたいです。
がんばれ、天山。
ではでは