白毛門 雪山登山 厳冬期にドライブイン!迫りくる谷川岳東壁と山好きどもが夢の跡

白毛門 雪山登山 厳冬期にドライブイン!迫りくる谷川岳東壁と山好きどもが夢の跡

ジャイアンにやられたのび太の助けを呼ぶ声が聞こえる。

 

 

ホリエもーん!!

 

あ、違った。

 

河相我もーん!!

 

いや今さら河相我聞て…。

 

しらがもーーん!!

という訳で、2月初旬にしらげとしか読めない白毛門に登ってきた。

 

なんといっても山頂からは谷川連峰の圧倒的な眺め!それと新潟〜尾瀬方面まで360度見渡す限り山、山、山の大絶景。

こんなに良い山なのに谷川岳の様にロープウェイで楽できないから登山者で渋滞することもないしサイコー!!

大きく育った雪庇あり、雪崩の危険箇所あり、もふもふの雪に体力を奪われる、これが雪山スタンダード。

全集中でクライムオンだ!

 

そして頑張れば谷川岳のこの眺め!

これまで何度も谷川岳から白毛門の姿は見てきたけど逆から見るのは初めて。

うーん、パーフェクト!!

こうやって谷川岳の東壁を眺めてると、如何に谷川岳が名峰かっていうのがよく分かるね。そりゃみんな天神平から大行列で目指すだけのことあるわ。

 

2021年の上信越は何度も寒波が到来し、例年以上に雪が豊富。それでいてこの日は2月初旬にしては珍しく風が弱いという奇跡のようなコンディション。

今シーズン一発目の本格的な雪山登山にしては上出来過ぎる山行になったよ。

すっかり見慣れた雪景色だけど、久々に感動する登山になったのは、まさに出来杉君。

 

白毛門は群馬県みなかみ町の山。標高は1,720mでぐんま百名山。

谷川馬蹄形を反時計回りする場合、最初の難関となるのがこの山。

さって、登るばいっ

 

ルートとコースタイム

■2021年2月6日

土合駅⇒(10分)⇒登山口⇒(140分)⇒松ノ木沢ノ頭⇒(50分)⇒白毛門山頂⇒(40分)⇒松ノ木沢ノ頭⇒(125分)⇒登山口⇒(10分)⇒土合駅

合計コータイム:6時間15分

総距離 7.2km
累積標高上り 1,135m

白毛門登山 本編

谷川岳ドライブインからスターティン

渋滞で到着が遅れちまったじぇ…。既に時間は9:50。

この日は群馬県の天気予報だけやたら良かったから混雑は予想してたものの、土合駅の駐車場は既に満車。

仕方ないから土合駅の隣にある谷川岳ドライブインに停めさせていただく。駐車料金は500円ね。

お店の人がいなかったら、下山後に車の番号を伝えて料金を支払いましょう。

 

ちなみに、お店の正面玄関前はお客さん様に空けといて、こういう端っこで且つ屋根から雪が落ちてこなそうな所に停めてねーとのご指示に従う。

ここに停めさせてもらえなかったら予定を変更して他の山に登ることを再検討する羽目になってたから、ほんとありがたいこっちゃ。帰りに生どらぐらい買って帰ろっと。

ちなみにチーズ味が最高に美味かったと言い残しておこう。

 

さあ、これから目指す白毛門が見えるよ。

こうやって眺めてると、案外簡単に登れそうじゃねー、楽勝じゃねー、ヘソで茶ぁ沸かせんじゃねー、と完全になめた態度をとるあちき。

すぐ調子に乗って痛い目にあうのは毎度のパティーンなのだが、性懲りもなく

「今日はあそこの頂きをいただきまーす」

と世界一軽い勝利宣言をかましすっかりパリピノリ。ルンルンだぜ。

 

そして土合駅の前を歩いて通過。路肩までびっしり路駐されてる。

ここに止められた人は前泊でもしたんだろうかねー。

路面はガチガチに凍結してるし、奥まで行って駐車できずにUターンして出てこようとする車とこれから侵入しようとする車が離合できずに行き詰まったりするから、さっさと見切りをつけて谷川岳ドライブインに停めさせてもらって正解だったな。

 

登山口はまだ先。毎回谷川岳に来るたびにこれって何?と不思議に思ってる人も多いと思う渡り廊下の下をくぐる。実はこれ、土合駅の下りホームへの渡り廊下。車でしかアクセスしたことが無い人は知らないよね。

道路脇には除雪された雪が壁となって、路肩を歩く時はちょっと怖い。

 

土合駅から伸びるJR上越線の線路。

単線だけど地上を走ってるのは上り線だけで、下り線はさっきの渡り廊下を歩いて地下深くに潜ったところを走ってるという一風変わった作りになっている。

一度は電車でアクセスすべき駅だよ。

 

このMAXロッジというラフティングやスノーシューツアーなんかを手掛けるツアー会社が、白毛門への取り付きポイント。

ここから始まる贅沢な時間。雪を乗り越え白毛門へ、いざ出陣でござるでござる。

踏み跡はしっかり付いてるから、普段から血迷っている自分でも迷うことは無かった。まあ、あれだけ車が駐車されてたし、今日はたくさん登山者が入ってるよね。

 

白毛門登山やっと開始

モノレールの線路の様に伸びるトレース。

「次は~羽田空港第1ターミナル〜」。と羽田空港行きのモノレール車内で日本語のアナウンスが流れると、その次に韓国語で「ハネダコカン、なんとかかんとかソムニダ」と続くんだけど、それを聞く度に空港って韓国語でコカンなのね、ぷぷっとワロとる。

いつも思ってたことがこの場を借りて吐き出せてそれだけで満足だぜー。

 

という訳で話は戻す。

この先にテントを発見。雪上テントを楽しむつもりなのか、もしくは前夜入りしてここでテント泊し、朝一で登ったか。たぶん後者なんだろうな。

 

最初に出てくる難関がこの一本橋。

ちゃちゃっと渡って余裕でクリアできたけど、帰りで悲惨なシーンを目撃することになる…

 

落ちたらそこはキンキンに冷えた川が口を開けてるし、一度落ちたら川から這い上がるのを拒むように雪の壁が立ちはだかる。

実に恐ろしいところだ。こんなところに落とし物なんてしたらやり切れないよね。。

 

危険な橋を渡り終えたらいきなり急登のゴングが鳴らされる。

山頂までひたすらしんどい登りが続く、こりが白毛門名物なのよ、こりが。

分かっていたことだが、楽勝宣言した元気はここまでのアクセスで既に完全に沈下し、もう泣き崩れそうだ。

 

泣き続けること30分。左手に谷川岳の展望が開けてきた。

さあ、泣くのはやめるんだ。まだ樹林帯の中とは言え、ここからはずっとこの絶景を楽しめちゃうんだから。

ちなみに手前の尾根が西黒尾根。今日も本当は直前まで西黒尾根を歩くか白毛門にするかで悩んでた。西黒尾根は何年か前に、猛吹雪の中を無謀にもチャレンジしてあえなく撤退した(あ~れぇ~)苦い記憶があったから、今日みたいな絶好のコンディションの日にもう一度狙ってみたい気持ちがあったんだよね。

ちなみに、白毛門より西黒尾根の方が標高差は200mほど高くて体力は求められるけど、疲れたら下山ではロープウェイを使ってちゃちゃっと下りられちゃうというリスク回避もできるから、なかなかどっちにしようか迷っちゃうところだ。

でも結果的には白毛門でほんと良かったんだけどね。

 

ツボ足でも行けるだろうけど、たまに踏み抜くとそこから抜け出すのにめっちゃ体力使うからね~と、ごそごそと小汚い四次元ザックから高々と取り出したのは、雪山必須アイテムの1つ、

わかーん ぱんぱかぱーん

ドラえもんであればMSRやタブスの高級スノーシューだって簡単に用意してくれるんだろうが、そこは近所に数件あるスーパーの半額シールが貼られる時間帯をくまなく網羅している自分にとっては到底手の届かない高嶺の七つ道具であることは言うまでもない。

 

「へっ、わかんの方が軽くて機動性に優れてるもんね」

 

とはこれまで何万回も言ってきているが、それは強がりでしかないことをこの男はよく知っている。

違いの分かる男。それがあちき。

 

1つ上の写真となんら変わらない登りの写真を掲載するけど、それだけ急登が続くってことを言いたい。

とにかくこの尾根道を我慢して登る時間が長いんじゃ。。

しかし、

この地味な一歩一歩の積み重ねしか山頂に近づく術は無いのよと、そう信じて歩くしかない。

 

ふぅー、しびれるぜー。

見える角度も徐々に変化してきたし、日が差す角度も刻一刻と変わってる。

こっちから見える谷川岳は東壁なので、午後になると逆光になってしまうことを意識しよう。

 

樹林帯を透かして見える右側の景色には、白毛門から伸びる別の尾根が見える。あの尾根を辿っていけばどこに行けるんだろう?と地図を想像してみたが、

うーん、さっぱり分からん。

雪のシーズンは道なき道を歩けちゃうからね、もうどこまでも行っちゃうネジがぶっ飛んだ人もいるんだろうな。

あたしゃ登山はレジャーでありスポーツの要素を含む遊びだと思ってるから、そんな修行になる登山はごめんだけどね。

 

最高の天気。デジカメのフィルムシミュレーションをベルビアに設定した空の青が濃い。

 

今更だけどワカンを左右逆に付けてしまったことに気付いた。

相変わらずどこか抜けてるのは仕様じゃい!

反対の足で踏まないように紐は折りたたんでおけばそれでOK!

 

そしてくどいけど、まだまだ続く尾根道。

雪山の残念なところは雪景色以外に見せ場が少ないところかな。おかげで似たような写真ばかりになってしまう。

個人的には登山適期はやはり紅葉シーズンだと思ってる。花のシーズンは目当ての花の開花時期を逃したとしても、山に行けば何かしら咲いてるから当てずっぽうでもなんとかなるもんね。でも紅葉は標高によって色付きのピークが異なるし、その年によって当たり外れもあるから超難しい。

毎年、今回は大当たりだったぜー!外したーくそー!の繰り返し。

今年の紅葉シーズンはどうなることやら。とはちと気が早い。

 

正面にピークが2つ見えるけど、左に見えるのが白毛門の前衛の松ノ木沢ノ頭。

そして右に見えるピークが白毛門の本ピーク。

 

雪面が木々の影を綺麗に映す。

 

ルート取りは、左に寄りすぎるとツリーホールに落ちるリスクがあるし、枝がザックに引っかかったりするのは、関西女子が「なあ、ウチっていちご好きやんか」とか「あたしってインスタしてるやんか〜」とか、思わず「知らんわ!」と突っ込みたくなるぐらい引っかかりがあるから要注意だ。

でもなぁ、うちって右に寄り過ぎると雪庇が崩れるやんか〜、はリアルに気をつけないといけない事案だ。

結局先行者がつけてくれた絶妙な位置取りのトレースに従って歩くのが正解。

そんな訳でうち楽させてもらうわー。

 

こんなに大きく育った雪庇だから、そう簡単には崩れないとは思うけどね。

雪庇と言えば、今シーズンこそは大雪庇で有名な守門岳に登れたらいいなーと密かに期待してる。これも天気次第だけどね。

 

右手側に見える稜線の高さと同じぐらいまで上がってきて、やっとこさ上州武尊山の頭が見えてきた。

着々と標高を稼ぐ作業をしてきたご褒美がこれよ。

「なんだ、こんなもんかよ。割りに合わないぜ」なんて思うなかれ。

この先、もっとすごい景色が待っている。

 

ブナ林の密集率も低くなってきて、ルートは雪庇沿いではなく樹林帯の真ん中へシフト。

踏み跡を外せばワカンつけてても膝下まで簡単に抜けるもふもふの雪。2月アタマの谷川連峰の雪質の良さったらない。

写真が全体的に暗く見えるのは、サングラスをかけて写真を撮ってるから露出の調整具合が全然分からず、当てずっぽうに撮ってしまったから。雪山での撮影の難しさってこういうところだよね。

無料で使えるGIMPっていう画像編集ソフトを使って明るくしてみたけど、それでもまだ暗い。そもそも画像編集がめんどいから全部JPEG撮って出しでOKな富士のデジカメにしてるけど、カンカン照りの雪山ではなかなかそうもいかない。

 

暑くて暑くて、ハードシェルは早々に脱いで長袖のベースレイヤー一枚になって登る。

下半身は大失敗で、厚手のタイツを履いてきてしまい、今更脱げず既に下半身だけすっかりびちょ男だ。

 

振り返ってみれば、結構登ったなーと言うべきか、まだまだだなと言うべきか。微妙な標高。

空気が澄んでるから遠くまでよーく見渡せる。

それが大して登ってないように見えるだけなのかもしれない。

 

それを裏付ける様に森林限界に近づいてきた。

ブナ達が生存競争で敗れるのがこの辺って言うのがね、まだ標高1,500mぐらいなのに流石、豪雪地帯だ。

 

左に見える谷川岳ロープウェイ山頂駅の天神平とやっと肩を並べる高さに到達。

西黒尾根を登ってる時も山頂駅の位置は常に意識しながら登るけど、白毛門でも同じだったか…。

 

山頂駅から谷川岳山頂にかけて伸びる天神尾根。こうやって見ると改めて登りやすい斜度の尾根だな。

そして手前の雪の傾斜。今しこたま苦しまされている斜度がこれよ。容赦ない急登の連続に登山前の意気込みなんて、ぜんぶ忘れた。

もう疲れたし、腹減った。

 

しかし、さすがに目の前を歩くテント泊装備の方々より先にバテる訳にはいかない。大して体力もないけど意地だけは張らせてもらいまっせ!

全集中!

 

おいおい、嘘だろ。引き離されてないか?

 

あかん…。もうだめ。あと少しで松ノ木沢ノ頭だからちょっと休もう。

 

テント泊装備の方々をえいやー!と意地で抜いたのはいいけど、雪がパウパウのふわふわで、ズボズボになりながら抜いたから激しく後悔した。

という訳で、ここて休憩とする!

 

うーん、素晴らしい眺めだ!

ここ松ノ木沢ノ頭まで来ちゃえば、残すは白毛門の本ピークのみ。

もう手が届く距離まで近づいたっていう達成感もひとしおだぜー。

 

先行者もかなりゆっくり歩いてるのが遠目にも分かる。あなた達も相当バテてるね。

 

登り始めから圧倒的な景観を見せてくれる谷川岳はここでも健在。

真ん中の谷は有名な一ノ倉沢。800人近いクライマーがあそこで亡くなっているという魔の岩稜。その一ノ倉沢の衝立岩が黒くてここからでも目立つ。

そして左の谷がマチガ沢。マチガ沢は厳剛新道から登ると間近に見られるので、西黒尾根に飽きたという方は是非どーぞ。

右の谷は幽ノ沢かな。

 

写真撮影もそこそこに、腹減り過ぎてこれ以上我慢してたらシャリバテしてしまう!

っつー訳で、おにぎりとチョコレートワッフルをいただく。

行動食代わりにしては食べ過ぎな気もするが、雪山は荷物が重いし、夏山に比べて一歩一歩をハンコを押すように歩く分、自分が思ってる以上に体力を使うからとにかく食うことが大事。

「食うこと大好きー!」とか、「山だと罪悪感なしで食えるー」とか言いながら、マジで食べ過ぎた・・。

 

最後の急登を前に食べ過ぎた

なんと贅沢な光景。

今ここには本物の山好きしかいないぜ!

 

ピーク付近に見える黒い塊は剥き出しの岩で、あそこを左から巻いて奥にあるピークを目指す。

 

白と青の世界。

前に見えるのは雪しかないシンプルな景色と風の音だけが聞こえる。岩の大きさがどんなもんなのかも分からない、そんな超シンプルな世界だから目指すピークが近いのか遠いのかなんてさっぱり分からない。

そんな感覚が久しぶりで、「ああ、これこれ。この感覚たまらなく辛かったんだ!き・・嫌い!!」とブツブツつぶやきながら、ここでペース上がらないことを意識しなきゃなと思い出した。

 

武尊山と同じぐらいかな。青空に吸い込まれそうだ。

 

谷底にも吸い込まれそうだ。やばいやばい。

この谷底を覗き込んでると、先程食べたチョコレートワッフルが喉まで逆流してきて危うくぶちまけそうになった。

やべぇやべぇ。やはり食べ過ぎた様だ。

しかし涙目になったおかげで景色に感極まるおっさんみたいになって絵になる。

 

よし!ようやく山頂だ!と思ったけど、ピークはその更に奥にあるという、山頂はお預けよのシゴキにすっかり脱糞状態。

 

ここまで登ってきた道のりを振り返れば、息も上がって足元フラフラなくせして今日の恵まれた日を満喫してる山好きどもが上がってくるぜ!

至福の時間だ。

 

左からぐるっと巻いて森林限界ぎりぎりで細々と暮らすブナの間を縫っていく。

 

さあ本当の本当に最後の登り。あそこが白毛モーーン!のピークだ!

雲一つない青空が眩しい!

画面には映ってないけど、左には雪洞を掘って山の夜を楽しもうと準備してる山男がいたりして、フリースタイルな遊び心で満たされている。最高だ!

 

もう1度振り返ればいつの間にやらすっかり標高を上げてきたことを実感させてくれる絶景が広がる。

諦めずに歩みを続けてきた者だけが見る事のできる大パノラマ。

雪山を始めるべきか悩んでる登山者には決して強制なんてしないけどね、こんな景色を見ずに山登りしてるなんて勿体無さ過ぎるとだけ言わせてもらうっ!

 

最後のレッドカーペットは時間をかけて楽しむぜ。

 

 

山頂まで残り30m。

いい加減時間かけ過ぎ!ってぐらいゆっくり余韻に浸りながら山頂へ。

 

まあしかし、

とにかく日差しが強過ぎて、カメラの露出設定がめちゃくちゃ。サングラスは外せないし、下手すぎな写真ばかりで残念でならない…。

 

山頂からの大パノラマと寺川綾

つー訳で、山頂に到着。これが山頂の標柱なのか?

 

 

山座同定。これが無かったらどれがどれだか全然分からなかったな。修行不足を痛感した!

 

さっき松ノ木沢ノ頭で食べ過ぎたばかりだと言うのにここでも食うのか!

しかもまさかのワッフルおかわり。

 

そして白毛門から先は左が笠ヶ岳、右が朝日岳。ホイップクリームの様にもこもこ真っ白なピーク。

今年はどんだけ積もったんだ。

 

遅れてきたテント泊装備の方々。なんと朝日岳まで行ってテント泊するみたい。

自分には真似できない!

 

さ~って、景色の満喫タイムに突入だ。このご褒美を心ゆくまで記憶に刻む。豪華すぎる景色だ。

 

こっちは尾瀬方面の眺めで、1番左の独立峰は燧ヶ岳。その右側の真っ白なピークは至仏山。

至仏山は去年の夏に念願叶って初めて登れたけど、これでもかってぐらい固有種の花が咲いててめちゃくちゃ楽しめた。最初はゴールデンウイークの残雪期に登ろうかとも思ったけど、初夏の花のシーズンにして大正解だったな。超お薦めの山。

対して燧ヶ岳は高層湿原を是非楽しんでもらいたいからクラシックルートの御池登山口からのルートがお薦め。どうしても尾瀬ヶ原から登ろうとすると見晴新道や長英新道から登りがちだけど、それだとちょっと勿体無い。

 

これが泳がずにはいられるかー!

こないだ元競泳女子日本代表の寺川綾と同じ飛行機に乗ったもんねー!しかも寺川綾と何度も目が合ったし!(気がしたし!)

もしかしてだけど〜もしかしてだけど〜♫寺川綾は俺に気があるんじゃないのぉ〜♫

はいはい。

オリンピックやるんかいな。。

 

目を凝らせば、谷川岳の横から遠くに浅間山見っけ。

 

で、こちらは左奥に日光白根山。手前の右に見える山は登ってる途中から谷川岳と共に景色を楽しませてくれた上州武尊山。

考えてみれば上州武尊山は冬に川場スキー場からしか登ったことがなくて、なんともつまらない登山しか経験してないなと我ながら思っちゃいるんだよね。

初夏か秋、無雪期にヤマトタケルの像を経由するルートで歩いてみたい。

 

撮影に夢中になってると、さっきのテント泊装備の2人が笠ヶ岳に向けて移動している。

近くに小屋があるなら雪山テントもいいんだけどなーと思う半人前の自分とは違って、きっと彼らは何もない不便を楽しみたいんだろうな…。

 

なんちゅうダイナミックな構図。

さーて、時間かけて楽しんだからそろそろ下山を始めるとするかね。下山したら夕方になっちゃう時間だ。

しかし下山ではワカンからアイゼンにスイッチすべきだったんだけど、めんどくさかったからこのままワカンで下山することにしたのが大失敗だった。。

後々、大後悔することになるのよ。

 

ゲッザーン、そして体力の限界っ!

下山だって谷川岳東壁に向かって進むというスーパー日常離れした景色。

へなちょこだけど雪山に登って良かったと感動せずにはいられない。

 

毎回下山してて思うのが「よくもまあ、こんなに登ってきたものだよ」だ。

標高1,700mちょっとの山でもこれだけのスケールにはほんと驚かされる。

ちなみに九州本土の最高峰は九重の1,791mで決して高くはないけど、登ってみればスケールの大きさは標高だけではないということを感じられるはず。それはこの白毛門と共通する感覚。

かく言う自分も1,700mクラスの山と聞くと、真っ先に奥多摩の山々を想像しちゃうから、あんなもんかーって思ってしまう一人なんだけどね。

 

アイゼンだったら簡単にざくざく爪が刺さって下山は超楽だったはず。

ところがワカンで急斜面を下るのは一歩一歩踏ん張る必要があって、半分ぐらいまで下りてきた時点で既に筋力は瀕死寸前。

 

うああーー!!!腿がァー!!

腿がつったー!!

 

途中から予想できてはいたが、もはやこの老人の体は限界を迎え、如何なる姿勢をとろうが太モモがつるというイッツ・ア・スモール地獄ショータイムに突入。

姿勢を立て直しても太モモがつってしまうという地獄を5分ほど楽しんだ末、

「あっ!アミノバイタルがあったんだった!」

と、ここまでただの重りにしていた500mlのアミノバイタルを、この下山が半分ほど終わったタイミングで思い出す。

底なしのアホだ。

しかしここで思い出せたのは幸運だった。半分ほど飲んで、筋肉の痙攣がおさまるのを待つこと数秒・・。

「うおー!アミノバイタル凄ぇ!」

とわずか1分たらずで効果を実感し、涙目で立ち上がることができたのだった。

 

しかし再び歩き始めることができたものの、そんな右足を必死にかばってきた左足に負荷がかかり、この直後、逆の太モモが猛烈に悲鳴を上げた。

 

うおおおおお!!今度は左ぃ!左太モモぉぉ!!

アイゼンに付け替えることをサボった事による、祟りのダブルヘッダー。

「うぅ、助けてください。これからはちゃんとアイゼンを着けますから…」と声にならない声で神様ならぬアミノバイタル様に助けを求めると、飲んで1分後には復活。

「やっぱアミノバイタル凄ぇや」

「こいつマジ最強」

と自分の知りうる語彙で誉めちぎり、懲りずに再びワカンのまま歩きだすのだった

もはや救いようが無い、森喜朗氏を上回る老害だ。

 

なんとかかんとか、満身創痍になりながら下山できた。

明日は確実に筋肉痛だな。。

明日もそこそこ天気良いみたいだからどこか軽く歩きたかったけど・・こりゃ無理だ…。そんなことを考えながらゲロ疲れた体を引きずるように登山口へ。

 

スタートが遅かったからもう日差しが谷川岳に隠れようとしてる。時刻はもう16時。

休憩時間も入れればほぼコースタイム通り。この時期にしては少しペースは早かったのかもしれない。太モモが悲鳴を上げた理由はそれもあったのかもしれない。

 

そして帰りに一本橋を恐る恐る渡っていたおじさんが、あちきの目の前でアイゼンを厳冬期の川に落とすというハプニングが勃発。

うああ~、これはやっちまったな、と他人事には思えない出来事にもらい泣き。

可愛そうだけど、この真冬の川に膝まで川に浸かって取りに行くしかない。アイゼンもったいないもんね。

 

振り返って

久しぶりの雪山登山は体力的にかなり辛かったわ…。

美味しいものばっか食って、ランニングはサボりまくって、体が少し大きくなったってのもその一因ではあるのよねん。

しかし、これに懲りて明日からランニング頑張るぞという気持ちにはなれないのよ、なんせ花粉の季節到来だもの。これまで以上に外には出なくなりそうな勢いでありんす。

 

それにしても迫りくる谷川岳東壁が絶景だったぁ〜(余韻)。

西黒尾根に誰か登ってないかと目力アップさせてみると数人の登山者が見えたし(視力1.5)、この日の群馬県水上町は大いに賑わってた。

素手でワッフルが食べられるぐらい良い天気に恵まれ、厳冬期の雪山とは思えない一日になったお陰で、また食べ過ぎた。。

 

このブログを書いてる間にも各社、コロナに翻弄された2020年度の第3四半期の決算発表が始まった。

自分が勤める会社の業界の行方なんぞにはまったく興味無し!急激に縮小が進むカメラ市場、この業界の行く末ばかり気になってニュース見てた。

リコーがペンタックスを買収し、オリンパスはカメラ事業を売却するなど衝撃が走ったばかりだからね。

キヤノンはコロナでテレワークが増えたことによりプリンターが好調。富士フイルムは医療機器やゼロックス複合機が好調、ソニーはプレステ5が馬鹿売れして絶好調。やはり各社カメラ以外の事業で業績を上げている。

そんな中でカメラ需要の低迷をもろに受けて赤字なのがNikon。もう何年か前から言われてるけど、事業転換ができなかったNikonはいよいよやばい。

 

日本の光学技術は海外からはよだれものの技術らしいから、なんとかNikonには踏ん張って技術の流出を防ぎ、お家芸を守ってもらいたい!

頑張れNikon。カメラ市場はNikonが支えてきた市場と言っても過言ではない(と思う)。それが今、沈没しそうになっているのを見るのはなんとも寂しい。

自分の勤める会社の業界なんぞ後回しだ!Nikon、英語で「ナイカーン」は違和感あるけど、自分は富士ユーザーだけど、応援だけは続けたい。

ではでは

 


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